○寺前
委員 大臣の所信表明を聞いておりましたら、こういうことを言っておられます。
整合性のとれた交通体系の形成、安全性の確保を基本とした安定的で質の高い交通運輸
サービスの提供を目指すと。まず鉄道、
港湾、空港等の運輸
関係社会資本
整備を積極的に進めていきたい、こういう問題が提起されている。その一方で今度は、
整備に当たっては、昨今の厳しい財政
状況のもと一層の重点化、効率化等に努めるともおっしゃっているわけです。これは非常に大事な問題です。
今や、
我が国の
予算を見ておりましたら、ことしの
予算は八十一兆余りです。国債費というのを見ていると十九兆八千三百十九億ですから、大体四分の一が借金返しなどに飛んでいっておる。あとの四分の三の中でいろいろな仕事をしなけりゃならないというのが今の
国家予算の
現状になってきている。それで、その借金はというと、国と
地方を合わせるともう六百兆近くになってきてしまっている。これはえらいこっちゃなとだれが
考えても
考えなかったらうその話だ。
国民の生活の方はどうかといったら、消費不況が起こっているんだから税金の入り方は少ない、これは当たり前のことです。五十兆しか入らぬのに八十兆組んだら、それだけでも三十兆のお金を新しく準備しなかったならば
予算にならないんだから。これは私は、そういう点では消費税問題というのは、上げたというのは大変なことやったと、あるいは
国民の医療費を上げるというようなことは大変なことやったと、これがいつまでも続いているということについて
考えざるを得ないという問題になったわけです。
ところで、
地方自治体はどうだというと、九〇年度六十七兆円だった借金が、今年末には百六十六兆からになっている。倍どころじゃない、もっとひどいことになってきている。市町村、都道府県三千二百七十九団体のうちの半数以上で、借金の返済が一般財源に占める借金返済の割合、公債費負担比率が警戒ラインと言われる一五%を超えている。これは
地方もまた大変なことになる。そこで
地方は、福祉、医療、教育の切り捨てや公共料金の値上げという問題に直面をせざるを得なくなっている。
こういう財政問題というのは、やはり基本的なこれからの運営の姿の中に、避けて通ることのできない、いつの時代でもといっても、今、今日ほどこの問題は深刻に
考えなければならぬ事態にあると私は思う。
そこで、
運輸省の
予算を見てみると、公共
事業費は、他
省庁への計上分を入れて
考えてみると、前年度当初
予算から五%も増加している、六千四百九十五億円。十五カ月
予算で見ると八千百七十八億円、前年度当初
予算から三二%も増加する、こういうようなことになっている。
空港
整備のところをざっと見てみたら、
航空ネットワーク形成の拠点となる大都市圏における拠点空港の
整備を最重点
課題として推進し、成田の平行滑走路や関西空港や中部空港などだっだっと物すごい金額の金が従来以上にずらっと並んでくるんだから、
大臣がわざわざ、
整備に当たって、昨今の厳しい財政
状況を、一層の重点化、効率化等に努めるんだとおっしゃったけれ
ども、
予算の事実から
考えていったら、そう単純には、この
計画というのはなっていないな、私はそう思わざるを得なかった。
全面的なこんなことばかりを言っておっても限られた時間ですからやれませんので、差し当たって、私はまず
地方空港がどうなっているんだろうかということについて調べてみた。
ここ五、六年、第六次の空港
整備計画、九一年から九五年度までのときに新設なり継続なりやりながらつくってきた新設空港を見ると、四つありました。福島空港、島根の石見空港、佐賀の佐賀空港、秋田の大館能代空港というのが四つ、ずっと名前が出てきた。そこで、それぞれの空港が、それじゃ、新しいものができた、予測どおりの姿となって進んだんであろうか。
昨年七月に開港した佐賀空港を見ると、当初予測は十一便であるのに、年間旅客者七十四万だという
計画だったが、実際開いてみたら半分以下の五便が就航して、開港後半年で旅客は二十万だ。また、開港時というのは一番魅力を持ってばっと集中するときに、その集中に乗らないという事態になってきた。
あるいは七月に開港した秋田の大館能代空港では、当初五便という
計画でやって、年間四十七万人を予測したけれ
ども、開港のときには三便、
東京便は中型四便の
計画が小型一便だけになってしまう、半年で八万人の利用にとどまっているという姿になっている。
島根の石見空港を見たって、九五年度時点で三十六万人、二〇〇〇年時点には四十三万人になるという予測を立てていたけれ
ども、さて開いてみたら、九七年度で十六万三千人だ、大きな狂いが生まれてきている。
福島空港、これを見ていったら、福島空港だけは
数字がそろう、九五年時点で五十九万人、二〇〇〇年時点で八十万人という予測。実績はどうやといったら、九五年度五十八万人、九七年度六十七万人。ところが、予測はそろったけれ
ども、やっていることは、五年八カ月たったら、二千メートル空港ではあきませんやというて、二千五百メートル空港を去年の秋から就航を始めた。前の空港は、相当な、二百八十六億円かけてつくった飛行場はもうつぶしてしまった。それで新しく別のところに二百七十億円の
建設費でもって二千五百メートル滑走路をつくっておる。つくり始めたら、今また三千メートルの話がだっと出てくる。それに関連してまたいろいろな
費用がかさむ。
私は、この四つの空港を見たときに、予測外れが三つとも起こっている。
一つだけは予測に当たったけれ
ども、つくってみたら、五年八カ月たったら違うところへ持っていかなけりゃならぬというような、これもずさんな
計画やなと。
だから、今まで立ててきたそういう
計画が、結果として当てが外れてきたときには、その分自治体に責任がかぶっていくことになるじゃないか。だから
運輸省の方も、
計画を立てた段階の問題に対して慎重に、こんなことでいいのだろうかという観点に立たなかったらいかぬのと違うのか。それとも、予測違い、言い分がありますのやと。何ぼ言い分があったって、その言い分が
計画の段階に通っていないような言い分であったならば、これは値打ちがない言い分であって、私は、この四つを、ここ五、六年でできたところを取り上げてみたときに、ちょっと
整備計画はずさんじゃないかという感じがするんですが、
大臣、そういう
お話をお聞きになったことはございますか。それとも担当者から聞きましょうか。