○辻(一)
委員 私は再
処理を全部否定しているわけじゃないのですね、これはまたそれで必要だと思う。だけれ
ども、これは
全量再
処理というのがこの方針であったわけですね。再
処理をして、出てきた
プルトニウムを、余分を持っておるわけにはいかぬから早く
処理しなきゃならぬとなると、今早急に
プルサーマル等で消費をしなければならぬという。
資源のある国は、大量の
使用済み燃料を、今世界はどの国も、さっき午前中も論議があったように、保管をしている。アメリカも三万三千トンの
使用済み燃料を、ワンススルーで使い捨てというものの、まだ捨てないで保管しておるのが事実ですね。フランスにしたって、私もフランスのラアーグも見に行きましたが、関電だとかそういう電力会社のキャスクが全部ずっと
処理場に並んでいる。では、フランスはどういうふうにやっているかといえば、まず、外国と契約した再
処理の
使用済み燃料を
処理する。そして、フランスの大使館をこの間呼んで勉強会をやったときにも、フランスの大使館は、今我々は、必要な量、今どうしても要る量を再
処理している、こう言っておるんですね。そうすると、フランスも自国の
使用済み燃料について、ラアーグの
処理場の近くか、場所は別として、相当量を保管しておると私は思うんですよね。ドイツだってそうですよ、イギリスにしても。
各国は、確かに、ドイツのように石炭を持つとか、アメリカのように石油がいよいよになればあるとか、イギリスのように石油があるとか、それからフランスのように
原子力に重点を置いている、そういう開きはありますが、現実に
使用済み燃料は、かなりな量を各国はいろいろな形で保管をして、そして将来使えるものなら使ってみようという
状況にあるんですね。
アメリカは、論議がありましたが、これはワンススルー方式で使い捨て、カーター政権以来そういう
政策をとっておった。しかし最近ちょっと
状況が変わってきた。しかしこれも、我々も見に行って、じゃ、本当にアメリカは
政策を
変更しているのかというと、いや、ワンススルーの商業用のこれについては
政策は変えていません、こう言っておるんですね。核弾頭の解体から出てくる
プルトニウムについては、これをMOXで使うようにしているという。だから、商業用については何も変わらないと言っている。だけれ
ども、ユッカマウンテンの
現地へ行って、トンネルの中へ入って、いろいろ聞いてみると、彼らは、軍事用とそれから民生用の
使用済み燃料をそこで永久処分するために試験をしておるんですね。ずっと大きな、新幹線のちょっと小さいぐらいのトンネルを掘って、そこに並べてやっておるんです。
ところが、私がこういう
質問をしたんです。この
使用済み燃料は、B型、P型、いわゆる沸騰水型と加圧水型の
燃料というものを一緒にして保管しているのか、どうしているんだと言ったら、いろいろ一緒に入れておるんですね。だから、その
使用済み燃料をもし生かそうというような
考えがあるならば、B型、沸騰水型は沸騰水型、まあ東電のようなのは一緒に、それから、関電系の加圧水型は加圧水型で
使用済み燃料を一緒に保管したら
処理が万が一のときに将来しやすいんじゃないかと言ったら、そういうことは初めて聞いたので、ぜひほかの機会に正式に発言をしてくれと現場の人は言っているんです。
だから、まず第一は、恐らく三百年ぐらい保管をするというのは、地殻変動等が将来心配されたときに、取り出すことができる。周辺の住民はそういう
施設をつくるというとやはり心配がある。だから、
永久貯蔵というとなかなか難しいから、三百年はあけておいて、大地震の予告、地殻の変動等があるなら、そこから持ち出すこともあり得るということを説明するために、三百年と言っているという意味もあるんです。しかし、その
考えの中には、現場の専門家の連中が言っているように、置いておいて、将来それが必要とあれば出していく道もあるから、同じ種類のものは同じように保管をした方がやりやすいと思うので、そういう提言があったらやってくれ、こう言っておりました。それらを見ると、アメリカにせよ、ワンススルーとは言いながら、将来の
資源のことを十分
考えておると思うんですね。
前にも
お話ししましたが、昭和六十三年に、ウィーンのIAEAへ行って当時のブリックスさんだとかと随分論議をしたときに、ローゼン
原子力安全部長とかなり論議をしたときに、
使用済み燃料の道は、日本やイギリスやフランスのように再
処理をしていく道と、それから、アメリカのようにワンススルーで使い捨ての道とがあるが、アメリカのワンススルーには、これはプールにつけて、ちょっと将来、三十年から五十年様子を見ようという
考えも含まれているということを既に十数年前に彼は明確に言っておるんですよ。だから、そういう流れが私はアメリカにもあると思うんですね。
こういうことを見ると、アメリカにしろフランスにしろドイツにしろイギリスにしろ、それから、ロシアは、もちろんこれはもう何とか
資源として使わなければいかぬからというので、簡単にアメリカの
管理のもとには属さないで独自の道を歩もうとするからMOXの問題が出てきたと思いますが、それらを見ると、どの国も将来の
資源としての展望を視野に入れている。
我が国は、正直で結構なんですが、早くひとつ
プルトニウムをなくそうというので、せっかくの
資源をなくしてしまう方に非常にウエートを置くように思うんです。再
処理を私は否定はしていない。青森の
工場もあるんだから、それは有効に使うことは大事だと思いますが、当面、第二の
工場をつくる必要もないし、
中間貯蔵によって
資源の備蓄を
考える、こういう構想を持っていいんじゃないか。
だから、
原子力長計の中にも、言いわけだけが、もう五年前にこうしますとちゃんと予告してありますと。それは確かに小さくはかじは切っているんですね。しかし、それはかなり大きな
政策の変化かあるいは前進か、それはどちらになりますか、評価はいろいろあるでしょうが、そういう時期に来ているので、
資源の確保という観点からかなり、かなりというか大いに見直しをして、検討をする必要はあるんじゃないか。今までのいきさつだけにこだわらずに、
長計の見直しについても
考える必要はあるんじゃないか、こう私は思っておるんです。
事務局の
答弁あったら、これについていただいて、
大臣の見解もちょっと伺いたい。