○渡辺(周)
委員 民主党の渡辺周でございます。
中山委員の質問に続きまして、質問をさせていただきます。今回の質問、ちょっと私は変則的な立場でございまして、午前と、昼間の一時中断を挟みまして午後ということでございます。午前中の部分におきましては、
政府案、この
産業再生法案につきまして質問をさせていただきます。そしてまた、午後の部分におきましては、ベンチャー
支援を
中心としまして、
民主党案それから
政府に対する
質疑を続けたいというふうに思っております。
私は、先般の本
会議での趣旨
説明に対しまして、
政府案に対しても
質疑をさせていただきました。その中で私は
指摘をさせていただきましたけれども、まず
政府側に伺いたいのは、この
政府案がいわゆる首切り
法案になるのではないか。先ほど
中山委員からも
指摘がございました。どうしてもこの疑念というものを払拭し切れずに、今回これを審議せざるを得ない。いわゆる三つの過剰についても、従来
指摘がございました。債務、
設備、
雇用ということでありますけれども、この債務の部分、それから
設備の部分、
雇用について、これを同一視すべきではないのじゃないかということが今
中山委員からもございましたが、まさに同感でございます。
私ども政治家の一つの務めは、
政府と同様に、これは与野党を問わず、
雇用の安定ということについて最大限に努力をしていかなければならない。従来言われておりますように、昨年の失業の数字を見ましても、最悪だった四月からは数万人減ったとはいいながら、大変な失業数が報告をされております。そして、残念ながら、みずからの命をあやめる、こういう痛ましいことも続いております。
ここであえて申し上げさせていただきますと、三百三十四万人の完全失業者、そして非自発的な失業者、勤め先の倒産や人員削減、これは、四月よりは五月の統計では減った。百六万人、それでもいる。自発的失業者も含めてこの完全失業者の中で特徴的なことは、三・六%、中高年男性が多い世帯主の失業率が非常に高い。まさに
日本の国のGDPのうち、
個人消費という部分が六割を超えて占めている、これを考えますと、
設備投資とあわせて
雇用の
確保がやはり
日本の
経済の復活につながる、
再生につながるということはもう論をまたないところでございます。何とか
個人消費というものが
回復するには、先ほど来言われておりますように、不安というものをどう払拭するか。さまざまな、これまでも言われてまいりました、老後に対する不安でありますとか、健康に対する不安だとかいうことにあわせて、今度はまず、目先のと言ってはなんですが、今働いている、
確保されている
雇用が、果たしてこれからどのような形で、構造転換の中で変わっていくのか。
私は現在、ことしで三十八歳になります。もう既に早い
企業では、三十五歳以上から、あるいは四十歳から選択定年
制度の対象になってきている。あと数年でありまして、妻がおります、そして両親がいる、子供がいる。その家庭の中でこれから
自分が、あと数年後には果たして今の仕事と今の賃金を得ていることができるかどうかということを考えましたときに、例えば、親のためにも金を使わなきゃいかぬだろう、あるいは、子供のこれから、これは連合の統計ですけれども、おぎゃあと生まれて二十まで育てるに、女の子は大体二千二百万円ぐらいのコストがかかるというような発表がかつてございました。
今、少子化が言われていますけれども、私どもは今三十代の後半、働き盛りと言われる世代であります。高校を出て二十年、大学を出たら十五、六年、その年代が今
会社の中で、これから
企業の中で、将来定年と言われるところまで働いていかれるのかどうかということを考えますと、とてもじゃないけれども、子供をこれから育てて、あるいはいずれ老いるであろう、体を害するであろう
自分の両親あるいはどちらかの親に対してもこれから考えていかなければならない。そのための何らかの蓄えも必要だ。そして、これから子供に対しても蓄えが必要だ。そんな中で
自分の生涯賃金というものを考えていきますと、この生涯賃金すらも本当に、いわゆる定年と言われる五十八や六十まで
確保できるかどうかわからない。
それならば、いっそのこと、今ここは子供を、弟や妹をつくってやるよりも、一人の子を大事に何とか育てながら、今いろいろなことに、もっと
自分の自己実現や、あれもしてみたい、これも欲しいとあるけれども、住宅のリフォームでありますとか車の買いかえでありますとか、あるいは
自分も夜間学校のようなところへ行って何か資格を取りたい、こういったところにもうちょっと
自分も投資をしたいけれども、とてもじゃないけれども、今そういう心境にはなれないというのが現状ではないのか。これが今の、何とも言えないよどんだような、比較的沈滞したマインドというものにつながっているのだというふうに確信をしております。
そんな中で、今回の
法案におきまして、
企業が大手を振って、
設備、あるいは先ほど申し上げた債務、そして
雇用という点につきましても、
言葉は悪いですが、切り捨てていくというようなことが非常に懸念をされるわけであります。
そうした中で、先般の本
会議での質問におきましても、総理あるいは
通産大臣から、
事業の再
構築を行うに当たって
事業者が
雇用の安定に配慮するのは当然のことであると
答弁をいただきました。これは首切りリストラ
法案ではないかということについては、そんなことはない、
雇用安定には配慮しているというようなことを
答弁されました。これはもう当然のことであります。
先般成立しました第一次の補正予算におきましては、若干の
雇用対策が行われております。
中山委員も
指摘をされましたので重ねては申し上げませんけれども、確かに若干の
雇用対策という形で行われました。しかし、この補正における
措置というものはまさに一時的な
雇用の
対策でございまして、
産業再生法がもたらす、いわゆる、生まれるであろう常勤
雇用者のリストラ、これに対する受け皿にはなっていない、あるいはなり得ないわけであります。この点につきまして、本
会議に続きましてでありますけれども、きょうも大勢の
方々が
労働界を代表して見えていると伺っております。重ねての質問になりますけれども、これがいわゆる首切り
法案にならないというようなことを確約をいただきたいと思いますので、
通産大臣のお答えをここで改めていただきたいと思います。