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佐藤道夫君 大臣と法律の議論をするつもりはさらさらございません。
いずれにしろ、我が方が強く再三再四申し入れて、理屈を通じて向こうにも考えていただくというふうなムードをつくり上げていくことが大事なのではないか。大事なことは何一つやらずして、五四年に申し入れをした、向こうは断った、それきりだと。とても何か一国の
外交を預かるような
立場の方のお言葉とは思えないわけでありまして、どうか何度でも結構ですから粘り強く本当に申し入れをして、最終的には国際司法裁判所の場で解決しましょうというふうなムードをつくり上げていくのが政治家でもある大臣のお務めではないのかな、こういう
思いがいたします。
この問題はこれで結構でございます。
次に、
外交のあり方にかかわる問題について一つ二つお尋ねしたいんですけれども、一つは北朝鮮からのミサイルについてであります。八月末ごろにミサイルが飛んできて我々の頭を越えていった、大騒ぎになった。そして、その
先頭に立って
政府はKEDOに対する財政支援を凍結した。大変結構なことだと、
国民はみんなそれを支持したと
思います。
ところが、凍結したその直後ぐらいから、アメリカの国務省がもうそろそろ解除してはどうかという申し入れをしてきた。特に国務
長官がはっきりと日を指定して、十月十日ぐらいまでには解除してほしいと、こういう申し入れをしてきた。私、これは凍結をしてから何ら条件の変化はないわけですから、もう少し考えさせてくれとか、余計なことは言わぬでくれ、これは
日本の国内問題だということできちっとお断りになるのかと思ったらそうではなくて、十日か二十日ぐらいしての国務省の申し入れに対して大臣はたしか理解できるというふうなお答えを、新聞報道ですけれども、しておられたので、これもいぶかしいことだなと。
ある意味では極端な内政干渉だと、こう言ってもいいと思うんですよ。そういうことは我々
政府内部で考えること、
国民の意見を聞いて我々が決めることであるからして余計なことは言わぬでくれというのが私は筋道ではないのかと思うんです。そして、案の定、国務
長官の言いなりに十月末ごろに凍結を解除してしまった。凍結した時点から解除するまでの間にどんな条件の変化があったのかさっぱりわからない。
国民に対する
説明もない。こういうことで一国の
外交と言えるのだろうかという
思いがしてしようがないわけであります。
余計なことですけれども、アングロサクソンというのは、自分の意のままになるような民族は本当は腹の中では軽べつしているんです。ところが、筋道を通してきちっと応答するものに対しては、昔からそうですけれども、尊敬する。今の中国が多分アメリカ
国民から一つの尊敬の念を持って見られているのもそこにあるのだろうと
思います。この前の金融の問題につきましても、小渕・クリントン会談でいろんな要求を突きつけられて、それをまた素直にのんできている。アメリカから見たらこれは軽べつに値する国としか思えないんじゃないかという気がして仕方がないんです。
内政問題は内政問題、我々が
責任を持って処理する、余計なことは言わぬでほしいというぐらいの毅然たる態度をとってほしいと思うんですけれども、
外務大臣、いかがでしょうか。