○倉田
委員 私は、まず需給調整規定の廃止ということにつきまして
大臣の御
認識をお伺いしたい、こう
思います。
今まで
大臣からの
お話がありました。いわゆる
競争原理、
市場原理を取り入れることによって、我が国の
物流コストが高い、この問題を何とかして解決するためにも
民間の力を
導入しなければならない、また一方で、
事業者にとっても
国際競争力という問題もこれあり、こういうふうな
お話でありました。
そこで、これは、
運輸行政、非常に大きな転換で、英断だ、そういう評価もあるみたいでございますけれども、我が国の
市場原理というもの、これ全般につながる話でありますけれども、いわゆる
競争原理というのをどこまで持ってきていいのか、
競争原理というのみで果たして大丈夫なのかどうか、一方で影の
部分を考慮しなければならない、こういう話もありました。
その影の
部分という言い方のみならず、組織あるいは
事業体に与えられた
目的を機能的に達成するために、いわゆる
競争原理というものだけでいいのかどうかという問題意識を私は持っています。
一つの組織あるいは
事業体というものが、ある
目的のために与えられている、その
目的をより機能的に達成していかなければならないのだけれども、いろいろな
規制の中で、その
目的を機能的に達成するということではなくて、いかにその組織の中あるいは
事業体の中が居心地いいように、いわゆる共同化みたいな言い方でされますけれども、組織体そのものの中の利益のみに執着をしてしまうみたいな弊害があって、それを打ち破るためには、
自由競争原理というのが取り入れられていくということは非常にいいことだ、私はこう思っております。しかし、それはあくまでもその
事業体あるいはその組織に与えられた
目的を機能的に達成するためにということでなければならない。
我が国のいわゆる
物流コストが高い、だから
民間活力を
導入して、あるいは参加も容易にして、そこで
サービスも
向上していくだろう、こういう
考え方が一方であると思うのです。しかし、
大臣も御承知だと
思いますけれども、いわゆる
市場の失敗、そういうことも言われているわけですね。
競争原理に伴う影という
部分だけではなくて、
競争原理そのものに含まれている、その光の
部分に含まれている問題点というのはいっぱいあろうかと私は
思います。
目的を機能的に達成する、それは、
輸送という問題でいえば、安全かつ安定的に人及び
貨物を
輸送して
国民生活の
向上に資していく、こういう大きな大義があるのだろうと
思います。だけれども、
自由競争原理だけでやっていったときに、一方で、
物流コストが高い、それは
民間をしてお互いに
競争し合うことによってよくなっていくだろう、悪いところは退いていただかなければならないだろう、弱肉強食という言葉ではなくて優勝劣敗ということで言われるのだろうと
思いますけれども、その行き着く先が、今
運輸省で
期待されているような姿になるのかどうか。
もうずっと、先ほど同僚議員の
お話の中にも出てきておりましたけれども、そのことによって、果たしてその選択の手段というのがふえるのか、逆に減るのではないのか。
輸送体系ということからすれば、いわゆる
物流の
輸送手段の存在というのが前提に、合理的な範囲だとは
思いますけれども、
輸送手段の存在というのがなければならないのだろう、こう思うのですね。しかし、
競争社会の中で淘汰されていっていく中で、
輸送手段そのものがなくなってしまうのではないのですかという危惧も実はしているわけです。それが総論的な話であります。
そこで、もう本当に基本的な
認識でありますけれども、いわゆる共同化現象を防ぐというために、
競争原理が
導入されることは非常にいいことで、評価をされなければいけないと思うけれども、しかし、
競争原理だけで大丈夫なのですか。
市場の失敗ということもありますね。一方で、我が国はずっと、これが護送船団方式と言われるところにつながるのかもしれないけれども、
競争原理とともに、お互いに
目的を達成し合っていくために協力をし合いながら機能的に
目的を達成していきましょう、足らざるところは補いながら
一つの
目的を達成するためにやっていかなければいけませんねという、
競争原理と同時に協力原理というのも
市場原理の中に存在する、私はこう思っています。しかし、今
運輸行政の大転換と言われる中で、非常に大きく、全面的に打ち出されてきているのは
競争原理。
市場原理という名目の中で、
競争原理ということだけが強く強く打ち出されているような気がしているわけであります。
影の
部分も考慮しなければならない、こういうふうにお答えでありますけれども、その影の
部分を考慮するときに、どういう基本的な姿勢、スタンスに基づいてされようとしているのか、
市場の失敗とか、いわゆる弱肉強食、優勝劣敗、こういうことで
物流コストの高価格体質を下げなければいけない、そしてそのもう
一つの前に、我が国の
輸送体系、その
物流輸送手段がきちんと、全国、均衡あるような形で存在をしなければいけませんね、こういうことも当然、それはもっと上位の概念として、
目的手段としてあるはずだ、こう思うのですね。
そういうところを、
大臣として、今回の、
運輸行政の大転換と言われる、いわゆる需給調整規定の廃止、
市場原理の
導入ということを決断されるについて、
大臣御自身はどういう問題意識、そしてそれで果たして、
期待されていると
思いますけれども、
期待どおりに動いていくのかどうか、弱肉強食、優勝劣敗でいいのかどうか、基本的な御
認識をまずお伺いしておきたいと
思います。