○
小林(守)
委員 少なくとも、今日までの取り組みのおくれというか、そういうものを早急に回復するというようなことも含めて、ぜひ抜本的な取り組みをお願いしたいと思います。
いずれにしても、あらゆるところで
調査研究、測定分析というものが行われることになります。次に、この検査体制の問題を取り上げてみたいと思うのですが、
ダイオキシン対策の適切な実施に不可欠なのは、もちろん
ダイオキシンの検査体制の
整備でございます。検査の
信頼性とか、精度の管理とか、これらについても一定の信頼される客観的な測定分析手法、マニュアル、こういうものがオーソライズされる必要があるのではないか。JIS規格制定という形での取り組みを
考えているようでありますけれ
ども、客観性や
信頼性、精度管理も確保できる、そういうことをまず早急に打ち立てていただきたいというふうに思いますし、またそれぞれの自治体が測定や分析ができるような検査体制の
整備も緊急な課題になってきております。
そういう点で、ガスクロマトグラフ質量分析計というのですか、こういう分析の機械設備をするためには大体一億円かかる、しかもその機械設備を置いておく場所、建物が必要だ、これに大体一億円ぐらいかかるという
お話で、大体一カ所二億円ぐらいかかるそうであります。ということになりますると、これは自治体では財政的な負担が大変だということになりますし、少なくとも小さい
市町村では、みずから持つだけの財政力はなかなか難しいと思うのですね。
しかし、少なくとも都道府県に一カ所ぐらいは最低なきゃおかしい話だろうというふうに思います。もちろん、政令市とか何かはまた別ですけれ
ども、最低都道府県単位でどこの県にも
設置して、できるだけ都道府県の中のブロック単位ぐらいに置けるというようなところまでいかないと抜本的な検査体制というのはできないんじゃないかと思うのです。いずれにしても、国の財政的な
支援が不可欠だというふうに言わせてもらいます。
その際に、測定や分析の技術というのは、日本人は非常に
研究熱心だし、器用だし、創意工夫、そういう点ではお得意なところですから、これから時間の短縮、今は二週間から四十日ぐらいかかると言われておりますけれ
ども、これがさらに短期間で結果が出せるというようなことになるのではないか。
それから、現在一検体について三十万円ぐらいかかっているということなんですが、
ダイオキシンの
最初のころ、国政のレベルでも問題になったころは、一検体八十万円から百万円かかると言われていたのですね。それから、廃棄物財団の
関係測定分析機関の談合じゃないかという問題がいろいろありましたけれ
ども、現在は、百万円近い
最初のころの値段から、一検体について三十万円ぐらいまで下がってきた、競争の原理も働き出したというようなところでありますが、それはさておいて、技術者の養成も欠かすことができない、このように思うのです。
きょうは時間が大分迫ってきましたから、それらについて、とにかく早急に
全国的な
調査研究、測定分析の検査体制をつくる必要があるだろうというふうに思うのです。でないと、莫大な
費用がかかっちゃうということなんですね。そんなことを
指摘しておきたいなと思うのです。
一つだけ、この測定分析の際に必ず、毒性等価係数一である最も純粋な
ダイオキシン、これが2・3・7・8TCDDと言われるものですけれ
ども、これについてアメリカから輸入しているんだという話を聞いています。日本では生産されておりません。自然に
ダイオキシン類にまじってこういうものが形成される、自然生成というような物質なんですが、これを化学的につくることができるんだと思います。
オウムのサリン事件な
どもあってぞっとしたこともありますけれ
ども、2・3・7・8TCDDはサリンの倍くらいの毒性を持った人工的な最悪、最強の毒物だと言われております。これは現在輸入されているということ、しかしこれはどのように管理されているのかよくわかりません。
そんなことで、この2・3・7・8TCDDというのは、毒性等価係数の
基準になるものですから使わざるを得ない、測定分析に必ず必要なんだというふうに言われていますが、これについては使い方を誤られたら大変なことになるわけですよ。言わずもがなですが、本当に化学兵器にだってなってしまうものですから。これはとにかく国家管理が必要な物質ではないのかな、このように思えてならないのですが、これらについて、現在どのようになっているのか、チェック体制はどうなっているのかということをお願いしたいと思います。
特に、民間の化学
関係の機関、それから大学等の
研究機関の中で、亜砒酸とか、何か毒物事件がありましたね。ポットの中に何か毒物を入れられたとか、こんな事件もあって、そういうことを
考えると、オウムだけじゃなくて、これは大変なことだというふうに思えてならないのですよ。そういう点で、危機管理ということも含めて、2・3・7・8TCDDについてはどうなっているのかをお聞きしたいと思います。