○鍵田委員 非常に能力を持たれた
研究者、立派な
研究者を犯罪に巻き込んだりするようなことのないように、ぜひともお願いをしたい。そして、特許もそうでありますけれども、大変失礼ですけれども、どちらかというと、そういう
研究者の方というのは世事に疎いという一面も持っておられるように思います。そういうふうな面から、そういうようなことに巻き込まれたり、それからまた、せっかくの
研究の
成果が生かされないままで埋もれておるというようなことのないように、これはやはり政治なり、また機構の中で何とか生かしていくということが大事なんではないかというふうに思っておりますので、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
次に、
日本の
経済の
活性化のためには、大変先端的な
技術といいますか、
研究が必要でありますし、その
成果を産業に生かしていくということによって
活性化をしていくということで非常に重要なことでございますけれども、ただ、先端
技術というものも、
基盤技術があってこそ先端
技術が生かされるということが意外と見忘れているところがあるのじゃないかというふうに思うわけでございます。
基盤技術が失われてしまいますと、せっかくの先端的な
技術なり先端的な
研究の
成果が生かされないというようなことが起こってくるわけでございます。
そういう
基盤技術というのは非常に中小企業が多く持っておるというような側面もございまして、実は私自身、
国会へ参りましてから、ものづくり
基盤技術振興基本法という
法律を何とかしたいということで、参議院の今泉議員と一緒になりまして、各方面にお願いに行ったり
研究をしたりしておるところでございますし、また、中小企業などが集積しております
地域などに参りまして、実際にその現場を見たり、またその人
たちの声を聞いたりもしておるわけでございますけれども、どうもバブル
経済のあたりから、こういう
物づくりについての物の見方が
日本人全体におかしくなってきているのじゃないか。
先ほどの
長官のお言葉に、
青少年の
科学技術離れというお言葉がございましたけれども、私は、
物づくり離れも一緒に、むしろこっちの方が先に来ておるのじゃないかなというふうに思うぐらいでございまして、こういう
基盤技術がなくなってくるということは非常にゆゆしき問題でございます。
実はバブルのあたりに、学校なんかのプログラムで中小企業などを見学に来た親子の会話を聞いておりますと、お母さんが子供さんに、あんたもしっかり勉強しないとあのおっちゃんみたいになるよと。汗まみれ、油まみれで仕事をしておる、そういうことに対してそういう言葉が出てくる、それが働いている人にも聞こえるというふうなエピソードがあるわけでございまして、これは単なるエピソードとして聞き捨ておくには大変重要な問題ではなかろうか。
大学の
技術畑の学部を卒業してもほとんどが金融機関に勤める、そして製造業などには余り来ないというような実態もあったわけでございまして、そういうふうな
状況が、最近は余りそう極端にはないのじゃないかというふうには思いますけれども、しかし、一たん景気がよくなれば、またぞろそういうふうな傾向になってくるのじゃなかろうかなというふうにも思うわけでございます。
また、高校にしましても、工業高校というのはどうも軽んじられて、普通科に行ってとにかく大学に行くというような風潮がもうずっと前から続いておるわけでございまして、この辺は、教育者でもございます
長官のお考えはいかがかというふうに、ひとつ所見をお聞きしたいと思います。