○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井一二でございます。よろしくお願いをいたします。
我々は今財革法について審議をいたしておりますが、国家
財政全般をどのようにしていい方向へ持っていくかという観点から、
財政投融資関連で若干の質問をしたいと思います。
財投の
対象となる公庫、公団、事業団などを見ておりますと、例えば直近の決算であります九六年度について見ると、四十八機関のうち十八機関が累積赤字を抱え、その総額は三兆七千億余りと言われております。当然、一般会計からの補てんとか
政府出資金の増額等々によってこういった問題に対して乗り切っていっておるわけでございますが、例えば九十二の特殊法人への
政府の出資合計は二十五兆円にも近い、このように言われておるわけでございまして、今後我々は、今日的課題であります
財政再建という観点から、特殊法人の抜本的な改革について大いに論じてみる必要があろうかと考えております。
一般的に特殊法人の問題点として言われておりますことは、既に歴史的な役割が終わったにもかかわらず存続し続けているものも多いのではないか、あるいはまた親方日の丸的な体質が強く経営の合理化がなかなか進まない、赤字の垂れ流し、そして究極の被害者は
国民、こういう姿が見られておるのではないかという
指摘もあるわけでございます。
そして第三番目に、特殊法人が官僚の安易な天下り先になっておるということも
指摘をされております。その結果、民間業務の
範囲をどんどん侵食して民間活力を阻害している一面もあると言われておりますし、自由競争を阻害し、市場を占有化しておる。こういったことが果たして国家全体のプラスになるかどうかという論議も我々はいたさねばならないと思います。
また、高給、高退職金というものが民間より徴収した手数料または税金によって賄われておるということも問題点であると思いますし、こういったことが社会的な不公平感を助長し、ひいては民間の士気の停滞にもつながりかねないということを我々は懸念するわけであります。
また、存在意義を保持せんがために不必要な規制や複雑な手続を要する結果、民間コストの増大とか時間のロス、あるいは国際競争力の減退や内外価格差のさらなる拡大、こういったことも行われるわけでございまして、我々は今後こういった問題に対して大いに論議を高め、
国民の期待にこたえていくべきであろう、私見でございますがそのように考えております。
最近のいろんな新聞その他の報道を見ておりますと、数ある問題点を抱える特殊法人のうちでも、例えば年金福祉事業団は九年度末累積赤字が一兆四千四百億円ということで、九一年から七年間
連続で単年度の赤字を計上しておる。こういうことについても、地方自治体に移譲するとかいろいろな論議が出ておりますけれ
ども、我々は今後目を向けていかなければならないと考えております。
また、苫小牧とかむつ
小川原の工業基地としていろいろ問題を醸しております北海道東北開発公庫は
不良債権が四千二百五十億円にも及ぶ、こういった
指摘もございます。
こういう問題も我々は看過できないと思っておるわけでございますが、とりわけこういった中で最近物議を醸しておると思われるのが石油公団の話題でございます。
文芸春秋の十一月号によりますと、前通産大臣が「通産省の恥部 石油公団を告発する」という、私はこれは非常に異例な記事であろうと思うわけであります。また、「選択」という雑誌の九月号には、「最悪の特殊法人「石油公団」」というような記事まで出ておるわけでございまして、私はこういう観点から、なぜこの公団がそのような大きな問題を抱えておるのか一つの懸念を持っておるものでございます。
堀内前通産大臣の
指摘によりますと、石油公団の再建には不採算会社を清算して三社
程度に集約して累積損失の増加を食いとめるべきだというのが集約した御意見であるように感じられます。また、公団側の御意見というものは、事業を継続し出融資金の回収を目指すのが合理的であるという現在路線の継続であります。
そこで、私は通産大臣にお伺いしたいことは、あなたとしては、こういった二つの、前大臣とこれまでのやり方の中に立って、どちらの方向について今後行政の行き先を決めんとされておるのか、御示唆をいただきたいと思うわけであります。
なお、私の持ち時間も短うございますので、方向だけですから十五秒
程度でひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。