○
石井(紘)
委員 そうですか、わかりました。
それでは、今度は厚生省に、
特別会計との関連で伺いたいと思います。
厚生省の保険の関係の
特別会計というのは、
国民年金と厚生保険特ですか、この両
特別会計に
国民の納める保険料が大体百三十四兆円ぐらいあるんでしょうか、それを
資金運用部に預託をしておる。それで、この
特別会計には
一般会計からも相当の
金額、大体どのぐらいになりますか、四兆円ぐらいですかね、入ってくる。
資金運用部にそれを差し出して、
資金運用部はこのうちの大体累計で百四十兆、年間で約六兆円ぐらいを、年金福祉
事業団に貸し出しているわけですね。それで、年金福祉
事業団に累計三十五兆数千億を貸しておる。ちょっとなかなかこれは、
特別会計と特殊法人と
資金運用部と
一般会計でありますから、これがぐるぐる回っているわけで、大変複雑なんです。
そこで、この
資金運用部と年金福祉
事業団の金のやりとりについて、どうせこれは
特別会計から
流れていっているものが相当入っていますから、このことについてちょっと取り上げたいと思うのです。
年福
事業団は百四十兆円を
資金運用部に預託しておる、それで、利息を払っておる。金利が平均するとどのぐらいになるんでしょうか、五%までいかないぐらいでしょうかね、年福
事業団が受け取る金利は。それを今度は
資金運用部から逆に、貸しているのに今度は借りる。三十五、六兆円を借りる、年福
事業団が。年間四、五兆円ですが。この利息は貸した利息よりも高い。自分たちが貸しているのに、そこから借りる利息の方がもっと高い。こういうことは、
一つの年福
事業団の大きなフォーカスといいますか、秘密の
一つなわけですね。こういうあり方というものについては、年福
事業団も大変な累積の欠損を出して相当困っておるのだと思うのですが、それで、年福
事業団が年間返済する
金額は大体五兆一千億ぐらいになるのですね。
資金運用部に借りているのを返す、五兆一千億ぐらい。そのうちの一兆六千億は利息だ、こういうふうになっているわけです。
さてそこで、年福
事業団がやっていること、これは何かといいますと、年福
事業団が運用するお金は、
資金運用部から入ってくる金と
一般会計から補助金として入ってくる金と含めて、三十五兆円ぐらいを運用するわけですね。その三十五兆円を運用するうちの二十五兆円は、信託銀行だとか
機関投資家だとかそういうところへ預けて、債券とか株とかそういうもので運用して、これは大変な欠損を出しておる。
それから、あとの十兆円は、融資
事業と称して住宅の貸し付けだとか、住宅
資金の貸し付けなんというのは住宅金融公庫からいろいろなところがやっているわけですが、まあここでもやっておる。それから、年金を担保にした小口の貸し付けだとかあるいは教育
資金だとか、こういうのを
国民金融公庫かなんかでやっているのだけれども、ここでもさらにやっているわけです。至るところで特殊法人は大体同じような金貸し業をやっているわけですね。
もう
一つ、また大変な問題になっておるのが、大規模年金保養基地というもので、これはギブアップというような状態なわけですね。
そこで、問題は、信託銀行とか都市銀行とか、あるいは
機関投資家だとか、そういうところへ莫大な金を預けているわけです。運用しているわけですね。そういうところは、それは銀行だって、一社につき例えば一兆円とか二兆円とか、がばっと仕事が来るわけですから、それはもう目の色変えて、例のMOF担じゃないけれども、天下り、天上がりの関係をつくって、そして仕事をもらいたがるわけですね、
事業を。
そういうものを利用して、ここが今度は公益法人をさらにつくる。厚生省の関係でいえば、年金保養協会なんというのは問題になっているところですね。それから、年金融資福祉サービス協会とか全国年金住宅融資法人協会とか、そういう公益法人をつくりまして、そういうものに対して、取引先の
金融機関から金を集めて、賛助会費だとかいろいろなお金を集めて、そういう公益法人を成り立たせている。
そういう公益法人には天下りの方もいらっしゃるし、また中には、年福
事業団から公益法人に直接今度は補助金を出しているところもあるし、厚生省が出しているところもある。今挙げた三つの団体以外に、さらに五十三ぐらい、私の数えたところだと公益法人がそうやってあるわけですね。
それからまた、さっきのグリーンピアの
事業なんかにすると、今度は地方公共団体を通してまた公益法人に、全部じゃないけれどもやらせている。グリーンピアの大規模保養基地の四つは年金保養協会がじきじきにやっている、そのほかは地方に公益法人をつくらせてやっておる、こういう形になっているわけですね。
だから、
特別会計というものから発して、そして厚生省の年金関係の特会というのは、それほど直接にそういう特殊法人に金を流したりはしていません。
資金運用部を通してやっておるわけですが、いずれにしても、特会の存在というものは
一般会計から離れておりますから、特会の中の運営というものはかなり自由裁量というものになってくるわけです。ですから、
道路特会にしても、あるいは
港湾にしても、あるいはその他のいわゆる
事業特会と言われる特会の場合は、特に自由裁量が非常にきくものですから、いろいろなことがやられるわけですね。
こういう
特別会計の制度というものについて、もちろん年金なんかは基本的には
一般会計でやるわけにはいかないものでしょうから、それは厚生年金あり、
国民年金ありというものでしょうが、特に
公共事業をやるような
特別会計、こういうものについては、今申し上げましたのは年福
事業団、年福の年金関係の
特別会計のことでありますが、ほかのそういう
事業会計の特会について申し上げてもいいんですけれども、ほとんどが今言ったように公益法人、特殊法人、天下り、あるいは業界、取引先から金を集める、こういうような構造になっているわけですね。ですから、ここから筒抜けになっていくわけですね。こういうところから、ざるから水が漏れるように
税金が
流れて飛び散っていってしまう、いわばそういう構造になっているわけなんですね。
大蔵大臣、せっかくおいでいただいていますので、この
特別会計の制度というものについて何かお考えになったことはおありでしょうか。