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濱本説明員 先ほど上田
先生から御
指摘がございました
北東公庫に関します
部分を伺いましたところでは、上田
先生のお手元の先ほどの総括ぶりとしまして、
北東公庫というのは追い貸しをしてきた、それからそれを担保にして
融資を続けてきたという御
指摘であったかと存じます。そこがまず核心の
部分であろうと思います。これにつきまして、多少御答弁申し上げたいと存じます。
ただいまのお尋ねには二つの
部分があろうと存じます。
一つは、
北東公庫は支払い利息というものに対して
融資することができたのか、いかなる根拠でそれをやったのかというのがその
一つだと思います。
これに関しましては、
北東公庫が法の第十九条の
規定に基づきまして
土地の造成
事業に必要な
長期の資金を貸し付けるに当たりまして、必要な
長期の資金の中身の解釈が問題になるわけでございます。これは、かつても
国会の大蔵
委員会で、参議院の大蔵
委員会だったかと存じますけれ
ども、こういった
論議がございまして、
土地の原価として未成不動産勘定に計上される諸費用、未成不動産勘定につきましては後ほど申し上げますが、未成不動産勘定に計上される諸費用が必要な
長期の資金の対象になるという
意味なんでございますけれ
ども、そういう諸費用であって、
企業会計原則上、用地の取得費とか造成費とか、そして支払い利息がこれに含まれる、これは当局からの答弁で明らかにされたところでございます。以後、こういった
考え方を踏襲しまして、支払い利息に対しましても
融資を続けてまいりました。
先生の御
指摘のもう
一つの重要な点は、そうした支払い利子というものを資産に加えてまいりまして
土地の価格に上乗せしてくるということをどう
考えるのかという点かと存じます。
この点でございますけれ
ども、
土地の造成、分譲
事業というものを
考えてみました場合に、これは、まず
土地を買いまして、それを造成して分譲するということのために、通常、非常に
長期にわたります多額の資金を必要とし、これを借り入れる例でございます。借入金に対しましては、当然それなりの利子がつくわけでございまして、これはコスト要因となります。
これをどう
処理するかということでございますけれ
ども、
企業会計原則に従いますと、原理的には、費用
収益対応の原則によりまして、一定の期間の
収益とそれに要した費用というものを対応させまして、対応しない費用の
部分につきましては、これを次期以降の費用として資産勘定に掲げまして繰り越すことができる、こういう
処理が一般になされております。
例えば電気
事業でございますとか鉄道
事業でございますとか、そういった
建設期間が非常に
長期にわたります
事業で多額の資金を要します
事業につきましては、こういった経理が一般に行われます。
苫東、
むつの場合も、これは株式
会社でございまして、この原則に従っておるわけでございます。借入
金利息を資産計上するということが合理的と判断しまして、これを棚卸資産の未成不動産勘定として計上してまいりました。
したがって、これを担保にするということをどう
考えるかということになりますけれ
ども、結局、
北東公庫が徴求いたします担保というのは、こういった
プロジェクトファイナンスのケースにおきましては、原則として
融資対象の資産そのものを担保にいただく、そういうやり方をとっております。これは、ほかの機関の場合にも、
プロジェクトファイナンスの場合にはしばしば行われる手法だと
考えますけれ
ども、
苫東、
むつ事業につきましても、販売用の不動産そのものが
融資対象の資産でございます。これがまさに担保の対象ということになるわけでございます。
民間金融機関も、
苫東、
むつにつきましては
北東公庫と協調
融資を組んでいるわけでございますけれ
ども、これらの機関におきましても、
苫東、
むつの
事業につきまして、販売用の不動産を同じような条件で担保として徴求しておるという事実がございます。
上田
先生の先ほどの支払い利息への追い貸しの話と、それから担保に関連いたしますお尋ねにつきましては、以上のように
考えております。
それで、加えて、
北東公庫の責任の自覚につきましてのお尋ねをいただきました。
北東公庫は、実は
地域のこういった三セク
事業につきましてはいささか経験を重ねてまいっております。もちろん、うまくいかなかった例もございます。失敗に泣いたこともございました。しかし、この失敗を
公庫として繰り返したくないということから、
公庫としてのいろいろなノウハウを修練してきたつもりでございます。
例えば、
地域で三セクをつくりまして新しい
事業を営まれようとする東北、
北海道の方々から御相談を受けましたときに、その
事業規模、
事業規模というのはしばしば甘い
規模になることがございます、これをかなり激しいやりとりで適正な
規模におさめてかかる、それでなければ
北東公庫としては参加できないというようなことを条件として提示させていただいたことも多々ございます。
それから、それに対しまして、三セクでございますから、公費と
民間のお金をどういう形で混入するかという問題も重要な問題でございまして、三セクとして自立的にやっていける採算点というものを追求したりいたしました。さらに、それを運営しますための三セクの仕組み、そういうものにつきましても、いろいろな経験からこういう方法がいいだろうということを提案したりいたしました。
そういう
意味におきまして、
公庫は、最近に至りまして、三セク
事業を営むについては、何を言うかとおっしゃるかと存じますけれ
ども、
一つの、自分たちでもやれるんではないかという自覚を持ちつつあるところであるというふうに私は思っております。
なのに、この
むつ、
苫東という非常に重要な三セク
事業において、肝心かなめのこの
事業においてその機能を果たし得なかったということは、これは
公庫の職員といたしましてもまことに言葉にあらわせない無念さを感じております。力及ばずしてこうなったこと、そのこと自体に対しまして、また御心配をおかけいたしておりますことに対しまして、私としましてまことに残念に存じ、遺憾に思っております。
ただ、それでは何をおまえはその立場で償おうとするのかということになろうかと思います。これは、先ほど
江渡先生に私からお答え申し上げましたことと重なってしまいまして、上田
先生が先ほどわざわざ御
指摘をいただきましたことにお言葉を返すような形になって申しわけないとは存じますけれ
ども、とにかく、事ここに至りました以上、この
事案をどのようにおさめるのが今の
状況において一番妥当であるかということを、先ほど来の
協議の中で私
どもとしましても力を尽くして主張してみたいというのが
一つございます。
それと、先ほど来長々申し上げて聞いていただきましたこの三セク
事業をめぐります我々のかつての体験、そしてこの
むつ、
苫東の体験というものが何とかしてこれから生きますように努力してみたい、かように
考えております。