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中川(智)
委員 社会民主党・市民連合の
中川智子です。座ったままでの質問をお許しください。
私、この
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を
改正する
法律案というのを、
鳥獣保護という言葉が最初に来ておりますので、最初はこれは本当に動物を
保護するためにいい法律に
改正するのだというふうに思っておりました。ほとんど
認識がなかったというか、よく知りませんでした。
そこで、中学校の
先生をしていらっしゃる方が会長であります日本熊森協会というNGO、休みの日になると子供たちも連れて仲間と
えさがなくなった山、森に入って一生懸命ドングリですとかいろいろな木の実を植えて動物たちの
えさを復元し森を生き返らせたいという小さなNGOのグループの人たちが、ぜひともこの法律を見直してほしい、本当の
鳥獣を
保護する法律をつくってほしいということで私の部屋にいらっしゃいました。それで私も、どうして動物たちが山里におりてきて農作物を食べ荒らすのか、なぜなのか、本来ならば山の中で、森の中で暮らしていきたいだろう、そこが彼らの生きる場所であっただろうに、どうして森から出てくるのか、そこをいろいろ考えました。そしていろいろな人の
お話を聞きました。
私も、大台ケ原とか、山歩きが大好きですからいろいろなところに行きます。最近は便利になった。あの山もてっぺんまでドライブウエーが走っている。そして、行くとゴルフ場がどんどんできている。そんな中で、動物たちが山でもう暮らせなくなっている。人間がどんどん動物たちが暮らすところに、侵略していくという言葉がぴったりです、そのようになっていって、食べるものもない。そして、道路ができたり、本当にいろいろな開発の中で動物たちが追いやられている。
そして、今までは
広葉樹林が広がっていた日本の国土が、林業が
一つの隆盛をきわめた時代にどんどんと杉、針葉樹になりまして、それがどんどん茂ってきて日も当たらない。そこには下草も生えない。それで、動物たちが生きるために必死に自分たちの食べ物を求めて森から出ていく。人間と動物が本当にダブってしまって、そこで農作物の
被害ということ。それじゃ、
防護さくをしたり農作物の
被害の
補償をしたりするよりも安上がりだから動物を殺してしまえ、そして、絶滅の危機にあるようなものだけは人間が
管理して残していってあげましょう、そのような形でこの法律が出てきたというふうに私自身はとらえました。
そうしたら、この地球はだれのためにあるのか。本当に人間が好きなようにやって、動物たちを追いやって、森を殺していって、そして動物たちはもう邪魔だから、農作物を食い荒らすから殺せということになったら、最後にまた人間にそのツケがきっと戻ってくるだろうと思って、必死になって、やはりこの法律に対しては慎重に審議し、またもう一度見直したいという思いで、いろいろなNGOの方たち、そして
環境庁ともいろいろな
お話し合いをこの間させていただきました。
不安なことがたくさんありましたけれ
ども、参議院で通過して、このように衆議院の審議できょう議了、採決というところまでいくときに、ここだけはどうしても聞いておきたいという何点かを質問させていただきたいと思います。
熊森協会の方たちの言葉の中で、私もとても尊敬しておりますレイチェル・カーソンが、私たちは自然の支配に熟達しようとしてはいけない、私たち自身を制御することに熟達すること、これを今日ほど強く求められているときはないのではないかということを言葉として残しております。
人間が動物たちを邪魔だからといって殺し、そしてそれに対する防御の知恵を出さずに目の前から抹殺してしまうということがあっていいのか、どうにかして
共存していくために知恵を絞っていき、動物を
保護する法律を確立すること、そのことが大事だということをまず冒頭に
お話ししたいと思います。
それで、私は、本来厚生
委員なんですが、附帯決議のむなしさというのを感じることがすごく多いんです。ぜひともこの
環境委員会では、附帯決議というのは国会の意思であり、そして努力義務という義務ではなくて、この附帯決議がしっかり生かされてこそ、動物と人間が
共存し、未来の地球にツケを残さない、それにほかならないと思います。ですから、この附帯決議が、しっかりと
環境庁がどのような態度でいつごろまでに、また、
関係省庁の林野庁、農水省と力を合わせてつくっていくのかということを伺いたいと思います。
まず、参議院から送られてきました附帯決議の一番ですが、「緑の国勢
調査その他の自然
環境に関する
調査を徹底し、」とございます。これを徹底した後でこの
鳥獣保護及び
狩猟のという法律が出てくる、それが筋だと思うんです。このような
調査もせずに今回の
法改正というのは、全くひっくり返っているというふうに私は
認識しておりますけれ
ども、この国勢
調査その他の自然
環境に関する
調査を徹底し、国全体の
鳥獣の
生息状況を適切に
把握するというのは、大体いつごろまでにするのかということをお伺いしたいと思います。