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斉藤(鉄)
委員 運賃についてはしようがないというふうなことでしたけれ
ども、全く危機感がないと私は思いますし、今、千葉ニュータウンが成功するかどうかの岐路に立っている、私はこのような認識です。私は中国地方の選出の衆議院議員でございまして、首都圏のニュータウンには何の関連性もございませんが、しかし、そのニュータウン
事業が成功するかどうかというのは国にとっても非常に大きなことでございますので、こういう質問をさせていただいております。
先ほど、高いのは仕方がないとおっしゃいましたけれ
ども、その高さが異常なんですね。千葉ニュータウン中央から日本橋まで三十六キロ。この三十六キロと比較してみました。千葉ニュータウンの場合は、先ほどありましたけれ
ども、普通運賃で千百十円、定期が六カ月で二十四万三千四百五十円、一年で何と五十万円です。同じ区間三十六キロ、これはJRですと五百四十円、定期代が七万七千円。三分の一ですね、定期代については。それから、例えば小田急ですと四百円、定期は七万一千円。いずれも三分の一のレベルでございます。これは単純に比較するのは公平ではない。といいますのは、千葉ニュータウンの場合は、北総が走り、京成に入り、その京成が都営浅草線に入って、三線をまたがっているわけですから、当然それは割高になるわけですけれ
ども、それにしても高い。
同じような構造を持つ、例えば多摩ニュータウン。これも京王が相模原線をニュータウンのために
建設し、それが京王に入り、その京王が都営新宿線に直通する。その乗り入れの三十六キロを比較してみますと、多摩センターから出ますと、三十六キロ行きますと都営新宿線の中に入って小川町まで行きます。運賃五百四十円、通勤定期は六カ月で十一万一千七百円、二・二分の一です。
それから港北ニュータウン。これは横浜市営地下鉄が、横浜市が物すごい力を入れて地下鉄をつくって、今安い運賃ですけれ
ども、都心へ入るということで比較してみますと、三十六キロで長津田から渋谷、そして水天宮まで行きます。同じような構造です。田園都市線があった、これに新玉川線を
建設して、そして半蔵門線に乗り入れるという同じような構造ですけれ
ども、これでも四百九十円、通勤は十万円でございます。
このように、もう明確に高い、三倍から二・二倍高い。ですから、千葉ニュータウンではこう言われているそうです、財布を落としても定期券を落とすな。こういう
状況が続いている。
私も、先日ちょっと千葉ニュータウンの人に聞きに行きましたら、先日私はリストラされた、そのリストラの理由が定期券が高いからだそうでございます。これは明らかな差別です。多摩ニュータウンに住んでいる人と千葉ニュータウンに住んでいる人と、同じように国のそのパンフレットを見て希望を持って入った、しかし、千葉ニュータウンに住んでいる人は、千葉ニュータウンに住んでいるというその理由だけでリストラされる、こんなことがあっていいんでしょうか。こういうことが千葉ニュータウンの人口伸び悩みの最大の要因だと思います。
高運賃の要因は二つある。
一つは、利用者が伸びない、先ほ
ども言いました、今一番人口が伸びていていい時期に全く伸びないこの現実、それから、
建設時、特に二期線の鉄建
公団債務の
利払いが過重である、この二つの要因があると思います。
一については、利用者が伸びない、それは高いから伸びないわけです。伸びないから高くなる。昨年九月も一〇%、この高いのにまた一〇%も値上げをしました。こんなことをしたら、昨年九月の一〇%の値上げのときには、千葉ニュータウンの人は、今後こういう値上げがまたあるんだったら、もう千葉ニュータウンを捨てよう、そこまで思い詰めている人がたくさんいます。もう生活が続かない。ですから、どちらかがその悪循環を切らなきゃいけないわけです。
多摩ニュータウンのときは、京王電鉄が、その初期投資、非常に高いものをみずからの
お金で
建設をし、いろいろ都も出しましたけれ
ども、京王線として
建設しました。高い初期投資に悩んだわけですけれ
ども、今はあのように、鉄道の側からその悪循環を切ったがために、多摩ニュータウンは非常に順調な伸びを持っている。しかし、千葉ニュータウンにはその悪循環を断ち切る人がいない、
公団こそが断ち切る、また、国が断ち切らなければいけないと思うんですけれ
ども。そういうことを感じております。
それから、何といいましても
建設時の債務負担、これが多過ぎる。
平成三年から
平成九年までの七年間で、売り上げ総利益は三百八億円でございますけれ
ども、支払い利息が四百五十七億もあって、軽く大赤字。その差を埋めているのは実は
公団や県が負担しているわけで、
公団が何もしていない、
建設省が何もしていないとは言いません、かなりの
努力をされて支えていらっしゃるとは思うんですけれ
ども、しかし、このままいけば、その高運賃、人口伸び悩み、そしてさらに運賃を高くしなくてはいけない、今その悪循環が続きます。その悪循環を断ち切らなければいけない。
私は素人ですからわかりませんけれ
ども、いろいろな
方法があると思うんです。例えば、鉄建
公団債務千二百億、五%の固定
金利です。今
住宅ローンを持っている人は、昔の高い
金利のときに借りた
住宅ローンを低利に借りかえるということは一般にされておりますけれ
ども、例えばそういうことができないのか。これは
財投の根本問題に入ってくるような問題でして、そうそう簡単にできないことはわかっておりますが、例えば、今市中
金利の二・一%程度に借りかえができたら、年間の利子負担額は三十五億減ります。この三十五億減ったら、黒字になる。また、少なくとも今後値上げはしませんという宣言ができるどころか、昨年九月一〇%値上げしたのはもとへ戻しますということさえ言えると思います。借りかえさえできたら、この千葉ニュータウンに住んでいる人が希望を持って、よし、これは大丈夫だぞ、今は少し高いけれ
ども、我慢してこの千葉ニュータウンをいい町にしていこう、こういって頑張る希望が与えられる。しかし、その手が全く打たれなければ、多分また上がるだろう、上がったら、子供二人を都心の高校に出したらもう年間五十万円の通学定期、そんな町にとっても我慢できないと、みんな町を捨て始めます。
今、そういう悪循環を断ち切るために、例えば借りかえというふうなことを考えてもいいんじゃないか。いろいろな
方法があるかと思いますけれ
ども、このことについて運輸省鉄道局はどのようにお考えでしょうか。