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平野委員 おはようございます。民主党の
平野博文でございます。
かなり同僚の議員の方から
質問がたくさん出ておりまして、できるだけ同質の
質問のないように心がけて
質問をしたいと思いますが、多少オーバーラップするところがあればお許しをいただきたいと思います。
具体的なこの法案の
質問に入る前に、少し町という
視点を総論的にといいましょうか、各論に入る前に、町というのは一体どういうものなのか、このことを少し議論させていただきたいと思います。
そういう
視点で、私、非常におもしろい
文章を実は探してまいりました。この
文章を少し読み上げますので、ぜひとも
大臣並びに役人の
方々、この
文章について
質問いたしますから、ぜひお聞きをいただきたいと思うんですが、この
文章は、
ロボット博士と言われる
森教授の本の中に書いてあった部分でございますが、少し読ませていただきます。
広い
原野がありました。そこへ一匹の
子牛がやってきました。
子牛は気まぐれにくねくね曲がりながらその
原野を通っていきました。
その翌日に、
狩人に追われた
シカがやってきました。緊急のときでありますから、あれこれ考えている暇がありません。そこで、前の日に
通りました
子牛の道を
通りました。
シカは
子牛の通った、草が寝ている合間を縫って逃げていきました。もちろん
シカを追う
狩人もそこを通って追いかけていきました。草はますます踏みつけられ、はっきりと、曲がりくねった道ができ上がったわけであります。
その次の日には羊がそこに来ました。曲がりくねった
小道を、なぜこんなに曲がりくねっているんだと不平を言いながら通っていきました。
しばらくして、今度は
旅人が来ました。
旅人もその曲がった道を通っていきました。
こうして
歳月は
流れ、草はとれ、地肌が顔を出し、曲がりくねった草原の中に小さな
小道ができ上がりました。こうなってまいりますと、村人も
旅人も馬車も犬もその曲がりくねった道を通るようになりました。
歳月が矢のように過ぎまして、そこの曲がりくねった
小道は大きな
通りになっていきました。村の人々は、その大きな
通りに沿って曲がりくねって家を建てていきました。瞬くうちにそこは大都会の
中心街になっていきました。
鉄道が敷かれましたが、その線路においても、その道に沿って曲がりくねって通っていきました。
何十万人もの人が、今なお、何百年も昔に通ったあの一頭の
子牛に導かれてくねくね曲がりながら通っておるし、そういう町並みができていったのであります。
このことを考えていきますと、これは非常に
意味ある言葉だと私は思っております。何もないところに道をつけていく、何もないところに
都市計画をしていくんだ、
町づくりをしていくんだ、こういう
視点のときに、いかにビジョンと哲学を持って物事を進めていかなきゃならないかということの
一つの教えだと思っています。
いま
一つは、一たんでき上がっていきますと、なかなかそのことを変えていくという難しさを物語っておるように私は思えてなりません。これが、
ロボット工学の
東京大学名誉教授の
森博士がある本の中に引用されている文面であります。このことをひとつぜひ頭の中に入れていただきまして、これからの
質問に入っていきたいと思うんです。
そういう
視点で見たときに、私、町ということを考えましたときに、
構成要素として何が必要不可欠なのか、このことをまず
建設省の実際に
企画立案をされている
現場の
局長に、町の必要不可欠な概念というのはどういうものか、抽象的でありますが、まずお聞きをしたいと思います。