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宮澤国務大臣 先ほどから承っておりまして、もう二度と失敗は許されないというお
立場から、大変厳しい御批判がありました。過ぎ去った過去に関する限り、当事者
たちの意図あるいは熱意はともかくとして、明らかに御
指摘のような失敗があったわけでありますから、このことは私は否定するすべはないであろうと思います。
責任問題についてでありますが、
むつ小川原あるいは
苫東、何十年の間、
政府が全国総合開発
計画において追い求めてきた
プロジェクトであります。それはしかし、今日までのところ成功していない、実を結んでいないわけでありますから、たとえどのような事情があれ、そのことは第一義的にはやはり私は
政府の責任だと申し上げるべきものと思います。
そういう
政府の主導のもとに、地元に会社ができ、あるいは北海道開発公庫が融資をしてまいった、その中身につきましては、基本的には官民のもたれ合いといいますか、そこに何がしかの安易さがあったことも否定できないと思います。純粋民間であったら、こういうことは到底長年もっていけないわけでございますし、殊に、おっしゃいますように、バブルの崩壊後の最近の何年か、当事者方は一生懸命やられたのでありましょうけれ
ども、振り返ってみて、それは十分だとは言えないとおっしゃれば、私はそのとおりだと申し上げざるを得ないと思います。
したがいまして、ある
意味でこれは、そういう失敗を過去に背負って、もう一遍ここでスタートをし直したいと申し上げておるわけですから、過去についてそういう御
指摘があることは、私は虚心に承って、責任を感じなければならないという
立場であります。
しかし同時に、二度と失敗は許されないよ、そういう御忠言の
立場からいえば、これから先の見積もりのような、今お話しの二ページの紙でございますが、それについては、正直申して、こういうものでしたら、私企業は企業の
計画として到底認めるわけにはいかないだろう。やはり、これもある
意味で、幾らか官民合成型のいわば見取り図と申しますか、そういうものであって、
一つ一つ大丈夫かとおっしゃいますと、それは大丈夫だと十分にお答えできる根拠もないものであろうと思います。
ただ、閣議がそういう決定をいたしておりますから、私
どもも閣議として、何にもないものに対して今後存続をしていこうということを認めるわけにはいかない。やはり今できるだけのものを求めたいという気持ちなのですが、それはしかし、将来これを当てにして事業を
運営できるかといえば、実は到底そういうものではないだろう、この点も私はそう思います。
したがって、失敗は許されないよというお
立場からの御忠告は、こんなものではだめだ、もっときちんと
現実的なものを考えなければとおっしゃる、そういう
意味でのアドバイスと私は伺いまして、それもごもっともなことだというふうに今伺っております。
最後に、さて、このたびの新
銀行の発足につきましての
北東公庫の債務あるいは不良
債権等々の
処理でございますが、おっしゃいますように、きちっと
両方の問題を切り離して、はっきり切開手術をして、ここに
一般会計の金を投入するということは、極めて問題を明快に
国民の前にいわばエクスポーズするわけでございます。
私
どもは、国会の御審議にそれは解明をしていただいておるわけですから、決して隠そうとしておるわけではありませんが、そういうふうにきちっとやれば
国民にその問題の実態がわかる。これだけの失敗があったんだから、したがって今後よほど注意をしなければだめだぞという、国会の御
意思というものなんだろうと私は思うのですね。
それは間違いだと私はあえて申し上げません。申し上げませんが、私
どもの
立場から申しますと、幸いにして、
開発銀行に相当余裕のある
準備金がございますし、今ここで、こういう財政のときにあえて
一般会計を投入して
処理するということでなくとも、幸いにしてという状況を利用するがごとくでございますけれ
ども、
両方そういう
処理をさせていただければ財政上は大変に助かる。
また、便法とおっしゃればそうですが、新しく
一般会計からの投入をしないで済む、そういう
立場でお願いをしておるというふうに御理解いただきたいと思います。決して、おっしゃいますような
処理が間違いであるというふうに申し上げておるわけではございません。ただ、あえて
一般会計からここで
北東公庫に金を呼びませんでも、幸いにしてと申し上げるべきなのでしょうか、片っ方に大きな
準備金を持った同じく
政府機関がございますので、それによって
処理をさせていただきたい。超法規という
意味ではございません。
法律によってお願いをしたい、こういうのが私
どもの
立場でございます。