○古賀(一)
委員 このコンピュータライゼーションということについて、私は、かつてこの
委員会でも
質問しまして、やはり
地方行政の中でいろいろな地域医療とか、そういう分野でもっと
自治省は検討したらいいのではないか、こういう
質問をいたしました。
住基法の方も、もちろんコンピュータライゼーションにかかわるのですが、これは国民の
情報を今度いわば管理しようという、その分野でのあれなものですから、私は、むしろコンピュータライゼーション全体というのは、経済活性化、社会活性化、あるいは次の日本社会がバージョンアップしていく、そのステップとして非常に重要だと思いますけれども、住基法そのものが、そういう国民
情報を国が統一的に管理するということで、私は慎重な
審議が必要だと思います。
それで、これは長くは
質問をしません。これをやるとそれだけで何十時間かかるかわかりませんので、
質問しませんが、私自身の
考えを申し上げたいと思います。
まず、この
法案については、
基本論点をカテゴリーにしっかり分けて、あれもこれも飛び飛びに
各党がやるというよりも、重要な論点についてはやはり集中的にきちんきちんと
審議をしていく。これが余りにも技術的に過ぎてわからないということであれば、参考人を呼ぶ、あるいは資料の提出をいただくというようなことで、
一つ一つの論点をはっきりと
確認して、これなら安全だ、これは不十分だ、そういう
審議をしなければならない性格の
法律だと私は思っています。
それで、
基本論点のカテゴリーというのが幾つあるかといいますと、たくさんあるのですが、私は、まず、きょうがその日かもしれませんが、総合的に、この
制度の
システムを鳥瞰図的にやはりしっかり把握するという作業が
一つ必要だろうと思う。
二番目に、財政問題、とりわけ費用対効果の問題、いわゆるコストベネフィット論でございます。
これも詳しくは申し上げませんけれども、初期費用に四百億、年間経費が二百億、そして便益が二百数十億というような、いわゆる
自治省データがひとり歩きしておりますけれども、これの背後にある、では、中央センターは地震対策のためにもう
一つつくるのかつくらないのか、あるいはICカードは大体このコストに入っているのか、それは単価は幾らなのかというような話もやはり細かく精査をしていくべきだと私は思います。つまり、財政問題あるいは費用対効果の問題が、二番目の問題としてあるだろうと思う。
三番目に、きょう大分話題になりました、いわゆるこの
システムが今後どういうふうに拡大
利用されていくかという論点でございまして、納税者番号、あるいは、きょうは
社会保険庁の方もお見えで御
意見がございました。後ほど申し上げますが、
死亡通知のときには
住民基本台帳システムも使いたいというような感じもございましたし、いわゆる、これが今後ほかの
行政に広がっていくということは、きょうの
質疑のやりとりではっきりしたと私は思うのですね。それならば、それを前提として、この
制度をどう組み立てるべきかという
議論が三番目にあるだろうと思うのですね。
それから、問題のその次が、コンピューター
システムの信頼性であります。あるいは
ネットワーク化される問題点であります。
とりわけ、中央センターを設けるということになっておりまして、一億二千五百万人の四
情報プラス番号データがこの中央センターに全部入るということになります。
市町村がばらばらであればハッカー問題というのは軽いわけでありますけれども、中央センターで全部これを吸い上げるということになると、
ネットワーク化の問題点及び
システムの信頼性というのが問題になるだろう。これもしっかりと、技術者の
意見、専門家の
意見を聞いて検証しなければならぬと思います。
次が、これが大きい問題でございますが、ICカードの可能性とその問題点でございます。
先ほど、これをもっとふやせ、もっと用途を広げろという
議論が自民党から出たわけでありますけれども、このICカードは幾らかかるのか。これが広がっていったときに、
法律の
建前とは別に、ほとんどの便利なデータをどんどん入れさせられて、国民が全部、実質上はカードを持たざるを得ないのではないか。
きょう、
政府委員の方はみんな、
国会議員以外は全部、名札を今月からぶら下げることになったそうでありますけれども、あれに八千字のICメモリーが入っておると思うとちょっと私もぞっとするんですよね。そういうふうに見えるんですけれども、それは入っていないんでしょう。でも、何でも、外に出るときはああいうカードを持って、あそこにその人の個人
情報が全部入っているというふうにも見えるものですから、そういうICカードの問題提起については、これはしっかりと検証しなきゃならぬと思います。
それから、それに関連しまして、個人のプライバシーの保護と
情報公開の問題でありまして、
法律ではこう書いてある、罰則がありますといったって、実は名寄せ屋さんというのがおるんですね、それから名簿屋さんというのがおるんですね。いわゆる
実態上は
法律の
建前とは別に、こういう経済の世界、コンピューターの世界というのはどんどん動いていくわけです。実はそういう問題もしっかり
議論しなきゃならぬ。あと、行革と
地方分権の関連があります。
八番目に、きょうは韓国の例が出ましたけれども、スウェーデンあるいはアメリカ、そういった先進国に、あるいは先行国に学ぶということで、やはりこれは
一つの重要なカテゴリーとしてやるべきだと私は思います。
ことごとくそういうふうに、この問題は幅が広いということで、参考人の招致とともに、
地方公聴会、あるいは、ことしは
地方行政委員会は三年に一回の外国調査の年でもございますし、私は、ぜひこれはこの
地方行政委員会のメンバーで衆議院の正規の調査団として行くことを真剣に
考えなきゃならぬと思います。予算を追加してで
もと言われるが、予算はもうついておりますので、そういうことも含めて、今後、この
審議を慎重にかつ深みある、今深みあるという
お話がございましたけれども、しなきゃならぬと思っております。これは私の
考えとして、ぜひこの
委員会の正式の場で申し上げて、この
質問を終わります。
二番目でございます。時間がございませんので急ぎますが、
局長に御
質問を申し上げます。
この
制度に対する論議が両論に分かれておるわけであります。マスコミもそうであろうし、国民もそうであります、我が党内にもいろいろな
意見がまだございます。これはやはり、いろいろな思惑が背後にあるだろうという思いが
一つあるんですね。当面は
住民票の交付が便利になる、こういう論理だけれども、こんな便利な
システムを将来ほっておくはずがないという、とりわけ、納税者番号という論議があるわけでありまして、これは正直に国民にあるいは
国会に、こういう
議論の
経緯の中で、これは将来やりますとはっきり言った上で、私は出すなら出した方がいいんじゃないかと思うんですね。
それで、これまでの
関係機関の検討
経緯がいろいろございます。私はここできょうはもう詳しくは聞きませんが、検討
経緯と目的というものの概要を、簡単でもいいですから、教えていただきたい。
これについては、
地方自治
情報センター、これが検討してきた
経緯がありますし、AID付番・
登録方法検討会というのがあって、メモリーをつけたときにどういう
情報を何番目につけるかというような検討をしているんですね、
政府部内で。医療
関係はここにしよう、じゃ個人
情報はこうしよう、学歴
関係は何番にと、それは統一しておかないと共通化になりませんから。そういうふうに、AID付番・
登録方法検討会というのも
政府部内で開かれた
経緯がある。
それから、通産省系で、ニューメディア開発協会というものが、いわゆるカード産業を発展させるというような思いもあるのかもしれませんが、
関係省庁とともにやってきた
経緯がある。
それから、税務等
行政分野における共通番号
制度に関する
関係省庁連絡検討
会議というのもやられた
経緯がある。いわゆる
行政分野による共通番号
制度、つまり、納番であるとか、電子投票かもしれませんし、あと、いろいろな
行政を一本の番号でやろうという検討が内閣内政
審議室を中心にやられた
経緯がある。
それから、これは表に出ておりますけれども、
自治省の
住民記録システムの
ネットワーク構築に関する研究会、
平成八年三月に最終報告されました、これもある。それから、
住民基本台帳ネットワークシステム懇談会も
自治省で行われた、これも知っております。
こういった一連の背後にある検討
経緯というものを、きょうはイントロでありますから簡単で結構でございますけれども、今後、
政府がどういう検討をしてきたかをつぶさに我々は知る必要があると思いますので、それを申し上げたいと思います。概要はいかがでございますか。
〔
委員長退席、山本(公)
委員長代理着席〕