○五味
政府委員 お答え申し上げます。
日債銀に対する
平成九年四月を基準日とする
大蔵省検査、この
検査の報告書におきまして三分類額は一兆一千二百十二億円、このように記載をしておりまして、その内訳に貸出金というのがあるわけでございますが、この貸出金の内数としまして、「当行が」、当行というのは
日債銀でございますが、「当行が今後とも支援を続ける方針を有しており、当行の意思に反して倒産することは無い。」このように注書きがついておるんですが、このように考えられる
日債銀の子会社グループに係る債権額、これが四千三百八十億円ある、貸出金の中に。したがって、この子会社に係る
日債銀の主張の四千三百八十億円を控除しますと六千三百九億円となる。この六千三百九億円といいますのが、一兆一千二百十二億円の内訳としての貸出金のさらに内数として括弧で記載をしてある、これが記載の実態でございます。
ところで、この
意味するところをちょっと御
説明した方がよろしいと思いますが、
検査をいたします過程で、
日債銀は、今申しましたような支援方針を有している子会社グループ、このような債権は二分類債権であるというふうに強く主張しておられました。実際
検査をいたしました
検査官の方は、こういった会社の財務
内容、これを見たところ、これは第三分類債権であるというように
査定をいたしました。こうした経緯がございまして、第三分類債権としては総額で一兆一千二百十二億、こうしたものがその中の貸出金の中に含まれているということになりますので、そこで、
検査報告書では、三分類の一兆一千二百十二億の中の貸出金の中にこのような債権が含まれているということを明らかにするためにこうした記載をした。
検査報告書と申しますのは、示達書とともにその
検査報告書の写しが先方の
銀行に交付されるというのがこの示達という形式をとっておりました時代のやり方でございまして、この
検査報告書の性格は、
検査を行いました
検査官並びにこれを
審査いたしましたバックオフィスが
検査部長、すなわちその部局の
責任者でございます
検査部長に
検査結果を最終的に報告をする、こういう性格のものでございますので、
検査部長に対しましてはこうしたものが含まれていますということがわかるようにこれを記載した。そして、そのコピーが示達書とともに
日債銀に渡っている。
示達書そのものにつきましては、これはどこでも一緒でございますけれ
ども、
検査対象になりました
金融機関が、
検査で問題というふうに私
どもから指摘をすべき点あるいはそういった点についての改善を求める事項、こういうものを記載をして、これは示達書本体が先方に渡る。これに附属をして、
検査部長に対する報告という形で出ました
検査結果報告書、これの写しがあわせて交付される。
なぜ写しを交付するかと申しますと、今申しましたように、示達書には、
検査における問題点の指摘ですとかあるいは改善点ということは記載してございますが、具体的ななぜそういう指摘になるのかという理屈づけでございますとか、あるいは具体的にどういう数字がどう動くのかというようなところまでは記載がございませんので、
金融機関にそこら辺をきちっと御理解いただく必要がありますので、内部
資料の写しではございますけれ
ども、
根拠なり数字なりというものをわかっていただくということでこれをお渡しする、こういうことでございます。
要しますると、お時間のないときに恐縮ですが、三分類債権は一兆一千二百十二億円ということで先方に示達をされた、ただし、上司に報告するという性格の
検査結果報告書の性格上、その中に一部
日債銀が異なる主張をしておられる金額があるということが数字でわかるように注記をされておる、こういうことでございます。