○富田
委員 今私、東亜日報の記事を訳していただいたのを読んだのですけれ
ども、パズル式暗号技術を採用したプラスチック
カードを開発したというふうに出ているんですよ。プラスチック
カードでも、今局長が言われた
ICチップの乗っかった
ICカードと同じことができるというふうに既に韓国の方で言われているんです。こういう背景があったから、何も八千文字も入るような
ICチップの
ICカード化は要らないんだというのが韓国の
人たちの判断だったと思うんですよ。
これがなければ、今言われたように、紙製の
住民登録票を韓国の皆さんはみんな持っています。兵役を書いたものとか、指紋も押されて、写真を貼付されて、私も見させていただきましたけれ
ども、これを持っていないとすぐに検問に遭って大変になるみたいで、皆さんちゃんと携帯しているんですよね。ただ、北の方からいろいろ入ってきて偽造されたりする心配があるので、紙というのはやはりだめだというところから
ICカード化の話が出てきたんですけれ
ども、そこまでいかなくてもプラスチック
カードで十分だというふうになった背景があるんですよね。
それだけ大変な中で、ある
意味でいつ戦争が起きるかわからないような状況下にいた韓国の
人たちでさえ、
ICカードまでいきなりいくのは反対だ、プラスチック
カードで十分暗号的に組み込めて、だれかに暗号を解読されることはないんだというふうに判断されているという状況を考えますと、今の局長の答弁で、
ICカードの方がいいんだと幾ら言われても、それはちょっと違うんじゃないのというふうに言いたくなるんですよね。ここはやってもまた同じあれになるでしょうから、またそこをきちんとしたいと思います。
先ほど
松崎委員も
質問されていましたけれ
ども、数字にしたら八千文字も入る
ICチップがなぜ必要なのか。
韓国の場合は、四
情報だけじゃなくて、電算化されている
情報を
かなりほかも入れるわけですよね。韓国の方では、姓名、
住民登録番号、写真、
住民異動内容、戸主、本籍、兵役など、現行の
住民登録証に記載されている事項に加え、新たに医療保険事項、運転免許事項、印鑑登録の三種類の事項も追加される。
カードの記憶空間に八千字を収録できるように設計される計画であるが、すべて事項を収録したとしても五千字程度の
容量にすぎない。では、残りは何にするんだということで、将来的には銀行
カードへの
利用など、他の
分野への機能追加も
検討している。
これは果川市で、現場で実際にモデル事業をやられた担当者に聞きましたら、クレジット
カード会社と連携して、クレジット
カードとして
利用できないかというような実験もされたそうです。それは
住民にはすごく便利なんですけれ
ども、そこからまたいろいろな
情報が漏れてしまうんじゃないかということで、逆に、そういうことをやったのでまた
住民の方からの反発も起きてきたんだというふうに言われておりました。
そういうことを考えると、許
容量が残っているというのは、
国民の目から見ますと、そこに一体何が入っちゃうんだという非常に不安感が出てくるんですね。これまでもいろいろな
委員の先生が話していましたが、やはりそこを払拭しないと、なかなかこの
ICカード化は私は厳しいんじゃないかなというふうに思っています。
韓国の自治部の
住民課の課長さんに、せっかくずっと
ICカード化のモデル事業までやって、もう一歩というところまできて、それを議会に廃止されてしまったということで、その間の経過とか、どういう
個人情報保護システムを考えていたのかとか、いろいろお聞きしたんですけれ
ども、九一年に電算化を法定して、このときは反対がなかったそうなんです、
システムをつくったときは。電算化
システムの作成については韓国内で反対が全然なかったそうです。
それがなぜ今回
ICカード化するのに反対が出てきちゃったんだろうと、大分その
住民課長さんも悩んでいらっしゃいましたけれ
ども、九一年のときには、電算化されるということを
国民がよくわかっていなかった。今回は公聴会とか、いろいろなマスコミも報道したので、自分
たちの
情報がほかに漏れてしまうんじゃないか、本当にそういう危機感を韓国の
国民の皆さんが持った。そういう背景で出てきたので、今回は
ICカード化の見送りはしようがないというふうにこの
住民課長さんは言われていました。
ただ、感心したのは、
自治省の皆さんも多分同じような思いだと思うんですが、必ずこういうものは必要なんだというふうにこの課長さんは言われていました。また、
事務次官の方も、絶対これは必要だ、いずれ必要な
時代が来ると。今回プラスチック
カードにするわけですけれ
ども、プラスチック
カードは十年もたてば更新が必要になる、十年前の写真だと
本人確認ができなくなりますからね。そのときこそチャンスだというふうに
事務次官も
住民課長も言われていました。
本当に自分
たちの築き上げていこうとしていた
システムに対する自信もあるし、絶対必要なんだという官僚の皆さんの思いというのも、そういう話まで聞かせていただいたので、よくわかるんですね。ただ、今やはり
国民の
理解は得られなかった。まだ、
ICチップにそれだけの許
容量が入っちゃうということについてやはり
国民は不安に思っているんだというのが、
事務次官も
住民課長さんも結論でした。
日本の場合どうなのかなと考えますと、先ほど
松崎委員の方から、この件がどれだけ
国民に知れ渡っているんだというような御
質問がありましたけれ
ども、
委員会審議が始まりましたので、いろいろ取り上げていただいて、どんどん
国民の方に
情報が伝わって、この
システム、
システムがまず必要なのか、また
ICカードが本当に必要なのかというところが
議論の対象になっていくと思いますので、この
委員会で熱心に
議論していこうと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
ちょっと韓国の方から離れまして、この
住民基本台帳ネットワークシステムを考えるときに、プライバシーの権利というのをどういうふうに考えるのか。
国民は、自分
たちの
情報が外に出てしまうんじゃないかという不安が当然出てくると思いますので、
ネットワークシステムとプライバシーの権利とのかかわりをどういうふうにとらえるのかという
基本的な視点がないと、幾ら
個人情報保護の、いろいろな
システムを用意しましたと局長ずっと説明されていましたけれ
ども、プライバシーの権利を
自治省、
政府としてどういうふうに考えているのか、そこからがこの
法案の
審議のスタートになると思いますので、その点はどのように
理解されているんでしょうか。