○前島
委員 この
法案も、
連合審査を重ねてきて、かなり論点が出てきたと思います。我が党としても
最後でありますので、基本的な点を二、三
質問させていただきたい、こういうふうに思っています。
まず第一点は、取扱業者、それを取り巻く業界、産業界の
責任ということをちょっと
通産大臣にただしてみたいと思うんです。
この
PRTR法案が有効性を発揮する、実効性を上げるというにはさまざまな点があると思いますが、この
法案の実効性を上げる中における取扱業者あるいは産業界の果たす
役割というのは非常に大きいな、こういうふうに思います。
特に、
情報をどう集めるか。やはり、
パイロット事業のときにおける五〇%を切るという
状況ではしようがないだろうなと。同時にまた、届けられた、
提出された
情報が正確でありという点も、ある
意味だったら産業界、取扱業者の方にかかっている、こういうことだろうと思いますね。
そういう中で、この
法案が求めている実効性、特に、業界の方が自主的に
管理する。自主的にというところがまた重要であり、またここがポイントであるだろうと思います。
この自主的にというところが、ある
意味で
PRTR制度の特色であるし、また同時に、反面不安を伴う面でもあるな、こういうふうに思います。同時に、
化学物質、特に危険な、人体に
影響を及ぼすような
化学物質に対する不安と同時に、取り扱う
企業の側に対する
国民の不安はないのかなというと、ないとは言い切れない、不信というものもないとは言い切れない、私はこういうふうに思います。
実は私、静岡ですが、富士のすそ野でトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンに基づく地下水汚染というのがちょくちょく起こるんです。このテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等々は精密機械の洗浄等々に使われている、こう言われている。考えてみると、この富士山の周辺に精密機械にかかわっている業界がたくさんある。どうも、その廃液をもとにした産業廃棄物が地下浸透をして地下水に出てきている。
この富士山のすそ野というのは非常に湧水の豊富なところでして、そこにこのトリクロロエチレン等々の地下水汚染ということは大問題なんですね。ちょくちょく起こるんです。数年前も起こっていまして、これは
環境庁もみずから御出馬いただいて
調査もいただきました。県当局も
調査をした。犯人は、犯人と言うと語弊があるかもしれませんけれ
ども、直接の原因は、決定的にはならなかったんだろうけれ
ども、周辺に捨てられる産業廃棄物の中にトリクロロエチレン等々の廃液が含まれて、それが地下浸透で地下水汚染をしている、こういう現象だろうと思って間違いないだろうと私は感じています。
やはりそういう過程を通じてくると、
企業に対する
住民の不安、不信、なきにしもあらずであると言わざるを得ないだろうと思いますね。こういう
状況の中で、この
PRTR制度の実効性を上げる、
効果を上げるという
意味における産業界、取扱業者の責務というのは大きいだろうな、こういうふうに思います。ここがうまく
作用していないと逆に混乱が生じ、不安が生じてしまう、こういうふうに思うわけであります。
そういう面で、そういう業界をつかさどる
通産省として
通産大臣として、この
制度における取扱業者、産業界、業界の責務というものはどうとらえているのか。また、そういう業界を含めて何を期待し、何を要望するのか。その辺の基本的な、
通産省として
大臣としての
見解、認識を伺っておきたい、こういうふうに思います。