○伊藤(茂)
委員 最初に申し上げましたが、いずれにいたしましても、IMF、
国際通貨基金協定改正につきましては賛成いたしますけれども、今のIMFの現状、将来については厳しい目を持ってやっていくというのが私の気持ちでございます。
もう
一つの
アフリカ開発銀行関連のことについて
質問を申し上げます。
先ほど同僚の赤松
委員の方から
質問がございました。私も趣旨は賛成でありまして、その延長のことをひとつ申し上げたいというふうに思います。
間もなくケルン・サミットが開催をされる。恐らくその中で、
一つの大事な焦点として、先ほど話題のございました重債務貧困国対応ということが話題となるということではないかと思います。また、
ドイツからもことしの一月新しい提案がございました。最近の報道をずっと見ますと、つい先日、十六日にも、クリントン大統領が
アフリカ諸国の閣僚級会合で演説をしたという内容でその問題を重点に実は触れられております。また、そのほかの国も、ちょっと調べてみますと、
イギリス、
フランス、カナダ、ノルウェー、いろいろなところから、この問題をどうするのか、真剣なさまざまの提言がなされているという
状況でございます。
確かに、
アフリカ開発銀行など、
日本の
出資の比率は高い。それから、非常に遠い国ということがございます。しかし私は、
一つはやはり、二百近い世界の中で数十の非常に大きな比率を占めている大陸でございますから、それらの国々の中で
日本がどういう目で見られているのか、尊敬の念と友好の念を持って見られているのかどうかということは、
我が国の将来にとっても非常に大事なことだと思います。
それから、
政府のさまざまの
開発援助の問題、それから民間のさまざまな金融経済
措置などを含めまして、
日本は、特に
政府でいうならば、文字どおりの援助大国と言われておるわけでありますが、また、
ODAに関する
我が国の原則というものも内閣で長年
指摘をされ、確認をされております。しかし、本当の援助というのは銭目の額ではなくて、質的に言ってどうなんだろうかということが非常に問われる
一つの大事なテストケースではないだろうかというふうな思いがするわけであります。
私は、見てみますと、
アフリカの大陸における深刻なそういう状態がある。それにつきましても、借金は返すのが当然だというのが世間の常識ではございますけれども、歴史を振り返ってみますと、冷戦時代に米ソ両陣営の援助競争があって、それから勢力拡大の熾烈な競争があって安易な貸し付けがなされ、重債務国になった。そういう歴史的な
経緯なども歴然と実はあるわけでありまして、そういう歴史を踏まえた上で、
国際社会として、どのように展望のある、希望のある出口を示すのかということにしなければならないという気持ちであります。
私が
質問したいのは、「
ドイツ連邦
政府の新債務救済提案」一月十一日発表というものを読んでみました。読んでみますと、次のサミットの議長をなさる方々の、主催国の提案でございますから重きをなすと思いますが、私の手持ちの
資料でも七項目ございますけれども、それを読んでみましても、これは前文に書いてある、IMF、
世銀との
協力のもとに新たなイニシアチブを前進させることの必要性とか、それから重債務貧困国の
解決のためのプロセスを促進する、そのための暫定期間を短縮するという問題とか、あるいはそれらを
解決するためのファンドをつくらなければならない。
ドイツの場合には、本年、一九九九年のうちにこのファンドに資金拠出をするということが言われておりますし、これは
世銀のイニシアチブの問題ですね。それから、IMFの関連での新たな拠出をしていく、これについても
ドイツは応ずる用意があるとか、またパリ・クラブで決まってきたさまざまなことをテンポを上げるとか、幾つかのことが七項目について打ち出されております。
ざあっと読んでみましたら、
我が国にとって政策上不可能なこと、筋違いなことではない、また大いに検討し得ることではないだろうかというふうな感じで読んだわけであります。それから、クリントン大統領の発言にいたしましても前向きでありますし、また
イギリス政府からの対応、前向きにぜひやっていきたいというふうな態度表明がなされているということになるわけであります。
そうなりますと、こういう大きな問題で、サミットの場で特に主催国のシュレーダーさんが積極的な提案をなさるという中で、何か
日本が一番影が薄いとか、後ろ向きであったとか、冷たいとかという印象は絶対やはり避けるべきであろうし、これは
外務大臣も、そういうことはあってはならぬというふうにお
考えになっていると思います。
そういう
意味で、先ほど来御答弁を伺っておりますと感じられるのですが、もう一歩踏み込んだと申しましょうか、積極的な対応というものが、やはり
我が国の世界の印象からしてもなされるべきではないだろうかというふうに思いますが、中身の細かいことは別にいたしまして、どうお
考えでしょう。