運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1999-08-03 第145回国会 衆議院 消費者問題等に関する特別委員会遺伝子組換え食品の表示問題等に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    小委員会平成十一年一月十九日(火曜日)委 員会において、設置することに決した。 一月十九日  本小委員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       栗原 裕康君    河野 太郎君       桜田 義孝君    鈴木 恒夫君       石毛えい子君    樽床 伸二君       青山 二三君    西田  猛君       藤田 スミ君    中川 智子君 一月十九日  栗原裕康君が委員長指名で、小委員長選任  された。 —————————————————————— 平成十一年八月三日(火曜日)     午前十時開議  出席小委員    小委員長 栗原 裕康君       河野 太郎君    桜田 義孝君       鈴木 恒夫君    石毛えい子君       樽床 伸二君    青山 二三君       武山百合子君    藤田 スミ君       中川 智子君  小委員外出席者         消費者問題等に         関する特別委員         長       河上 覃雄君         厚生省生活衛生         局食品保健課長 田中 慶司君         農林水産省食品         流通局品質課長 吉村  馨君         参  考  人         (生物系特定産         業技術研究推進         機構理事)         (食品表示問題         懇談会遺伝子組         換え食品部会に         おける技術的検         討のための小委         員会座長)   貝沼 圭二君         衆議院調査局第         二特別調査室長 牧之内隆久君     ————————————— 八月三日  小委員西田猛君同日委員辞任につき、その補欠  として武山百合子君が委員長指名で小委員に  選任された。 同日  小委員武山百合子君同日委員辞任につき、その  補欠として西田猛君が委員長指名で小委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  遺伝子組換え食品表示問題等に関する件      ————◇—————
  2. 栗原裕康

    栗原委員長 これより遺伝子組換え食品表示問題等に関する小委員会を開会いたします。  この際、一言あいさつを申し上げます。  先国会に引き続き、小委員長に就任いたしました栗原裕康でございます。  小委員各位の御指導と御協力をいただきまして、公正、円満な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  遺伝子組換え食品表示問題等に関する件について調査を進めます。  本日は、本件調査のため、参考人として生物系特定産業技術研究推進機構理事食品表示問題懇談会遺伝子組換え食品部会における技術的検討のための小委員会座長貝沼圭二君に御出席をいただいております。  この際、貝沼参考人一言あいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ本小委員会に御出席いただきましてありがとうございます。本件につきまして、忌憚のない御意見を述べていただきますように、心からお願いを申し上げます。  なお、議事の順序でございますが、まず貝沼参考人に御意見を述べていただいた後、農林水産省から説明聴取いたします。その後、小委員質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。  なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。  それでは、貝沼参考人お願いいたします。
  3. 貝沼圭二

    貝沼参考人 小委員長を務めました貝沼でございます。本日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。  この技術的検討のための小委員会、きょう、これからお話しさせていただきますのは、どのような経緯でこれが設立されたか、それから、何を行う委員会であったのか、そして、私どもはどのような結果を報告書の中に盛ったのかというような三点について御報告させていただきます。  遺伝子組み換え食品表示につきまして、平成九年の五月以降、食品表示問題懇談会遺伝子組換え食品部会におきまして検討を行ってまいりましたが、本年一月に開催されました懇談会におきまして、表示内容及び実施の方法検討については、表示信頼性実行可能性観点から、技術的な、あるいは科学的な問題から十分に検討することが必要であるというようなことが決まりまして、この懇談会もと技術的検討のための小委員会が設置され、八回にわたりまして、専門家を呼びながら詰めてまいりました。  この小委員会考え方でございますけれども遺伝子組み換えという技術は非常に先端分野技術でありまして、この成果を我々が食品の中で判定する場合には、先端科学に立脚した議論をし、その手法を選ぶことが必要であるというようなことに決めて、いろいろな討議をしてまいりました。  それで、現段階ですべての食品についての検証法を確立するということは、科学的にも、社会的な問題につきましても、かなり難しい問題をたくさん含んでおりますが、まずできるところからというように考えまして、社会的な検証というところでは、原料がどのように流れているのか、あるいはそれがどのように保証されているのかというような実態を調べました。  技術的な検証では、食品加工工程がかなり大きな問題になりますので、その加工工程の中で、導入されましたDNAあるいはたんぱく質加工中にどのような変化をしてしまって、原料でははかれたけれども加工食品でははかれなくなるということが非常にたくさんございますので、これを非常に科学的な点をベースにいたしまして、国内及び海外に向けても十分説得力のある検討をするというようなことで、かなりこの分野専門家の方にもその委員に入っていただいております。  それで、私どもは二百十七品の大豆トウモロコシジャガイモ等原料及び加工品について検討いたしましたが、ここで組み換え体を使ってやればいいわけですけれども、実際には、どれだけの量の組み換え体が入っているかということがわかりませんので、それぞれの植物が本来持っておりますDNA、それが加工中にどのように変化していくかというようなことを指標にして方法論を確立しました。これが一点でございます。  それからもう一つは、分子生物学的に、あるいはサイエンスの、非常に微量なところをやる学問としては可能だけれども食品分析に本当に向くのであろうかというような視点ももう一つ入れるという点を検討したわけでございます。  それで、きょうお手元に資料としまして、小委員会報告の少し厚いのがございますので、それを使いながらお話をさせていただきます。  それで、今お話しいたしましたような方法分析をいたしますと、二ページ目の上の方に書いてありますが、ほぼ確実にDNAが検出できるものということで、大豆以下ジャガイモまでのものが書いてございます。それから、加工工程原材料の比率によってDNAが、あるときはできるし、あるときはできないものというものもございます。それが納豆、みそに始まってコーンスターチ使用食品というようなグループになります。それから三番目が、ほぼ確実にDNAが検出できない品目というのがございまして、これは、食品加工中にかなりの熱がかかったり、あるいは微生物や酵素を使って反応している間にDNAたんぱく質も分解されているものというのがこのグループに入っておりまして、しょうゆ、それから精製が進んでいる大豆油とか、あるいは水あめ液糖というようなものがこのように入ってまいります。  それで、ここでは、一般的に使われておりますPCR法、私どもは、さらにそれを、もう少し感度を上げましたネステッドPCRというようなものを用いておりますが、さらに必要があればイオン交換カラムを使うとか、電気泳動を使うとか、DNA精製しながらやっていくというような方法で、それ以外でははかれなかったものも、そのようにすることによってはかることができるということがわかりました。  それからもう一つは、じゃ、実際に組み換えでできたたんぱく質を追いかけたらいいだろうというようなこともございますが、これは酵素抗体法エライザという方法がございますけれども、これにつきましては、抗体免疫反応をやりますので、非常に特異的に結合する抗体が必要になりまして、現在は、世界でこれは大豆についての一つだけが使われておりますが、日本ではまだ市販されておりません。これにつきましては、つくっておりますモンサント社の研究所の方の聴取をいたしまして、大体たんぱく質が八十—百度C以下であれば基本的にははかれるであろうというような聴取をしております。  三ページ目に、それに従いまして、これでたんぱく質がはかれるものというようなグループを一、二、三でまとめております。  ここまでのところ、私どもが得ました知見は、温度の高いところで処理したDNA及びたんぱく質はかなり変わっていて、PCRにかけるのが難しくなってくるというような問題、それから、発酵を行ったような食品の場合には、非常にこれは追いかけることが難しくなっているというようなことでございます。  それで、実際に組み換え大豆と普通の大豆をまぜたときに、それではどのぐらいのものがまじっていれば検出できるのかということでございますが、大体〇・一%でございますので、千粒の中に一粒の組み換え大豆が入っている場合には科学的に十分検証できるというようなことを知見として得ました。  このような結果をもとにしましてつくりましたのが、きょうの二枚の資料の方がございますが、小委員会報告、それの別紙一というテーブルがございますので、このテーブルが非常に見やすくまとめてございますので、これを使いながら御説明をさせていただきます。  それで、左側の方に「食品分類」という項がございまして、組成が同等でない食品ということで、これは油の中の脂肪酸の一種でありますオレイン酸を高くして、健康にいいというような目的でそのようにオレイン酸含量を高くしたものがございますが、そのようなものが組成が同じでないものとして一つございます。  それから、組成は同じであるけれども組み換えDNAやあるいはたんぱく質が存在している食品というグループがありまして、このようなものの中には、一般消費者の方の目の届くところに行くものと、それから加工食品原料に主に使われているものという二つグループがございまして、上につきましては、豆腐豆腐加工品、凍り豆腐その他、コーンスターチ使用食品コーンフラワー使用食品というものがございますが、このグループは、一般原材料分別をされていないもの、GMOと非GMOがまじっているもの、そういうような形で輸入されていることがヒアリングの中でわかりました。  それからもう一つ、その隣側に、大豆枝豆大豆もやしというのがございますが、これらの大豆は、主にGMOではない、IPと称する、分別流通をしているグループのものがこれらの原料になっているということもわかりまして、この二つ一般消費者向けですが、ちょっと右と左は性質が違うというものでございます。  それから、DNAたんぱく質は残っているけれども一般加工食品原材料になっているもの、大豆粉、植物たんぱく、コーングリッツ、コーンスターチ、こんなようなものがございます。  それからさらに、今度は一番下でございますが、組成は同じであるけれども組み換えDNAあるいは由来するたんぱく質が既に分解を受けていたり、あるいは精製段階で除かれていたりというものの中には、GMOと非GMOがまじっているグループでは、しょうゆ大豆油コーンフレーク水あめ液糖、デキストリンというようなグループのもの。それから、GMOではないグループのものには、マッシュポテト、ジャガイモでん粉ポテトフレーク、このようになりまして、ここでほぼ、日本の中で流通しております大豆ジャガイモトウモロコシのいろいろな加工食品及び原料につきまして、DNA観点からグループ分けをすることができたと思っております。  これが、今の最終的な私ども報告書の中の全体の要旨になります。  また厚い方の資料で申しわけございませんけれども、四ページの社会的検証では、それではどういうことを行ったのかということでございますが、今、大豆につきましては分別流通IPハンドリングと称されるものがございまして、それが先ほどの枝豆とか大豆もやしになっていたものでございますが、そういうようなものにつきましては、実際の流通過程で、どうしてもIPのものですと〇・五%ぐらいは混入してしまうものがあり得る、予期しない、あるいはその流通の中で。それから、GMOと非GMOをまぜているような場合ですと五%ぐらいのものがミックスしてしまうという可能性があるということが、実際の流通をやっている方々のお話の中から私どもは認識することができたわけでございます。  それで、先ほど科学的な検証の中で一番大事な問題としてございましたDNAの、どの温度まで、あるいはどの条件までというところは、これは今後表示をしていくときの基礎になりますので、一応私どもは、たんぱく質につきましては八十度から百度で二十分ぐらい過熱をされますと、ほぼたんぱく質は変性して今のエライザではかからなくなる、それから、DNAにつきましては百二十度が一つの限界ではないだろうかというふうに考えております。  このように、両方、科学それから社会的な検証の方から詰めてまいりまして、その二つ関係は一体どうなるんだろうかということがございますが、一つは、科学的な検証では、DNAでは〇・一%のオーダーでもって検出できますし、たんぱく質でも〇・三%ぐらい。それに対しまして、流通の方から考えてまいりますと、IPでも〇・五%と既に二倍以上の差が出ております。それから、一般バルクですと五%前後になる。  ですから、こういうものの検証というのは、二つの特徴を組み合わせながら、まず社会的な検証の中からオーケーであったものを科学的にあるかないかという検証をして、本当に必要な場合には、それで、あるとなればこの次には定量的なことをやってまいりますが、DNA定量はまだ余り一般的な方法でございませんので、どれだけ正確に出るかというところはまだ少し考えなきゃならないところがあるかと思いますが、しかし不可能な問題ではないというふうに考えております。  以上が、私どもがまとめました小委員会報告でございますけれども、この分野は日進月歩で進歩しております。組み換え体も新しいものが次々出ておりますし、それから分析法も毎日毎日進歩しております。現在の知識をもとに私どもはまとめましたが、これを固定的な考えとせずに、食品の取り扱いの状況であるとか新しい遺伝子組み換え農産物の出現とかあるいは分析法の進歩とか、そのようなものを考えながら、適宜見直す機会を持つことが必要ではないだろうか、そのように考えております。  以上でございます。
  4. 栗原裕康

    栗原委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。  次に、政府から説明聴取いたします。農林水産省食品流通局品質課長吉村馨君。
  5. 吉村肇

    吉村説明員 私の方からは、遺伝子組み換え食品表示についての検討状況について、全体的な状況を御説明させていただきます。  先ほど貝沼参考人から御説明がありました技術的検討のための小委員会報告でございますけれども、これは七月十三日に開催されました第十五回の食品表示問題懇談会遺伝子組換え食品部会報告されております。  そこで、その内容についての質疑意見交換等を経まして、懇談会におきましては、小委員会報告整理されました科学的な観点からの遺伝子組み換え食品分類、それから、事業者が行う表示の前提となる原材料確認方法、具体的に言えばIPハンドリングでございます。それからもう一点、表示のチェックのための、公的な機関が行う事後的な適正表示確認手法、これはIPハンドリング確認科学的手法を組み合わせるというものでございますが、こういった考え方、これをベースとして今後の表示のあり方の検討を進めることが適当であるということにつきまして、おおむね意見の一致を見たところでございます。  こういった御議論を踏まえまして、懇談会におきましては、この小委員会報告内容を活用した具体的な表示の原案を事務局であります農林水産省において作成して次回の懇談会に提出し、それについて懇談会としての議論をする、こういうまとめになったところでございます。  次回の懇談会は八月四日に予定されております。さらに、その次の懇談会につきましても、八月十日に予定させていただいておりまして、そこで懇談会議論の取りまとめをお願いしたいというふうに考えております。これを踏まえて、遺伝子組み換え食品表示ルールを確立し、適切に実施してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  6. 栗原裕康

    栗原委員長 これにて政府からの説明聴取は終わりました。     —————————————
  7. 栗原裕康

    栗原委員長 これより各小委員による自由質疑を行います。  この際、質疑方法等について御説明いたします。  本日の自由質疑は、一時間三十分程度とし、議事整理のため、質疑の際は、挙手の上、小委員長指名により発言されますようお願いいたします。また、一回の発言はおおむね三分以内とするようお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手お願いいたします。
  8. 河野太郎

    河野(太)小委員 自民党の河野太郎でございます。  三点質問させていただきたいと思います。  一つは、別紙一の分類整理のところでございますが、コーンスターチたんぱく質が残存している食品になっておりますが、大豆油その他油に関しては除去、分解等されている食品というふうになっております。伺いますと、コーンスターチというものには〇・三五%以下のたんぱく質といいますか、DNAというのでしょうか、これが精製過程で混在している、それが検出されるということなんだろうと思いますが、油について、そうしますと、DNAが混在して、これが検出されるということがあり得るのか。あるいは、将来的に検出の感度が上がっていきますと、同じように検出され、DNA等が残存している食品というふうに分類が変わっていく可能性一つはあるのかどうか。それから、例えば現状でその精製度合いが粗い油、要するにDNAが検出される可能性のある油というのが存在するのかどうかということが一点でございます。  それから、先ほど定量について御発言がありましたが、この報告のところで、四ページに、「極めて困難と思われる。」という一文があるのですが、どうも今の発言をお聞きしますと、極めて困難というよりは、定量分析が可能であるというふうに少し進んだ御発言になっていたと思いますが、そういう理解でいいのかどうかということ。  それから、五ページにつきまして、大豆について分別流通二つの道筋が考えられるということでございますが、IOM分別流通に関して、「コスト上昇は避けられないが、徐々に拡大する可能性は残されている。」という記述がございます。私がアメリカ流通過程を見ておりますと、IOMというのは搾油用が大半でございまして、一セントのコストを下げるのにどうするかという形でアメリカ農業は知恵を絞っている。それが遺伝子組み換えにつながってきたんだろうと思いますが、このIOM分別流通というのが本当に可能性があるのかどうか。私には、今までIPハンドリングをされていたものがふえるという可能性についてはうなずけるんですが、とにかくコスト削減といって突っ走ってきたIOM分別流通分別可能性について、これは個人的なお考えでも結構でございますので、少しお聞かせいただければと思います。  以上、三点でございます。
  9. 貝沼圭二

    貝沼参考人 今の三つの、最初コーンスターチの件でございますけれども、先生おっしゃっていますコーンスターチの何か〇・三%というたんぱくが、これはなかなか除けないたんぱくとして残っておりますが、私どもがはかりましたのは、たんぱくもはかりましたけれども、むしろDNAで、スターチのDNAが出てくるんですね、コーンスターチの場合には。これは、普通のPCRですと出たり出なかったりという結果がありますけれども、それをもうちょっと詰めてまいりまして、一度DNA電気泳動とかクロマトで分離して精製したものからもう一度やるというような、ちょっと手がかかるのですけれども、やっていきますと非常にはっきりしたバンドとして出てまいりますので、これは残っているだろう、はかる気ならというとおかしいのですが、非常に感度を上げていけばはかることが可能であるというふうに考えております。  それから、油の問題でございますが、おっしゃられたとおりに、粗い精製をした油、搾ったばかりの油、これはDNAは出てまいります。ところが、サラダオイルのようにずっと精製を重ねていって、プロセスからいうと最後のウインタリングという、低温でワックスを落とすところがあるのですが、そういう処理をした油に関しましては、私どもも普通のPCRネステッドPCR、それからゲルでDNAをとってもう一回やるようなことまでやりましたけれども、出てまいりません。ですから、このときにはDNAはもう完全になくなって、除かれているのではないかというふうに私は考えております。  それから、定量の方でございますが、この報告をつくります一番最初の会のときに、実際にこういう分析をしております宝酒造モンサント、それからアメリカジェネティックIDでしょうか、そこに来ていただいていろいろなお話を聞いたときがありました。そのときは、一つだけ可能性のある方法としてはタックマン法がございました。タックマンPCRというのがあるのですが、まずDNAが十分に長くなければいけない。生のDNAであればあるほどやりやすい。PCRは、一回温度を上げ下げするサイクルでDNAが二倍ずつふえていく方法です。もとの量を十万倍、百万倍増幅して測定する方法ですので、反復回数DNA増加量を正確に知るには非常に限定された条件が必要になります。それをやるのは非常に条件の限定が難しいというような聴取をしました。  それから、この委員会がずっとことしの六月まで続いておりまして、そのうちにロッシュの方の方法が出てまいりました。これを使うと、直線部分ではかるところが相当横に伸ばすことができる新しい手法ができまして、それを使うとどうもできるのではないだろうか。ただ、私どもは自分でやっておりませんのではっきり申し上げられませんが、今宝酒造定量をやろうとしているのは、多分そういう方法を使うのではないかというふうに考えております。  それから、IOMについては、むしろ吉村課長の方がいいでしょうかね。
  10. 吉村肇

    吉村説明員 この小委員会報告の中では、IOM大豆というのは、五ページにございますが、「食品用に適するといわれるインデアナ、オハイオ、ミシガン州産大豆の総称」ということで、いわゆる搾油用大豆と基本的には同じものでありますけれども、その中で食品加工に適したもの、こういったものが現実の商品として流通して豆腐等加工に用いられておりますので、それを対象に検討をしております。  それで、これは小委員会消費者の方から参考人として意見聴取し、また、もちろんこの小委員会にもそういった関係の方が入っていただいて御議論をいただいたわけですけれども、その結果として、いわゆるバルク輸送IPハンドリングを使ってIOM大豆分別して流通させるという方法も今後出てくる可能性がある、こういう整理をしたところでございます。
  11. 青山二三

    青山(二)小委員 公明党の青山二三でございます。  きょうは、懇談会の御努力に対しまして感謝申し上げますけれども表示以前の問題として最初にお伺いしておきたいことがございます。  これは、過日七月三十日の朝日新聞、それから三十一日の日本農業新聞などにも出ておりまして、大変私もショックを受けているわけですけれども、市民団体の皆さんが独自の調査によりまして、国内で流通しているコーンスナック菓子から厚生省が安全確認していない遺伝子組み換え品種が検出されたという新聞発表がございました。この事実関係についてお伺いしたいことと、こういう件について農水省の御見解はいかがなものかということでお伺いしたい。  それから、今後このような安全性の評価がされないGM食品流通された、また確認されたという場合の対応についてもお伺いしたいと思います。
  12. 田中慶司

    ○田中説明員 厚生省の食品保健課長でございます。  厚生省としましては、組み換えDNA技術は大変高度な先端技術でありますので、食品分野へ応用した経験が非常に少ないということから、いわゆる遺伝子組み換え食品の安全性の確保に一層の配慮が必要であるというふうに考えております。  今回の件につきましては、当該農作物の開発本社に対して相手国を通じて調査を行うなど、事実関係を十分調査の上、判断していくこととしたいというふうに考えているところでございます。仮に指針に基づく確認申請を行わず市場に流通したということが事実であるとすれば、極めて遺憾なことでありまして、政府としても厳正に対処していく所存でございます。  なお、我が国としましては、組み換え食品の安全性を確保するために安全性評価指針を作成して個々の組み換え食品等について指針への適合性を確認しているところでございまして、また、このような安全性評価の体制につきましては、輸出国、それから営業者等、相互理解のもとに行ってきたものでございまして、安全性評価の確認が行われずに輸入等がされることのないように、関係者に対しても安全性評価指針に基づく確認申請をするように強く求めてきたところでございます。  以上です。
  13. 吉村肇

    吉村説明員 私どもの直接の担当ではございませんけれども青山委員御指摘の点につきましては、市民団体の発表を踏まえて、農林水産省といたしまして、事実関係確認するために、当該市民団体に対して調査の詳細についての情報提供等協力をお願いしているところであります。  また、市民団体からは調査結果の概略についての資料をちょうだいいたしておりますけれども、まだ結論に至るデータ等の詳細な情報は得られておりません。したがって、調査結果に対するコメントは現段階ではできませんけれども、引き続き市民団体の協力を求めて、調査結果の検証など、事実関係の把握に努めていくこととしております。
  14. 青山二三

    青山(二)小委員 今回はたまたま市民団体がそのような調査をしてわかったわけですけれども、こういうことがあるということは、もうますます私たちは、表示がされたとしても疑問が残るということでございますので、やはりきちっと国で検査機構とか技術を整備する必要があるのではないかと思います。  この記事によりますと、市民団体の皆さんが検査をするということで、依頼するのに一品目二万円から四万円かかる。大変なお金もかかるので、一口千円のカンパを募ってやるということですけれども、本当にこれは当然国がやるべきことだと私は思っておりますので、今後ともこういうことがないようにしっかりと対応していただきたいと要望させていただきます。
  15. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 こういう問題が起こるということは、実は、ここの小委員会の中でも議論の中で出されてきました。結局、問題は、法的な規制のない行政指導による安全審査でありますから、こういうしり抜けになるのは当然の結果ではないかというふうに思うのです。  だから、私は、厚生省に求めたいわけですが、やはり食品衛生法を変えて、遺伝子組み換え食品の安全審査体制をきちっと確立し、食品衛生法による安全審査を受けなければ輸入を禁止するという体制にしていかなければ、本当に国民の信頼を得ることはできないのじゃないかというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。  それから、既に農林水産大臣にこの市民団体の方から緊急申し入れが出されていると思います。きょうは、この小委員会の場でございますので、どういう緊急申し入れが行われたかということを明らかにしてください。
  16. 田中慶司

    ○田中説明員 繰り返しになりますけれども遺伝子組み換え食品の安全性を確保するということのために、安全性評価指針を作成して、個々の組み換え食品について適合性を確認してきているというところでございまして、また、これを信頼関係に基づいてやっているわけでございますけれども、ぜひ輸入者等が、あるいは組み換え食品を開発した者が、これに適合しているかどうかすべての品目について確認申請をするように従来強く求めてきたところでございますけれども、今後ともそのようにやっていきたいというふうに考えているところでございます。
  17. 吉村肇

    吉村説明員 藤田委員御指摘の市民団体からの緊急申し入れでございますけれども、七月三十日付で農林水産大臣あての申し入れをちょうだいしております。  その内容としては、  一、本件について、米国政府に抗議すること、また表示による区分流通を要求すること。  二、未承認品種の原料流通禁止と回収措置を執ること。  三、未承認のものの流通をなくすため、現行のガイドライン運用から、未承認の流通禁止を定めた規制法へ改めること。  四、組み換え食品表示原料表示を原則とすること。  五、未承認品種が流通することのないよう、水際での監視体制を敷くこと。  六、製品原料の由来が把握できるトレーサビリティーの確立。 というものでございます。
  18. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 せっかくの厚生省の御答弁ですが、結局、これは行政指導なんですよね。法的な規制というものがないわけです。だから、今後審査を厳正に行うということについては、もちろんそれはやってもらわなければなりませんが、そこにさえ大きな限界があるということはお認めになりますか。
  19. 田中慶司

    ○田中説明員 まず、基本的に、組み換え食品というものがどういうもので、どの程度健康に影響を及ぼす可能性があるのかというところに関する認識の問題があると思います。  私どもは、平成三年ぐらいにこの制度ができましたけれども、それ以後、なるべく制度をよりよいものにするというようなことを通じまして、また、これを皆様方によく理解していただいて、開発者も、またそれにかかわる方々もこの制度を十分に尊重して運用していくというようなことに協力していただく、こういう中から今の安全性確認はある程度されてきているのではないかというふうに思っておるところでございます。
  20. 石毛えい子

    ○石毛小委員 引き続いて関連質問になりますけれども、先ほどいただきました「遺伝子組換え食品分類 別紙一」と突き合わせてでございますけれども消費者団体が独自に検証して、組み換えDNAが残存しているというその品目、全部で六種類のうち五種類に検出されたというような報道でございますけれども、その品目は、きょういただきましたこの別紙一に照らし合わせますと、要するに、DNAまたはたんぱく質が残存している食品、そして原材料一般的にGMOと非GMO分別、この突き合わせのところに記載されておりますコーンスナック菓子、コーンスターチ、ここに該当すると思います。  それで、表示がこれからどうなるかというのは、先ほどの吉村課長お話では、あしたの表示問題等に関する懇談会の方に担当省庁として報告されるのだと思いますけれども、新聞報道等によりますと、多分不分別という表示がなされるというように報道はされておりますけれども消費者団体の検証によりますと、明らかに原材料GMOであるということが確認されたということで、消費者団体の検証結果に照らせば、この書き方は左側の方に移行することになるんだというふうに理解しますけれども、ここで不分別ということになりますと、入っているか入っていないかわかりません、入っているかもしれません、そういう表示の意味になるんだと思います。  このように、ここで欄が左側の原材料GMOというふうにいかないで、真ん中の不分別というところに分類されるようになっているその理由は何なんでしょうか。例えば、科学検証の仕方の問題、あるいは社会的な検証の仕方の問題といいますか、そこのあたりとの説明でお伺いできればと思います。
  21. 貝沼圭二

    貝沼参考人 ただいまの御質問でございますけれども原材料GMOというときには、GMOだけのものをというふうな考え方になっています。それから、私どもGMOと非GMOが不分別といいますのは、例えば、アメリカの中西部の畑の中で、ある畑はGMOをつくり、ある畑は非GMOをつくり、そして、それが収穫されて流通するときに分別されないまま動いてきているというのが今の大部分の大豆とかトウモロコシなわけですけれども、そういうようなグループのもので、この間検出されたのは、今先生おっしゃられたコーンスナック菓子だと思いますけれども、これはGMOと非GMOがまじった原料から出てきているということで、一〇〇%GMOのものからだけつくったというふうに私ども考えておりません。
  22. 石毛えい子

    ○石毛小委員 そうしますと、先ほどの最大五%の混入ということともかかわるかとも思いますけれども、実際に表示を想定しますと、原材料一般的に非GMOというのは、これはIPハンドリングできちっと分別されて入ってくるものについてということになりますと、これも新聞報道等ですが、あるいは生産と輸入実績から見まして、大豆ですと非GMO大豆は七%ぐらいしかない。不分別表示というのは約一割で、圧倒的にGMO大豆ということになってくる。あるいはトウモロコシも不分別一割で、トウモロコシについては非GMOということはもうほとんど考えられない、非常に少ない。  そうしますと、実際に表示に向けての検証であったわけですけれども表示の仕方ということになってきますと、消費者がこれは組み換え食品であるのかどうかということを知りたいというそのことでいいますと、非GMOであるという、それで、それは任意表示になるわけです。  これは吉村課長にお伺いする話なんでしょうか、任意表示になるやに伝えられておりますけれども、そうしますと、そういうことを想定してみますと、実際に市場で消費者が消費行動をするときに、これは非GMOだと明確にわかるというのは非常に少ないということになってまいりますね。不分別もそれほど多くはない。それほど多くはないということになりますと、表示の目的からしますと果たして有効性があるのかどうかということでは、有効性のラインをどこに引いて判断するかという問題はあろうかと思いますけれども、きちっと検証をしてみれば科学的にはコーンスナックでも検証できるというその検証技術が既にありながら、これは組み換えであるという表示がされないということになってしまうわけですから、大変表示としてはあいまいになってくるんじゃないかというふうに思います。  これはどなたに御回答いただいたらよろしいのかちょっとわかりませんけれども、いかがでしょうか。
  23. 吉村肇

    吉村説明員 先ほど御説明いたしましたように、私ども事務局として、小委員会報告を受けて、現在その原案を作成する作業中でありますので、本日のところ、大変申しわけありませんけれども、具体的な表示内容についての御説明なりということはできない、まだ現段階としてはできかねますので、その点は御了承いただきたいと思います。
  24. 石毛えい子

    ○石毛小委員 もう一度確認のために質問をさせていただきたいのですが、原材料一般的にGMOと非GMO分別というこのラインは、最大五%程度の混入というラインは五%でございますか。
  25. 吉村肇

    吉村説明員 特にそこで数字的なラインをつくっているわけではありませんで、ただ、先ほど貝沼参考人からも御説明がありましたように、IPハンドリングをいたした場合でも、いわゆる厳密な袋詰めをするようなIPハンドリングをしても〇・五%程度の混入があり得る、また、バルク輸送IPハンドリングになりますと五%程度の混入の可能性が否定できない、こういうことは事実としてございますので、そういうものをIPハンドリングの制約なりということで整理をいたしたわけでございます。  ただ、原材料一般的にGMOと非GMO分別というのは、これは端的に言えば、そういうIPハンドリング、区分して管理し、流通するという取り組みをしていないということそのものでありまして、したがって、何%入っているかは何とも申し上げようがないわけですね。したがって、もちろんある特定の、特定のということもありませんけれども、ある圃場からのものがそのまま入ってくれば、たまたまそのロットは遺伝子組み換え農産物が一切入っていないかもしれないわけです。また、もちろん、たまたまあるロットは一〇〇%入っているものもあるかもしれない。そういう流通の実態でありまして、そういった流通の実態を踏まえた表示制度の検討が必要であろうというのが小委員会報告であったというふうに理解しております。
  26. 石毛えい子

    ○石毛小委員 そういたしますと、今、吉村課長の御答弁ですと、不分別について何%かのラインは別に考えているわけではないというような御趣旨だったかと思いますけれども、これから表示の際には、告示として新しい表示法に従って具体的に表示に関する指定品目を指示していかれるわけですね、例えばコーンスナックはどうなのかというような。それは、事後的であれ検証するということになるんだと思いますけれども、そのときに、例えば混入率何%というような、そうしたラインを決めていなくて指定品目を指示できるんでしょうか。あるいは、混入率を決めないで指定品目を指示していくというお考えなんでしょうか。そこらあたりをもう一回お聞かせください。
  27. 吉村肇

    吉村説明員 表示内容なり確認方法については、先ほども申しましたように、現在なお作業中でありますので本日は御説明しかねるわけでありますけれども、基本的に小委員会報告で示されていることは、繰り返しになりますけれどもIPハンドリングという区分流通のシステムをとって、いわば善良な管理のもとできちっと流通させたとしても、〇・五%ないし、バルク輸送の場合には五%といったような混入があり得る、こういうことが事実として明らかになったわけでありまして、そのことを踏まえて表示検討すると。表示制度というのはあくまでその流通なり社会実態をあらわすものでありますので、そういう観点で、そういう事実を踏まえて検討をしろというところまでが小委員会報告で示されたものだというふうに理解しております。
  28. 中川智子

    中川(智)小委員 中川です。  貝沼参考人に伺いたいのですが、今回、長い間この小委員会一生懸命やっていらしたわけですけれども、昨年でしたか、バブリックコメントが約一万ほどさまざまな消費者から寄せられました。いわゆるあのパブリックコメントの要請に対して、今回のある意味での一定の表示への結論づけというのがどのあたりまで消費者のニーズに対してこたえられたかというその印象と、やはり積み残した部分への今後の検討課題というのをお教えいただきたいのが座長に対する質問です。  それと、五%の混入があるやもしれずと言いながらも、やはり強く米国の方に分別輸出というのをしていかなければこれが前に進んでいかないという消費者の不安というのがすごくあるのですが、今のままの形態を維持していたらば、やはりいつまでたっても棚の上に乗るのは、不分別ですとか、全くこれは遺伝子組み換え食品ですよという表示がざあっと九九%並ぶような事態も想定されるという不安があると思うのですが、それに対する御意見を伺いたいと思います。  それと、農水省に伺いたいのですけれども、米国農務省のシディキ補佐官が今回の日本の一定の結論に対して、会談の中で、報道によりますと、横やりというか圧力、それで、これに農水省は腰砕けになるなということがございましたが、どのような意見が米国農務省の方から言われたのか、それに対してどのように対応したのか。そして、表示するということに対しては一切これは揺るがない姿勢を向こうに伝えているのかどうか。この二点を伺いたいと思います。
  29. 貝沼圭二

    貝沼参考人 大変難しいお話でございまして、すぐに一言で御返事できないところがあるのでございますけれども、このパブリックコメント、約一万通以上のいろいろな方から、賛成という言葉も反対という言葉も、こうしなさい、こういうふうにしなさい、いろいろなものがありました。  その中で、私どもの方は小委員会ですけれども、その親委員会に相当します懇談会の方で、やはりこういうことを受けて、今の科学できちんとどこまでできるのかということを調べる必要があるだろうということでこの小委員会は生まれた委員会なんでございますね。ですから、ここは私もいろいろな方からヒアリングさせていただいて、それから実験もしたんですけれども、その中で、考え方というよりは、現在、現実は何であるのかということを明らかにしなきゃいけないというのがどちらかというと私どものタスクフォースだったと思うんですね。  ですから、きょうお話ししましたように、どういうふうな形であれば科学的な検証ができるか、それから、社会的には実際に流通はどう流れているのかというところまでで、それは、私どもが親の方の委員会報告したきょうの報告書でございますけれども、それをもとにして、親委員会はまたあしたもありますし、前回報告したときもいろいろ御意見いただきましたけれども、そういうところで、私どもとしては、これを今後表示するときの基本的な考え方ベースにしてほしいということは強く思っております。  以上でございます。
  30. 栗原裕康

    栗原委員長 IPハンドリングの厳密性についてはいいですか、貝沼参考人
  31. 貝沼圭二

    貝沼参考人 IPハンドリングのところでございますが、これは先ほど積み残しはないかとおっしゃられたところですが、一つありますのは、社会的な検証という、実際に流通考えてまいりますと、IPハンドリングをやっても〇・五%まじってしまう、今の現実の流れの中で。袋に詰めてきても、それでもまじってしまう。これは、どうも現実としてあるわけですね。  ところが、科学的な検証の方はもっともっと感度が高くて、〇・一%を見つけてしまうわけです。ですから、IPできて、ないはずのものでも、その中に〇・一以上入っていれば必ずこれは出てくるわけですね。ですから、こういう二つのギャップというものをどのようにして埋めていくかというところが将来あるのでございますけれども、先ほど河野先生の御質問にもありましたが、これからDNA定量的にはかれるという方法がもっと進んでくると思いますので、そういう方法を組み合わせながら検証していけるのかなというふうに考えております。  以上でございます。
  32. 吉村肇

    吉村説明員 農務省のシディキ特別補佐官は、七月二十七日に農林水産省を訪問いたしまして、熊澤農林水産審議官を表敬した後に、福島食品流通局長と遺伝子組み換え食品表示について意見交換をしております。  その中で、シディキ補佐官より、市場の混乱を避けるため及び実行上の問題を考慮して義務表示は慎重にすべき、米国のポジションは、栄養価、用途、組成が異なる場合にのみ表示の義務づけをすべきであり、遺伝子組み換えという生産の方法について義務的な表示は必要ないというものであるという御発言がありました。  これに対して、福島局長より、信頼性及び実行可能性のある表示制度を整備するという方向で検討をしているという回答をいたしております。
  33. 武山百合子

    ○武山小委員 自由党の武山百合子でございます。  貝沼参考人にちょっとお聞きしたいと思います。  まず、基本的に、組み換え食品をずっと食べ続けますとどんな変化が、これは予測だと思うんですよね。今、日本はダイオキシン問題、環境ホルモン、いろいろと特定有害化学物質で大問題になっているわけですけれども、この遺伝子組み換え食品も大問題だと思うのです。先生、まず、食べ続けた場合、予測として、将来どんな変化が起こるのか、人間の成長に対して。いろいろな予測ができると思うんですね。その辺のお話をぜひ、国民にとって全然よくわからないわけなんです。  それから、日本は食料自給率が五〇%以下なんですね。五〇%以上の食料品というのは輸入に頼っているわけです。それで、日本が輸入している食料の輸入国、アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジアの国々からもかなり輸入されておると思うのですけれども遺伝子組み換え食品が全体の輸入食品の中でどのくらいのパーセンテージで輸入されているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
  34. 貝沼圭二

    貝沼参考人 最初に、食べ続けたらどういうことが起こるのかということなんでございますけれども遺伝子組み換えという技術を少し説明させていただきます。  遺伝子組み換えというのは、例えば、人間もそうですし、それから大豆もそうなんですけれども、普通大体十万個の遺伝子から我々はでき上がっているわけですね、十万あるわけなんです。実際に今の遺伝子組み換え技術でできることは、大体それに一つの遺伝子を足すということが今できる技術なんですね。ですから、今度の除草剤耐性というようなものも、ある一つ酵素の遺伝子を大豆の中に入れて、その遺伝子が除草剤に対して抵抗性を持たせているということですから、実際には十万分の一の遺伝子がかわっているというぐらいの変化が起こっているというふうに考えていただけたらと思っております。  それから、DNAでございますけれども、これは人間が食べる御飯でもあらゆる食品の中に全部入っておりますから、それを食べて我々は体の中で全部消化しているわけですね。ですから、普通の遺伝子食品が、食べたときに将来どういうふうな変化が起こるかという今の御質問でございますけれども、例えば、我々は今せいぜい十年ぐらいしかこれを食べた経験がないんです。ですから、正確に絶対こうということは申し上げられませんけれども、私は食品化学の研究者でおりましたので、今までやってまいりました経験からいいますと、私は非常に安全なものだというふうに考えております。  それから、日本に入っておりますいろいろなものも、私は前にバイオテクノロジーの、殊に環境へ出すときの日本のガイドラインをつくったときの担当者でおりましたし、それから、OECDのガイドラインをつくるときの担当もしておりまして、そういうときに、いかに外部の環境に行くときの問題ということに配慮しながら我々はやってきたかというようなことを考えますと、ただ外来遺伝子が入ったから非常に危険だというふうには私にはとても思えないのです。  ですから、今の先生の御質問の将来予測ということをいうと、私自身、私個人あるいは自分の子供に対して、安全なものであるから、私は、食べたり、そういうことに全然抵抗はありません。非常に科学的じゃございませんけれども、そういうふうに思っております。  それから、五〇%の輸入、輸出のところ、ちょっと私は数字を持っておりませんけれども、現在大量に遺伝子組み換えでつくられているものは、大豆トウモロコシジャガイモ、それから一部菜種、それから、食べない方では綿がありますけれども、そんなようなものだろうと思うのですが、日本に今幾ら入っているか、申しわけありませんけれども、ちょっと数字を持っておりません。  ただ、今世界の中で考えられておりますことは、こういう遺伝子組み換えをして乾燥した場所でも育つような作物をつくるとか、そういうような問題に非常に大きな努力が払われておりますし、私は、そういうことは将来に向かってもっともっと人間はやっていかなきゃいけないことだというふうに信じております。  以上でございます。
  35. 武山百合子

    ○武山小委員 どうもありがとうございました。
  36. 青山二三

    青山(二)小委員 ただいま貝沼参考人が御答弁されました、遺伝子組み換え食品は安全なものと思っている、危険なものとは考えていない、子供にも食べさせるというようなお話をお聞きいたしましたけれども、そもそもそこの考え方が私たち、また一般消費者と違うところなんですよね。食物に猛毒を持っている昆虫の遺伝子を組み換えたり、それから、大腸菌の遺伝子を組み換えるという、それを聞いただけで、私たちは、ああ危険なものだという直観をするわけなんですよ。  イギリスとかフランスでは、ネズミを使いまして百日間にわたって実験を行ったというお話をお聞きいたしました。遺伝子組み換えをした食品を百日間食べさせたネズミと、それから、無農薬とか無添加の食料を百日間与えたネズミでテストをしました結果、遺伝子を組み換えた食料を与えたネズミは、後で解剖してみますと、脳細胞が減少している、それから内蔵の機能が低下している、そして免疫力が低下している、こういうことがございまして、すべて死んでしまった。ところが、無農薬とか無添加食料を与えたネズミはすべて元気で、活発的であった。それで、こういう結果を見ましたイギリスやフランス、オーストラリアでは、すべての遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した、こういう話があるわけですね。  そういうお話を聞いておりますから、遺伝子組み換え食品には表示をしてほしい、危険だと直観する人は食べたくない、その目安にしたいということで私たちもずっとこれに取り組んできたわけなんです。  こういうお話がございますけれども、こういうことに関しまして参考人はどのようにお考えでしょうか。
  37. 貝沼圭二

    貝沼参考人 今先生が最後におっしゃった、どうしても食べたくない、私はこれはあると思うんですね。ですから、そういう方がやはり選べるようにしなければいけない。それから、私のように食べても全然構わない人間もおりますから、そういう人間は自分の責任で食べたらいいと思っております。ですから、マーケットの中に遺伝子組み換えでないものが全くなくなるということは私はすべきではないと思っております。  先ほど安全だと申し上げました。一応、こういうものはアメリカでつくられたものが多いわけですけれどもアメリカの圃場に対してはUSDA、農務省、それから食品に関してはFDAが非常に厳しい審査をしておりまして、そういうところで通ったものが実際に畑に出てアメリカで生産されております。  それで、私は、遺伝子組み換え食品の中で一番最初のフレーバーセーバーというトマトがカリフォルニアのある会社でつくられたときに、これが一番最初遺伝子組み換え食品なんですが、そのとき、そこの研究所へ行きましてディスカッションしたことがあるのですけれども、これは一番最初アメリカも非常に慎重だったので、彼らが政府に求められた資料の量というのは、ちょうど床から積んでこのぐらいの量の、たったトマト一個のために、ほかのいわゆる天然のトマトと変わらないということを証明するために、それだけのものを出してやっておりました。ほかのものについても、私は実際の書類のボリュームを見ておりませんけれども、それなりのことをやっているのではないかと思います。  それから、先ほどのイギリスの、今先生おっしゃったのはローウェット・リサーチ・インスティチュートというところの研究所の研究成果のお話だと思いますが、確かに、免疫力が下がったとか、何かそういうデータが出ております。  ただ、一つ、研究所の所長さんもそこのホームページの中で言っているのですけれども、この研究者はなぜ、こういう研究成果を学会で発表するとか、あるいはピュアレビューという、きちんと科学のレベルとして合っているレビューをする人のところに報告してやらないのかということを研究所の中でも言われているわけです。  ですから、私ども科学をやる人間としては、やはり一つの新しいものを見つけたときは、同じような研究分野の人の批判を得て、それで報告するというのが大原則なわけでございます。ですから、この間のは、そういう手続、あるいは科学の世界の中の前にテレビに先に出てきたというところに一つの問題があるのではないか、これは私の個人的な考えでございますけれども
  38. 青山二三

    青山(二)小委員 ですから、こういう研究成果もあったということで、私たちはモルモットにされているんじゃないか。わずかな期間食べて何にもないから安全ですよと言われましても、ではずっと長い間食べ続けた場合にどうなるのか、こういうことを知りたいわけで、まさにモルモットにされている、こういう不安が本当にぬぐい切れないわけなんですね。そういう声が大きいということも、やはり今後の表示に対しても厳密にしていただきたい。  今、懇談会の方でいろいろとお考えになっている表示を新聞報道で見せていただきますと、表示がされるのは、お豆腐だとかそういう一部のものに限って一割程度、あとは不分別ということで全部入っているかどうかわからない、こういう表示です。そうなりますと、一般市民あるいはお年寄りは何のことかわかりませんね。ですから、本当にわかりやすい表示をしていただきたい、このように要望させていただきたいと思います。
  39. 河野太郎

    河野(太)小委員 ここの別紙あるいは小委員会報告で言われているのは、恐らく組み換えられたDNAの検出だと思うのですが、遺伝子組み換え技術を拝見しておりますと、DNAに加えて、プロモーターと言われているもの、あるいはマーカーと言われているものが組み換えられるというふうに伺っておりますが、そのプロモーター、マーカーというものもこうした形で検出できるのかどうか。  それから、その検出に当たっては、どういう塩基の配列で組み換えられたということがわかっていて検出できるのか、あるいは、わからなくとも、こういうものが入っているというのがわかるのでしょうか。
  40. 貝沼圭二

    貝沼参考人 私も余り細かいところまでよくわかりませんけれども、今おっしゃられたプロモーターというのは、そういう遺伝子が発現するための必要な部品でございますので、つけております。  それから、マーカーというのは、実際に入ったかどうかということを後から調べるときにわかりやすいように、例えば蛍の光のルシフェラーゼを入れておいて、これが光れば、こっちにくっついている後ろも一緒に入っているなとか、あるいは、ガスの遺伝子、ある基質を与えると青い色がつくとか、そういうようなものを使いながらやってまいります。  ただ、プロモーターは一つのものに特異ではなくて、あるプロモーターはかなりいろいろなものに使えるわけでございます。ですから、このプロモーターをつかまえたから後ろも一緒につかまえるということは難しいのではないか。ですから、あるとすれば、プロモーターをつかまえて、これは例えば普通の大豆に入っていない並びであるということがわかれば、その後ろに何があるかということを探していかなきゃいけない。手法としてはそうではないかと思います。
  41. 河野太郎

    河野(太)小委員 そうしますと、プロモーターの配列というのがわかっていなければ、あるいはマーカーの配列がわかっていなければ、プロモーター自身の検出はできないということなんでしょうか。
  42. 貝沼圭二

    貝沼参考人 よく使われるプロモーターというのは、そうたくさん数がないわけでございます。ですから、植物であればこのプロモーターかなというような当たりはかなりつけられますし、それから、先ほどのPCRをするときには、RAPDと称しまして、いろいろなプロモーターを自分で入れてみて、それと反応するものの組み合わせから探していくやり方もある。  ですから、本当は一対一のぴたっと合ったプロモーターがあれば一番よくわかるのですが、幾つかのもので、これとも反応するのかな、これともするのかなというふうにやって、例えばAとBとDが反応したとか、それであればこれは何だろうかというような探し方、例えば米の品種判定なんかの場合にはそういうことをやります。
  43. 河野太郎

    河野(太)小委員 厚生省にお伺いしたいのですけれども、今の参考人の御発言を伺いますと、特にプロモーターというものを企業秘密にしなければいけないものではないと思うのですが、いかがでございますか。
  44. 田中慶司

    ○田中説明員 私ども、審査資料の中にすべてそういうものは入っておりますし、公表資料の中にもそういうものは入っておりますので、当然、それをもとにしてPCRという検査をして、組み換え食品であるかどうかというのを判断しているところでございます。
  45. 河野太郎

    河野(太)小委員 そうしますと、厚生省が日ごろ主張されている企業秘密にしなければいかぬ部分というのは、具体的に何なんでしょうか。
  46. 田中慶司

    ○田中説明員 これはちょっと今十分お答えできるかどうかわかりませんけれども、BTトキシンならBTトキシンを産生する、そういうたんぱく質をつくるためのDNAの配列そのものがむしろ秘密になっているのではないかなというふうに思います。  そのほか、今公表するかしないかというところで問題になっているのは、むしろ申請資料の全体の、組成がどういうふうになっているのかとか、あるいは毒性をどういうふうにチェックしているのかとか、アレルゲン性をどういうふうにチェックしているのかというような、そういう安全性評価のための全体の審査資料の構成というのですか、そういうもの自体がやはりある程度企業にとっては重要なノウハウというか、企業秘密というふうに考えているようでございます。
  47. 河野太郎

    河野(太)小委員 最初発言では、BT云々の、DNAの配列そのものが企業秘密だということですか。そうしますと、その配列を公開しないということなんでしょうか。
  48. 田中慶司

    ○田中説明員 プロモーターも、それからターミネーターという一番最後のところも恐らく一般的な情報ですので、それは出しても余り特別な企業秘密ではないと思うのですが、いわゆる特別なたんぱくをつくるDNAのすべてのシークエンスというのは公表はしていないんだと思います。
  49. 河野太郎

    河野(太)小委員 そうしますと、すべてのシークエンスがわからないものを我々は食べさせられているわけですか。
  50. 田中慶司

    ○田中説明員 それがまさに企業秘密でございまして、私ども、審査のときには一応見せていただいておりますけれども、それを最終的に公表資料にするときにはすべては出していないというふうに聞いておりますけれども
  51. 武山百合子

    ○武山小委員 その場合、食品が安全だというのであれば堂々と公表すべきだと思うんですよ。そこを公表しないから国民は不安がっているんですよ。アメリカなんかの場合はどうなっているんですか。それはきちっと表示して、これこれこういうものが入っていますよとすべて公表されていると思うんですよ、企業ロイヤルティーで。日本の場合はそこを公表しないから、口だけで安全だと言っても、国民は非常に信頼していないんですよ。ですから、安全だということであれば、堂々と、これは安全なんだということで中をやはり見せるべきだと思うのです。
  52. 河野太郎

    河野(太)小委員 そうしますと、組み換え食品の中に入れられている、組み換えられているDNAの配列を全部公開をしていないということですか。それは農水省と参考人、そういう認識でこれまでいらっしゃっているのかどうか、確認させてください。
  53. 貝沼圭二

    貝沼参考人 現在、今先生おっしゃったBTの話は別としまして、組み換えDNAの実験というのは、日本の場合には、一番最初実験室でするときに、科学技術庁それから文部省のガイドラインというのがありまして、それで、こういうDNAを入れます、それからこういうプロモーターをつけます、こういうターミネーターにします、そういうようなものが全部そろってそこで組み換え実験をすることは認可されているわけです。ですから、そこでは少なくともそういうものはわかっているのではないか。私は、アメリカから来たものについてよく存じません。しかし、アメリカもNIHのガイドラインというのがございますので、それと同じようにそこのところはわかっているのではないか。  そういうようなものをもとにしまして、日本の場合でしたら、農水省が野外に持ってくるときに、科学技術庁のここでもってこれだけのことが安全であることがわかったからこれは野外に持っていっていいですよというようなステップ・バイ・ステップに進んできていると思いますので、私は、最初に申請される書類の中にはちゃんと出ているんではないかと思います。  ちょっと、アメリカから来たものについては私はよく存じませんからそこは申し上げられませんが、日本でもしこういうことをやった場合には、それは一番最初にこういう構造のDNAが入りますということはわかっているはずだと思いますが。
  54. 吉村肇

    吉村説明員 申しわけありませんが、直接担当しておりませんので承知しておりません。
  55. 田中慶司

    ○田中説明員 もう一度、シークエンス、しかるべき機能を発揮するたんぱく質を産生するDNA情報、それは審査の段階ではすべて見ております。ただ、公表資料の中には企業の要望によって入れていない場合もございます。ただ、安全性に関する情報はすべて公表してあります。
  56. 河野太郎

    河野(太)小委員 そうすると、我々はただ、安全だ、しかもそれは、企業が自分で安全だというのを検査をして厚生省にお墨つきだけもらって、消費者には何が入っているか、DNAのどういう配列が入っているのか知らされていないということなんですか。それは今までの説明と随分違うと思いますが、今まではDNAのシークエンスも全部公表しているという説明をずっと我々はこの二年間聞いてきたわけですけれども、そうしますと、その配列を公表しない、それじゃいかなる理由でそれを公表しないんですか。企業が嫌だと言えば出さないというのでは、消費者は、何だかわからないけれども物を食べさせられている。先ほど青山先生もおっしゃっていましたけれども、まるでモルモットと同じじゃないですか。  企業はそうしたシークエンスをきちっと特許の形で権利を取得して、その権利が特許に基づいて保護されるというのが当然のことだと思いますが、一体全体そのあたりの厚生省の御認識はどうなっているのでしょうか。
  57. 田中慶司

    ○田中説明員 まず公表資料を見ていただきたいんですけれども、実際には、組成がどうなっているのかとか、あるいは新たな毒性が出ているのかどうかとか、アレルゲン性があるのかとかないのかとか、そういう安全性に関する情報というのはかなり大量にチェックをしておりますし、そのデータはすべて公表をしているところでございます。  ただ、しかるべき遺伝子組み換え食品がどういう格好で作製されるのかというようなことについては、企業秘密に属するところがありますので、一部希望によって出していないところもあるということでございます。
  58. 河野太郎

    河野(太)小委員 申請資料を見ていただきたいという御発言がありましたけれども、それをずっと消費者が要求しているんじゃないですか。ちっとも公表されていない。  要するに、ある一定の場所に、ある一定の時間に行って、しかもコピーも何にもとれない。だから、みんなそこに行って手書きで鉛筆で写すんじゃないですか。見ていただきたいならばホームページ上にでもそれをきちっとアップして、どこからでも、だれでもいつでも見られるようにしてください。それを我々はずっと要求しているわけで、今課長に見てくださいと言われるんでしたら、ぜひそれはホームページにアップしていただきたいと思います。  それから、これだけ安全性にかかわる大きな問題になっているものが一体どういう企業の権利で公開をしないのか。企業秘密というからには何らかの権利に基づいて行われるわけで、それは特許をとっていますからこれは企業の権利ですというのならわかりますけれども、とにかく何の申請もしていない、法的に守られた権利に基づいていないのに、企業が嫌がっているからそれを公開しないというのでしたら、これは消費者はどうすればいいんですか。
  59. 田中慶司

    ○田中説明員 もともとが、この制度そのものがボランタリーな相互の了解というんですか、そういうものに基づいているということがやはり基本的にはあるんじゃないかと思います。ただ、制度の信頼性を高めるという意味で、企業には御協力いただいてなるべくたくさんの、特に安全性に関する情報についてはすべて、その他作製に関する、生産に関する情報もなるべく多く公表していただくということで今の制度というのは成り立っているのではないかというふうに思っていますけれども
  60. 河野太郎

    河野(太)小委員 別に日を改めてこの小委員会で、厚生省が企業秘密だといって公開を認めていないものの一覧表を作成していただいて、詳しい、正しい御説明をまず厚生省から聴取したいというふうに思います。  それから、これはボランタリーな制度で、だからこういうことを認めているんだという御発言でございますから、これはやはり義務化しなければ消費者にそうした状況が公開されない。しかも、企業が好きだ嫌いだという理由で公開がされないというシステムであると今おっしゃっているわけですから、やはり義務化を前提で今後議論をしていかなければいけないんだと思います。そのあたりのことを、小委員長、今後ともよろしくお願いします。
  61. 栗原裕康

    栗原委員長 検討させていただきます。
  62. 石毛えい子

    ○石毛小委員 もう一度きょういただきました表に戻って質問をしたいと思いますけれども、この二枚ペーパーの方の別紙ですと、例えば一番下の「タンパク質が除去・分解等されている食品」「原材料一般的に非GMO」という欄のところでジャガイモ類について記載されております。これは原材料一般的に非GMOということで、恐らく組み換えではないというようなことをアピールしたい企業が任意表示をするということに、するんだったらするということになるのかもしれないと思いますけれども、小委員会報告の方をいろいろ拝見しておりますと、別紙三のところですけれどもジャガイモにつきましてはGMOの推定作付比率は五%が現状ということで、加工したもの、つまり冷凍とか粉の状態になっているもの等々を七十万トン輸入ということで、「遺伝子組換えの比率が少ないこともあり、分別して流通している」というふうに書かれております。  私の感想なのでございますけれどもGMOの推定作付比率がアメリカで五%だとすると、不分別ないしはGMOがかなりまじっている、そういうジャガイモが、GMOの推定作付比率がまだ五%ということで、少ないということではありますけれども、第一次加工と言っていいんでしょうか、冷凍化されているものですとか、あるいはそういうたぐいの、第一次加工をされた、中間原材料と言ってよろしいんでしょうか、そういうものについて、既にアメリカGMOジャガイモがまじっているという可能性がないとは言い切れないんじゃないかというふうに思います。  そうしますと、日本に入ってきているものそのものの、分別流通だという、そのことの信憑性ということも一つあると思いますし、それから、結果的に、まじっているものが入ってきてしまって、それが原材料になっているのではないかというような疑問を持つのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。  つまり、アメリカで、例えばフライドスティックにするジャガイモが、日本に来れば揚げるだけでいいようになっていて、アメリカで既に冷凍でつくられていて、そのジャガイモについては、確実に非GMOだという保証はないものが日本に現に入ってきてしまっているという事実があるのではないかと。そのことを思ってみれば、ここで、流通していないからという、その社会的流通検証の仕方にそごがある可能性があるのではないか、そういう質問でございますけれども
  63. 貝沼圭二

    貝沼参考人 今のお話でございますけれども、例えばフレンチフライドポテトであれば、向こうで一度フライして、それから冷凍して日本に入ってきているというような形になっていると思うのですが、これを聴取したときの話として、今日本に入ってきているジャガイモの、いろいろな加工品がございますけれども、それが、まだアメリカでは組み換え体ができていない品種だというようなことがございました。そういうところから、今日本に入っているものについては、品種的にGMOはほとんど入ってきていないだろう。ジャガイモの場合には、加工の、でん粉用からフレンチフライから全部品種が違いますので、そういうことは割合、ほかのトウモロコシ大豆に比べますとはっきりわかるのでございますけれども、それが一点でございます。  それから、今先生がおっしゃった、別紙一でジャガイモが上の方に入っていて、ジャガイモでん粉、マッシュポテトというのが下の方に入っているところがございますが、先ほどの御質問で、積み残しはなかったかというお話がございまして、私ども技術的に一つわからないので、私どもばかりじゃなくて実際に検査をやっている会社の方もわからないんですけれどもジャガイモを加熱しますと、DNAが検出できなくなっているんですね。これは技術的な問題なのか別のことか、ちょっとはっきりわからないところがございますが、生のジャガイモでははっきりわかるDNAが、加工することによって、ほかの大豆トウモロコシに比べて非常に出にくくなっている。  ですから、今のPCRを阻害する物質があるのではないかとかいろいろなことがありまして、今研究所の方でも研究してもらっておりますけれども、ちょっとそういう点はこの報告書の中に、私どもは完全に自信を持って、分解しているからなのか、あるいは何か別のものがあって検出できないのかという一つの積み残しはジャガイモにございます。それで、こちらの方にとりあえず入れてあります。
  64. 吉村肇

    吉村説明員 若干の補足でございますけれどもジャガイモ加工品につきましては、貝沼参考人から御説明いたしましたように、そういった製品は、日本の企業が一定のスペックといいますか、仕様を決めて発注をして、米国の工場で加工されるという形態が一般的でありまして、その際に、遺伝子組み換えの行われたジャガイモの品種を用いないようにということで、そういう指定をして加工して持ってきているという実態の御説明がございましたので、それを踏まえてこういう整理をしたものでございます。
  65. 石毛えい子

    ○石毛小委員 今のお話のように、ジャガイモといいましても、例えば品種によりまして、組み換えジャガイモが生産可能になっているものかどうかというのは、日本で、厚生省で安全性の確認をして、そして流通していくということになるわけです。それは先ほどからお話しになっていますボランタリーな関係だそうでございますから、そうしたものから、例えば仮に外れるようなことがあったときに、この四ページの社会的検証といいますのは、IPハンドリング方法を利用するということですけれども、現在は、海外の第三者ですとかIP証明書をベースとして商取引が行われている、現在のところ、国内での区分流通システムは一般的ではないというような記載の仕方がされているわけです。  それでは、社会的検証というのは、現実に流通しているその事実をそのまま受けとめて、そして海外の第三者ないしは生産流通業者によるIP証明書として、それで確認をするということなんでしょうか。  新聞報道でちょっと拝見したんですけれども、関西の方の大学の研究者の方が、たしか大豆だったと思いますけれども、現に輸入されている大豆を作付してみて、それをもう一回科学検証をすることによって何割が入っているかがわかるという、そうした新聞記事を読んだ記憶がございます。社会的検証の仕方についても科学的な方法がないわけではないというように私はそのとき理解したんですけれども、現実を前提にして社会的検証のラインを受け入れるというのは非常に社会科学的ではないのではないかという疑問を持ちますけれども、いかがでしょうか。
  66. 貝沼圭二

    貝沼参考人 今の先生のお話で、私どもがこの小委員会を持ったときに、社会的な検証のワーキンググループ科学的な検証のワーキンググループ二つがワークするようにしたわけでございます。  社会的な検証の方は、きょうの厚い報告書の十六ページに別紙四というのがついているのでございますけれども、これは、遺伝子組み換えをしていないことの証明と称しまして、育種家の証明から、生産者、倉庫、積み荷、選別調整、輸送者、こういう証明書が実際現存しておりまして、そういうようなもので、日本に着くまでの間、一応、こういうサーティフィケートがつきながら動いているというようなことがございました。  それで、私ども考えておりますのは、社会的にこのように検証されてきたものでも科学的に実際にはかってみたらばどうかということで、科学検証とこれを組み合わせるという方法を提案しているのは、先生のおっしゃられるとおりで、これさえあればいいのかというとそうではないと思うのです。ですから、我々は、本当は何なのかということを知りたいものですから、こういうようなものがついていても、それは、科学的に検証を、必要なときにはできるような手法をつくっておかなきゃいけないということだと思います。  それからもう一つの、関西の先生のお話ですが、この方は京都大学の食糧科学研究所の村田幸作教授なんですけれども、彼が、大豆を持ってきて水にまきまして発芽させて、そこに、いわゆる除草剤耐性というものは除草剤をかけてみるんですね。そうすると、耐性の大豆は育っていきますけれども、そうじゃないのは枯れてしまう。百粒まいて何粒枯れたかということをやると、大体何粒まじっていたかというのがわかるんだと。非常に簡単ですけれども、ラフなところをつかまえるには、発芽するまでに時間がかかっていますけれども、いい方法であるなと思います。
  67. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 農水省が表示案を食品表示問題懇談会に提出されるのはあしたということになっているわけですが、既に、これに対して二十七の消費者団体が農林水産大臣あてに、遺伝子組み換え食品表示原料段階ですべてに義務づけるようということを求めていると思います。それはそういうことですね。  これは、内容はまだ言えないというふうに先ほどからおっしゃっておいでですけれども、伝えられている原案では、義務表示は要するに、この表を見ても、大豆油だとかしょうゆだとかコーンフレーク水あめ等々については除いて、そして不分別表示で、一般消費者向けのものでGMOと非GMO分別流通しているものということで、農水省が指定食品に限定したものを対象とするということになっていると伝えられております。  しかし、そういうふうになると、米国産大豆トウモロコシの九割が表示対象外になるのではないかというふうに考えますが、この言い方はそのとおりでよろしいでしょうか。まず、そこから聞きたいのです。
  68. 吉村肇

    吉村説明員 先ほど藤田委員の方から御指摘のありました消費者団体の要望書は、確かにちょうだいをしたところであります。あす予定されております食品表示問題懇談会におきましては、そういった消費者団体の考え方も含めて、遺伝子組み換え食品表示のあり方について議論が行われるものというふうに考えております。  また、藤田委員の方からこのところ幾つか出ておりますマスコミの報道について言及がありましたけれども、先ほど来申し上げていますとおり、現在なお原案について作業中でありますので、その報道に基づいた議論あるいは御説明というのは、この場では差し控えさせていただきます。
  69. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 いずれにしても、その数字というのは、この表を見ていても明らかですが、私は、恐らく大豆で一割、トウモロコシで一割弱のものしか表示対象にならないというふうに考えざるを得ないわけであります。  先ほど貝沼先生も、食べたくない人に選べるようにすることが必要なんだというお言葉は私どもも全く同感であります。だから、消費者団体は、果たして本当に消費者の商品選択に役立つ表示案が示されることになるのかどうかという点で非常に強い危惧を持っていらっしゃるわけであります。  私ども日本共産党は遺伝子組み換え表示案というのを九七年に出しておりますけれども、私ども考え方というのは、輸入されたときに水際で、農産物検査法に基づいて、原料段階遺伝子組み換えの有無を検査する、その後は、検査証明を添付して、最終の食品までリレー方式で原材料表示を義務づけていけば、たとえ先ほどから御説明のように、加熱をしたり発酵したりすることによって変化をした、そういう製品自体の遺伝子組み換え検証が困難だ、加熱をしたり発酵したりして、そういうことでもうそういう食品検証は困難だという問題も克服することができる、原材料表示を義務づけていけばつまり表示は十分可能であるというふうに考えています。そのことを今消費者団体も、原料段階遺伝子組み換え食品表示をすべてに義務づけるようにというふうに求めていらっしゃるというふうに考えるわけであります。  もう一度聞きたいのですが、なぜそれができないんですか。
  70. 貝沼圭二

    貝沼参考人 行政的なことは別にして、私の考えお話しさせていただきますと、原料段階ではかることは可能だろうとは思いますが、それに対してコストがかかっていくということが一つ、今までにないコストがかかるということがあるのではないかと思います。  それで、新聞などでは、検証するような会社もできるとかいろいろなことがありますから、これからそういう整備はされていくのでしょうけれども、それがどれだけ実際の日本人の食の中にコストとしてオンするのかということも一つ考えなければいけない問題じゃないか。技術的にはそれは可能なことだと思います。  以上でございます。
  71. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 農水省、今貝沼先生は、技術的には可能だ。これは小委員会報告でも、大豆コーンスターチ原料段階での科学検証は一〇〇%可能という表現をして報告されております。全くそのとおりだと思うのです。  コストという点でいくと、そのコストというのは、それはむしろ国の方に、検査する人員体制をとるとか、そのための予算だとかいうことで、そこのところではあれでしょうが、しかし中小企業、小さな豆腐屋さんや何かにすれば、むしろコストという点ではうんと軽減されたものになるというふうに考えるわけです。  消費者は、食品DNAが残っているかどうかということが問題じゃないんです。遺伝子組み換え作物を原材料に使ったかどうかを知りたい、そこが願いなわけですが、要するに、予算、人員体制さえしっかりしていれば、原材料表示は不可能じゃありませんでしょう。農水省、どうですか。
  72. 吉村肇

    吉村説明員 今御指摘の、組成等が従来のものと同等でDNA及びそれによって生じたたんぱく質が除去、分解されて検出できない食品についてですけれども一つは、遺伝子組み換え食品表示義務を内容とする規則を既に策定しているEUにおいてもこれらのタイプの食品については義務表示とはしていないということ、それから、先ほど御説明いたしました十三日に開催された食品表示問題懇談会におきましても、科学的に立証できないものに表示を義務づけることは不適当であるというような御指摘、また義務的な表示の対象にした場合に表示信頼性を確保できるかは極めて疑問であるという議論があったということ、こういったことを踏まえて、このようなタイプの遺伝子組み換え食品表示をどうするか、表示信頼性、それから国際的な整合性も念頭に置きながら検討していく必要があるということで、現在作業しているところであります。
  73. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 どうも答えになっていないのです。確かに、熱を加えたり発酵したりして検証という点で困難な食品がある、だからてんぷら油だとかしょうゆだとかそういうものは検証できない、それは最終商品の話です。原材料という点では、今貝沼先生もおっしゃったように、検討委員会報告しているように、それは科学検証は一〇〇%可能だから、原材料表示ということでリレー方式で最終食品までずっとその検査証明を添付して、原材料表示を義務づけていけば、それは別に最終商品が加熱されていようと発酵されていようと、要するに原材料遺伝子組み換え作物を使ったかどうかということを消費者は知ることができるわけですから。  私はもう一つ言いたいのは、野菜などの原産地表示というのは、これは私は農林水産委員で、課長もせんだってのJAS法の改正のときのことを覚えていらっしゃると思いますが、あの原産地表示というのは長年の消費者の要求でした。しかし、なかなかできないという問題をとうとう、先ほどから言われている社会的な検証を基礎とした表示というやり方で実現することができたのです。あれは結局、文書などの送り状によって事実確認が追跡できるという条件整備をしながら、そういうふうな社会的検証を基礎とした表示というものがとうとう実現して、長年の消費者の要求にこたえられるようになったわけです。  だから、私は、遺伝子組み換え食品についてのみ科学的な検証に限定するということになれば、これは表示行政上も随分おかしなことになるのではないかというふうに考えるわけであります。どうでしょうか。
  74. 吉村肇

    吉村説明員 冒頭の御説明の際にも申し上げましたように、小委員会報告整理された内容というのは、一つは、遺伝子組み換え食品分類。それから二つ目は、事業者が行う表示の前提となる原材料確認方法。これはIPハンドリングという社会的な検証を軸とする。それから、表示のチェックのための公的機関が行う事後的な適正表示確認手法、これはIPハンドリング確認科学的な手法を組み合わせる、こういうことをベースとして表示のあり方を検討するということでありますので、それを踏まえて現在作業中であるということでございます。
  75. 藤田スミ

    藤田(ス)小委員 私どもは、何としても圧倒的消費者が願っている、自分の食べているものが遺伝子組み換え作物を一体使用しているのかどうか、原材料に使っているのかどうか、そこのところの知る権利を保障する、そういう表示を実現していただきたいということを、これは私は当小委員会としても、後ほど委員長の方からお話があると思いますが、本当に求めておきたいというふうに思います。
  76. 中川智子

    中川(智)小委員 私も、やはり一番心配なのは、みんなが心配しているのは、例えば感受性の強い子供たちが、学校給食などで、特にいわゆる加工品の中でも油ですとか、そして日常的に使うおしょうゆですとか、今回対象外とされた食品に対しての表示、それを実現するためには原材料表示しかないというふうに思っています。今の藤田委員の御主張どおりに、私もこれをぜひとも入り口の部分で求めたいと思います。特に、今環境ホルモン、ダイオキシン問題と相まって、未来へのいわゆる不安、次世代に対しての影響ということなんですね。ですから、特にそのことが実現できるような表示のあり方であってほしいと思います。  そして厚生省、次にきっちりと時間を設けていろいろなお話を伺いたいし、さまざまな情報の公開をしていただきたいと思いますが、これが安全性が認められたとして認可されたのが九六年の八月で、私は九七年の冬に、遺伝子組み換え食品というのがもう食卓に出ているらしいよと。全く食べる側には、ほとんどマスコミでも報道されませんでしたし、知らない間に食べさせられていた。  そして、この間の議論の中で、特に企業に有利な情報、安全性の確認に対して、これだけ安全性が確認されているという情報を得るだけで、それに対して何ら手だてが打てない中で、今回の一定の部会での御報告というのをある意味では喜んで受けとめたということがあるのですけれども、ことしも東京弁護士会の方から提言があったと思いますけれども、特にこれは厚生省のいわゆるガイドラインの部分で安全性確認というものが法制化されていないと、入り口のところがこんなふうに甘い状態のままで、次から次へと遺伝子組み換え食品というのが認められて、そして輸入されていく。世界で最大の輸入国であるこの日本が、EUなんかの状況の中で、どんどん日本に入ってくるという不安はそのまま残されたままの問題なんです。  そこで、特に厚生省に伺いますけれども、農水省の方はかなり部会なんかも設置して前向きに頑張ってきたわけですが、この間、厚生省はこの問題に対して、ガイドラインを含めて、食衛法を含めて、どのような議論をし、今回の世論の高まりの中で今後どのようにこの入り口部分を解決しようとしているのか、消費者の不安に対してどのようにこたえようとしているのかということを、きょうきっちりしたお答えをいただけないのだったらば、次までに省内できっちり話をしてきていただきたいと思います。  そして、特に私は当時の大臣に遺伝子組み換えのことを聞きましたところが、大臣権限が非常に大きいにもかかわらず、ほとんど記憶になかったというお話をいただきまして、どんなふうになっているのか。そして、このようなガイドラインのクリアのところでは省内の議論、そして国民に対する、いわゆるそれに対してのもっとアピールですね。  今とても心配しているのは小麦の問題ですね。小麦がもうアメリカで作付されている状況の中で日本がその輸入を認めていけば、パンとかクッキーとかありとあらゆるものに入ってくる。また大豆と同じように、分別しても、若干の可能性で不分別表示がきっちりできないという状態が今後も残されていく可能性に対しては、入り口部分の厚生省の任務というのが非常に重いと思いますが、このあたりの認識、見解をしっかり聞かせてください。
  77. 田中慶司

    ○田中説明員 遺伝子組み換え食品の安全性確保に関しましては、一応五本柱ということで私ども仕事をさせていただいております。  まず一つは、今問題になっておりますけれども、安全性評価指針、ガイドライン、これを少しでもより精緻なものにしていくということ。それと、それに従って、きちっと食品の安全性を確認していくということがまず第一でございます。  第二番目は、さはさりながら、一般の方々がどうしても組み換え食品の安全性に関して不安をお持ちになっておられる、そういうこと。それから、私どもは余り根拠がないというふうには考えていますけれども、イギリスなんかでいろいろな研究成果が報告されている。こういうようなことを踏まえまして、これまで以上に組み換え食品の安全性に関する情報をわかりやすい格好で消費者に提供していく、こういうことを二つ目の柱としてやっていきたいというふうに考えております。  三番目は、調査研究の推進でございまして、将来の食品のやはり大きな支える柱になるバイオテクノロジー応用食品、こういうものの安全性の確認ということに関しまして、いろいろ問題点は提起されておりますので、それらについて一つずつ科学的に検証を進めていきたい。例えば長期摂取による慢性毒性の問題とか、抗生物質耐性マーカー遺伝子による耐性菌がふえるのではないかというような問題とか、あるいはアレルギー誘発性の問題だとか、あるいはさっきのパブリックアクセプタンスの問題とか、こういうような研究調査を広く進めていきたいというふうに考えているところでございます。  また、四番目の柱としましては、国際基準の策定ということで、先般、FAOとWHOの合同食品規格委員会で、バイオテクノロジー応用食品の安全性評価に関する国際基準をつくろうということが決定されました。私ども、こういう動きに対して積極的に関与していくということをこれからも進めていきたい。そういうことによって、国内での今の安全性評価のやり方というものについての信頼性がさらに深まっていくというふうに考えているところでございます。  それから、五番目の柱は、モニタリングシステムの構築ということでございまして、一応、安全性を評価されているというふうに私ども考えておりますけれども、今回の事件のような予期せぬ食品が出回っているというようなことも考えられるわけでございますので、平成十一年度から既に、モニタリングを開始するということで現在作業を開始しておりますし、また、食品バンクというようなものを設置して、さらに長期的な監視システムもつくっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  78. 石毛えい子

    ○石毛小委員 先ほどの吉村課長の、国際的な諸関係等も勘案しながらというお話があったかと思いますけれども、そしてまた、具体的にはあしたの懇談会表示についての案が示されるということでございますので、ぜひ、あしたの、農水省が示される案の中で受けとめていただきたいと思います。  きょうの議論の中で、混入率の問題でございますけれども、社会的な検証ということについては〇・五%から最大五%の幅があって、細かいことは、具体的なことは言えないというお話でしたけれども、国際的な諸関係ということからいえば、EUではこれを二%に設定しているということだと思います。二%まで含むものを非GMOというふうに認めるということで、もし仮に、あした、非GMO食品は五%までの混入を認めるということを前提に物事が始まりますと、例えばお豆腐などは圧倒的に非GMOになってしまうということになりかねない。そうなった場合に、にもかかわらず、科学検証をしてみれば、組み換えDNAあるいはたんぱくが残っているということになってくるわけですから、これで本当に消費者が選べるのか。  ですから、私も、そういう危惧、あるいは、科学的なことと社会的な検証との間のずれの中で起こってくる問題を解決する一番確実な方法は、原材料段階できちっと表示をしていただければ、そこは消費者が選ぶということに対して一番実効性を担保するものだというふうに私は考えておりますということをぜひ受けとめていただきたいということを申し上げたいと思いました。
  79. 樽床伸二

    樽床委員 今の石毛議員の発言に若干関連するのですが、先ほどからずっと聞かせていただいておりまして、結局、お互いの信頼関係というものがベースになければ、本当かうそかということの議論、本当にそうなのか、いやそうだ、本当か、こういうことの繰り返しになってしまうと思っているのです。  そういうことでいいますと、先ほど来何度もお話が出ておりますこの懇談会ですね。あす四日、それから十日ということで、今月末ぐらいまでにはというようなお話もお聞きしております。  参考ということで私どもにお配りをいただいた資料の一番冒頭にその委員の方の名簿も載っておりますし、また検討小委員会の名簿も載っておりますが、本当に、この委員会の方々がどういう方々なのか、私どもよくわからないわけであります。できましたら、次回のこの小委員会までに、こういった方々の、一枚物で簡単に、経歴というのはすぐわかるわけでありますから、そういうものをやはり我々も知っておかないと、結局、お互いの信頼というのは、そういういろいろなことをオープンにすることによって初めて信頼関係が成り立つわけであります。  先ほど農水省のお話で、結局、いや、すべてあす以降の懇談会での議論ですから、事務局としてはわかりません、言えませんという話でありますが、我々、普通の感覚でいきますと、そんなことはないでしょう、もう大体わかっているのでしょうというふうについつい思いがちでありまして、実際はどうかわかりませんが、そう思いがちになるというのは、やはり信頼関係が成り立っていないからそう思うわけでありまして、そういうようなことをぜひとも払拭をするように、これだけいろいろな形で社会の中で議論になっておることでありますから、その辺はぜひよろしくお願いを申し上げたい、このように思っております。
  80. 青山二三

    青山(二)小委員 市民のいろいろな心配は、やはり安全なものかどうか、そういうことと、もう一つは、今後、表示された場合に価格がどのように変化していくかということにあると思います。  新聞報道によりますと、アメリカ産の大豆が二十七年ぶりに値段が安くなっている、それから小麦も二十二年ぶり。何をとりましても相当値段が安くなっている。それはどうしてかといいますと、遺伝子組み換え技術を利用して、これが急速に普及した結果だということなんですね。  そうなりますと、遺伝子組み換えを使いました大豆加工されたものは、当然、値段が安くなってもいいわけなんですよ。ところが、一切値段には関係なし。これから市民の皆さんの要求によって表示がされるとなりますと、どうしても組み換えてないものを食べたい。そうなりますと、アメリカは、それは価格が大変だ、三割も四割も高くすれば輸出できますよ。こうなったら、日本における加工品の価格は高くなる。一生懸命、市民団体、女性の皆さんが運動していることが、結局、値段をつり上げるという結果になりはしないか。  それから、そんな高いものは食べられないんだ、一円でも二円でも安く安くということでスーパーを回っていらっしゃる女性もたくさんいらっしゃいます。そういう方が、やはり食べたくないけれども安いから食べよう、こういうことで本当に不満がここで起こってくると思うのです。そういう問題に対しましてはどのようにお考えになっているのか、聞いておきたいと思います。  それから、もう一つ、ブラジルで組み換え大豆の生産を中止したという報道がございました。これは、市民が大変な運動をやりまして、組み換え食品を拒否する市民の勝利だ、また研究者の人たちの勝利だと言われておりますけれどもモンサント社のGM大豆、ラウンドアップ・レディーをもう生産は許可しない、こういうことにいたしたということでございまして、これからどんどんこのブラジル産の大豆も輸出をしてくるのではないかと思いますね。  そういうときに、我が国の大豆の輸入量を見ますと、五百万トンのうち八割がアメリカですね。五十万トン、一割がブラジルだということになっているようでございますけれども、こういう表示がされたら、そういう非組み換え大豆をどんどん輸入していただきたい、こんな願望もあるわけでございますけれども、農水省はこのことに対してどのようにお考えでしょうか。
  81. 吉村肇

    吉村説明員 今回の表示検討は、冒頭、貝沼参考人からも申し上げましたように、安全性が確認されているということは前提として、その上で消費者の選択のために行うということが基本的な方向でありますので、先ほど青山委員の方から御質問のありました、どういう方向に動くかというのは、表示はその点についてはいわば中立的でありまして、消費者表示されたものをどういうふうに選択をするかという問題であろうというふうに考えております。  ブラジルの点にも御指摘がありましたけれども、これは、いろいろな形でニーズに対応した生産というのはこれまでも行われているわけですし、今後も行われるというふうに考えておりますので、それぞれの国、あるいはまた日本加工業者がどういった形で生産をしていくかによってその辺の取り組みは変わっていくということでありまして、政府として、どこの国がいいとか悪いとか、そういうことを申し上げる立場ではございません。
  82. 栗原裕康

    栗原委員長 時間も少しオーバーいたしましたので、本日の質疑は、この程度で終了することにいたします。  貝沼参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。小委員会を代表いたしまして心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時一分散会