○古賀(一)
委員 シートベルト、
チャイルドシートの効果あるいは事故の推移、これはぜひ徹底してキャンペーンしてもらいたいのですが、もう
一つ、本当の交通安全というのは、警察のためじゃない、人のためでもない、やはり
自分たちの家族、そしてとりわけ
自分自身のためだ、あなたのためです交通安全といいますか、こういう自主自立の精神をやはりもっと強く訴えたキャンペーンというのが必要だろうと私は思うのです。私は、何か警察が警察のためにやっているような印象というのは極めてよろしくないし、そういうキャンペーンを張ってもらいたいなということが言いたかったわけであります。
実は、ちょうどこの
シートベルトが
義務化されたとき、私は静岡県警におりまして、この
シートベルトのキャンペーンをやったことがあるのですね。
シートベルトというのは他人に危害を加えるものでも何でもないのですよね。
シートベルトをしていなかったから相手を殺すわけでもないし、結局、
自分自身のために何で
点数つけるんだと。
私はあのときにいろいろ勉強させてもらいましたけれ
ども、
シートベルトを
義務化してきた国というのは全部福祉国家なんですよね。一番最初にやったのがオーストラリアのビクトリア州、一九七〇年、二番目がニュージーランド、一九七二年、フランスが一九七三年、そしてスウェーデンが一九七五年に
義務化をしておりまして、あの当時極めて話題になったポスターをスウェーデン政府はつくったのです。女性の裸が写っていまして、そこに
シートベルトのあざがばんとついているものをスウェーデン政府がつくった。それを
警察庁が実はまねしまして、かたせ梨乃ですか、何かあれも評判になりましたけれ
ども。
基本は、そういう福祉国家でこれが導入されてきたというのはある面ではおもしろい話でありまして、要するに、他人には危害を加えないけれ
ども、
自分自身が事故に遭って
シートベルトをしていないために半身不随になった、結局それは国家がいろいろな福祉政策で金を出してサポートする、だからこそやはり勝手に
自分自身を傷つけてはならないんだと、私はそこら辺に原点があるという話を当時聞いたことがありまして、今回の
チャイルドシートについても、私はそういう視点というものをぜひキャンペーンの一環に使ってもらいたいというふうに思います。これは私の所見ですので、もう一回精査していただいて、ひとつ参考にしていただければと思います。
二点目でありますけれ
ども、
チャイルドシートについて。これは、
シートベルトとかこれまでのいろいろな交通違反に対する
点数制度の
改正とはやはり全然違う二つの要素があると思うのですね。これはぜひ
警察庁には十分配意してもらいたいという二点を申し上げたいと思うのです。
一点は、違反現場に必ず
子供がいるのですね。そして運転しているのは、
自分が尊敬しているというか、お父さんでありお母さん。そこに警察官が検問なり何かをして、とまりなさい、
チャイルドシートしていないんじゃないですか、そういう現場になるのですね。私は、お父さんが
シートベルトをしていない、警察官から、おまえ何やっているんだと言われるさまは、
子供が見ていない場合は構わぬけれ
ども、
子供が必ずいる前で、その
保護者である者が汗かきながら切符を切られるとか、そういうことになるのです。
そうした場合に、警察官の現場での接遇というか、いわゆる現場での態度というものが教育上極めて、あんなに尊敬していたお父さんがあれだけあたふたとしていたということも見せることになるわけで、これは現場警察官としては非常に今までにはない配慮というか教養というか、やはりそういうものが絶対要る分野だと思うのですね。
したがいまして、私は、これまでの警察官に対する教養というか教育というか、取り締まり方針の伝達というかマニュアルというか、そういうものについてはこれまで以上に非常に配慮してもらわないと困ると思うのですね。この点、どういうふうに今まで以上に配慮しようとしているのか。そういう面が一問でございます。
もう
一つは、大体今まで
警察庁は、
運転者、ドライバー、そういうものを頭に置いてキャンペーンとか指導をかけておられたと思うのですけれ
ども、この問題は、今度はお父さん、お母さんはこの
法律改正によって
チャイルドシートを買いましょうと。そうしたら
子供が嫌がると思うのですよね。お父さんがつけてくれたけれ
ども、暑苦しいときにこんな機械というか道具に締めつけられたくないと、私は
子供がだだをこねると思うのですよね。そうした場合に一番の問題は、この
普及は、大人だけじゃなくて
子供にわかるような広報というかキャンペーンを警察がしなければならぬという、今までにはない
努力をしてもらわなければならぬと思うのです。
ここら辺について、私は、ぜひ留意してもらいたい、こう言うのですが、何かこれに対して、もう既にこういうことを配慮しています、あるいはこういう計画がありますというのがございましたら、ぜひお聞かせ願いたいし、私の視点をぜひ今後とも心にとめていただきたいと思います。