○坂口
委員 今流動している最中でありますから、今はこれ以上お聞きをすることは大変失礼かと思いますので、これだけにとどめておきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、
和平が成立をしますことを望んでおりますし、その方向に大きく動いていることだけは間違いがないのだろうというふうに思います。
この段階でございますから、
NATOが
空爆を開始し、なぜその実行に踏み切ったかということの総括をするのはいささか早い時期であることもよく承知をいたしておりますが、やはり
NATOに入っている国々のいわゆる人権というものに対する
考え方が、非常に厳しいものがあるなというふうに私は思っております。
人権というものを侵すものに対しては厳しく対処をするというその姿勢、これは我々
日本人にはなかなか理解しがたいところもあるわけでありまして、
日本におきましては、例えば先般来の通信傍受のことでもそうでありますが、善良な市民の人権というものだけでなくて、組織的に大きな犯罪を犯した人、あるいは犯す
可能性のある人に対しても人権というものは守られるべきだというような風潮がございまして、善良な市民の人権も、あるいは犯罪者の人権も何か込みにして語られるところがございます。
そこはしかし、ヨーロッパ、
NATOに所属する国々におきましては、やはり人権を侵すものに対しては厳しく対処するというその姿勢は、
日本におきます人権感覚とは大分意識が違うのではないかという気がいたしております。
これはまた、ヨーロッパだけの話ではなくて、我々のアジア地域におきます問題にも関連をしてくるわけでございますが、我々もやはり人権に対してはきちっとしたものを持っていかなきゃならない時代が来ているのであろうというふうに思っております。
そういう
意味で、この
NATOの出陣、それを総括する時期としてはまだ早いわけではございますけれども、この人権というものに対して厳しく立ち向かった
NATO軍、これがなぜそうであったかということに対するもし大臣のお
考えがございましたら、これはお答えをひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
それから、時間的に制限されておりますからもう一つお聞きをしたいと思うんです。しかし、そうはいいますものの、この
NATO軍の今回の出動によって軍需施設等が爆撃を受けたわけでありますが、ただ、その軍需施設だけではなくて、中国大使館誤爆の問題がございましたが、その中国大使館の誤爆の問題だけではなくて、一般市民の、病院でありますとか老人施設でありますとかというような民間の施設に対する誤爆もかなり相続いたわけであります。その都度、誤爆であったということになってきているわけでございますが、一遍か二遍でございますと、誤爆も、それはそういうことも起こり得る
可能性もあるだろうというふうに思いますけれども、何回もたび重ねて誤爆ということが言われますと、本当に誤爆かな、そういう民間施設も含めた爆撃ではないのかという、そんな思いもしないではないわけであります。
NATO軍は、私は、この人権というものに対して厳しい
考え方を持って今回対処したというふうに思っておりますが、それであればあるほど、その軍需施設といったものに対する爆撃と民間に対する、一般市民に対する爆撃とは、これはきちっと整理をして区別をしなきゃならない、民間にそういう爆撃をしてはならないということをきちっとしなきゃならない
立場にあるというふうに思っているわけでございます。
トータルでの
NATO軍の行動というものに対して理解を示します一方において、その辺のところをきちっと整理しないといけない。それに対して
外務大臣としてはどんなふうにお
考えになっているか。
恐らく、もう近いうちにこの爆撃も、
空爆も終わるのであろうというふうには思いますけれども、まだ終わったわけではございませんから、万が一これからまだ続くというようなことになりましたときに、その辺に対して、
日本としての発言というものも、国際舞台の中で適当な時期に適当な場所であってもしかるべきではないかという気もいたします。
その辺のところをあわせてお聞きしたいと思います。