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福田委員 私が申し上げたかったのは、
北朝鮮との
ミサイル交渉が行われるという寸前に
中国がそういうことをしたということなんで、
中国も余り、軍部が強くてというふうな話もありますけれども、
外交的配慮なくしてやったのかな、こんなふうに思うので、私は、やはりその辺は
中国にかなり強く申し入れしてもいいんじゃないか、こういうように思います。
どちらかというと
日本の
対応は、こう言ったら失礼かもしれませんけれども、慎重な
対応をしている、こんなふうに思います。今のそういう
外務大臣の
お話もございましたけれども、もうちょっと強目な
発言をされてもよかったんじゃないかというのが私の率直な感想なんです。
また、
外務省の
報道官なんかの
報道ぶりも、最初は
国際社会の
流れに逆行すると言っていたけれども、そのうちに、
国際社会に与える
影響は定かでないとか、そんなふうな言い方になってしまうとかいうようなことが多分あったんだろうと思います。私もちょっと正確な
データはないので断定いたしませんけれども、そういうような表現をされておられたようなことは、これは
報道で拝見しておるわけであります。
中国の
ミサイルの
発射について、これは
中国もいろいろな
背景があって、やむにやまれずということがあったんだろうというふうに私は思うので、そういう
背景などを考えていきますと、やはりその
部分だけの議論というのは当然できないわけでありまして、もっと大きな国際的な観点からの、特に
米国との
関係というようなものも含めて考えなければいかぬ。特に、
米国の、NATOの
東方拡大とかいうようなことは、ロシアのみならず
中国も
大変神経をとがらせているということでありますし、その上に
日米ガイドラインが成立した、こういうことでありますので、そういう
国際環境の中で
中国がああいう
行動をしたというように理解をすると、やむを得ない
部分もあるのかもしれない。
しかし、我々の
立場はやはり
非核であり、先ほどの
広島の話じゃないけれども、
核軍縮であり、また
通常兵器の削減とかいうようなものも視野に入れたことを
国際社会に向かって言っているわけですから、そういう
立場というものを常に堅持するという、その上での
発言を
中国に対してもしっかりしていただきたいな、こんなふうに思っております。
そういう
ミサイル発射の中で例の台湾の問題がありまして、これも非常にナーバスな問題で、これはなかなか
外務省当局、
大臣自身もこのことについて
発言するのが、微妙なことでなかなか本音は言えないというふうに私は思いますけれども、こういう
中台関係についても我々は、
李登輝総統に対して、あれでよかったのかどうか、また
中国が、だからといって
ミサイルを撃ったのかどうか、これはわかりませんけれども、もしそういうのであれば、軍事的な脅威を見せつける、そういうふうな
行動をとるとかいうようなことが仮にあるとするならば、やはり
日本としてしかるべき筋からはっきりと言っておく必要がある、こんなふうに思うのであります。
このまま放置したときに、米中が
対立をする
可能性があるのかどうか、より大きな
対立に向かうのかどうか、これもわかりません。
米国もいたずらにそういう
方向を目指しているというふうには私は思いませんけれども、
米国に対しても
日本として言うべきことはしっかりと言わなければいけない。
日本の基本的な
考え方は何かといったならば、やはり平和だということ、その点を強調してやっていくしかないんだろうというように思います。
私は正直申しまして、
平和路線というのは、大きな
流れの中ではそういう
方向に動いているというように思っておりますし、また確信をしているのでありますけれども、それをやはり
日本がリーダーシップをとってやるような
立場というものを堅持していただきたい、こんなふうに思っております。この辺のことは、ちょっと時間の
関係もありますので、これまでにしておきます。
全く話がかわりますけれども、
外交というものは、これはもちろん
外務省が、また
外交官がつかさどってやっている仕事であります。その
外交官は、やはりいろいろな
情勢というものを、
外務省内のことだけでない、それから対外的なことのみならず、
日本のいろいろな
分野の要素を取り入れながら
外交というものを進めていく、私はかねがねこんなふうに思っております。
アメリカなんかの例によりますと、あの国は
世論をうまく使うんですね。
世論を使うという
意味においては、もう一世紀前からうまく使って、そしてそれを
外交政策にはね返すということもよくやる、そういうお国柄なのでありますけれども、今でもそれは変わっていないというふうに思います。
日本は、
世論のみならず、いろいろな
分野でいろいろな
活躍をしている人がたくさんいるんですね。
一つの顕著な例を言えば、
NGOなんというのはまさにその最たるものだろうというふうに思いますけれども、最近の
NGOの
活躍ぶりが非常に目覚ましい。
各国とも
NGOを無視することはできない、こういうふうな
状況の中で、
日本も
NGOを支援するということをかなり強力にやるような体制になってきたということであります。またこれは、むしろ
外交は
NGOにおんぶするという
部分が、この間のコソボのときのような例を挙げるまでもなく出てきた、こういうことであります。
しかし、そういう団体とかそういうことじゃなくても、一般の
人たちの中でも、
外交関係ということを意識するんじゃないんだけれども、いろいろと国際的な
活躍をしている人はたくさんいるわけであります。そういうものは時として目に見えないという
部分がありまして、私もたくさんそういう例は知っておりますけれども、例えば
貧困国に対していろいろな応援をする、もちろん、留学生のお手伝いをするとか、それから
孤児院をつくるとかいろいろな
施設をつくるというふうなことも含めて、相当お金を出している。これは
私財でありますけれども、
私財を投じて一生懸命やっているという方がおられる、たくさんいる。
それがそのままで終わってしまうというのは、これは私は非常に残念だと思うのですよ。やはりそういうものを隠れてやっている
人たちがいるということを世の中にもっとPRしてほしいと思うのですよ。それを
外務省がぜひやってほしいな、こう思います。
どういう
方法でやるか、これはなかなか難しいので、具体的な
方法についてはお考えいただきたいけれども、
一つの
方法として、
外務大臣表彰なんというのは頻発してもいいんじゃないかな、私はこう思っております。これをたくさん出して、そして、ちゃんと見ているんだよという
メッセージをそういう
人たちに与えるということは大事なことだろう、そうすると、そういうことの
継続性も生まれてくるだろう、こう思いますので、その点ひとつよろしく御
配慮をお願いしたいと思います。
日本は
国際化というふうに言っておりますけれども、まだなかなかそれが進んでいない
部分があるんですね。
日本の
企業なんかも随分
海外に行っております。
海外に行っておりますけれども、
日本の
空洞化なんということも言われますけれども、しかし、
空洞化を心配する、そういう時代はもう過ぎてしまった、こういうふうに思います。
今、
海外の
生産比率というのは、五年ほど前でしたら六%ぐらいでしたけれども、今は一二%、倍になっております。しかし、ドイツなんかを見ますと、五年前が一二%、それが今や二〇%を超えておる、こういう
状況になっているというように
データで見ておるのであります。
アメリカは相変わらず
海外生産比率は昔も今も二〇%台をキープしている、それも若干ふえている、こういう
状況であります。そのことだけ見ても、まだ
日本は
国際化がおくれているな、こんなふうに思います。
それで、例えば
円構想とか
円圏だとかいうふうなことを言っていますけれども、実態はまだそこまで行っていないんじゃないか、こう思います。何か事件があると、例えば
インドネシアで紛争があれば、
インドネシアにいる
日本の
企業なんかは全部引き揚げてくる。こんなことは
湾岸戦争のときもありまして、中東におりました
日本の銀行にしろ何にしろみんな引き揚げてしまった。しかし、わずかにアラビア石油一社だけ頑張って、爆弾が着弾してそれから逃げ出した、こういうところもありますけれども。そういうようなことで、国際的な
信頼度というのはまだまだだというふうに私は思います。
そういう
意味において、もう時間がないので簡単に申し上げますけれども、
英語教育というのは、
大臣、これはひとつ大々的にやられたらどうなんでしょうか。これは
所管外でございます。ございますけれども、
外交的な
配慮から、
日本の
国際化とかそれから
日本の将来の行く末を考えた見地から、
政治家高村大臣として、
政治家としてどんなふうに思いますか。最後にそのことだけ
お尋ねをいたします。