○鰐淵
委員 ただいまいろいろ
質疑がございまして、
地方行政委員会の主たる、
地方分権あるいはまた
地方財政、そしてまた
地方自治制度の
あり方、そんなようなことについて、非常に有意義な
質疑もあったわけであります。
実は、私は、最近のテレビを見ておりましてつくづく思うことがございます。それは、御案内のとおり、
日本の
経済がバブル崩壊後非常にデフレ
経済になりまして、大変未曾有の危機に陥っているということでございます。それだけに、政府は、昨年の第三次補正で二十三兆円、その大宗はやはり国債、それから新年度の予算八十一兆、その大宗はやはり税と三十兆を超える国債。まさに、国債の発行がなければもう予算を全然組むことができない、こういう
状況でございます。
その中にあって、
地方財政もまたそれと連動いたしまして、
地方の各都道府県あるいは
市町村においても、そういう
経済情勢の中ですから、
地方の税金はやはり減少ぎみ、いわゆる
地方税の増収は見込めない、こういう
状況でございます。しかし、その中で政府は、
経済の再生をするために、まずは公共事業の投資それから減税、こういった二面性から
経済の
活性化を図り再生をする、こういう、言ってみますともうがけっ縁に立った不退転の今回の予算である、このように私は
思います。
そういう中で、
自治省の方におかれましても、
地方財政が大変厳しいという中でそれらの対策をいろいろるる講じていただいたわけでありますが、これもやはり、税が伸びないということでございますから、勢い交付税特会は二十兆を超える負債といいますか借り入れをしている、こういう
状況ですし、これからそういった税金が伸びていくかどうかということについては、全国の財務
局長あるいは通産
局長あるいは日銀の支店長
会議、そういうようなところの情報を伺っても、一部公共事業は活発になされておる、あるいは一部の消費は伸びているというようなことを言われますが、まだまだ、
経済企画庁長官が言われた変化の胎動を感ずるというところまでどうも実感していないのではないか、こう
思います。
そうすることになりますと、ことしは何とか
地方財政対策ができましたけれども、万が一、
経済がいわゆるこの停滞のまま、あるいはまたなかなか再生でき得ないということになりますと、私はもう大変な
状況になる、このように心配をいたしているわけであります。したがって、早く本年度の予算が成立し、これが
国民に活用され、一刻も早く
経済が
活性化し、そして政府が考えておる〇・五%のGDP成長というものを達成しなければ、これはもう本当に大変なことになる、このように思っております。
今、
大臣もおられませんから、
大臣に対する
質問は後に回しまして、具体的な御
質問を申し上げたい、このように思っております。
私ども
自由党におきましては、住民基本台帳の問題におきまして、一年弱かけましていろいろ部会で検討をいたしました。
住民基本台帳というのは、これは
自治体における、言ってみれば最も基本的な住民の情報データでございます。したがいまして、このデータを活用していかに住民に平等に、公平に、公正にサービスを提供できるかということについては、この情報が最も大切なわけであります。しかしながら、どうもこの住民基本台帳の
法案の改正に向けましては、いまだにまだしっかりとした
審議もなされておらない、こういうことでございまして、この点について、
自治省の考え方を若干お聞きしたいと思っております。
私は、経験からいたしまして、住民基本台帳は、とりわけ、お聞きしますと、氏名、それから性別、住所、それから生年月日、こういったことによっていろいろな住民のサービスを提供するわけでありますが、今は昔と違いまして、住民の側にも非常に大切な情報であるにかかわらず、どうもこれらの点の義務というものについて余り義務感がない。
というのは、昔は米穀通帳というのがなければ米の配給を受けられませんでしたから、どうしても転入、転出、転居したって必ず届けるということがあったのですが、今は住民票を届けて何が一番必要かということになりますと、これは選挙権と運転免許証、あるいはまた
国民健康保険、年金の得喪に関する事務、こういうようなことがせいぜいでございまして、住民の捕捉は、そうすると、税は税でやり、選挙は選挙でやり、それぞれの部署でやっているわけであります。それだけに、どうも情報がふくそうしてシンプル化されておらない、それだけにむだな経費もかけておる、こういうことではないか、こう
思います。
したがって、今、私ども、住民基本台帳がネットワーク化されることによって期待されることは、まず住民の不現住処理。例えば私ども経験する中では、国勢調査がございます。国勢調査は悉皆調査ですから、一番確実な情報なんでございます。それと住民台帳とあわせますと、必ずそこに乖離があります。大変な乖離があります。私ども、十八、九万の都市も、大体一万前後の乖離がある。ということは、不現住の処理がなかなか難しいということをあらわしているのです。
あるA市からB市に行っても、いわゆる転出届を出さない、あるいは転入届も出さない。あるいは、うっかりすると、
自分の市内をめぐっていても転居の届けも出さない。ですから、いわゆる
自治体自体の住民の動きというものの捕捉率といいましょうか、これがやはりかなり不明確といいますか、そういうようなことが言われるわけであります。
したがって、私はそういう
意味で、この転入、転出、その
状況だけでも、例えばほとんど税金を納めないで、あるいは
国民健康保険も納めない、年金も納めないでA市から転出していってしまう、その方はどこかの市に行っているのですが、もともといた市では、そこの市のまだ市民になっておるわけです、転出届を出していませんから。しかし、実際はその市にいないのですね。ですから、
国民保険掛けても年金掛けても、これは未納になるわけであります。そういう
状況がたくさんあります。
たまたまそれを何かのあれで見つけることによって照会をして、私ども北海道ですと、東京まで税金の督促あるいは徴収に市の職員が、東京とか大阪とか札幌とか、割合と転出の多いところに行って税金を徴収に行く、こういうことがあるわけです。これは私どもの市だけでもありますから、これは全市大体あると思っていいと
思います。そういうことを考えましたときに、やはり住民の基本的なものがネットワーク化されておれば、そういうむだもかなり省けるのではないか、私はそのように考えます。
そういう
意味で、この住民基本台帳ネットワークシステムというものは
自治省でも積極的に進めたい、こう思っておられると思うのですが、これに対して、まだまだ、
国会の方も、あるいは住民の方もよく理解をされてない点が非常にあるのではないか。そういうことに対して、このシステムを
導入するメリットについて、一体住民に対してはどんなメリットがあるのか、あるいは行政側にとってどんなメリットがあるのか、こういった点についてお答えをいただきたい、このように思っております。