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1999-03-24 第145回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十一年三月二十四日(水曜日) 午後零時三十分
開議
出席委員
委員長
五島
正規君
理事
嘉数 知賢君
理事
武部 勤君
理事
仲村
正治
君
理事
望月 義夫君
理事
原口 一博君
理事
松本 惟子君
理事
長内 順一君 安倍 晋三君 稲垣 実男君
今村
雅弘
君 大野 松茂君 栗原 裕康君
佐藤
静雄君 新藤 義孝君 園田
修光
君 宮腰 光寛君
吉川
貴盛君 上原
康助
君
古川
元久
君 白保 台一君
冨沢
篤紘君
一川
保夫
君 古堅 実吉君
伊藤
茂君
出席国務大臣
外務大臣
高村
正彦君
国務大臣
(
総務庁長官
)
太田
誠一君
国務大臣
(
沖縄開発庁長
官)
野中
広務君
出席政府委員
内閣審議官
兼
中央省庁等改
革推進本部事務
局次長
松田 隆利君
内閣審議官
安達 俊雄君
内閣官房内閣安
全保障・
危機管
理室長
伊藤
康成君
防衛庁防衛局長
佐藤
謙君
防衛庁装備局長
及川 耕造君
防衛施設庁長官
大森
敬治
君
防衛施設庁総務
部長
山中
昭栄君
防衛施設庁施設
部長
宝槻
吉昭
君
環境庁自然保護
局長
丸山 晴男君
沖縄開発庁総務
局長
玉城 一夫君
沖縄開発庁振興
局長
襲田
正徳君
外務省北米局長
竹内 行夫君
外務省欧亜局長
西村 六善君
外務省条約局長
東郷 和彦君
農林水産大臣官
房長
高木 賢君
労働省労働基準
局長
伊藤
庄平君
労働省職業安定
局長
渡邊 信君
委員外
の
出席者
北方対策本部審
議官
川口 雄君
運輸大臣官房審
議官
鶴野 泰孝君
衆議院調査局
第 一
特別調査室長
高橋 徳光君
委員
の異動 三月二十四日
辞任
補欠選任
吉川
貴盛君
今村
雅弘
君
鳩山由紀夫
君
古川
元久
君
山中あき子
君
冨沢
篤紘君
鰐淵
俊之
君
一川
保夫
君 同日
辞任
補欠選任
今村
雅弘
君
吉川
貴盛君
古川
元久
君
鳩山由紀夫
君
冨沢
篤紘君
山中あき子
君
一川
保夫
君
鰐淵
俊之
君 二月十六日
沖縄
県の
緊急経済対策
の
早期実施
に関する
陳情書
(第九一号)
沖縄
県の雇用・
失業対策
に関する
陳情書
(第九二号)
那覇空港自動車道
の
整備促進
に関する
陳情書
(第九三号) は本
委員会
に参考送付された。 本日の
会議
に付した案件
沖縄
及び北方問題に関する件 午後零時三十分
開議
――――◇―――――
五島正規
1
○
五島委員長
これより
会議
を開きます。
沖縄
及び北方問題に関する件について
調査
を進めることとし、
高村外務大臣
、
太田総務庁長官
及び
野中沖縄開発庁長官
の所信に対する
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
仲村正治
君。
仲村正治
2
○
仲村委員
野中官房長官
には、昨晩からけさにかけて徹夜で、大変お疲れのところだと思いますけれ
ども
、ぜひ御
協力
をお願い申し上げたいと思っております。 私は、まず、戦後半
世紀
を経過して、
戦中
戦後そして将来の
沖縄
問題についての
政府
の
対処方針
を、私見を交えながら
お尋ね
をいたしたいと思います。 去る一月の
内閣改造
で、
内閣
の中枢の
実力者
であられる
野中官房長官
が
沖縄開発庁長官
を兼務されるようになった。そのことは、戦後半
世紀
を過ぎた今日、今なお
沖縄
の
戦中
戦後に起きた問題の処理が山積し、これを的確に解決しなければならないという
小渕総理
の
沖縄重視
のあらわれだと受けとめております。
沖縄
問題は、すぐれて
我が国
の対
米外交
及び
防衛
を左右する最重要な
政治課題
であると私も
考え
ております。 そこで、
野中官房長官
と申し上げた方がよいか、あるいは
沖縄開発庁長官
と申し上げた方がよいか迷うところでありますが、まずは
野中官房長官
の、戦後半
世紀
を経過した今日の
沖縄問題解決
に対処される御
決意
と所見を
お尋ね
いたしたいと思います。
野中広務
3
○
野中国務大臣
私から改めて申し上げるまでもなく、
沖縄
は、あの大戦の中、
我が国国内
において唯一の
地上戦
を経験されました。多数の
県民
のとうとい命が
犠牲
となったわけでございまして、その後も、二十七年の長きにわたりまして
米国
の
施政下
に置かれるなど、
沖縄
の
戦中
戦後は
苦難
の連続であったと
承知
をしておる次第でございます。
我が国
に
復帰
をいたしました後、
県民
の多大の御
努力
と、三次にわたる
振興開発計画等
に基づきまして総額五兆円を超える国費を投入するなど
沖縄
の
振興開発
のための諸
施策
が講じられ、
インフラ整備等
におきましても着実な進展が図られてまいったわけでございますが、さはさりとて、
本土
と
沖縄
の間の
格差
は今なお
相当程度
のものがあるわけでございまして、ある
程度
の
格差是正
が行われたとは申せ、そこに深刻なものを残しておるわけでございます。
復帰
後二十七年を経過いたしました今日、いわゆる戦後の
米国施政下
にあった二十七年、そして
復帰
後二十七年を迎えたこの
節目
に、私が
沖縄開発庁長官
として、さきの
改造内閣
でその
内閣
の一員に叙せられたことを、
政治家
としてまことに光栄に存じますとともに、その使命の重さを痛感しておるわけでございます。 一方におきまして、
内閣官房長官
を仰せつかっておりますので、心は
沖縄
にそれぞれきめ細やかな気配りをしたいと思いながらも、つい直接足を運ぶこともできずに大変苦しんでおる一面もあるわけでございますが、微力を果たして、
沖縄
のそれぞれ二十七年目という
節目
に、私
自身開発庁長官
としてその責めを負うたことの重さを深刻に受けとめながら、今日の深刻な
沖縄
の
経済状態
を直視いたしまして、
基地
問題はもちろんのこと、
先生方
の御
努力
、御
理解
を賜りながら、この
米軍施設
・区域の
整理
、
統合
、
縮小
に向けて着実な
取り組み
をいたしていきますとともに、私としても、こうした
沖縄
の抱える深刻な
状況
に直視をいたしまして、誠心誠意取り組んでまいりたいと存ずる次第であります。 お
地元
でそれぞれ長い間この
苦難
の
歴史
を見詰めてこられました
仲村委員
のまた一層の御
支援
、御
協力
をお願い申し上げる次第であります。
仲村正治
4
○
仲村委員
ただいまは、
野中官房長官
から、
戦中
戦後の
沖縄県民
の受けた苦しみ、これを率直にお述べになり、
政府
のこれから引き続く
沖縄
の
振興策
についての力強い
決意
を述べていただきまして、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
官房長官
、きょうは三月二十四日であります。この三月二十四日に
沖縄北方特別委員会
が開かれたことに、
沖縄
の
戦中
戦後の
苦渋
、
苦難
の
歴史
を顧みて、私は不思議な
因縁
を
感じ
ているところであります。それは、ことしが
沖縄戦
から五十四年目、先ほど
官房長官
も
お話
しになられました。そして
米軍占領
による異
民族統治
が二十七
年間
続きました。その後、
昭和
四十七年に
県民悲願
の
祖国復帰
を達成してから、これまた二十七年ということであります。
沖縄
の戦後史は、異
民族支配
二十七年、
祖国復帰
二十七年ということになっているわけであります。 それだけではありません。
米軍
の
沖縄進攻作戦
は
昭和
二十年の三月二十三日、つまりきのうから始まり、そして、きょう三月二十四日は、
沖縄本島南部
の具志頭村の港川に
米軍
が
艦砲射撃
を始めた不思議な
因縁
の日であります。今さらとも思いますが、
米軍
の
沖縄進攻作戦
は、
米軍
にとっても
日米戦争
の勝敗を決定する覚悟で、
米軍
の総力を結集したと思います。そして、三月二十三日から六月二十三日までの九十日間続きましたが、
沖縄本島
の恐らくぐるりと二、三百キロの海域を何百隻という艦船が取り巻き、四方八方から
艦砲射撃
を撃ち込み、ハチの巣から飛び散るような無数の
艦載機
が、当時はカーチス、グラマンと言っておりましたが、このような
艦載機
が爆弾を投下する、機銃掃射する。その援護を受けて上陸した
米軍
は、
戦車砲
、
迫撃砲
、それを先頭に、抵抗する
日本軍
と逃げ惑う非
戦闘員
の
沖縄県民
を無
差別容赦
なく砲弾を撃ち込み、ついに
日本軍
は壊滅的に敗退し、
日米
両軍とそれに巻き込まれた
沖縄県民
など二十三万人余の
犠牲者
を出して、
沖縄戦
は終結をいたしたのであります。 私は、先ほど、ことしは
沖縄
県にとって、
米軍占領
の異
民族支配
二十七年、そして
復帰
して二十七年という
節目
の年であります、このように申し上げましたが、特にきょう三月二十四日は、
米軍
の
沖縄進攻作戦
で
艦砲射撃
の始まった日であります。そういうようなことも念頭に置いて、私は次のことを申し上げたいと思います。
沖縄県民
は、
戦争
という
国家行為
の中で、まさに地獄の修羅場を見るような凄惨きわまる悲惨な
犠牲
になってしまったのであります。このような
苦渋
と悲劇の
歴史
をくぐり抜けてきた
沖縄県民
の
戦争
に対する
憎悪感
は、恐らく他県の人々には
理解
できないほど強いものがあります。これを風化させてはならない
気持ち
が非常に強いのであります。このことが
基地反対
の感情であって、決して、あの五五年
体制下
の、イデオロギーに支配されたような反米とかあるいは反
基地
とか反自衛隊の
主義主張
ではないということを、ここで明確に申し上げておきたいと思っております。 私は、次に、
基地
の
整理
、
統合
、
縮小
について申し上げます。 大変失礼な言い方だけれ
ども
、どちらかといえば、これまで
政府
は、県土の一一%、そして
沖縄本島
の二〇%という過密な
沖縄
の
米軍基地
に無神経であったと言っても決して過言ではないと私は
考え
ております。しかし、あの
平成
七年九月の不幸な
少女乱暴事件
で
県民
の怒りが爆発したのが、
日米
両
政府
をして真剣に
沖縄
の
基地
の
整理縮小
を検討させ、
平成
八年十二月二日に
SACO
の
最終報告
が
合意
されたのであります。しかし、その大半は引き続き
沖縄
県に
移設
をするということであるので、真に
県民
が求めている
整理縮小
ではないということもまた事実であります。そのことについて、前の
大田知事
は、
SACO
に基づく
基地
の
県内移設
は認めない、
移設
は
県外
だと言って、
SACO合意
の
作業
はデッドロックに乗り上げてしまい、立ちどまってしまったのであります。 確かに、
県内移設
では真の
基地
の
縮小
ではないので、決してベストの選択ではないと私は思いますが、しかし、一歩でも二歩でも、
基地
を一カ所の
地域
に
整理
統合
していくのが現実的な
対応
である、いわゆる最善ではないけれ
ども
次善の策として受け入れるべきである、多くの
県民
がこのように
考え
ているところであります。その証左が、去年の十一月の
知事選挙
で
稲嶺知事
が
県民
から支持をされた、こういうことだと私は思っております。 昨年十一月の
知事選挙
は、まさに
基地
の
整理縮小
が争点になって戦われ、
日米安保
を
前提
にした
SACO
の着実な
実施
を訴えた
稲嶺知事
が勝利をしたのであります。
稲嶺知事
は、
選挙
を通じて
那覇軍港
と
普天間基地
の
移設
を明確に打ち出しました。そのことを受けて、
政府
としては、
稲嶺知事
の
政策
を強く支持する
立場
だと
考え
ております。
政府
は、今まで、
SACO
の
最終決定
を
実施
する上で、
大田知事
の
県内移設反対
の姿勢に随分と苦労してきたところだと思います。そういうこともあって、
稲嶺知事
が当選したからといって、
外務省
や
防衛庁
では、あたかも堰を切ったように、勇み足の
感じ
がしてならなかったのであります。 私は、昨年十二月十七日の自民党の国防三部会で、
稲嶺知事
が
那覇軍港
や
普天間基地
の
移設
を言ったからといって、
那覇軍港
や
普天間基地
はいつ移しますか、どこに移しますかと
稲嶺知事
をせき立てることは慎んでもらいたい、
SACO
での
決定事案
を一つ一つ着実に
実施
するためには、
県内
での
環境整備
や
条件整備
がまず先決だ、せいては事をし損ずる、このようなことで、
外務省
や
防衛庁
に強くくぎを刺しておきました。 この問題の進め方について、私は
野中官房長官
の御
意見
を承りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
野中広務
5
○
野中国務大臣
仲村委員
から、今、今日に至る長い経過の
お話
がございました。
那覇軍港
の
移設
につきましての
お尋ね
でございますけれ
ども
、
地元
が従来からこの
返還
を強く
要望
をされてまいったわけでございまして、
平成
七年五月の、
お話
のございました
日米合同委員会
におきまして、
代替施設
が
浦添埠頭地域
へ
移設
されること等を
条件
にいたしまして、
返還
をする
方針
が
承認
をされたわけでございます。 このように、
那覇
港の
港湾施設
は、
米軍
の現在保有いたしております
機能
の確保を
条件
にいたしまして、全部
返還
する
方針
が
承認
をされているところでございまして、
移転先
において
整備
される
施設
の内容及び
使用形態
につきましては、
地元
のお
考え
を拝聴しながら、
日米
間で調整をしていきたいと
考え
ておるわけでございます。 この問題につきましては、
浦添
市を初め、それぞれ
地元
の御
理解
、御
協力
も進みつつあるわけでございますけれ
ども
、さはさりとて、先ほど申し上げましたように、
米軍基地
がそのまま
前提
となっておるわけでございますので、そのように十分
機能
するような
地元
の
理解
ができるかどうかは、まだまだ不透明な点があるわけでございます。 しかし、私
ども
は、いずれにいたしましても、単にこの
那覇港湾
の
移設
だけでなく、
普天間
を含め
米軍基地
のありようにつきまして、県の頭ごなしにするということはいたしません。このことを明確に申し上げますとともに、それぞれ県のお
考え
を十分お
伺い
をし、そして
稲嶺知事
も県庁内に
プロジェクト
をお立てになったようでございますし、これの
お手伝い
をするために、
要請
があれば、それぞれ
お手伝い
をしたいと
考え
まして、
内閣
にもまた
プロジェクトチーム
を立ち上げた次第でございますけれ
ども
、基本は、
沖縄
県及び
関係自治体
のお
考え
を、
知事
がかわったから、頭ごなしにあるいはせかせかとこういう問題をやるなどと私
ども
は
考え
ておりません。前
大田知事
、
稲嶺知事
が得票されました六十万
余り
を超える得票は、
基地
に対する
沖縄県民
の
意思表示
をしておると厳粛に受けとめておるわけでございまして、このことを大切にしながら、これから、
沖縄
県の痛みをそれぞれ
関係
の
皆さん
とともに和らげるように、そして所期の目的が達せられるように、真摯に取り組んでまいりたいと
考え
る次第でございます。
仲村正治
6
○
仲村委員
この場で私の
考え方
を明確にしておきたいんですが、私は、
稲嶺知事
が
選挙
を通じて言われた、
SACO
の着実な
推進
を図っていくという
考え方
、これを、私たちは国会の場にある者といたしまして
支援
をしていきたい、こういうふうに思っております。 そして、
稲嶺知事
は、
那覇軍港
の
移設
、そして
普天間飛行場
の
移設
を
県民
に約束をされたわけでありますが、それには、やはり
検討委員会
をつくって、どのような形で、いつ、どこに
移設
をするかということについても、その
検討委員会
の結果を見なければならないわけでありますので、ややもすると、五月の
日米首脳会談
に間に合わせて何とか目鼻をつけようというようなことにならないように、ぜひ
沖縄
県の
対応
を慎重にひとつ見守っていただきたい、そして
政府
としてとるべき
支援
はお願いしたい、こういう
気持ち
であります。 そして、
稲嶺知事
は、去る一月二十九日の
沖縄政策協議会
で、
那覇
港の
流通拠点港
として
ハブ港
の
建設整備
を
要請
されました。その中で、
那覇軍港
の
移設
についても触れたわけでありますが、私は、
那覇
港の
ハブ港湾整備
と
浦添西海岸開発
、そして
那覇軍港
の
浦添地先
への
移設
は、切り離すことのできない
一体不可分
の
プロジェクト
として、
政府
はその
支援
をしていかなければならない
責任
があると思います。 私が今申し上げた、
那覇
港の
整備
、そして
浦添
市の
西海岸開発
、そして
那覇軍港
の
移設
、これを
一体不可分
の
プロジェクト
として、
政府
も
責任
を持って
支援
をしていただかなければならない、この点について
官房長官
のお
考え
をお聞きいたしたいと思います。
野中広務
7
○
野中国務大臣
開発庁
といたしましては、現在、
国際海上コンテナターミナル等
の
整備
を行っておるところでございますけれ
ども
、今
委員
がおっしゃいましたように、
那覇港湾
の
施設
の
移設
、さらに
浦添
の
ハブ空港
を含む今後の
展開
の問題、これは
一体
のものとして
考え
ていかなくてはならない問題でございまして、
開発庁
といたしましても、
委員
お説のとおり取り組んでまいりたいと
考え
ておるところでございます。
仲村正治
8
○
仲村委員
そこで、この
SACO
の
最終報告
で、
那覇軍港
の
移設
の
条件
として、現在の五十七ヘクタールを三十五ヘクタールに
縮小
する、そして
使用条件
は五・一五メモの範囲である、こういう
感じ
で
合意
されておるわけであります。この点について、
機能強化
する、
機能強化
すると盛んに騒いでおりますが、果たしてどうなのかということについての御答弁が一点。 それから、
那覇軍港
の
浦添移設
を受け入れるべきだとする
浦添商工会議所
、そしてその
要請
を採択した
浦添市議会
、そして
商工会議所
の案に対して賛意を表明した
浦添市長
、これは、この
条件
は
軍民共用港湾
であります。そのような
可能性
があるのかどうか。この二点についてお答えをいただきたいと思います。
野中広務
9
○
野中国務大臣
今
お話
がございましたように、
浦添
の
港湾移設
に
関係
いたしましては、これが
米軍
の
港湾
として
機能
できる
前提条件
において、
那覇
からの
移転
が行われようと
合意
されておるわけでございます。そういう点で、
浦添商工会議所
なり
市議会
なりの決議をいただき、私
ども
も御
要請
をいただいたことを歓迎しておるわけでございます。 ただ、
浦添市長
さんの、軍の
共用
ということの御
理解
が含まれておる発言をされておるようにお
伺い
をいたしておりますけれ
ども
、いずれにいたしましても、県並びに
那覇
、
浦添両市
を中心とする
関係
の
皆さん
の
お話
を十分
伺い
まして、そういう中で
SACO
の
合意
に基づくこの
那覇軍港
の
移転
が円滑に進むようにしなければならないと
考え
ておるところでございまして、いまだ県の、また
浦添
市の
市長
さんの
真意
を伺うに至っておりませんので、これからその
真意
を
伺い
ながら、可能な限りこれを早く具体化していけるように私
ども
としても
努力
をしていきたいと思う次第でございます。 繰り返して申し上げますが、
地元
で大変な御苦労をいただいておるわけでございますので、我々がせかせかとこれを言うのじゃなしに、
地元
の着々とした歩みにできるだけ我々は
お手伝い
をしていくという
立場
で、この
SACO
の
合意
の
実施
に一層
努力
をしてまいりたいと思うわけでございます。
仲村正治
10
○
仲村委員
ぜひこれは、
機能強化
につながらないように、また、今
地元
から
要望
の出ているような形での、できるだけ
軍民共用
の形での
移設
が実現できるように御
努力
をいただきたい、このように思っておるところであります。 次に、
沖縄
の
振興策
について
お尋ね
いたします。 沖振法、そして沖振法に基づく第三次振計は、ともに
平成
十四年三月三十一日で終期を迎えます。私は、まず、沖振法の
延長継続
は、
沖縄
県が
日米安保条約
上の
負担
を全
国民
の
平均
以上に今
負担
をしているわけでありますが、そういう
状態
が続いている間はこの法律に基づく
県民
に対する国の特別な
支援
は継続していかなければならない、こういうように思っております。 そういう観点に立って、沖振法の
延長作業
、あるいはまたこれに基づく
ポスト
三次振計の
計画策定作業
を同時並行的に早急に
実施
すべきであると
考え
ておりますが、この点についてお
考え
をお聞かせいただきたいと思います。
野中広務
11
○
野中国務大臣
三次振計が、残すところ、
委員
御
指摘
のように三年
余り
となった今日でございまして、今後の
沖縄
の
振興開発
をどのように進めていくかを検討する重要な時期を迎えてきたと存じておる次第でございます。
沖縄県内
では、
ポスト
三次振計に対しまして
県民各位
の期待も高まっていると聞いておりますが、
沖縄開発庁
といたしましても、これまで
沖縄振興開発計画
に基づきまして
実施
をされてきました諸
施策
、
事業全般
について広く総点検を行いますために、庁内に
沖縄振興開発検討推進会議
を設置いたしまして、その
取り組み
を始めたところでございます。これに基づきまして、県並びに
関係市町村
を初めとする各界の
意見
をも踏まえながら、
ポスト
三次振計について
考え
ていきたいと存じておるところでございます。
仲村正治
12
○
仲村委員
先ほ
ども
申し上げましたが、
沖縄県民
は、どうしてもやはり、しばらくはこの
安保条約
上の義務を果たすための
協力
をしていかなければならないということで、これは
国民
の
平均
以上の
負担
を強いられているわけでありますので、ぜひとも
振興開発計画
を継続して、特別な
支援
を、
経済支援
をしていただきたい、
振興策
を図っていただきたい、こういうことを強く申し上げておきたいと思っております。 次に、
那覇空港
の
拡張整備
について
お尋ね
いたします。
那覇空港
は、
我が国
で数少ない二十四時間
空港
として、
拠点空港
の役割を担える
機能
を有しております。近年は、
観光客
の急激な
増加
もあって、
年間
の
利用客数
は一千万人を突破いたしております。航空機の
離発着回数
も、
平成
六年から毎年三千回から四千回
程度
で
増加
し、
平成
十年末には十万八千六百十二回になっております。同
空港
の一
年間
の
離発着回数
の
キャパシティー
は十三万回と言われておりますので、あと五年で
キャパシティー
を超えてしまう
状況
になっておるわけであります。したがいまして、
平行滑走路
の
沖合展開
で増設しなければ今に
パニック状態
になる、こういうことを心配いたしておるわけであります。 この問題は早急に取り組まなければならない
課題
であると
考え
ておりますが、この点についての御
意見
をお聞かせいただきたいと思います。
野中広務
13
○
野中国務大臣
御
指摘
のように、
那覇空港
は、国が設置をし管理する三千メートルの
滑走路
を持つ
空港
でございまして、現在、
本土
の
路線
、
県内路線
、
国際路線
のネットワークによりまして、
年間
九百七十五万人、
平成
九年度実績として
利用客
があると言われておるわけでございます。特に、近年の
観光需要
の増大に伴いまして、
利用客数
も順調に
増加
を続けておると
認識
をしておるところでございます。
空港
につきましては、当面まず、
委員
御
承知
のように
ターミナル地域
の
統合拡充整備
が重要な
課題
でございまして、新
ターミナルビル
につきまして、本年五月の
供用開始
を目途に
整備
を進めておるところでございます。 お説にありましたように、今そういう
状況
を
考え
ますときに、
平行滑走路
の
増設等那覇空港
の
拡張
につきまして、
沖縄開発庁
といたしましても重要な
課題
と
認識
をしておるわけでございまして、今後、
沖縄
県等の
考え
もよくお
伺い
をしながら、
沖合滑走路等
々いろいろな構想をお
伺い
し、検討していく必要があると
考え
ております。
仲村正治
14
○
仲村委員
今申し上げましたように、
キャパシティー
十三万回に対してもう既に十万八千回に達しているわけでありますので、これはもうこの四、五年の間に
パンク状態
になる、本当に
パニック状態
になるという心配をいたしておりますので、この
平行滑走路建設
について、できれば二〇〇〇年度予算で
調査費
を計上していただきたい、こういうことを
要望
しておきたいと思います。 次に、二〇〇〇年
サミット開催地
を
沖縄
県に決定する件についてであります。
政府
は、来月の
統一地方選挙
が終了するのを待って二〇〇〇年
サミット
の
開催
地を決定する
方針
であることはよく
承知
しております。ついては、その
開催
地を
沖縄
県に決めていただきたいということでございます。 その理由は、
沖縄
県は、
我が国
の南の玄関口として、国際交流やその
会議
場所として最もふさわしい地理的優位性と島嶼海洋性のすばらしい自然景観を兼ね備えたところでありまして、琉球王朝時代から諸外国との交流の長い
歴史
の中で築き上げられてきた国際性豊かな伝統文化、そして他
国民
との融和性に富んだ
県民
性は、世界の先進国首脳
会議
開催
地として最もふさわしい場所である、私たちはこのように
考え
ているところであります。 何とぞ、これは今申し上げたように四月の
統一地方選挙
が終わってからということでありますけれ
ども
、十分このことを念頭に置いて御決定をいただくようにお願いを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
高村正彦
15
○
高村
国務大臣
多分
野中
長官の方がこの決定に影響力があると思いますが、二〇〇〇年に日本で行われる
サミット
を日本のどこの都市で
開催
するかという問題につきましては、
開催
に名乗りを上げている八つの自治体へ現地
調査
団を派遣する等、鋭意検討を進めてきたわけであります。
開催
地の決定は新年度になってから行うということにしておりますが、その
作業
を改めて進めるに際しましては、各候補地につき
関係
諸要素を考慮しつつ検討を行ってまいります。そして、
サミット
は主要八カ国の首脳が一堂に会する行事であり、数千人規模の各国代表団、報道
関係
者を受け入れるので、
会議
場や宿泊等
施設
の
状況
、地理的
条件
、輸送、警備
条件
、あるいは今
委員
が御
指摘
になったような要素、そういったことを総合的に勘案して検討、決定していくことになるわけでございます。
仲村正治
16
○
仲村委員
これは、今イエスとかノーとかお答えになれるような
状況
ではないことはよく
承知
いたしておりますが、先ほど私が申し上げました、
沖縄
県がそのための最適地であるということをひとつ念頭に置いていただいて結論を出していただくことをお願い申し上げたいと思います。 あと一問ありますけれ
ども
、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
五島正規
17
○
五島委員長
嘉数知賢君。
嘉数知賢
18
○嘉数
委員
自民党の嘉数でございます。
野中官房長官
並びに
高村外務大臣
には、昨晩夜を徹しての国籍不明船の
対応
について、本当に御苦労さんと心から敬意を表します。適切な
対応
をしていただきました。ただ、あのニュースを見ていながら、私は、改めて
我が国
の
防衛
のあり方あるいはまた
危機管
理のあり方について、深く関心を持つというか、大きな
課題
としてみずからももう一度
対応
を
考え
なきゃいかぬ、みずからの
考え方
も正さなきゃいかぬなという思いをしております。
野中官房長官
・
開発庁
長官にお
伺い
いたします。 先ほど
官房長官
の
お話
にございましたけれ
ども
、私
ども
沖縄
県は、
復帰
の当時、格段にいろいろの面で他県とのおくれがありました。特に社会資本の面あるいはまた教育の面、あるいはその他いろいろな面でおくれている、それを取り戻すために国が三次にわたる
振興開発計画
をつくっていただいて、積極的に
対応
していただきまして、おかげさまで、道路、
港湾
初め社会資本等については実績を上げてまいりました。 しかしながら、当初から私
ども
が目標にしておりました、他県との
格差
の是正、あるいはまた、経済の自立的発展のための企業の育成等についてはなかなかうまくいかなかった。そういうことで、橋本総理が在任中に、改めて思い切った
振興策
をとらなきゃいかぬということで、例えば
沖縄
自由貿易
地域
を設定するとか、あるいはまたマルチメディア特区、あるいは観光産業特区を育成するというような形で
対応
をとっていただいております。 その中の一つで、近々、
沖縄
自由貿易
地域
については
地域
の指定が行われるということでございます。ただ、私は、今の段階、今の極度の不況の中で、あるいはまたアジアが抱える環境の中で、思い切ったことをするためにこの自由貿易
地域
を指定をされたと思うんですが、なかなか国の
支援
がなければ今
沖縄
ではやっていけないだろう、その成否が大変厳しいものじゃないかという思いをいたしております。そういう意味で、その
地域
指定については、
地域
を指定していただきまして、その後のフォローというんですか、国の相当の強力な
支援
がなければ当初の目的を達成することはできないだろうと思うんです。 そういう意味で、
開発庁
としての
取り組み
、
決意
等をお
伺い
したいと思っております。
野中広務
19
○
野中国務大臣
委員
から御
指摘
ございましたように、
復帰
後二十七年を経過いたしておりますものの、
本土
と
沖縄
との
格差
は、それぞれいまだ深刻なものがございます。また、失業率、有効求人倍率等においても、漸次、最近改善をされつつあるとは申せ、
本土
に倍する数値を持っておるわけでございまして、私
ども
、
本土
との
格差
に深刻な
認識
を持っておるところでございます。 したがいまして、このたび稲嶺
沖縄
県
知事
から、去る三月八日に、特別自由貿易
地域
の指定につきまして、中城湾港の新港地区の一部を指定をしてほしいとの申し出がございました。申請を受け取った次第でございます。現在所要の手続を進めておりまして、近く指定をする運びになると存じております。 指定をいたしました後、
沖縄
県におきましては
平成
十一年度から入居企業の公募を開始することにされておるようでございまして、今後、この
地域
にできるだけ早く企業が立地できますように、誘致活動の強化や立地環境の
整備
などに積極的に
沖縄
県として取り組んでいかれることを期待をいたしますとともに、
沖縄開発庁
といたしましても、企業の立地や投資が促進をされまして
沖縄
の経済的な自立に貢献できますよう、産業、貿易の振興や雇用の促進にこれが結びつくように、税制、金融等の措置の活用を初めとする特別自由貿易
地域
制度の効果的な運用に努めることによりまして、企業誘致の促進等に
取り組み
、
格差是正
のために一層
努力
をいたしたいと存じておるところでございます。
嘉数知賢
20
○嘉数
委員
指定をして、
沖縄
県が一生懸命
努力
をする、これは当然のことですけれ
ども
、私は、今の
状況
からすると、国の強力な
支援
がなければなかなか当初の目的は達成できないと思うんです。そういう意味で、ぜひ万全の体制で御助力、
対応
をしていただきたい、心からお願いいたしたいと思っています。 それから、去年の
知事選挙
で当選した
稲嶺知事
は、
沖縄県内
の高失業率を解消しなきゃいかぬ、あるいはまた、閉塞感を解消しなきゃいかぬ、
沖縄
の不況感を何とかして吹き払いたいということから経済振興を掲げて当選をしたのです。そして、たしか去年の十二月の
沖縄政策協議会
の中で、六項目の緊急に
対応
しなきゃいけない項目ということで、航空運賃の低減、あるいは
沖縄
自動車道路の料金の低減、産業
支援
センターの
整備
、あるいは通信コストの低減、レンタル工場の
整備
、あるいは国立高専の
整備
等々についての
要望
をなされた。 その一つ一つについての進捗
状況
といいますか、それをお
伺い
いたしたいと思っております。
野中広務
21
○
野中国務大臣
知事
が
選挙
公約で
沖縄
経済新法を掲げられたということはよく
承知
をしておるところでございますが、その具体的内容についていまだ
知事
さんとよく話し合いを申し上げる機会をいただく時間がないことを申しわけなく存じておるわけでございますが、県当局の御意向をよく踏まえながら取り組んでまいりたいと思うわけでございます。 今
委員
が御
指摘
ございました、昨年十二月に
開催
されました、再開後一回目の
政策
協議会の席上におきます
稲嶺知事
さんの六項目の緊急対策に対する御
要望
につきましては、これの確実な実現を図りますために、既に一月末の
政策
協議会で基本
方針
が示されたところでございます。 現在、これらの六項目の
要望
事項や、観光を中心とする事業振興に役立つ公共事業など、
沖縄
経済の深刻な
状況
の改善に即効性のある効果的な緊急対策を速やかに
実施
していくことができるように、次回の
沖縄政策協議会
においてその最終
方針
について御了承をいただくべく鋭意検討を進めておるところでございます。
嘉数知賢
22
○嘉数
委員
ぜひとも積極的な
対応
、早急な
対応
をお願いいたしたい、さように思っております。 続きまして、
平成
十三年、あと三年で切れる第三次
振興開発計画
を視野に入れながら、たしか橋本前総理が
沖縄
経済振興二十一
世紀
プランなるものを発表なさいました。しかしながら、その内容についてはほとんどまだこれからだという思いをしております。
沖縄
県としても鋭意今
努力
をしているところだという話は伺っておりますけれ
ども
、その二十一
世紀
プランの策定に対しての
開発庁
長官のお
考え
、あるいはまた、いつごろまでにその策をつくり上げられるのか、そういうことについて、今の段階でお答えできる範囲で結構ですからお願いいたしたい。
野中広務
23
○
野中国務大臣
沖縄
経済振興二十一
世紀
プランにつきましては、去る一月二十九日に
開催
されました第十回目の
沖縄政策協議会
におきまして、稲嶺
沖縄
県
知事
から、このプランの早期策定、具体的には、本年半ばごろまでには少なくとも中間的な報告を取りまとめていただきたいという強い御
要請
がございました。この御
要請
を受けまして、
政府
といたしましては、今後逐次検討を進めることといたしておるわけでございまして、次回の協議会におきまして、この
知事
の提言されました
沖縄
経済振興二十一
世紀
プランとして目指すべき方向につきまして、県側の御
意見
を改めてちょうだいすることの段取りをいたし、協議会として御了承をいただいたところでございます。 また、検討を進める上で、各省庁の積極的な
協力
が不可欠であることは言をまたないのでありまして、取りまとめの事務局であります
内閣
内政審議室の
沖縄
問題担当室から、
関係
省庁、北海道
開発庁
を除く二十二省庁に対しまして、それぞれの省庁においても今後前向きの検討が行われますよう
要請
を行ったところでございます。 今後、
沖縄
県側の御
意見
や御
要望
を
政策
協議会を中心に十分お聞きをしますとともに、
政府
部内で十分協議をしながら、
沖縄
県の御
要望
に沿えますように、鋭意策定
作業
を進めてまいる所存でございます。
嘉数知賢
24
○嘉数
委員
沖縄
の
振興開発
にとって恐らく大きな切り札になるだろう、私はそういう思いをいたしております。ぜひ御
努力
をいただいて、早目にプランが策定されますようお願いいたしたいと思っております。 それから、これは私も
余り
定かではないのですけれ
ども
、
稲嶺知事
が経済新法を制定していただきたいということで、実は公約の中にも挙げられておるし、近々
要請
するという話もお
伺い
しています。 多分、この経済新法なるものは、今の法制度で
対応
できない部分が相当あるだろう、それは一つには、
沖縄
の
基地
の
返還
をする中で、例えば今、小さいのはともかくとして、大きな
普天間飛行場
とか
那覇軍港
、あるいはその他の
返還
をするときに、その
返還
計画をつくる、あるいはまた、それに対する膨大な資金需要にどういう
対応
をするのか等々を含めて、なかなか今の法制度ではうまくいかない、そういうことがあって、今ある
振興策
の法律の中で残すべきところを残して、そして改正すべきところを改正しながら、一つの法体系としてまとめていただきたいという思いでの経済新法だと私は思っております。 今後どういう形で進むかよくわかりませんけれ
ども
、特に
普天間飛行場
が
返還
された場合、これは莫大な資金がかかりますし、また、今の法制度でどうにもならない、
対応
できないものが相当あります。跡利用計画についても、いろいろな形で、地主だけであるいは
沖縄
県だけで
対応
できない部分、それを補完する意味でやるのかなという思いをしておりますけれ
ども
、その経済新法なるものに、県から上がってきているのか、あるいはまたこれからなのか、よくわかりませんが、国の
考え方
として、どういう
対応
をなさろうとしているのか、わかる範囲内でお答えいただけますか。
野中広務
25
○
野中国務大臣
先ほ
ども
申し上げましたように、
知事
の大きな公約であることを十分
承知
をいたしております。 ただ、今あります法律もそれぞれ
機能
をいたしております中で、
委員
おっしゃるように、
沖縄
の深刻な
経済状態
を
考え
るときに、
知事
がこの
沖縄
経済新法なるものにどのような具体的内容をお
考え
になっておるかということをよくお
伺い
をして、その上で、従来法との整合の問題等も十分踏まえまして、
知事
の御意向に沿うように
努力
をしてまいりたいと
考え
ております。
嘉数知賢
26
○嘉数
委員
いずれにしましても、これから
返還
が進む中で一番大事なことは、地主が安心して返してもらえるということで跡利用計画がうまくいく、あるいはそのための莫大な経費をどうするかということになろうかと思うのです。それも含めての形でぜひ御検討いただきたいなと思っています。 それから、橋本前総理、あるいはまた
小渕総理
の施政
方針
の中で、
沖縄
県で開発のおくれている北部
地域
の振興について、どうしても国を挙げて
対応
しながらやっていきたいという表明をなさっております。そのことについて、
開発庁
長官として、北部振興にかける熱意というのですか、思いを、あるいはまた、具体的にどんな形でなさろうとしているのかについてお
伺い
いたしたいと思っています。
野中広務
27
○
野中国務大臣
私も数回北部
地域
をお
伺い
いたしまして、豊かな自然と大いなる発展の
可能性
を有する一方におきまして、中南部に比べまして、人口や諸
機能
の集積の相対的な立ちおくれが見られる
状況
を目の当たりにいたしておるわけでございます。 したがいまして、
政府
といたしましては、
沖縄
県全土の均衡ある発展のためにも北部
地域
の
振興開発
を
推進
していく必要があると
認識
をいたしております。これまでもそういう意味で諸
施策
を講じたところでございますし、
平成
十年度におきましては、
沖縄
産業振興基金に五億円を積み増しをいたしまして、その積み増しました五億円の運用益を北部の産業振興のために必要な事業に充てることにするなど、北部
地域
の振興に努めておるところでございます。 また、国立高等専門学校等につきましても、さきに述べました
知事
の
要望
六項目に含まれておるわけでございまして、その具体化のために鋭意検討をいたすべく、文部省におきまして、
平成
十年度に引き続き
平成
十一年度におきましても創設準備
調査
を行うことにいたしております。その設置場所等につきましても、高等専門学校の設置運営の円滑化を図る観点から
地元
の
協力
は不可欠でございまして、今後、北部振興の趣旨も踏まえ、
関係
者の御
意見
も十分拝聴しながらやってまいりたいと存じます。 高速道路の延伸や、あるいは高速道路料金の低減など、
沖縄
県の北部が抱える問題点も十分留意しながら、
政策
協議会の中において議論を進めてまいりたいと存じております。
嘉数知賢
28
○嘉数
委員
本当は
太田総務庁長官
にお
伺い
したいと思ったのですけれ
ども
、
官房長官
として多分お答えできるだろうということで、私
ども
、
沖縄開発庁
が省庁再編の中でどのような形で位置づけられるかという思いをしておりました。――ちょうど間に合いました。幸いにしまして、
沖縄開発庁
そのものは
内閣
府の中に位置づけをして、担当大臣を置かれて
対応
するということでありますけれ
ども
、その中で、一番、私
ども
としてどうしてもこれだけはやっていただきたいなと思ったことは、
局長
クラスが
対応
するということで今出ていますけれ
ども
、本来的に、予算一括計上権を行使するということであれば、各省庁間のいろいろな調整等を含めますと、次官クラスの人をどうしても一人配置をしなければいかぬだろう、そういう思いをしております。ぜひその点についての御配慮をいただきたい。 これからの中でその御予定があるかどうか、お
伺い
いたしたいと思っています。
太田誠一
29
○
太田
国務大臣
大変おくれてまいりましたことをおわび申し上げます。
中央省庁等改
革後の
沖縄
対策担当部局のあり方につきましては、
内閣
総理大臣を長とする
内閣
府に
沖縄
対策、北方対策について担当大臣を置く、これは新しい制度でございます。それに、これは仮称でございますが、
沖縄
振興局を置くこととしておりまして、さらに、次官そのものではありませんけれ
ども
、次官に準ずる職を置く方向で検討を進めているところでございます。 いずれにせよ、次官に準ずる職も含め、
沖縄
対策担当部局のあり方につきましては、
沖縄
対策にかかわる企画立案及び総合調整の
機能
が十分に発揮されることを念頭に置きまして、今後さらに検討を進めてまいりたいと思います。
嘉数知賢
30
○嘉数
委員
どうもありがとうございました。これだけはぜひ実現をしていただきたいと思っています。 それから、
外務大臣
にもお
伺い
したいと思ったんですけれ
ども
、時間がないということでありますから、一つだけ
SACO
関連で私の方からお願いいたしたいんです。 私も先週アメリカへ行ってまいりました。そこでコーエン国防長官あるいはキャンベルさんとお会いする機会がありまして、大変な関心を持っておられました。それで、
SACO
関連については、精いっぱい私
ども
としては
努力
をしている最中でありますけれ
ども
、その
SACO
関連について、今
地元
のマスコミでは、
防衛庁
と
外務省
に
意見
の相違があるんではないかという記事が出ているのを大変気にしています。 そういうことで、十分な
意見
調整をしていただいて、私
ども
が進めている形がベストとは思っていませんけれ
ども
、セカンドベストとして
SACO
をどうしてもやらなきゃいかぬと思っていますから、そういう意味で、
作業
に支障のないように十分意思の疎通を図っていただきたいとお願いいたしまして、終わります。 ありがとうございました。
五島正規
31
○
五島委員長
上原
康助
君。
上原康助
32
○上原
委員
きょうは、せんだっての三大臣の所信表明に基づいて
沖縄
北方問題を
お尋ね
するということですが、昨日来、けさにかけて大きく報道をされ、また
国民
の関心も強くて深いものがあると思いますので、冒頭、
野中沖縄開発庁長官
に、
官房長官
も兼務なさっておりますので、恐らく
官房長官
のところに、昨日来、けさにかけての、あるいはまた現段階においても情報は集約されておるかと思いますので、二、三点、この点についてまず
お尋ね
をさせていただきたいと存じます。 いろいろな経過とか、海上保安庁あるいは
防衛庁
、
外務省
、
政府
全体として対処措置を講じてこられたことには、一定の
理解
をしている
立場
でございます。 そこで、これからの議論の参考にもいたしたいと思いますので、まず、二隻のこの不審船の
我が国
領海への侵入、侵犯の目的とかあるいは意図というものは
政府
はどう見ておられるのかということが一つですね。 それと、公式の記者会見では、
官房長官
も
防衛庁
長官も、多分
外務大臣
もそうだと思うんですが、不審船の
関係
国、いわゆる船籍等について、国籍をまだ確定できないとおっしゃっておるわけですが、不審船の国籍について確認しているけれ
ども
外交上言えないという
立場
なのか、その点についてもひとつできるだけ情報を開示していただきたい。 まず、この二点から御答弁を願いたいと存じます。
野中広務
33
○
野中国務大臣
対外的には
外務大臣
からまたお答えをいたしていただきます。 昨日早朝、九時二十五分ごろ、能登沖、佐渡沖におきまして、船籍は、日本の船の名前をつけ、一隻は日本の日の丸を掲げ、一隻は日の丸を掲げておらない不審な船を発見いたしまして、直ちに海上保安庁がこれを追跡することになったわけでございます。 航空機から撮りました写真を見る限りにおきましては漁船のようでございますけれ
ども
、しかし、漁具を一切積んでおりません。さらに、日本の船の名前をつけておりますけれ
ども
、一隻は、同じ名前の船が現に他の場所において操業中でございました。もう一隻は、
平成
六年に既に廃船手続を終わった船でございました。
我が国
の船名をつけた船が、後ほどは両船とも国旗がなかったわけでございますけれ
ども
、
我が国
領域を侵犯しておるという事態でございましたので、漁業法に基づいて海上保安庁が、これを拿捕し、そして立入検査をするべく追跡をし、停船命令を数回、繰り返し繰り返しやりましたけれ
ども
停船をしないために、威嚇射撃等を行って追跡を続けたわけでございますが、当初は八ノットぐらいのスピードで走っておりましたのが、だんだんと十ノット、二十ノット、そして最終的には三十数ノットというスピードを出して逃走をし、北上をしたわけでございますので、残念ながら、海上保安庁の所有する船舶をもってしては追跡不可能となったのでございます。 したがいまして、海上保安庁の船としての追跡の限度を超えたわけでございますから、不審船の追尾を行いますために、
政府
といたしまして検討をいたしました結果、海上における治安の維持を図ることが必要であると判断をいたしまして、自衛隊法八十二条によります海上警備行動を発動したわけでございます。 これは、戦後初めての発動でございまして、
内閣
総理大臣が、安全保障
会議
及び閣議に諮ってその了承を得た後、
防衛庁
長官にこれを命令するわけでございまして、この命令に従いまして、昨夜十二時四十五分、
防衛庁
長官は直ちに、この閣議了承を得まして、十二時五十分、海上警備行動に入ったわけでございます。 したがいまして、その後追跡をいたしましたけれ
ども
、残念ながら拿捕するに至りませんでした。これは、
我が国
の現行法をもってしては、その周辺に威嚇のために、あるいは警戒のために銃撃をすることはできますけれ
ども
、直接船に向かって銃撃をすることができないわけでございますので、先方はまだ北上を続けて、今逃げておるところでございます。飛行機とそれから自衛隊の船舶をもって、引き続いて追跡中でございます。 この船体は、先ほど申しましたように、日本の船の名前をつけておるわけでございまして、いまだその船がどの国の領域に入ったということが確認をできない
状態
で航行を続けておるわけでございますので、その国の特定をするに至っておらない次第でございます。
上原康助
34
○上原
委員
官房長官
の今の御説明というか記者会見は、もう昨晩来、私もたくさん聞いておりまして、少なくとも、目的あるいは意図というものが那辺にあるかということについて
政府
がどう御
認識
しているかということをできれば聞きたかったということですね、端的に。 それと、国籍は依然として不明であると。それはそれでよいかもしれませんが、
外務大臣
、その不審船の意図、目的は、
外務省
としては、
政府
としてと言った方がいいかもしれません、どう御
認識
しておられるのですか、見ておられるのですか。何かあったら簡潔にお答えください。
高村正彦
35
○
高村
国務大臣
意図、目的については必ずしも断定をしておりません。漁具を積んでいないわけですから、魚をとりに来たのではないであろう。そして、アンテナなどかなりの装備を持っているようにも見えるので、情報収集なのか、さらにそれを超えて何か工作をしようとしていたのか、いずれにしても、まだ断定するには至っておりません。
上原康助
36
○上原
委員
それと、もう一点。日本側が昨日来おとりになった対処措置について、ロシアとか韓国とかあるいはアメリカからはそれぞれ反応があったと、またコミュニケーションもとっておられると私は推測をいたします。不審と思われている朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の方から、この件について、非公式でもいいし、間接的でもいいし、何らかの反応があったのかどうか。公にできる面がありましたらお答えください。
高村正彦
37
○
高村
国務大臣
少なくとも現時点で、私のところには、北朝鮮から何らかの反応があったということは来ていないわけで、私は
承知
していないわけですが、
我が国
としてどういうことをしようか。当該不審船が北朝鮮のものであると現時点で断定することはできないわけでありまして、北朝鮮に対しては、
我が国
領海内において不法行為を行った疑いのある船舶が北朝鮮の水域に入る
可能性
があり、その場合、当該船舶を捕獲し、我が方に引き渡すよう申し入れようとしております。多分、まだ相手にきっちりした連絡がとれていないと思いますが、既にそうしようとしているところでございます。
上原康助
38
○上原
委員
そのような日本
政府
の申し入れ等について、果たして適切に反応するかどうか、推移を見なければならないと思います。 ただ、私は、今回の措置は戦後初めてというか、自衛隊法八十二条を適用したのは初めてのことですから、それはそれなりの
政府
の御判断があったと思います。しかし、あくまで冷静かつ慎重に事は進めるべきである、対処措置はとるべきである、その点を申し上げておきたいことと、民主党もきょう羽田幹事長談話を発表しているという点も、内容は申し上げませんが、付言をしておきたいと存じます。 それで、今後この種の事態が起きる場合も当然予測されると思います。今度の事態や、運輸省を含めてのおとりになった措置の上で、まだ検討すべき点あるいは反省すべき点、教訓化していくべきこともいろいろあると私は思うのですが、今後も今回同様の措置をおとりになるつもりなのか。もちろん、事態の変化、大きさとか、いろいろなことによって違うと思うのですが、何か新たなことを含めて、
政府
としてこういう事態に対処していくことをお
考え
なのか。その点は
官房長官
から、もし御見解があれば聞いておきたいと思います。
野中広務
39
○
野中国務大臣
いまだ追跡中でございますので、この一連の今回の事件について総括をする、その段階に来ておらないわけでございますけれ
ども
、まず第一に、海上保安庁が所有をいたします船舶が先方の船舶の速度に追いつけなかった、したがって海上自衛隊のいわゆる出動を
要請
しなければならなかったということを、私
ども
としては反省点として受けとめておるところでございます。 今後、さまざまな事態を総括しながら、
我が国
の安全が保有されるように、一層万全を期してまいりたいと存じております。
上原康助
40
○上原
委員
少なくとも、日本名を名乗った船にして漁船に見せかける、あるいは、今
官房長官
の御答弁ありましたように、一つは日の丸まで掲げておった。これは明らかに
我が国
の主権の侵害ですよね。この点については私は
国民
が共通した
認識
を持つと思うのです。ですから、どの国がそういう侵犯行為をやったかということが判明した段階においては、
政府
としては毅然たる態度をとってもらいたい。 同時に、先ほど申し上げましたように、軍事的というか、そういう面が先行するような解決策ではなくして、やはり対話と外交ということも重々念頭に置いてこの種のことには
政府
として御
努力
を願いたいということを御
要望
申し上げておきたいと存じます。 次に、
沖縄
問題を、もう時間がちょっとしかありませんから、二、三点
お尋ね
できればと思うのですが、先ほ
ども
ございましたが、
総務庁長官
、せっかく御出席ですから。 私は、
政府
の行政改革、いわゆる省庁統廃合のことで随分長官のところにも足を運んで御
要望
申し上げましたし、いろいろまた御尽力いただいたことに、
沖縄開発庁
を初め
関係
省庁の大臣に敬意を表しておりますが、
内閣
府の
沖縄
担当部局に
統合
される
沖縄開発庁
として、これまで以上に、
基地
問題を含む
沖縄
問題の解決に対処するための調整
機能
を期待しているわけですね、
沖縄
県の方は。そこはぜひひとつ十分受けとめていただきたい。 そこで、今国会に予定されている
内閣
府設置法案で
沖縄
対策部局の骨格が固まると思われるのですが、提出時期はいつなのかというのが一つ。 二点目。マスコミ報道等によりますと、
総務庁長官
の御発言で、先ほ
ども
ちょっと御答弁があったのですが、各省庁との強力な調整権限を持たせるため、
沖縄
担当相に調整権限を付与して、さらに、
沖縄
担当相を支える事務組織には事務次官級の
ポスト
を据えることが決まっていると言われております。強力な調整権限とは具体的にはどの
程度
のものか。 私は、さっきの御答弁で気になるのは、事務次官クラスを置ける方向でと、置くとは言っておられないのですね。やはり、事務次官に相応する権限、予算その他の行政各般にもわたって権限を有し、調整
機能
を有する、また、ほかの省庁からも事務次官だと認知されるようなクラスの方を置かないと、調整
機能
を有する機関にはなり得ない、今の
開発庁
よりも格下げされたという印象を
沖縄県民
に与えてしまう。それはぜひ避けていただきたい。特にこれは
要望
を含めて、
総務庁長官
の御見解と、
沖縄開発庁長官
のお
考え
もあれば、お聞かせを願いたいと存じます。
太田誠一
41
○
太田
国務大臣
法案をいつ提出できるかということにつきましては、前から、四月中にぜひ提出をさせていただきたいということを申し上げているわけでございます。そのために、今、最後の詰めをいたしておる段階でございます。したがって、そのときまでは正式に内容がこうでありますということを断言できないことをお許しをいただきたいと思います。たびたび上原
委員
からも、
沖縄
振興局の位置づけあるいは
沖縄
に対する
振興策
の
取り組み
について、その充実を図るべきであるという御
指摘
あるいはお申し入れを受けておりまして、それは十分に念頭に置いて取り組んでいるわけでございます。
沖縄
の担当相、担当大臣というものはどういう権限を持つことになるかということでございますが、担当大臣は、総理にかわって各省に対する調整を行えるということになるわけでございます。強力な権限を持つということになりますので、私
ども
は、専ら
政治家
である担当相が、十分に事柄の重要性を念頭に置いて各省を調整をしてくれるということを期待いたしておるわけでございます。 次官級と言われるこの位置づけについては、先ほ
ども
お答えいたしましたとおり、それは、今上原
委員
がおっしゃったような、十分格の高い位置づけにするつもりで今検討いたしております。
上原康助
42
○上原
委員
ぜひ格の高い位置づけをしていただいて、
県民
の期待にこたえていただきたいと思います。これだけ総務庁、担当大臣がお答えになれば、これはある
程度
、ある
程度
と言ったら失礼ですが、期待していいと思いますから、
官房長官
、
沖縄開発庁長官
のお
考え
もそうであるということで、あと五分しかありませんから次の問題に移ります。 いろいろ
お尋ね
したかったのですが、冒頭のことがありまして、
振興策
はこれまでもいろいろ聞いてまいりましたので、ぜひ、県側なり
関係市町村
団体とも協議の上でいろいろ進めていただきたいと存じます。
基地
問題で、もちろん
SACO合意
の一番の目玉は、
普天間
の
移設
をどう最終的に決着させるかというのが最大
課題
でしょう。それは、しばらく、
沖縄
県側の調整とかこれからの推移を見守らなければならないと思います。 私は、そこで若干の私の
考え
、提案も含めてなのですが、まずは、かねて三事案と言われた
那覇軍港
問題、これも非常に困難な場面がまだ想定されます。
那覇軍港
問題、県道一〇四号線、それと読谷のパラドロ、こういうことをまず優先順位を決めて
政府
は積極的に
推進
をするように御
努力
をいただきたい、これが一つ。そのことと、もう一つは、かねがね私が取り上げてきた泡瀬通信地先の問題とか、あるいはその他のいろいろ
地元
地方自治団体から要求の出されていること等についても、できるものは積極的にやるべきだと私は思うのですが、そういうことについて、これはどなたがお答えになるかな、ひとつ御見解を聞かせてもらいたいと存じます。
宝槻吉昭
43
○
宝槻
政府
委員
今先生から御
指摘
ございました
SACO
の
合意
の実現に向けまして、私
ども
施設
庁といたしましては、
地元
の
関係
団体の皆様等といろいろと難しい折衝をしておるところでございます。そういった中で、
SACO
の大きな事案だけでなくて、
地元
のいろいろな
要望
、今先生のおっしゃった泡瀬の通信
施設
の問題等々も含めまして、私
ども
も、できるだけ
地元
の
要望
に沿うような形で、引き続き個別の事案につきましても
努力
してまいりたいと思っております。
上原康助
44
○上原
委員
外務大臣
、いろいろこれまでも議論してまいりましたが、なかなか容易でないのです。私が申し上げたかねがねの三事案というものを先行的に
推進
をしていくということで、やはり
政府
としても、県なり
関係市町村
とも詰めて
推進
をしていく。そういう中でも、今何だか抽象的だったのですが、泡瀬通信
施設
は三月いっぱいに決着がつくのかつかないのか。その点を含めて、ひとつ大臣からお答えください。
高村正彦
45
○
高村
国務大臣
泡瀬通信
施設
の保安水域の
返還
につきましては、
沖縄
米軍基地
所在市町村に関する懇談会の提言事項の一つとして盛り込まれたものでありますし、
政府
といたしましては、その重要性について十分
認識
しているところでございます。それで、
日米合同委員会
の枠組みにおいて同水域について
返還
を提案し、現在、米側に早期
対応
方を働きかけているところでございますが、いつまでにということは現時点でまだちょっと言えないところでございます。
上原康助
46
○上原
委員
ぜひひとつ促進をしていただきたい。 あと一分ちょっとしかありませんから、振興問題で、嘉手納タウン構想を
推進
していく上で、嘉手納町の方から、情報通信振興
地域
として早目に指定をやってほしいという強い
要望
が出されておりますが、この件についてどうなっているか、お答えを願いたいと存じます。
玉城一夫
47
○玉城
政府
委員
お答えを申し上げます。 特別自貿につきましては先ほど大臣のお答えがございましたが、あと二つ、観光と情報通信の問題については、これはあくまでも
沖縄
県
知事
の申請主義をとっております。現在
沖縄
県において、どの
地域
を申請するかということで鋭意詰めていると伺っておりますので、その申請を受けましたら私
ども
早急に、その指定に向けての手続を始めたいというふうに
考え
ております。
上原康助
48
○上原
委員
ぜひこれもひとつ積極的に進めてください。 終わります。
五島正規
49
○
五島委員長
原口一博君。
原口一博
50
○原口
委員
民主党の原口一博でございます。
関係
大臣に、北方領土の問題そして
沖縄
の
振興策
について
お尋ね
をしたいと思います。 まず、先ほどの上原
委員
の質問に関連してでございますが、二隻の不審船、この意図についてはわからない、あるいは船籍が確定できない、ただ、日の丸を掲げて公海上あるいは他の国の領域をいまだに移動をしている、拿捕するに至らなかったということでございますが、先ほど
沖縄開発庁長官
が
お話
しになりましたように、海上保安庁の船が追いつけなかったことを反省している、また、それで自衛隊法八十二条を発動する、追跡の限度を超えたからという御答弁がございました。 八十二条を発動するに至ったその理由、それから、国籍不明ということでありますが、一応日本の日の丸を掲げて走っている限りは、他国は
我が国
の船というふうに見るだろう。
関係
各国への
協力
要請
をどのようになさり、またどのような回答が来ているのか、現時点でわかる範囲で
お尋ね
をしたいというふうに思います。
高村正彦
51
○
高村
国務大臣
私からは
関係
各国にどういう連絡をとったかという話をさせていただきますが、
外務省
といたしましては、本件事案が発生した以降、周辺国、米、ロ、韓、中に対し、海上における警備行動の発令を含め、事実
関係
の概要を説明してきたわけであります。その中で、ロシアからは、自分の方から
協力
をしたいという申し出がありましたので、それはぜひお願いしたい、こういうことを申し上げました。 先ほ
ども
御答弁いたしましたように、北朝鮮の方向に向かっているということでありますので、もちろん現時点でこの船が北朝鮮のものであると断定することはできないわけでありますが、
我が国
領海内において不法行為を行った疑いのある船舶が北朝鮮の水域に入る
可能性
があり、その場合、当該船舶を捕獲し我が方に引き渡すよう申し入れるということを指示したところでございます。 それで、既に申し上げたかどうかはまだ確認をしておりませんが、そう簡単に接触できないということもありますので、今そうしようとしているところであります。
野中広務
52
○
野中国務大臣
先ほ
ども
御答弁を申し上げておりますように、二隻の不審船を追跡をいたしましたけれ
ども
、海上保安庁の追跡船の速度がこれに追いつくことができない
状態
になりましたので、残念ながら、
政府
といたしましては、海上における人命もしくは財産の保護または治安の維持の特別の必要があると
考え
まして、所要の手続を経まして、自衛隊法八十二条に基づきまして海上におきます警備行動の措置をとった次第でございます。しかし、結果的にこれも、まだどの国の領域に入ったということではございませんけれ
ども
、これ以上行うことが非常に危険な
状態
のところで、一応推移を見守っておるというところでございます。
原口一博
53
○原口
委員
追いつけなかった理由が船の性能にあるのか、それとも、一部報道されておりますように、途中で海保の燃料が切れたというようなことであれば、今回、
政府
の
対応
は随分早く、そしてまた節度を持ったものだというふうに私は思いますが、しかし、八十二条の発動に至る経緯が、もし、海保の船は追跡の能力は持ってはいるが燃料切れなんということで追っかけることができなかったとすれば、それはむしろ、抑止力というよりも、逆にまた日本の近海で、どういう活動をしていたのかわかりませんが、同じようなことが起こる。
沖縄
の問題を話すに至りましても、不審船が随分今ふえている、そういう中で不安を
感じ
ながら、
沖縄
の
県民
やあるいは
国民
が暮らしておられる。そういったことについて、私たちとしても真摯な態度で解決策を出していかなければいけない。 何でこんな話をするかというと、きょうは、
政府
のアメリカ軍からの有償援助調達について、少し
沖縄開発庁
あるいは
外務省
の御
意見
を伺っておきたいというふうに思うわけでございます。 先ほど各
委員
が
お話
しになりましたように、大変な
基地
の重圧の中で暮らしておられる
沖縄
県、七五%という
基地
が集中をする。それは、
沖縄県民
にとっては、
日米安保条約
、日本の安全を守るということで、
政府
の方から御
理解
を求めるそういうメッセージが数多く出てきたわけでありますが、その一方で、私
ども
の自衛隊はどういう形になっているのか。 今、
委員長
のお許しをいただいて、お手元に
平成
九年度の会計検査院の決算検査報告というのを出させていただきたいと思います。 お手元に行っておると思いますが、この中で、実に、五十四年度から
平成
九年度までの間に支払った前払い金の総額は一兆四千六百五十一億円余に達する、その中で未精算額が三千三百四十五億円余の多額に上っていると。右の方に、ではどういうものが、実際にお金は前払いで払ったけれ
ども
来ていないのか。例えば、携帯式地対空誘導弾装置、携帯SAM、こういったものについては、予定の納期を
平均
二十一カ月または三十六カ月おくれている。味方識別装置の二種類の構成品については、二十一カ月、三十六カ月おくれている。これが、会計検査院が
指摘
をしているこのとおりとすれば、実際に
我が国
の自衛隊が味方を識別することができない、こんな中で実際の任務に当たっている。 その後の対戦車ヘリコプターに装備する七十ミリロケット弾、これについてはもっと時間がかかってしまっている。ここの表三にございますが、七年以上八年未満、こういう遅延を来している。 一方で、
沖縄
は日本の安全保障について大変重要な位置にあるから、
皆さん
、
基地
の
負担
を全
国民
で分かち合いましょう、そして
振興策
を一生懸命
考え
ましょうと言いながら、片一方で、こういう事態がずっと――私は、この
沖縄
北方の
委員会
の各議事録を
昭和
五十四年当時からずっとひもといてみました。
昭和
五十五年にも、きょう私が
指摘
するのと同じようなことが
指摘
をされています。ずっと
指摘
されているにもかかわらず、この未精算額というのは、例えば表の二の「調達品等の納入が遅延しているもの」ということで、上から五行目でございますが、四百六十一億円もある。この現状をどのようにお
考え
になっているのか、また、どのように対策をおとりになろうとしているのか。
沖縄開発庁長官
は
基地
問題に対して並々ならぬ御
努力
をされてこられたわけでございますし、
外務大臣
も、さまざまなチャンネルを通じてアメリカ側に改善を
外務省
としても申し入れているということでございますが、まず、こういう事態についてどのような
認識
をお持ちなのか、お二人の大臣から御答弁をいただきたいというふうに思います。
野中広務
54
○
野中国務大臣
委員
が御
指摘
になりましたFMSは、
米国
によります有償援助でありまして、
米国
の対外軍事援助の一部として行われておるものでございます。調達の
条件
は
米国
がその
政策
目的に従って定めておりまして、購入国はその
条件
を受諾することにより必要な援助が受けられる。したがって、一般の国内契約とは本質的に異なっておりまして、契約価格や納期は見積もりや目標であるなどの特性を有しておるという基本的な面があるわけでございます。
我が国
といたしましては、日本では開発されておらずに、
米国
政府
から得られる装備品で
我が国
の安全保障上必要なものにつきまして、諸外国からも同様の
条件
によりまして購入をしておるのでございまして、この
条件
に従いましてFMSによります調達を行い、
我が国
の平和と安全を確保していかなければならないと
考え
ておるわけでございます。 しかしながら、今
委員
から御
指摘
がございましたように、調達をした装備品の納入のおくれや精算のおくれがあるなどという問題は、国庫金の有効活用の点から
考え
て、まことに不適切なことであると
認識
をしておるわけでございまして、このことが明らかになりましたときに、私も閣議においても発言をいたしまして、装備品の出荷促進
要請
を
米国
に対して行うことを注意をした次第でありまして、今後も十分留意をしてまいりたいと
考え
ております。
高村正彦
55
○
高村
国務大臣
今
野中
長官が答えられたとおりでありますが、FMS調達は、
米国
が武器輸出管理法に基づいて、適格国に対して装備品等を有償で提供する形で行われる
政府
間調達であり、
日米
間においては、
日米
相互
防衛
援助協定に基づいて行われているわけであります。
外務省
といたしましても、FMS調達につき、未精算の案件、納入が遅延している案件等があることは
承知
しているわけでありまして、従来から可能な限り事態の改善を図るため、
防衛庁
など
関係
省庁とも
協力
しつつ、FMS調達に関する運用の改善につき、累次の機会をとらえ、しかるべく米側に申し入れてきているところでございます。 本件につきましては、今後とも適当な機会を利用して米側に申し入れていく
考え
でございます。
原口一博
56
○原口
委員
今答弁書をお読みいただきましたけれ
ども
、フォーリン・ミリタリー・セールスですから、これを有償援助と訳すこと自体が、本当に戦後すぐの日本が占領下にあったそのときをまだ色濃く引きずっている。また、契約価格及び履行期限は見積もりであって、
米国
政府
はこれらに拘束されないということを
防衛庁
の方から資料としていただきましたけれ
ども
、では、この拘束されないというのはどこの条文によって読めるのか。 確かに、軍の大変な技術を結集したものですから、それは供給するアメリカ側の意思をがちがちに縛るものであってはならない、それは私も
理解
をするものであります。しかし、一たん
外務省
を通して契約をされたものが六年も七年も八年も来ない。その間の資金が利息も発生しないままアメリカ合衆国に滞留する。これは今、
野中
開発庁
長官が
お話
しになったような国庫金の有効活用が全く図れない。それよりも何よりも、実際に昨日のような事態が起きたときに、敵も味方も識別できないようなそういった装備があるとすれば、それは日本の国の
防衛
について大変ゆゆしき事実であるというふうに思います。 今そうやって
努力
をするというふうに
お話
しになりましたが、
昭和
五十五年もこの
委員会
で同じような答弁であります。では、具体的にどこに問題があるのか。アメリカ側に問題があるのか、あるいは日本の調達のやり方に問題があるのか、それとも、この協約そのもの、協定そのものに問題があるのか。
外務大臣
、その辺はどのようにお
考え
なのか、さらにお聞かせいただきたいと思います。
及川耕造
57
○及川
政府
委員
先生の御
指摘
の点、一々ごもっともでございます。 私
ども
防衛庁
といたしましては、本件、会計検査院等の
指摘
を受けるまでもなく、あらゆる機会をとらえてアメリカ側に折衝いたしまして、そして督促等を行っているところでございます。ただ、FMSにつきましては、各国一斉に調達をする中で、そしてそれぞれの国の納期等に合わせて
努力
がされることはされるわけでございますけれ
ども
、一国だけの契約ではございませんので、どうしてもその調整等の問題があるのではないかというふうに思っております。 さはさりながら、先ほど来、
外務大臣
、
沖縄開発庁長官
が御答弁申し上げましたとおり、本件、
防衛庁
として、大臣までコーエン長官との会談でお願いをするということを行いまして、現在、先生御
指摘
のございました百四十一件のうち、既に百二件、御
指摘
のありました携帯SAMに関する味方識別装置も含めまして既に納入済みでございます。残りの案件につきましても、その大半につきまして、大体大方の見通しをつけつつある、こういう
状況
でございます。
原口一博
58
○原口
委員
こういったことを会計検査院から
指摘
されて、百四十一件について解決済みだと。これは
指摘
されなければ、それこそ私たちは、識別もできないようなそういう装置、あるいは弾がないようなヘリコプター、そういったものを抑止力として言っていた。私は、これは、
沖縄
の
県民
性あるいは
県民
の思いについても、やはり真摯に反省して、改善方をお願いをしたい、そういう大きな問題であるというふうに思います。 時間が限られてきましたので、二点目、
沖縄開発庁長官
と
官房長官
の兼務について、これが
一体
どういう意味を持つのか。 私は、官邸にしっかりとした
沖縄
の意思を伝えるということで、最初、このことが決まったときに、特に
野中官房長官
が兼務をされる、これは大変結構なことだというふうに思いました。各省庁を横断的に総合調整をして、そして意思をきっちり伝える、あるいは決断を迅速にする、こういう意味で大変大事なことだというふうに思います。 しかし一方で、立法府との
関係
で、この
委員会
を開くのにも随分調整が要りました。そういう中で、頻繁に国会やあるいは
国民
の
皆さん
と意思を通じて、そして意思決定をしなければいけない。そういう中で、ぜひ私は
官房長官
に強く求めたいのでありますが、これは
沖縄開発庁長官
として求めたいと思うのでありますが、横断的な省庁の調整、これについてもしっかりとやってもらいたい。 介護の問題について、
沖縄
県の実態をるる見ていきますと、
施設
については一応のめどがついたかというふうに思いますが、しかし、マンパワーについては、離島部を抱えて本当にこれからだというふうに思いますし、ことしの十月からいよいよ認定が始まるわけでありますが、
沖縄
が抱えている問題は、
本土
のそれとは比較にならないぐらい、失業率やあるいは雇用の問題についても、それから高齢化の問題についても大きいわけでございます。 この辺について、
沖縄開発庁長官
が、横断的な
振興策
を総合調整する
沖縄開発庁
の長官と、それから
官房長官
を兼務されたその意義について、どのように思っておられるのか。また、そのことのメリットだけではない、注意すべき点についてどのようにお
考え
なのか、
お尋ね
をしたいというふうに思います。
野中広務
59
○
野中国務大臣
先般の
改造内閣
によりまして、
内閣官房長官
のほかに、
委員
御
指摘
のように、
沖縄開発庁長官
を命ぜられたわけでございます。
官房長官
といたしまして、
沖縄
担当大臣として
基地
問題や雇用、産業振興などについて幅広い観点から
政府
部内の調整に当たってきた私が
沖縄開発庁長官
に就任することによりまして、ある意味においては、社会資本の
整備
や特別自由貿易
地域
制度等の諸制度の活用や、
基地
の跡地利用などの
振興開発
施策
の
実施
を
政府
の中心となって進めていくことができる
立場
を得たと思っておるわけでございますが、こうした調整、
実施
の両面にわたる任務を兼務をするということが、今日までやってまいりまして、大変また一方において過重なことであるということを身をもって体験をいたしながら、
沖縄開発庁長官
として、この
内閣官房長官
の多忙な任務の中から、ぜひ、いささかでも
沖縄
に対する問題が支障が生ずることのないように留意をして、誠心誠意
取り組み
ますとともに、
関係
各方面との連携、
県民
の
皆さん
の期待にこたえられるように
努力
をしてまいりたいと思う次第でございます。
沖縄
県におきます介護の問題は、
本土
以上により深刻な問題を抱えておりますことは私も
認識
をいたしております。今後、県並びに
開発庁
、そして
関係市町村
とともに、厚生省とも連携をとりながら、十分
対応
できるように
努力
をしてまいりたいと
考え
ております。
原口一博
60
○原口
委員
北方領土問題について御質問する時間がなくなりましたが、国境画定方式、これにロシアがこの数カ月、川奈での提案あるいは昨年十一月の
小渕総理
との会談、このことについてまた違うメッセージがロシアから来ている。そのことについてはまた別の
委員会
でしっかりとただしていきたい、別の機会にただしていきたいということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございます。
五島正規
61
○
五島委員長
白保台一君。
白保台一
62
○白保
委員
公明党・改革クラブの白保台一でございます。
野中
長官には、激務の
内閣官房長官
と
沖縄開発庁長官
を兼務されて、大変御苦労さまでございます。
沖縄
振興開発
のために御尽力をされますように申し上げます。 まず、通告いたしました本題に入ります前に、先ほどから出ております、上原
委員
、原口
委員
から出ておりましたが、新聞報道によりますと、長官は、昨日夕刻、二隻の不審船の問題については運輸省の範疇の問題であるということでお出かけになられたようでございますが、その後、こういったような大きな問題に至って、海上自衛隊が出動するという事態になりました。 この間の経過において、
危機管
理的な
立場
から、どの時点でどういう判断でこういう形になっていったのか。そのことだけ、まず一点お
伺い
したいと思います。
野中広務
63
○
野中国務大臣
昨日早朝から能登沖及び佐渡沖におきまして不審な船がおりますことを察知いたしまして、海上保安庁がこれを追跡したわけでございます。 航空機から撮った写真を眺めてみましたら、先ほど来るる御説明申し上げておりますように、日本の国旗を立て、さらに日本の船の名前をつけておりました。この船を現認いたしましたら、その同じ名前の船は他のところで操業中であることの所在が確認をされましたので、実物でないということがわかりました。もう一隻は、追跡をして
調査
をいたしましたら、これは国旗も掲げておりませんでしたが、この船は
平成
六年に廃船処理をしたものであるということが明確になりました。 したがって、
我が国
の船のように装って領海内に入っておりますけれ
ども
、しかし
我が国
の船でないということが疑いを持たれることになりました。しかも、この船の実態は、漁具を積んでおらず、漁船のように見せかけながら高いアンテナ等が張られておりまして、相当情報収集等が行われる装置を持っておるのではなかろうかという疑いがございました。 さような
状態
でございましたので、まずは漁業法に基づきまして、
我が国
の船籍のあるかのごとき装いをしながら不審な船であるということで、海上保安庁を所管する運輸大臣がこの指揮をとることにいたした次第であります。 しかし、その後、この船が相当なスピードを上げて逃走をするという事態になりましたために、先ほど来申し上げていますように、海上保安庁の所有する船のスピードがこの逃亡する船のスピードに追いつくことができないという事態になりまして、自衛隊法に基づき海上警備措置をとった次第でございます。
白保台一
64
○白保
委員
新聞報道によりますと、また先ほどの
お話
にもございましたが、海上保安庁の巡視船が燃料切れであったなどという話が報道されるに至っては、非常に
国民
は残念に思うと思うのですね。これは大変厳重に今後の問題として対処をしていただきたい。このことを申し上げて、本題に入っていきたいと思います。 去る十七日に、
政府
が策定することになっております
沖縄
経済振興二十一
世紀
プランについての
沖縄
県の
意見
を聴取するためというふうに伺っておりますが、非公式の協議が行われたと
承知
しています。出席した牧野副
知事
は、「個別具体的な話ではなく二十一
世紀
の
沖縄
の経済振興を見据えた政治的・経済的な意味合いな
ども
含めて統一した
考え
づくりをしていくことを確認した」、こういうふうに言ったと報道されています。 まず、長官はこのことについてどのように報告を受けておられるのか
伺い
たいと思います。 あわせて、国は、県に対して従来の
振興開発計画
と新たなプランとの整合性などを提示したということ、県からは県が持っている当面の経済振興のためのプランについての
意見
を聴取したということについて、一つは国が何を提示したのかということ、そして、もう一つは県から聴取した内容についてお答えをいただきたいと思います。
玉城一夫
65
○玉城
政府
委員
お答えを申し上げます。 去る三月十七日に牧野副
知事
が上京された折のことでございますが、ちょうど来られましたので、
内閣
内政審議室の安達審
議官
、
沖縄開発庁
からは振興
局長
と私の四人、あと事務方もおりましたが、四人で自由に
意見
の交換をする機会を持ったということでございます。特に非公式協議というふうな会合ではございませんでした。 したがいまして、特に議題ということも設定しておりませんで、例えば来月開く予定になっております
政策
協議会に向けて事務的にどのような準備をしていったらいいかというふうなことをフリーに小一時間ほど
意見
交換をしたということでございます。
白保台一
66
○白保
委員
私が
承知
しているのは、
局長
、いろいろと提示をされたり、いろいろと
意見
を聴取されたんじゃないですか、その柱の部分があるんじゃないですか。
玉城一夫
67
○玉城
政府
委員
副
知事
が上京されるということで、内政審議室あるいは
沖縄開発庁
のそれぞれ担当者と
お話
しするには時間が足りないということで、では三者一緒に自由に
意見
を交換しようということで、その話の中では、私
ども
は、全く非公式の場でございますので、いろいろ
意見
を言ったりしておりますが、これで議事録をとったりして今後の詰めの
作業
の資とするというふうなことはいたしておりません。
白保台一
68
○白保
委員
私は、先ほどから公式とは言っておりません。まさに非公式協議が行われた。その非公式協議の中でるる
お話
がなされたということで、しかし、それは、先ほど長官から事務方がいろいろとやっておられるという
お話
がございましたように、
皆さん
が
お話
ししたその方向性というものは極めて重要な問題であろうと思うので
伺い
ましたが、あくまでも非公式だから出さないということならば、それは構いません。 いずれにいたしましても、次に行われる
政策
協議会等で一定の方向性というものが明確になってくると思いますので、全力で取り組んでいただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。 次に、
沖縄
県で賃金未払いの相談が急増しておる、九八年一
年間
で二百四十件、十
年間
で最多である、極めて多くなっているという
沖縄
労働基準局のまとめが出てまいりました。 このことについて労働省に確認したいと思いますが、このような
状態
に立ち入ってしまった原因、そしてまた
対応
策について御答弁を願いたいと思います。 同時に、関連して、一月二十九日の
沖縄政策協議会
で労働大臣が示しました緊急雇用創出特別基金事業の発動による効果、このことについてもお
伺い
したいと思います。
伊藤庄平
69
○
伊藤
(庄)
政府
委員
まず、
お尋ね
がございました賃金不払いの件についてお答えを申し上げたいと存じます。
沖縄
県におきまして、労働基準監督機関が昨年一
年間
に受け付けました賃金不払いに関します申告件数は二百四十件でございます。これは、
昭和
五十年の後半から六十年前半にかけましては三百件を超えるような時期もございましたが、
平成
に入りましてからは大体百件台で推移してきておりましたので、この十
年間
では最も多い件数になっております。 もちろん、こうした背景には厳しい経済情勢等があるかと存じておりますが、ただ、賃金は働く方々またその家族の方々にとって極めて重要な生活の糧でございますので、私
ども
、労働基準法におきましても悪質な場合には刑事罰をもって臨む、そういったことで履行の確保に当たっているところでございます。 したがいまして、こうした申告がありました場合にも、迅速な解決のために、実態の
調査
、場合によりましては事業所への立ち入り等を行って賃金の支払いの履行に当たっているところでございます。 御
指摘
がございました二百四十件のうち、実際、昨年中に解決したものが約八割になっておりまして、昨年後半に出たものは引き続き解決に努めている段階でございます。 今後とも、こうした申告がございました場合には、迅速な
対応
を図ると同時に、倒産等の事実につきましては早期に情報を集めまして、これは申告を待たず、労働基準監督署の方から出て、賃金不払い等の未然防止を促していく、そういった
対応
に精力を注いでまいりたいと思っております。
渡邊信
70
○渡邊(信)
政府
委員
緊急雇用創出特別基金でございますけれ
ども
、
沖縄
県におきましては、本年の一月三十日からこれが発動されました。 この制度によりますと、四十五歳から五十九歳までの非自発的失業者の方を安定所の紹介によって雇い入れたときにこれが支給されるということで、かつ一カ月の実績を見て支給するということでございますので、一月三十日に発動されて直ちに採用が行われたとしましても、三月一日からの申請ということになります。現在、具体的に申請が上がってきておるのは二件でございます。 この二月中に安定所の紹介で四十五歳から五十九歳の方で常用就職をされた方の数を見ますと、現在集計中なのですが、百五十名になる見込みでございます。この百五十名という数字は、前年の同月、
平成
十年二月は九十六人でしたから相当ふえておりますし、また、最近の数字を見ますと、昨年の十二月は百二十二名、一月が百十八名、二月は百五十名になる見込みでございまして、この百五十名のうちの非自発的失業という方が、これから申請が出てくるかというふうに思っております。 なお、この制度につきましては、周知徹底に努めておりまして、例えば、
地元
紙二紙に広告を掲載する、あるいは、
沖縄
県の高齢者雇用開発協会の会員企業、約一千社ございますが、そのすべての企業にパンフレットを送付する、あるいは、
那覇
の安定所におきましては五百の企業にファクスで案内書を送付する、こういった
努力
をしておりまして、これからもこういった
努力
を継続していきたいというふうに思っております。
白保台一
71
○白保
委員
長官、実は先般、
稲嶺知事
が台湾を訪問されました。お聞きになっているかと思いますが、台湾を訪問されまして、李登輝総統と会談をしています。 その際に、これはあくまでも報道の範疇ですけれ
ども
、李登輝総統は、民間を含めて
沖縄
に十億ドルの投資をしたいと今も
考え
ている、しかしながら、台湾側の税制の大幅な改革がありました、税制面での
沖縄
の優位性はなくなっている、こういうふうに語った上で、それ以外の優遇制度について台湾企業にわかりやすいようにまとめて提示してほしい、こういうふうに
要望
したと伝えられておるわけでございます。 先ほどから特別自由貿易
地域
への
支援
の問題等も議論になっておりますが、この時期に、周辺諸国と比較して我が方の優位性がなくなるということは極めて大きな問題だろうと思いますが、このことについて、長官、どのように受けとめられるか、このことが一つです。 それからもう一つは、その際に総統の方から、これは前々から
地域
の方で準備をしたり働きかけをしている人たちがいるわけですけれ
ども
、台湾と石垣島その他の島との航空
路線
、チャーター便の問題が何度も出てきているわけでございます。 現実的な問題として、現に定期航路はございますが、チャーター便によって一層交流を深めたい、それをまた定着させていきたいという
考え方
が台湾側にも
沖縄
側にもあります。こういった辺の早期実現をしていかなければならないわけですが、これに対する手続や見解について、運輸省にお
伺い
したいと思います。 それともう一つ、あわせて
港湾
の問題がありまして、最近は台湾から大型客船が、石垣島それから
沖縄本島
、台湾、こういうふうにずうっと回って、多いときには六百人ぐらい乗せて、ずうっと観光しております。同時にまた、石垣島の前の方にクリアランス船が
年間
千五百隻ほどとまっています。そういう面で
港湾
整備
は非常に大事なのですけれ
ども
、石垣港の
港湾
整備
もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
野中広務
72
○
野中国務大臣
我が国
政府
といたしましては、台湾は中国領土の一部と位置づけておりますので、台湾について私から
お話
を申し上げる
立場
にないわけでございます。 一般論といたしまして、企業の立地に伴います税制の優遇措置についてでございますが、
委員
御
承知
のように、昨年の三月には
沖縄
振興開発
特別措置法を改正していただきまして、
沖縄
への企業立地を促進いたしますために、今申請をされております特別自由貿易
地域
の指定制度の問題、あるいは情報通信産業振興
地域
制度、観光
地域
の制度などの創設をそれぞれ
振興策
として行いながら、法人税の三五%所得控除、投資税額控除等、
我が国
においてかつて例のない税制上の優遇措置を講じておるところでございます。 税制以外の優遇措置としても、
委員
十分御
承知
でございますが、金融面の措置といたしまして、特別自由貿易
地域
等におきましては、事業を営む者に対して、
沖縄
振興開発
金融公庫によって融資制度を設けておるところでございます。このほか、先ほど労働省から
お話
がございましたように、雇用
関係
の助成措置として、特に、
沖縄
若年者雇用開発助成金制度等が設けられておるわけでございます。 また、議決をいただきました新年度の
沖縄開発庁
の予算におきましては、総額三千二百八十二億円、対前年比一〇四%を上回る計上をいたしまして、今申し上げました諸制度の有効活用を
支援
することにしておるわけでございます。これを通じまして
沖縄
の産業の自立的な発展に資するよう、したがって、これを通じて社会資本
整備
を
推進
したいと
考え
ておる次第でございます。
開発庁
といたしましても、今後とも、企業の立地や投資が促進をされ、
沖縄
の経済的自立に貢献できる産業、貿易の振興や雇用の促進に結んでいけるように、税制、金融、財政の各般にわたりまして効果的活用を図り、
関係
省庁、
沖縄
県とともに企業の誘致の促進に取り組んでまいりたいと
考え
ておる次第でございます。 今後とも、それぞれ
関係
の
皆さん
の御
協力
をお願いしておく次第であります。
鶴野泰孝
73
○鶴野説明員 石垣その他と台湾との間のチャーターにつきましての
お尋ね
がございました。御説明申し上げます。
我が国
と台湾との間のチャーター便の運航につきましては、
我が国
の財団法人交流協会と台湾の亜東
関係
協会との間の取り決めによりまして運営されております。この取り決めによりますと、台湾側の航空企業は、定期便の就航していない
路線
において、片道ベースでございますが、
年間
最大七百便まで運航することができるということとされております。 この取り決めの枠内で、どこの地点へ運航するかは、まず企業が判断をするということになります。また、それでは台湾側のどの企業が運航するようにするかにつきましては、実は、台湾当局が判断をいたしまして、通知をする企業に行わせるというふうな仕組みになっております。 運輸省におきましては、この結果を踏まえて、企業から提出されます運航の申請を待ちまして適切に対処をしてきておるところでありますが、今後もそのように対処してまいりたいと思います。 なお、国際定期便が就航していない
空港
につきましてチャーター便が運航される場合には、そのほかに、税関、出入国管理、検疫、いわゆるCIQというものでございますが、これの受け入れ体制についての調整も必要になるということをあわせ申し述べたいと思います。
襲田正徳
74
○
襲田
政府
委員
石垣港におきましては、
お話
しのように、近年、クリアランス船の入港隻数が
増加
をしてきております。
平成
九年の数字で申し上げますと、千三百二十五隻が入港をいたしているわけでございます。また、これも
お話
しのように、現在、大型クルーズ船が
お話
しのようなコースで毎週一回定期的に寄港をいたしているわけでございます。石垣港につきましては、これらの
状況
も踏まえまして、現在、水深九メートルの岸壁あるいは避泊水域の確保のための泊地の
整備
等を進めているところでございます。
沖縄開発庁
といたしましては、台湾交易の定期航路を初め、多数の外国の船が入港する南の玄関といたしまして、また観光リゾートの拠点といたしまして、石垣港の果たす役割は極めて大きなものがあるというふうに
認識
しておりまして、今後とも同港の
整備
を着実に進めてまいりたいと
考え
ております。
白保台一
75
○白保
委員
時間がだんだんなくなってまいりましたので、次に
SACO合意
の関連で
伺い
ますが、まず北部訓練場のヘリパッドの問題で、
防衛
施設
庁は、ヘリパッド
移設
に関して、
移設
箇所数を含め環境影響
調査
の結果を踏まえて決定したいというふうに、
SACO合意
への柔軟な姿勢、
対応
の
考え
を初めて示したというふうに言われています。したがって、これは評価結果を踏まえて
移設
の具体化を検討するという発言にもつながっていくわけでございますが、これについて、
防衛
施設
庁、御答弁をいただきたいと思います。
宝槻吉昭
76
○
宝槻
政府
委員
お答えいたします。 北部訓練場の
返還
に必要なヘリコプター着陸帯の
移設
についてでございますけれ
ども
、この事業は環境影響評価法の対象事業には該当しないわけでございますけれ
ども
、当庁としては、
沖縄本島
北部の自然環境の保全に配慮するという観点から、現在、
移設
候補地について、自然環境に与える影響の
調査
を
実施
しているところでございます。 当庁といたしましては、ヘリコプター着陸帯の
移設
に当たりましては、自然環境への影響を最小限にとどめるという
考え方
でございまして、現在
実施
している環境影響
調査
の結果を踏まえて、今後、必要に応じて環境庁あるいは
沖縄
県等
関係
機関とも調整の上適切に対処してまいりたいと
考え
ておるところでございます。
SACO合意
では、北部訓練場の
返還
につきましては、ヘリコプター着陸帯を
移設
するという
条件
になっているわけでございます。現在は、候補地について環境影響
調査
をやっておるところでございまして、これを約一
年間
かけて
調査
をして、その後で環境への影響を評価いたしまして、適切に
対応
してまいりたいという
考え方
でございます。
白保台一
77
○白保
委員
防衛
施設
庁の今の
考え方
、大変重要な問題だと思っています。 私自身も、県
会議
員のときに、みずから環境影響評価、環境アセス条例案というものをつくってみんなに
協力
を求めたことがありますが、
沖縄
は狭隘な土地ですから、環境保護を離れて新たな
基地
の建設などということはあり得ないわけでありまして、そういった面ではしっかりとした環境影響評価というものはなされていかなければいけない、こういうふうに思いますので、この辺の
考え方
についてはぜひ進めてもらいたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。 時間が大分なくなってまいりましたので、幾つか失礼するようなことになるのかもわかりませんが、次に聞きたいことは、
SACO合意
で、実は、事件、事故に対する裁判、そしてまたその後の賠償の問題について、被害者救済に迅速に
対応
する、こういうことで、一九九六年十二月の
合意
で、判決で認められた損害額と見舞金の差額は日本
政府
が払うということに改善されました。 ところが、問題は、訴状送達までに相当の時間を要する、そして判決が出ても賠償支払いまでに一年以上の時間を要する、こういうことで、なかなか前へ進んでいない、こういうことが言われています。 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、十七日に、一九九五年六月に米海兵隊員が酒気帯び運転で日本人女性を衝突、死亡させた問題の判決が出ました。これは、呼び出されても出頭しない、準備書面も出さない、したがって原告が出したとおりの判決になった、しかしその後がまた時間がかかる。こういうことで、こういった面の改善をぜひ進めていかなければ、被害者救済に迅速に
対応
するという
SACO合意
の精神が生かされないのではないか、こういうことが言われておるわけでございまして、その辺の改善についていかがでしょうか。
高村正彦
78
○
高村
国務大臣
政府
といたしましては、本件のような交通事故の被害者の御遺族については、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、
日米
地位協定、
関係
国内法令及び御遺族の意思に従って、被害者側に対する補償措置が適切にとられることを期待しているわけであります。 今
委員
御
指摘
の
SACO
最終報告
は、
日米
両
政府
が最大限の
努力
を払って取りまとめたものでありまして、この報告には、地位協定の運用の改善措置の一つとして、被害者救済の観点から、地位協定第十八条六項のもとの請求に関する支払い手続の改善措置が盛り込まれました。
政府
といたしましては、今回の判決に基づく
米国
政府
による慰謝料の支払いについて、御遺族の御意思を踏まえて、
SACO
最終報告
に盛り込まれた措置を活用しつつ、迅速かつ適切に対処していく
方針
であります。 判決が出ましてから被害者側に対し慰謝料が支払われるまでの間時間を要することがあるというのは
委員
御
指摘
のとおりでありますので、そういった場合には、前払い制度だとか無利子融資制度だとか、あるいは、判決額をそのまま米側が認めると限りませんので、その差額に見舞金とかのそういう制度があるわけでありますが、米側に対して早急な決定及び判決額をできるだけ満たすように申し入れていますが、日本
政府
としてもいろいろ
考え
てまいりたい、こういうふうに思っています。
白保台一
79
○白保
委員
時間がございませんので、最後に一点。 先般、予算
委員会
でも申し上げましたアメラジアンの問題についてでございますが、参議院の文教・科学
委員会
というのでしょうか、そちらで質問があった際に、養育費等の問題について、これは日本国内の国内法制度と違うということがあってなかなか困難だという
お話
がございましたので、私、予算
委員会
で、
外務省
が中心になって何とか安保のはざまで苦しんでいる人たちを助けられる方法を研究していただきたいということを
外務大臣
にも申し上げました。 竹内
局長
は非常に困難であるというようなことを既に答弁されておるわけでございますが、この一月の間にどういった経過をたどってこのように困難であるという話になったのか、これをお聞きしたいと思います。
竹内行夫
80
○竹内
政府
委員
いわゆるアメラジアンの問題につきましては、
沖縄
の方々の御関心が高いということも十分
承知
をいたしておりますし、また、白保先生を初め国会において問題の重要性について御
指摘
をいただいておるところでございます。
外務省
といたしましては、この問題につきましては、先生ほか多くの方々から御
指摘
がございました、
米国
との扶養義務の執行に関する双務的な枠組みをつくるということの
可能性
について検討をいたしました。その過程におきましては、アメリカの法制度の
調査
ということとか、それから、実際問題としてこの問題を扱うということになりますと、
関係
省庁、日本でございますと法務省であったり厚生省であったりいたします、そちらの方にも照会をいたしまして、日本の現在の法制度がどういうものであるか、
米国
との取り決めを可能にするようなものであるかというようなことを実は検討いたしてもらったところでございます。その結果が、先般申し上げた結論でございました。 すなわち、
米国
との双務的な枠組みを設定するためには、アメリカの法律で求められている要件、大きく二つございますけれ
ども
、アメリカとその外国の、両国の居住者が
関係
する扶養義務の執行を容易にして、次の手続を確保する中央当局が指定されているというのが一点目でございまして、その次の手続と申しますのが、親子
関係
の認定、支払い命令の執行、扶養料の徴収及び分配などにつきまして、
米国
の居住者が日本で利用できる手続が効果的なもので存在しているというようなこと等が要件とされているわけでございまして、
関係
省庁に照会し、協議をいたしましたところ、現在の
我が国
の法制ではこういうような体制になっておらない、こういうことでございました。 しかし、
外務省
といたしましては、この問題は、養育費の問題、それから教育の問題もございますし、多くの問題がございます。それぞれの問題を扱う
関係
官署とも協議をいたしまして、いかなる対処を行えるかということをさらに検討してまいりたいということでございます。
白保台一
81
○白保
委員
時間が参りましたので終わりますが、今の問題については、私、最後に
局長
がおっしゃったように、困難であるという結論ではなくして、現実にそういった人たちがいるということを踏まえて一層研究を続けていただきたい、このことを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
五島正規
82
○
五島委員長
一川
保夫
君。
一川保夫
83
○
一川
委員
私、自由党の
一川
保夫
でございますが、本日、ここで
沖縄
の問題と北方領土の問題に関しまして若干の質問をさせていただきたいと思います。 その前に、先ほど来、昨日からの不審な船舶に関する
質疑
がありましたけれ
ども
、実は、私は能登半島を抱える石川県の出身でございまして、いろいろな
先生方
からいろいろな御質問がございましたので、重複は避けますけれ
ども
、船舶が発見されたあの
地域
というのは、漁場としましても大変良好な漁場に位置する
地域
でもございますし、また、先般、日韓の漁業協定でいろいろな面で話題になった
地域
でもございますので、そういう面では、二度とああいう事態が発生しないように、
関係
の
皆さん
方に最大限の御
努力
をよろしくお願いをしておきたいと思います。 さて、先ほど来の質問、私はきょうは六番目ですか、これまで五人質問されたうち四人の
先生方
は
沖縄
の
先生方
でございました。そういう面で、私、
国民
の一人としまして、この
沖縄
にかかわる問題で、若干確認をしながら質問をさせていただきたい、そのように思っております。
沖縄
というところは、
我が国
にとっては近年いろいろ、軍事的な面で相当話題になっておりますけれ
ども
、経済社会全体におきましても、
沖縄
の立地特性という観点からも、大変大事な
地域
だというふうに私も
認識
いたしております。私自身も、かつて仕事の
関係
で、
沖縄
の仕事を若干やらせていただいた経験もございまして、ちょうど
復帰
直後であったわけで、そのころ何回か
沖縄
に出入りしたことがございましたけれ
ども
、その後相当の変化を来しているというふうに、現地を見させていただいてから
感じ
ております。 そういう中にあって、今話題になっております
沖縄振興開発計画
にかかわる問題でございますけれ
ども
、今第三次ということで、先ほどの
仲村
先生の質問にありましたように、もう間もなくその第三次の計画期間も終わるということで、いよいよ二十一
世紀
、新しい時代に向けてまた新たな観点で
沖縄
という
地域
を振興していかなければならないということに当然なると思いますけれ
ども
、二十一
世紀
に向けまして、この
振興開発計画
、先ほど
ポスト
第三次計画という
お話
もございましたけれ
ども
、そのあたりの基本的な
取り組み
方針
といいますか、そういうことにつきまして
政府
の
考え方
をお聞きしたい、そのように思います。
野中広務
84
○
野中国務大臣
委員
お尋ね
の
ポスト
三次振とも申すべき
沖縄
の
振興策
についてでございますが、今も御
指摘
ございましたように、現在の第三次
沖縄振興開発計画
は、
平成
四年度から
平成
十三年度までの十カ
年間
を計画期間といたしまして、
本土
との
格差是正
を行い、自立的な発展の基礎
条件
を
整備
をしますとともに、広く
我が国
の経済社会及び文化の発展にも寄与する
地域
として
整備
を図ってまいりたい。さらに、平和で活力に満ちた潤いのある
沖縄
県を実現することを目標といたしておる次第でございます。 第三次
沖縄振興開発計画
の計画期間は、今申し上げましたように、残すところ約三年となったわけでございます。したがいまして、
ポスト
三次振計の問題については、今後、計画期間中に
実施
をされます諸
施策
全般の
実施
状況
やら
沖縄
の経済社会の情勢等を十分踏まえまして、そのあり方を含めて議論をしていくことになると存じております。このため、今般、
開発庁
の中に
沖縄振興開発検討推進会議
を設置をいたしまして、これまで
沖縄振興開発計画
に基づいて
実施
をされてきました諸
施策
、
事業全般
について総点検等の
取り組み
を始めたところでございます。 今後、鋭意検討を進め、国会並びにそれぞれ、
地元
、県、
関係市町村
の御意向も承りながら、次の
沖縄
県の発展のために
考え
てまいりたいと存じておるところでございます。
一川保夫
85
○
一川
委員
沖縄
というところは、もうどなたも御存じのとおり、位置するところからしまして、大変なすばらしい自然環境に恵まれたところでもございますし、そういう面では、今の長官の
お話
のように、基本的には、平和で、そういった潤いのある
沖縄
という
地域
をしっかりと振興させていただきたいということでございまして、これまで第三次までは、どっちかというと社会資本を中心に相当基盤
整備
的なことに投資をされてきたというふうに思いますけれ
ども
、今後はまた、そういう若干の基盤
整備
的なものは当然あると思いますけれ
ども
、そういうものにプラスしてのそういった潤いのある
地域
の振興にぜひ力を注いでいただきたい、そのように思っております。 さて、長官のこのあいさつの中身を見ておりましても、また、いろいろな
沖縄
に関する資料を見ておりましても、よく
県民
所得の
格差
問題というのが出てまいります。確かに、一人当たり
県民
所得のデータからしますと、
沖縄
は非常に下位にランクされておるというのは事実でございます。こういう所得が上がってこないということの一つの要因、そういうものをどういうふうに見ておられますか。また、そういうものに対する対策、それは、基本的には新しい産業を起こすということも含めての、いろいろな就業機会をふやすことが大事だと思いますけれ
ども
、そういう所得
格差
という観点での問題について、長官の御所見を伺っておきたいと思います。
野中広務
86
○
野中国務大臣
御
指摘
のように、
沖縄
県は
復帰
いたしまして二十七年がたつわけでございますが、当時、一人当たりの
沖縄県民
の所得に対する
格差
が六割弱となっておりましたが、現在、およそ七割
程度
にまで
縮小
をしておるわけでございます。けれ
ども
、これは
沖縄県民
のたゆまない
努力
のたまものでありますし、また、
沖縄開発庁
といたしましても、
沖縄
が
本土
復帰
して以来、三次にわたる
振興開発計画
を行いまして、総額五兆円を超える国費を投入するなど、
沖縄
振興開発
のための諸
施策
を積極的に講じてきたところでございます。このことが、
本土
との
県民
所得差の是正に役立ったのではなかろうかと
考え
ております。しかし、今御
指摘
ございましたように、現在なお
相当程度
の
県民
所得
格差
が現に存在をするわけでございまして、
沖縄
の経済社会の
状況
は依然として厳しい
状況
にあるわけでございます。 当
開発庁
といたしましては、引き続き
沖縄
県の
地域
経済が自立をし、雇用が確保され、
沖縄県民
の生活の向上に資するとともに、
我が国
経済社会の発展に寄与する
地域
として
整備
をされていくように、
沖縄
の
振興開発
に全力を傾注してまいりたいと
考え
ておるところでございます。
一川保夫
87
○
一川
委員
確かに、経済的な豊かさという面はどなたも一番関心が深いところでございますし、こういった所得の
格差
という問題も、当然、是正に向けて最大限の対策をとっていただきたいと思いますが、私は、ある面では、ちょっと長官に自分なりの
意見
としまして提言を申し上げたいと思うのですけれ
ども
、
本土
の各都道府県も、
県内
の場所によっては、非常に
県民
所得の高いところもあれば、低いところも当然ございます。また、当然ながら、離島なり、そういった地理的に非常に
条件
が不利な
地域
にとっては、
県民
所得が一つの府県の中でもそういう
格差
が当然あるわけでございます。ただ、所得が低いところに住んでいる人は、一概に生きがいがないとか不幸せであるという問題では私はないと思うのです。所得が低いなりに、しっかりとした
考え方
でそこで生活をしておられるというふうに思いますし、高い
地域
に比べてはるかに人間らしい生活を送っている方々もたくさんいらっしゃいます。 そういうことを
考え
ますと、
県民
所得の
格差
という問題も確かに大事なわけでございますけれ
ども
、こういったもののほかに、やはり、
沖縄
は
沖縄
らしいすばらしい点があるということをもっと
県民
の
皆さん
方に自信なり誇りを持っていただくためにも、別の観点での何か指標的なものをもっと強調された方がよろしいんじゃないかというふうに私は思います。 これは、我々も、自分の出身の
県内
でも、過疎
地域
なりそういうところと都市部との
格差
の問題が議論になるわけでございますけれ
ども
、やはり、そういった過疎地帯は過疎地帯なりの一つのすばらしい点がたくさんあるわけでございますので、そういうところもしっかりと
理解
していただきながら、そこに住むこと自体にそれなりの自信と誇りが持てるような
考え方
があってもよろしいんじゃないかというふうに思いますけれ
ども
、そういう点について、長官の何か御所見を
伺い
たいと思います。
野中広務
88
○
野中国務大臣
一川
委員
がそれぞれ全国の府県の
地域
格差
の問題についてお触れになりましたことは、そのとおりだと私も思うわけでございます。
沖縄
県は、他のどこよりも気候が温暖であり、風光明媚であり、海がきれいであり、そして観光資源の富んだ人情豊かなところであります。
沖縄
県は、産業振興や観光開発については欠くことのできない
条件
を兼ね備えておるよさを持っておるわけでございまして、これを十分生かしながら、南北の
格差
の問題、あるいは離島の問題等、手厚く我々は処置をしていきたいと思いますとともに、一方におきましては、アジアの
我が国
における玄関口でございます。その特性を生かして、情報産業を初めさまざまな、これからの二十一
世紀
を担う産業の立地を
考え
てまいらなくてはならないと思いますし、さらに、先ほど申し上げましたように、気候温暖でありますだけに、長期保養型のよさを持っておるわけでございますし、そういう点をもあわせ
考え
てまいらなくてはなりません。 一方、
我が国
米軍基地
の七五%を担っていただいておるところでございます。すなわち、日本の平和に大きな貢献をしていただいておるわけでございますので、そのことをまた私
ども
も十分踏まえながら、
沖縄
の
振興策
を
考え
ていかなくてはならないと存じておるところでございます。
一川保夫
89
○
一川
委員
私も、
沖縄
は、
米軍基地
に関するいろいろな
施設
用地等も含めて、大変な用地を提供されているということは十分
承知
しておりますし、そういった面の役割は大きなものを果たしておられるということも十分
理解
し、また、
我が国
全体の経済社会の中でも非常にすばらしい
地域
であるからこそ、もっともっと振興していただいて、その中で、
国民
全体に
沖縄
に今まで以上に出入りしていただくということも、ある面では非常に大切なことだろうというふうに思いますので、ぜひしっかりとした振興を図っていただきたい、そのように思っております。 さて、その
沖縄
のことで若干気になることがございます。一つは、環境問題というのは、当然ながらいろいろな面で配慮されておると思いますけれ
ども
、面積が狭いだけに、そういうところで、同等面積を有する府県に比べますと相当の金額が投資されながら、産業基盤、社会資本が
整備
されていくわけですけれ
ども
、一時期も工事中のいろいろな汚染問題等が話題になっておりました。やはり、工事中の対策プラスその工事終了後の恒久的な環境対策ということは、特に
沖縄
県においては非常に大切な
課題
だろうというふうに思いますけれ
ども
、そういう問題に対する
取り組み
状況
なり、今後の
方針
を聞かせていただきたい、そのように思います。
襲田正徳
90
○
襲田
政府
委員
振興開発
事業と自然環境の保全との
関係
について
お尋ね
でございます。 今先生
お話
しのように、
沖縄
の自然環境は大変すばらしいものがございます。豊かな太陽エネルギーがございますし、また、恵まれた海岸線を有している島嶼
地域
であるということ、さらに、緑豊かな原生林、あるいは亜熱帯の貴重な動植物ということで、まことに多彩な特色を有しているというふうに
考え
ております。特に、島嶼の周辺にはサンゴ礁が発達をしておるということで、熱帯性の魚類を初めといたしまして、種々の生物が数多く生息をしているということでございます。こうしたすばらしい自然特性というのは、単に観光資源であるのみならず、やはり広く
国民
全体の財産というふうに
考え
られるのではないかというふうに思っております。 御
指摘
のとおり、この
沖縄
の
振興開発
を
推進
するに当たりましては、こうした貴重な自然環境の保全に十分配慮をする必要があるわけでございまして、私
ども
といたしましては、従来から、下水道あるいは廃棄物処理
施設
等々の
整備
を通じまして、生活排水、ごみの適正な処理の
推進
を図っております。さらに、各種の開発事業を
実施
する際には、必要に応じまして環境アセスメントを
実施
いたしております。それから、赤土等の流出防止対策、こういうものもしっかりやっておりますし、小動物等の保全のための広報等にも工夫を凝らすといったようなことで、環境の保全に細心の配慮を図ってきたところでございます。 御
指摘
のように、今後とも、
関係
省庁とも密接な連携をとりながら、
振興開発
と自然環境の保全との調和に万全を期してまいりたい、このように
考え
ております。
一川保夫
91
○
一川
委員
ちょっと話題を変えまして、では、北方領土の問題についてちょっと長官にお
伺い
したいと思います。 私も、北方領土の
返還
ということについては当然ながら関心を持っておりますけれ
ども
、長官の所信表明の中にもいろいろと強くうたわれておりますように、日本
国民
の世論をしっかりと啓発していくということが一つの大きなポイントではなかろうかと思いますけれ
ども
、今現在の日本国内の北方領土
返還
に向けての世論の動向というものを長官はどのように
考え
ているかということが一点。 それから、これは私の全く素人的な発想ですけれ
ども
、北方領土が
返還
されて、日本がその領土に対していろいろな手を差し伸べたときに、どういうビジョンを持ってその北方領土というものを開発、振興しようとしているのかというところがちょっと見えてこない。もう少し何かそのあたりがわかってくれば、
国民
世論はより大きく動き出す
可能性
はあるのではないかという
感じ
もいたすわけですけれ
ども
、何せ相手国があるわけでございますので、
余り
刺激するということはよろしくないというのは私も重々
承知
しております。しかし、その北方領土が返ることによって、日本にとっても、またロシアにとっても、何か相当のプラスがあるのだというようなところがもう少しわかりやすくならないのかなというふうに思うわけですけれ
ども
、そういうことも含めて、ちょっと大臣の所見を伺っておきたいと思います。
太田誠一
92
○
太田
国務大臣
北方領土の問題についての関心は年々高まってきていると私は思いますし、また、そのような世論の喚起あるいは結集についての
努力
も決して空回りはしていなくて、きちんとかみ合っておると思うんですね。 どのぐらいこの問題についての
国民
の間の
認識
、
理解
があるのかということについては、
平成
八年でございますからやや前の話ですけれ
ども
、高校生三千人に
調査
をいたしましたらば、八割を超える高校生が北方領土問題について知っている、さらに、五五・八%が北方四島の名前をすべて答えることができたということでございますので、相当のレベルであろう。さらに、二月七日に北方領土
返還
の日というのを決めておりまして、
委員
各位にも御出席をいただきましたときも、最後まで私おりまして、空気をじかに
感じ
たわけですけれ
ども
、大変盛り上がっておるということでございました。そこは心配はないことでございます。 なお、北方領土開発ビジョンを策定することはどうかということでございますが、やはり相手のいることであり、長年、粘り強い外交
努力
の積み重ねの経過があるわけでございますので、例えば四月早々にも国境画定
委員会
が予定されるとか、そのような進展があっておりますので、そこを見ながら、よく外交当局と打ち合わせをしながらやっていかないと、相手がどう思うかということがございますので、そこは慎重に
考え
てまいりたいと思います。
一川保夫
93
○
一川
委員
以上で終わります。 ありがとうございました。
五島正規
94
○
五島委員長
古堅実吉君。
古堅実吉
95
○古堅
委員
日本共産党の古堅実吉でございます。 きょうは、
沖縄本島
の北部、山原
地域
の自然環境保護問題について
お尋ね
したいと思います。 真鍋環境庁長官が先月末に
沖縄
を訪問されました。各地を視察の上で二月二十八日に記者会見されておられますが、次のように述べておられます。「北部訓練場を含めたやんばるの森を見て、自然の素晴らしさを実感し、多くの固有種の生物がすむ貴重な
地域
であることが分かった。北部訓練場については
地元
の意向を聞きながら
返還
後は国立公園化に向けて取り組んでいきたい」ということであります。 そこで、まず環境庁に
伺い
たい。この長官の発言を踏まえて、北部訓練場を含む山原
地域
の自然生態系の保全、動植物の保護についてどのような
方針
を持っておられるか、お
伺い
いたします。
丸山晴男
96
○丸山
政府
委員
お答え申し上げます。 山原
地域
の自然を守るためということで、環境庁といたしましては、
平成
八年度から自然環境の
調査
を
実施
しておりますが、特に山原
地域
の自然、野生動植物の
調査
研究の拠点となりますやんばる野生生物保護センターの
整備
を行っており、これによりましてノグチゲラ保護増殖事業にも着手してきているところでございます。今
お話
しの
平成
十四年度末の北部訓練場
返還
に向けまして、国立公園化を念頭に置きながら、山原
地域
の保全、活用についての検討
調査
も開始して、現在も継続しているところでございます。 今後は、
地元
の御
理解
を得ながら、山原の貴重な自然の保全が図られるように適切に対処してまいりたいと
考え
ております。
古堅実吉
97
○古堅
委員
次に、
開発庁
長官に
お尋ね
します。 この山原の
地域
には、イタジイとオキナワウラジロガシ、それらを主体とする世界で唯一の亜熱帯降雨林があって、世界でここにしか生息しないノグチゲラやヤンバルテナガコガネなど、山原固有種が六十六種も発見されています。山原の森林を世界遺産へ登録させたいという声も大きくなりつつあります。 このかけがえのない自然環境を大事に守り保存していくことは、決して環境庁だけの問題ではなくて、
沖縄開発庁
としても、
関係
省庁との連携を密にして、間違いのないような総合的な
施策
を
推進
されるべきだというふうに
考え
ます。
野中
担当大臣の御所見を
伺い
たいと思います。
野中広務
98
○
野中国務大臣
委員
から御
指摘
をいただきましたように、北部の山原
地域
の貴重な動植物の生態系の保全の問題、特に山原の亜熱帯降雨林の中核となる聖域である生物保全の観点から、非常に重要な
地域
であるということを私も
認識
しておるところでございます。 北部訓練場の
返還
に必要なヘリコプターの着陸帯の
移設
に当たりましても、この
沖縄本島
の北部の自然環境の保全に十分配慮をするという観点から、現在、
移設
候補地につきまして、自然環境に与える影響の
調査
を
実施
しておるところでございます。
政府
といたしましても、先般、今御紹介ございましたように、真鍋環境庁長官からも視察後の感想を私もお
伺い
したところでございまして、ヘリコプターの着陸帯の
移設
に当たりましては、この
調査
の上で、自然環境に与える影響を最小限にとどめる
考え
として、現在
実施
している
調査
結果を踏まえまして、必要に応じまして
沖縄
県等の
関係
機関とも十分調整の上、適切に対処してまいりたいと
考え
る次第でございます。
古堅実吉
99
○古堅
委員
次に、環境庁と
施設
庁に
お尋ね
します。 ところで、この山原
地域
に極めて憂慮される問題が進行しているということが最近わかってまいりました。北部訓練場の一部
返還
計画の中で、残される
地域
に新たに七つの
米軍
用ヘリパッドを建設する計画が、既存道路の拡幅や進入道路の新設とあわせて、
那覇
防衛
施設
局から提示されていたことが最近の報道でわかってきたのであります。 この計画に関して、琉球大学と広島大学の
先生方
八人で構成する琉球列島動植物分布
調査
チームが三月十二日付で、「
沖縄
島北部訓練場内ヘリパッド建設予定地の見直しに関する
要望
書」を
関係
省庁に送付しています。ここにいらっしゃる大臣の方々も受け取っていらっしゃると思います。 この
要望
書には、
SACO合意
に基づく在沖米海兵隊北部訓練場の一部
返還
に伴うヘリパッドの建設予定地は、ヤンバルの亜熱帯降雨林の中核となる聖域である。この
地域
からは、少なくとも二十二種のヤンバル固有種と百二十六種の絶滅危惧種および貴重種を含む千三百十三種が確認されている。生物保全の観点からは、この一帯へのいかなる人的撹乱も慎むべきである。別紙資料を添え、本計画の見直しを強く
要望
する。 と述べられています。黙ってはおれないという
気持ち
からの思い切った強い申し入れであることがよく
理解
できます。 そこで、
伺い
たい。環境庁と
施設
庁は、この
要望
書をどのように受けとめ、いかなる所見を持っておられるか、明らかにしてほしい。
丸山晴男
100
○丸山
政府
委員
先生御
指摘
の北部訓練場は、亜熱帯性の自然林の広がる自然性の高い
地域
でありまして、ヘリパッドの候補地の選定等に際しましては、これらの豊かな自然環境の保全が十分に図られるよう、
関係
当局において適切な配慮がなされるものと
認識
をいたしております。
宝槻吉昭
101
○
宝槻
政府
委員
今の琉球大学の
先生方
が
那覇
防衛
施設
局にもお見えになりまして、御
指摘
のような御
意見
をいただいたところでございます。 私
ども
としましては、この北部訓練場の
返還
に伴いますヘリコプター着陸帯の
移設
につきましては、昨年十二月から始めております環境影響
調査
につきまして、今後約一
年間
かけて十分
調査
しまして、また、その影響につきまして分析いたしまして、この自然環境への影響を最小限に食いとどめるという
考え方
で
対応
してまいりたいと
考え
ております。また、そうした結果につきましても、必要に応じまして環境庁あるいは
沖縄
県等
関係
機関とも調整の上対処してまいりたいと
考え
ておるところでございます。
古堅実吉
102
○古堅
委員
次に、
開発庁
長官に
お尋ね
します。
内閣
の中核的存在としての
官房長官
であられる
野中
長官として、学者、専門家の科学的
調査
の裏づけをもっての
要望
書の
指摘
は、
政府
全体の
立場
からしても重く受けとめるべき問題だというふうに
考え
ますが、長官の御所見をお聞かせください。
野中広務
103
○
野中国務大臣
先ほ
ども
お答え申し上げましたように、北部
地域
のかけがえのない環境問題は、ただいま環境庁初め、また私自身この席で申し上げましたように、山原のこの資源につきましては、真鍋環境庁長官からも直接お
伺い
をした次第でございます。 したがいまして、この訓練場の
返還
に伴いますヘリコプター
基地
の設置につきましては、ただいま環境
調査
をいたしておりますけれ
ども
、この設置の上で、かけがえのない環境に大きな影響を与えないように十分きめ細かな配慮をし、環境庁初め
沖縄
県、
関係市町村
とも
ども
協議をしながら慎重に進めてまいりたいと
考え
ておるところでございます。
古堅実吉
104
○古堅
委員
次に、
施設
庁に
お尋ね
します。 一九七二年五月十五日の
日米
合意
文書によりますと、北部訓練場の
使用条件
として、「合衆国
政府
は、本
施設
・区域内にある指定された水源涵養林並びに特に保護すべきものとして指定された鳥類及びそれらの自然生息地に対し、いかなる損害も与えないようあらゆる合理的予防措置を講ずる。」として厳しく義務づけています。そのことは、
米軍
に対して厳しく守らせるとともに、
政府
みずからも同様の環境保全のための最大の
努力
を払う責務がある、そういうものだと
考え
ますが、
施設
庁から御
意見
をお聞かせください。
宝槻吉昭
105
○
宝槻
政府
委員
私
ども
、北部訓練場の
返還
につきまして、その
条件
としてヘリコプター着陸帯を
移設
するということにつきまして、米側とも十分協議して進めてきているところでございます。 私
ども
、まずヘリコプター着陸帯の候補地の選定に当たりましても、自然環境に与える影響というものを最小限にとどめるという
考え方
で選定を行いまして、さらに、いわゆる部外の専門機関にも、
年間
を通じてのこのヘリコプター着陸帯設置に伴う影響について専門的な
調査
を委託して
実施
していこう、そしてその影響評価につきましても、先ほど申し上げましたとおり、十分自然環境に配慮した形で対処してまいりたいという
考え方
で、こうした
考え方
につきましては、米側ともその
認識
につきまして一致して進めようという
考え方
でいるところでございます。
古堅実吉
106
○古堅
委員
重ねて
施設
庁に
お尋ね
しますが、ヘリパッドの建設計画をそのとおり強行してしまいますというと、全く取り返しのつかないことになりかねない、そういう重大な問題だというふうに思います。琉大学者の方々を中心とするその
調査
チームの
指摘
というのは極めて重大な内容にわたるものだと
考え
ますし、このような
指摘
に対しては、いかなる
立場
からも強行されてはならない問題だというふうに
考え
ます。悔いを千載に残すがごとき愚かなことをやってはならない、そういうことにしてはならないためにも、
調査
チームの
要望
どおりに計画の見直しを検討すべき大事な問題が今提起されておるというふうに思います。検討される余地がありますか。
宝槻吉昭
107
○
宝槻
政府
委員
先ほど来申し上げているとおり、私
ども
も、北部
地域
の、山原
地域
の自然環境の保全に十分配慮して、
SACO合意
で、
日米
間で
合意
されましたこのヘリコプター着陸帯の
移設
につきまして、十分自然環境への影響を
調査
して、その評価結果につきましては、環境庁あるいは
沖縄
県等々
関係
機関とも調整をして対処してまいるという
考え方
で進めさせていただきたいと思っております。よろしく御
理解
願いたいと思います。
古堅実吉
108
○古堅
委員
あなたは、この
調査
チームが出されている
要望
書は読んでおられますか。
宝槻吉昭
109
○
宝槻
政府
委員
那覇
局の方に
調査
チームからの資料が提出されましたけれ
ども
、私自身は直接は読んでおりません。
古堅実吉
110
○古堅
委員
その問題を含めて
お尋ね
するということの
関係
で、基本となるべき
調査
チームの大事な
要望
書、申し入れも読んでおられないということになりますというと、やはり一種のすれ違い的なやりとりに終わらざるを得ない、そういう面が出てまいります。先ほど来、ずばり質問に答えるような形になっていない、そういう
感じ
で今お聞きしたわけなんですが、読んでおらないということは残念です。 と申しますのは、あなた方は、みずから計画の七つの箇所を決めて、それについての環境
調査
を進めている、その上で進めますというふうな
立場
をとろうとしておられる。琉大の
先生方
を中心とする
調査
チームの
指摘
は、その示されている計画、その地点でそういうことが進められるというと大変なことになるんだよということで、科学的
調査
に基づいてあれだけ厳しい申し入れをしておられるんだ。それらについて、そのことを受けとめて検討し直すということがなければ、みずから
調査
しましたけれ
ども
大したことはありませんでした、進めさせていただきますということになりかねないんです。今ここで何のために論議をしたかということになりかねない。 琉大の
調査
チームの
指摘
、その問題も含めて改めて検討していただけますか。
宝槻吉昭
111
○
宝槻
政府
委員
今先生がおっしゃいました琉大のデータにつきましては、私もこれから読ませていただきたいと思っております。 それから、私
ども
といたしましては、やはり自然環境にかかわる影響というものは重大視しております。私
ども
も、この影響
調査
につきましては、部外の専門機関に委託して、そういった
年間
を通じての
調査
データ等、それから専門家の方々のいわゆる環境アセス評価といったものを受けまして、そしてその上で、さらに環境庁あるいは
沖縄
県当局といったそれぞれの専門の機関の御
意見
あるいは御評価というものをいただきながら進めさせていただきたいというふうに
考え
ておるところでございますので、そういった点をよく御
理解
いただきたいと思います。
古堅実吉
112
○古堅
委員
やはり
前提
となるものについての深刻な受けとめが非常に弱いというふうに思いますよ。計画して設定している
地域
、そこをちょっと
調査
して進めようという
程度
のものになっています。既に、ここをやられたんじゃ北部のかけがえのないあの
地域
について台なしになっていく、そういう重大な問題だよというのが
指摘
なんです。 時間もありませんので、最後に
要望
を申し上げて終わらせていただきます。 最初に、
施設
庁に対しては、絶対に七つのヘリパッド
移設
計画を強行はしない、そういう
立場
で計画の見直しと撤回を強く求めます。 環境庁に対しては、そんな計画を知って何の手も打たなかったなら環境庁も同罪にされるであろうということを厳しく
指摘
しておきたいと思います。 最後に、
野中
長官に対して申し上げておきたいと思います。
政府
の良識と責務が国際社会からも厳しく問われる問題だと受けとめられて、間違いのないような対処をされるよう強く求めて終わらせていただきます。 ありがとうございました。
五島正規
113
○
五島委員長
伊藤
茂君。
伊藤茂
114
○
伊藤
(茂)
委員
質問の最後になりましたが、短い時間ですが質問を幾つかさせていただきます。 まず、
官房長官
を兼ねておられる
野中
大臣にお
伺い
したいんですが、昨日来大きな問題になっております日本海における不審な二隻の船の問題でございます。こういう
状態
に非常に深い懸念を
感じ
ます。と同時に、やはり
我が国
の領海に何か不審な、怪しげな船がやってくるということについては容認できるものではないというのは
前提
だと私も思います。 その上に立って思うんですが、私は、こういう複雑といいますか深刻な懸念を感ずる問題について、一つは、これを機会に何か非常に緊張が、あるいは軍事的にも高まるという事態を避ける、そういう
努力
、知恵というものが必要だと思います。 もう一面では、あいまいにしたりきちんとできないというふうな態度も、我々は主権国家ですから、とるべき道ではない。やはり国際ルールあるいは理にかなった処理と申しましょうか、国として、
政府
としてそういう姿勢を、きちんと筋を持って
対応
するということが、こういう事件でありますから特に大事なのではないだろうか。私は、総理も訪韓されましたが、またいい成果を得られましたと思っておりますけれ
ども
、金大中大統領の朝鮮半島に対する
対応
、哲学を持った立派なやり方だなというふうに思っておりましたが、そういう基本的な姿勢がやはり大事ではないだろうかというふうに思います。 特に、
内閣
で取り仕切る御苦労をされる
官房長官
、どうお
考え
でしょうか。
野中広務
115
○
野中国務大臣
昨日来の能登半島沖の不審船の事犯につきましては、しばしば答弁を申し上げておりますように、事態発生以来、私
ども
といたしましては、この問題を運輸省の海上保安庁の所管する問題としてこれを収拾したいとして
努力
をしてまいった次第でございます。 国内の領域を侵犯した日本の船と疑わしいものとして、可能な限り徹底して究明する手段をとったわけでございますけれ
ども
、残念ながら、海上保安庁の所有する船舶ではこの逃亡する船を追いかける限度を超えたスピードで逃亡をする
状況
に相至って、残念ながら、避けがたい
状態
として、自衛隊の海上警備態勢を整えなければこれを捕捉できない、このように
考え
まして、
内閣
総理大臣が安全保障
会議
及び閣議を
開催
いたしまして、昨夕零時四十五分に
防衛庁
長官に、自衛隊の部隊に対し海上における警備行動に入るように命じたところでございます。 けれ
ども
、より慎重にこの問題を取り扱ってまいることは言をまたないわけでございまして、これを機に、このようないわゆる自衛隊の活動が普遍化していくというようなことがあってはならないわけでございまして、肝に銘じてやっていかなくてはならないと思っておるわけでございます。 一方、また、海上保安庁の船舶の
整備
についても、これから、かかる不審な船舶が横行することが仮にあるとするならば、
対応
できないわけでございますので、早急な方途を講じてまいりたいと思っておるわけでございます。 さまざまな教訓を得ることができましたけれ
ども
、今回の事件を教訓といたしまして、より
国民
に安心していただき、信頼していただけるようにやってまいりたいと存じておるところでございます。
伊藤茂
116
○
伊藤
(茂)
委員
日本が、また
我が国
政府
がこういう緊急事態に対してとった態度が国際的にも高く評価されるような、また戦略的な展望もきちんと持てるような、そういう
対応
をぜひお願いしたいと思います。 また、今最後に言われました海上保安庁の問題、領海の拡大その他、新海洋法時代の中で、やはりもっと能力を持たなきゃならぬ。しかし、予算措置その他いろいろございましてなかなか難しいときておりますし、私も短い期間一緒に仕事をさせてもらいましたが、保安庁の職員の諸君も非常に真剣に仕事をしているというふうに私は
認識
をいたしております。 この際、やはり今日の
状況
に
対応
できるような、また、
国民
の安心と信頼が得られるようなプラン、さまざまな改革、強化というものも必要だと
官房長官
おっしゃいましたが、私もその点もそう思っております。
外務大臣
に二つ
伺い
たいんですが、目の前のことで、日本海に二隻の不審な船がどこかにいる。さっきおっしゃいましたように、それが北朝鮮の領域に入ったときには、何らかのパイプ、今あるニューヨークか北京のパイプを通じて引き渡してもらいたいというような意味に
伺い
ましたが、今その船がどうなっているのか。油からいったって、小さい船ですから、もう目の前の、時間の話だと思いますけれ
ども
、やはりどこに行くんだ、何かあいまいでわからなかったということでは済まないですからね。ロシアとか韓国とかアメリカにもいろいろと
協力
をしていただいてという話も
伺い
ました。船、航空、レーダー、衛星、いろいろな方法があるんでしょうが、その点の手配というのはどういうふうになっているんでしょう。これが一つ。 それからもう一つ、まだ先のことなんですが、今
官房長官
おっしゃいましたけれ
ども
、今、朝鮮半島全体の
対応
というのは、いろいろな意味で、うまくいったらいい方向に流れるんですね。日韓首脳会談も非常にいい形になった。それから、米朝ミサイル交渉という非常に難物をまたやらなくちゃならぬということになりますけれ
ども
、何カ月かの苦労をしてきている。いろいろな意味で、やはり次の展望をどう開くのかという時期に来ている。それから、総理もおっしゃっておりましたが、そういう面ではやはり党派を超えて
努力
もしなくちゃならぬというふうに
政治家
としてはみんな思っているという
状況
だと思います。 そういう大きな流れがくるっとひっくり返るとかならないような形の
努力
というものがやはり必要じゃないかというふうに思いますが、目の前と構え、いかがでしょう。
高村正彦
117
○
高村
国務大臣
不審船二隻が今どこにいるのか、それをきっちり監視をしているのかというのは必ずしも
外務省
の所管ではないと思いますが、日本
政府
として遺漏なき体制をとっている、こういうふうに思っております。 今どこにいるのか、私はっきりわかりませんけれ
ども
、少なくとも、ある段階で聞いた話では、不審船は北朝鮮の領海の方に向かっているということまではお聞きして、その後ちょっと、何か入ったとかいうニュースも流れたようですが、そこは私まだ確認していないのですが、そういう
状況
の中で、先ほど申し上げたように、もしそこに入るのであれば、日本の領海内で不法行為をやったと思われる船であるから捕まえて引き渡してほしいということを外交ルートを通じて申し入れよう、こういうことでございます。 それから、全体的に北朝鮮にどう
対応
するかということでありますが、日本
政府
とすれば、対話と抑止ということでありますし、建設的な
対応
に対してはそれが北朝鮮に利益があるように、そしてそうでないときは逆のように、そういうことでありますから、一つ一つの行動に対して、毅然とすべきところは毅然として、そして私たちが評価できるところはそれはきっちり評価して、そういう中で、今こういう事態があってもすぐ相手側に申し入れるというようなこともそう簡単にできないような
状況
であるとすれば、そういうことは好ましいことではありませんから、何らかのルートをつくっていくための
努力
をさらに続けたい、こういうふうに思っております。
伊藤茂
118
○
伊藤
(茂)
委員
沖縄
のことにつきまして、二点質問させていただきます。 第一点は、また
外務大臣
なんですが、
日米
共同宣言から
SACO
へ、私
ども
も当時与党の一部に入らさせていただきまして、振り返ってみて、いろいろな貴重な経験でございましたが、
SACO
の
最終報告
がございます。 一番の焦点は
普天間
だったことは言うまでもございません。また、その問題につきましては、事実上不可能といいますか、という
状態
になっている。また、稲嶺現
知事
は
選挙
公約で北部陸上案というものを言われた。また、県庁の中の対策室で検討して複数の候補地を決めて、
知事
が
最終決定
する、そして国に提案することになっている。恐らく、
SACO
の
平成
八年十二月二日の
普天間
問題のところとは違った形になる
可能性
が極めて大、それしかないということではないだろうかという気がいたします。 そういう段階になったときには、当然ながら、
SACO
の見直しということを含めて、
日米
間で、2プラス2か、
責任
ある議論もしなくちゃならぬ、そういう展望を
考え
なければならないということではないだろうかと思いますが、いかがでしょう。
高村正彦
119
○
高村
国務大臣
日米
間では、一番いいと思って
SACO
の
最終報告
を認めたわけでありますが、そういう中でいろいろ
努力
をしている。ただ、
委員
が御
指摘
のように、いろいろ難しい面も出てきているというのも、それは率直に認めなければいけないわけでありますが、やはり
地元
の御
理解
と御
協力
を得つつ、特に
稲嶺知事
のお
考え
を十分拝聴して、そして
SACO
最終報告
の着実な
実施
に向けて最大限
努力
していきたい、こういうことでございます。
伊藤茂
120
○
伊藤
(茂)
委員
という事態とは違った判断をしなくちゃならぬだろうということを私は申し上げているのでございまして、いずれにしてもやはり先の問題ですから、しかもこれは、
基地
の問題、海兵隊のことだけではない、やはり次の
日米
関係
、アジアの
状況
をどうするのかということを含めました
努力
をしなくちゃならぬということだと思います。 時間がありませんから、また別途いたしたいと思います。
開発庁
長官に、ひとつこれは御
意見
を最後に
伺い
たいのですが、経済振興計画、いろいろと
努力
が長年なされているわけでございます。そして、
沖縄
経済二十一
世紀
プランとか、いろいろなことが本年中ごろぐらい、もうそう長くない時間のうちに骨格を得たいということもお
考え
になっているようでございます。 その中で一つ大きな問題は、やはり
ハブ港
湾の建設、それから
那覇軍港
の
返還
、
浦添
との
関係
、それからFTZ構想の問題ですね。これは大きな柱になるわけであります。 私はこれについてこう思うのです。 さまざま
要望
がございますし、それから大きなそういう意味での建設あるいは計画をやるということも必要なことだと思います。ただ現実に、例えば経済の現実、それから内外の物流その他全体を見たときに、これは昔とは違ったさまざまな、やはり熾烈な競争もあり、効率もあり、流れもあるわけであります。やはり、単に物をつくるだけでなくて、そういう経済の実態全体を踏まえた視点からそういうものが着手をされませんと本当に中身のある
沖縄
の発展に結びつくものにならないんじゃないか、そういう
努力
をどうしたらいいのかということを、
沖縄
にお邪魔するたびに、いつも実は思っていろいろな議論もしてまいったわけでございます。 そういう意味から、
政府
の方での、これから計画全体を取りまとめる、それからアドバイスをする、さまざまな応援をとっていくという中で、やはり視点が必要ではないだろうか。言うならば、言葉は悪いのですが、お役所の仕事だけではなくて、広い意味での経済全体の
状況
の中から実効のある将来像を
考え
ていくことが大事でないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょう。
野中広務
121
○
野中国務大臣
伊藤
委員
御
指摘
のとおり、
沖縄
県の現状から
考え
ますときに、まことに
本土
との
格差
、たびたび申し上げておりますが、
県民
所得におきましても、あるいは産業立地におきましても、失業率、有効求人倍率におきましても、まことに深刻な
状況
にあるわけでございます。
政府
は、引き続き今後の所要の予算を投入することによりまして、
沖縄
県が持つ特性を生かして、そして南の交流の強力な拠点として
沖縄
が再生をするように一層の
努力
もしていかなくてはならないと思いますし、企業の立地についても、そういう意味において、近く決定をすることにいたしております特別自由貿易
地域
の制度の指定等を含めて
努力
をして、
沖縄
における地理的
条件
を最高裏に生かすようなことを十分踏まえて
考え
ていきたいと思っておる次第であります。
伊藤茂
122
○
伊藤
(茂)
委員
ありがとうございました。質問を終わります。
五島正規
123
○
五島委員長
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会