○村岡兼造君 私は、自由
民主党を代表して、
小渕総理の
所信表明演説に対し、
総理及び
関係閣僚に
質問をいたします。
我が国は、今、戦後最悪の経済状況にあり、
国家的
危機に直面しております。この難局を乗り越えるためには、従来の発想や手法から脱皮し、全く新たな視点に立った取り組みが必要であります。今般、
小渕総理の
国家的見地に立った
判断により、我が党と
自由党との間に立ちふさがっていた過去の確執を乗り越えて、両党による
連立に向けて大きく動き出しております。
言うまでもなく、
政治の目指すところは、何よりもまず
国民生活の安定であります。そのために必要な施策を適時適切に講じていくことは、
政治の
責任であります。ところが、先般の参議院
議員の
選挙の結果、
国会運営は混迷し、緊急を要する
金融関連
法案も思うように審議できずに、
政治はその
責任を全うできない苦い経験をいたしました。このままの
政治状況では、この
国家的
危機は決して乗り越えることができません。
今、我々が実現しなくてはならないのは、まず政局の安定であります。その上に立って、この戦後
最大の経済
危機を何としても乗り越え、
国民の
皆さんの生活を一日も早く安定させなければなりません。(
拍手)この現下
最大の
政治の
責任に深く思いをいたし、今般の
小渕総理のお
考えがあったのだと思います。これからは、
自由党と相
協力し、さらに他の各党各会派の理解と
協力も広く求めながら、重要
政策の実現に
最大限の努力を払わなくてはなりません。
そこで、個別の
質問に入る前に、
自由党との
連立を目指すに至るまでの経緯、そして今後の
国会運営にどう対処していかれるおつもりか、まず
総理のお
考えをお聞きしたいと思います。
現在、
我が国経済は、バブル経済の崩壊、
金融機関の
経営破綻、アジア経済の悪化などが重なって、個人消費を初めとする最終需要が縮小し、これが生産、雇用面にも影響を及ぼして、
景気は低迷状況が長引いており、極めて厳しい状況にあります。こうした状況を一刻も早く打開し、
国民に対し二十一世紀に向けて明るい展望を示すことが現下
最大の課題であり、また、アジアを初めとする世界の安定のために
我が国が寄与する
最大の道であると
考えます。
今年度は、
政府経済見通しをマイナス一・八%に下方改定することを余儀なくされました。来る十一年度は、三年連続のマイナス成長を回避し、何としてもプラス成長に転じて回復基盤を固める年にしなければなりません。また、
我が国が将来も夢のある、安心して暮らせる国であるためには、引き続き構造改革に取り組んでいくことが必要であります。
今年度後半から十一年度にかけては
我が国経済
再生にとって正念場であり、有効な
資本増強を初めとする
金融システム安定策を
実施し、
不良債権処理、
金融機関の再編を進め、
金融機関の
信頼性と機能を回復し、
我が国実体経済の回復を阻害している要因を取り除かなければなりません。
小渕総理は、このような厳しい事態を的確に
認識され、この時期に
緊急経済対策を
取りまとめるよう
リーダーシップを発揮されました。すなわち、百万人
規模の雇用創出、安定を目指して、
事業規模十七兆円の第三次
補正予算による追加措置、六兆円超の
減税を含めた総
事業規模二十四兆円という大胆な
対策を打ち出されました。このような大きな
政治判断を下されたことは、国内はもとより、アジアを初めとする海外からも高く評価されております。私は、その決断に深く敬意を表するものであります。(
拍手)
あわせて、この
対策を
取りまとめるに当たり、
我が国の経済がどのような道のりを通って
再生し得るのか、そのかなめは何であるかといったフレームワークを明らかにするように指示されました。これは過去の
対策には例がないことであり、高く評価されるべきものと
考えます。これにより、
我が国経済の
再生が道のりに沿って順調に進んでいるのかどうか、進んでいないとしたら何が原因であるのか、検証することが可能となりました。ぜひ、この道のりをたどって、一両年のうちに必ずや
我が国経済を回復軌道へ導いていただきたいと
考えます。
さて、
我が国経済の
実態を見ますに、
我が国経済の
再生にとって
金融システムに対する信認の回復が一番の急務であり、試金石であると
考えます。先般、
金融関連二法が制定され、それぞれ十八兆円、二十五兆円の
政府保証枠が措置されました。
金融システム全体の
危機的な状況を絶対に起こさない、
日本発の
金融恐慌を決して起こさないとのかたい
決意のもと、
金融関連二法等の新たな
枠組みに基づく措置を迅速かつ適切に講ずるとともに、信用収縮を
解消し、民間の
経済活動の再活性化を図ることが現在の
我が国経済にとって最も重要な
対策であると
考えます。
そこでまず、
金融対策についてお
伺いいたします。
緊急経済対策においては、
対策の最重要課題として、
金融システムの安定化、信用収縮
対策を挙げられました。これらの施策の実行は、その過程で
不良債権処理など痛みを伴うことから、そう容易なことではないと思います。しかしながら、私は、
金融機関が自主的にかつ早急に臨時株主総会を
開催し、
資本注入を受けることを
決意し、直ちに
資本注入の申請をされるべきであると
考えます。
そして、
金融機関は、
資本注入により与えられたチャンスを生かし、みずから業務再構築に取り組み、今度こそ
不良債権を最終的に
処理していただきたい。これこそが、
我が国経済の
再生のため、どうしても通らなければならない道のりであると
考えます。
また、
我が国の
金融機関も、これらの試練をくぐり抜けることによって初めて、成長
可能性に富むベンチャー企業や健全な中堅、中小企業への融資など、
我が国経済社会から求められている機能を果たしながら、健全な企業体として、二十一世紀に向けてその新たな役割を果たしていくことができるでありましょう。
政府は、早急に
関係各省庁の総力を結集して、この問題に取り組むべきであると
考えます。
総理は、重要な
金融システム、信用収縮問題に対して、いかなる体制で、いつごろまでに
対策に盛り込まれた
内容を実行に移そうとされているのか、御
答弁をお願いしたいと思います。
次に、今回の
緊急経済対策のいわゆる
景気回復策について
お尋ねいたします。
対策の中心の一つである社会資本整備について、
総理の
リーダーシップのもと、二十一世紀先導プロジェクト、生活空間倍増
戦略プラン及び産業
再生計画を各省庁連携して行うこととしたことは、新しい試みとして大いに期待されるところであります。
また、社会資本整備については、情報通信、科学技術、環境、福祉、医療、教育、物流効率化、産業競争力強化、農山漁村等地域活性化、民間投資誘発等都市
再生、防災に重点的な投資を行うとしたことは、一定の評価ができると思います。また、北海道など特に厳しい経済状況にある地域や不況業種の実情に十分配慮することが必要であります。
しかし、これらを実効あるものにするためには、
地方公共団体の財政の問題があります。今回の
景気対策に関連して、
地方財政に対する措置をどのようにとられたのか、お
伺いをいたします。
次に、低水準が続いている住宅投資の
現状にかんがみ、経済波及
効果の大きい住宅投資を促進し、
国民の生活の質の向上を図ることが必要です。住宅投資促進策についてどのような施策を講じられるのか、
質問をいたします。
次に、恒久的
減税等についてですが、個人所得課税について、
平成十一年から最高
税率の五〇%への引き下げ等による四兆円
規模の
減税を行うとともに、法人課税について、
平成十一年度から実効
税率の四〇%
程度への引き下げを行うこととされました。
国民にこの時期に恒久的
減税の道のりを明らかにしたことは、アナウンス
効果も相まって、経済によい影響を与えるものと評価いたしますが、恒久的
減税を検討する場合、
地方財源の円滑な運営には十分配慮する必要があると
考えます。その点、どのような対応を
考えておられるのか、
お尋ねしたいと思います。
また、
地域振興券は、文字どおり、地域の振興と消費の
拡大を
目的としたものでありますが、これについて、まだ
国民の皆様の理解が十分でなく、さまざまな
意見が出されているところであります。改めて、この施策について
総理に
お尋ねをいたします。
次に、
財政構造改革法の改正について
お尋ねします。
本
対策では、凍結が決定されました。しかしながら、
財政構造改革は将来に向けて極めて重要な
考え方であり、今後、
政府はいかなる
方針で臨んでいかれるのか、大蔵大臣に
お尋ねをいたします。
次に、今回の
経済対策の
効果についてでありますが、総
事業費は二十四兆円
程度と過去
最大であります。
政府としては、定量的にどのくらいの
景気押し上げ効果を見込まれているのか、
認識をお
伺いいたします。
さらに、
対策では、密接な相互依存
関係にあるアジア等を支援することとしております。
さきに打ち出された宮澤構想を初めとする支援策が、APECなどの場で、アジア諸国や米国などからどのような評価がなされたのか、
総理に
お尋ねをいたします。
また、
総理の強い
リーダーシップのもと、過去
最大の
緊急経済対策が決定されたわけでございますが、この
対策を担保し実効あらしめるためには、
事業規模十七兆円超の第三次
補正予算案及び関連
法案をこの
臨時国会で早急に
成立させなければなりません。
我が党は、
補正予算案を
取りまとめるに当たって、
景気回復に即効性のあるものを
対象とすること、民間投資の誘発
効果の大きいこと、地域の雇用の安定的確保に資するものであること等に留意すること、従来の経緯、発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据えて真に必要な分野に重点化すること等を原則とするよう、
政府に対し強く呼びかけました。今次
補正予算にこれらの要求がどのように反映されたのか、大蔵大臣の率直な御
答弁をお願いいたします。
次に、我が党として重要な関心を持っております雇用問題について
お尋ねいたします。
長引く
景気の低迷の影響を受けて、
我が国の状況は、完全失業率、完全失業者数、有効求人倍率、いずれの指標を見ても過去最悪の水準となっており、大変厳しい状況に置かれております。全国のハローワークでも、早朝から職を求める人であふれ返る状況が幾度となく報道されているところであります。また、企業の倒産や解雇等の非自発的理由による失業者が増大する中で、特に四十五歳以上の中高年労働者を取り巻く環境は大変厳しいものとなってきており、こうした方の再就職先はなかなか見つからない状況であります。
このような厳しい状況を改善させるためには、何よりも
政府は、
緊急経済対策の早急な
実施により
我が国経済を一刻も早く回復軌道に乗せることが重要であります。さらに、それまでの間、特に中高年を初めとした雇用環境の厳しい層に配慮し、失業者の再就職支援策等的確な雇用
対策を
実施する必要があります。
あわせて、創業や企業の異業種進出等による雇用機会の創出を積極的に支援していくことが今後の大きなポイントであり、
我が国の雇用の約八〇%を担う中小企業の活性化、新規産業の創出に向けた環境整備、支援等により質の高い雇用を
拡大していく必要があります。こうした
観点から、今
国会に
政府より提出されております中小企業における雇用機会の創出のための法律案については、
早期に
成立させる必要があると
考えます。
今般の
緊急経済対策においては、厳しい雇用失業情勢を一刻も早く打開し、二十一世紀に向けて明るい展望を示すために、我が党が
主張した百万人という目標を真摯に受けとめ、百万人
規模の雇用創出、安定を目指すことが明言されました。そして、その一環の雇用
対策として、雇用活性化総合プランや緊急雇用創出特別基金など大胆な施策が盛り込まれ、これに過去最高の一兆円に上る額が確保されており、これは雇用の安定に向けた
政府の強い
姿勢のあらわれであると高く評価をいたしております。(
拍手)
政府は、
国民生活の基盤である雇用の安定を図ることにより
国民の将来に対する不安を払拭させるために、これらの施策を迅速かつ積極的に講じていく必要があると
考えます。そこで、今後の雇用
対策についての
総理の
決意をお
伺いし、あわせて、雇用活性化のための具体策を労働大臣にお
伺いをしたいと思います。
次に、
外交問題について御
質問をいたします。
まず、
日米関係ですが、今般訪日されたクリントン米国大統領との会談では、二国間
関係に加え、世界経済、国際情勢等幅広い協議が行われたと承知しております。大統領訪日の成果及び今後の
日米関係全体についての展望について
総理の
所見をお
伺いいたします。
次に、日ロ
関係ですが、今月
小渕総理が訪ロし、田中元
総理以来二十五年ぶりの
我が国総理大臣の公式訪問が実現しました。そこでは、モスクワ宣言が署名されるなど、一定の成果を上げたものと理解しています。
総理は、先般の成果をいかに評価し、今後の日ロ
関係の進展につなげていかれるおつもりでしょうか。
また、領土問題につきましては、国境画定
委員会及び共同
経済活動委員会を設置することになったと承知をいたしておりますけれども、二〇〇〇年までの平和条約締結に向けた今後の見通しについて、
総理の御
見解をお
伺いしたいと思います。
次に、
日中関係についてお
伺いします。
本日まで江沢民
国家主席が訪日されておりますが、史上初めての
中国国家元首の公式訪問であり、日中平和友好条約締結二十周年という記念すべき年にふさわしい行事であったと
考えております。今次訪日の長期的な
観点からの
日中関係の意義をいかに
考えておられるのか、
お尋ねをいたします。
ところで、十月の金大中韓国大統領の訪日は、日韓両国が二十一世紀に向けた新たなパートナーシップを構築していくことを内外に強く印象づけるものであったと
考えます。この成果を踏まえ、
総理は今後の日韓
関係をどう取り進めていかれるのか、また、これを受けて早速鹿児島において
開催された日韓閣僚懇談会の成果について、外務大臣にお
伺いをいたします。
さらに、今般韓国との間で基本
合意に至った新たな日韓漁業協定の意義と、これにより大きな影響を受ける水産業への
対策等についてお
伺いをしたいと思います。
八月下旬の北朝鮮によるミサイル発射については、
安全保障の面から後ほど
質問いたしますが、北朝鮮は拉致
疑惑に対しても不誠実な対応しか見せておらず、国内世論は依然非常に厳しい状況にあります。それに加え、秘密核施設の
疑惑もありますが、
総理は、KEDOへの
協力を含め、今後どのように北朝鮮
政策を進めていかれるのか、その基本
方針をお聞かせください。
今般、マレーシアにおいて
開催されたAPEC閣僚
会議及び首脳
会議では、アジア経済の問題を中心に忌憚のない
意見交換が行われたと承知しております。また、
早期自主的分野別自由化の問題について、各メンバーが
意見の対立を克服し、
合意に至ったことは重要であり、
総理の御指示のもと、交渉の妥結に向けた外務大臣、通産大臣の尽力に対し、改めて敬意を表します。この機会に、今次APECの成果についてのお
考え及び今後の抱負並びにWTOにおける自由化交渉に臨む基本的
考え方を外務大臣にお
伺いしたいと思います。
アジア諸国の経済全体を見れば、やや落ちつきが見られ始めているものの、実体経済は依然厳しい状況にあり、その回復努力に対し、国際社会の支援が引き続き重要であります。特にアジア経済と密接な相互依存
関係にある
我が国に対しては、アジア諸国からの期待がますます高まっているところでありますが、
我が国の果たすべき役割について
総理の率直な御
所見をお聞かせください。
次に、
我が国の
安全保障政策について
お尋ねいたします。
八月三十一日、十二時過ぎに北朝鮮から発射された弾道ミサイルが、
我が国の国土を飛び越えて三陸沖に至ったことは、
我が国の
安全保障上極めてゆゆしき事態であります。また、これは場合によっては
我が国領域内に落下した
可能性もあり、周辺海域を航行する船舶や漁船等の安全にとっても極めて危険なものであります。
我が党は、翌日の九月一日に、全
国民とともに強い怒りを持って厳重に抗議するとした幹事長談話と、
外交国防
関係合同
会議では北朝鮮のミサイル発射に対する抗議
決議を発表しました。その中で我々は以下の
考えを示しました。
すなわち、今回の北朝鮮の行為は、北東アジアの平和と安定に重大な脅威を与え、国際社会全体に緊張をもたらす暴挙であり、これによって国威を発揚しようとするねらいならば、実に愚かな行動というほかない、また、食糧支援や
日本人配偶者帰国問題など、平和的に進めようとするや
さきのことだけに背信行為と受け取らざるを得ない、さらに、大量破壊兵器の世界への拡散を断固防ぐという立場で、国際社会と連携して北朝鮮の自制を強く求めると同時に、
政府に対しては、北朝鮮に対するエネルギー開発の
協力、すなわちKEDOの資金提供や日朝国交正常化への話し合いをこのまま進めていくのか、また、BMD、弾道ミサイル防衛や情報収集衛星による情報収集を含めた
我が国防空体制を強化すべきであるとの
考えを示したわけであります。
弾道ミサイル防衛の推進及び
我が国独自の情報収集衛星の
導入について、
総理の御
所見をお聞かせください。
また、
日米安保体制の強化が必要であることは言うまでもないことであり、ガイドライン関連
法案の
成立が急務だと
考えますが、
総理の御
所見をお聞かせください。
次に、沖縄問題について御
質問いたします。
さきの沖縄知事
選挙では、我が党県連の推薦した稲嶺恵一氏が現職の大田知事を破って見事当選いたしました。今回の
選挙結果は、沖縄県民が新知事に対して、沖縄の閉塞状況に陥った状況を打破してもらいたい、九・二%という本土の二倍という高い失業率の数字が示す経済状況を一刻も早く、沖縄県の経済雇用情勢の回復のために、
政府と
協力して
早期に振興策の推進に取り組んでもらいたいという期待のあらわれだと思います。(
拍手)
政府は、こうした沖縄県民の期待にこたえるために、現在凍結状況の振興策の具体化を一刻も早く推進することが大切なことだと
考えますが、
総理のお
考えを承りたいと思います。
次に、沖縄米軍基地の整理、統合、縮小問題についてであります。
政府は、沖縄県の最も強い要望であった普天間飛行場を初めとする米軍施設・区域面積の約二一%の返還を含むSACO
最終報告を
日米間で
取りまとめました。その後、大田知事が、ことし二月六日、名護市長選の投票日の二日前に海上へリポート建設
反対を正式に表明したことから基地問題が全く進まなくなったことは御承知のとおりであります。
しかし、新知事は、基地問題については、現実的対応によって、SACO
最終報告を基本に、米軍の基地の整理、統合、縮小を着実に進めるとの立場にあります。
政府は、この際、普天間飛行場の返還問題を含めて、県民が望む基地の整理、統合、縮小への取り組みを推進すべきと
考えます。
あわせて、沖縄の将来は、国際性を生かし、かつ豊かな自然といった地域の特性を生かし、二十一世紀に向けて若者が夢と希望の持てる真に自立した地域経済の発展であると
考えますが、
総理の沖縄問題に対するお
考えをお聞かせください。
以上、幾つかの重要
政策について
質問してまいりましたが、今
政治に課せられている喫緊の課題は、何といっても
金融システムの安定、信用収縮
対策を含めた
日本の
景気回復であります。
我が国の経済は、二年連続のマイナス成長が確実視され、この半世紀の間に経験したことのない
危機的な状況に陥っています。しかも、今回の不況は、単に循環的な要因にとどまらず、高コスト構造や少子・高齢化の進展など、
我が国経済が抱えるさまざまな構造問題にも深く根差した複合的な不況と言えます。
したがって、ここ一、二年の取り組みいかんによっては、輝かしい二十一世紀を迎えることができない
可能性があると言っても過言ではなく、今こそ、一致結束して経済の再活性化に向けて総力を挙げて改革に取り組んでいかなければならないと
考えます。
景気を回復し、経済を
再生するには、この
臨時国会で第三次
補正予算案及び関連
法案を
成立させ、
緊急経済対策を実効あらしめねばなりません。そして、
日本の将来に明確な方向性を示し、
国民が抱く将来への不安を取り除くことが何よりも重要と
考えます。また、
国民に対してはもちろん、国際社会に向けても、機動力を持ってスピーディーに懸案事項を解決していく覚悟と
政治機能の復権をアピールしていかなくてはなりません。
総理と
小沢自由党党首との間に取り交わした
合意書の中に、「わが国は、急速な少子・高齢化、情報化、国際化などが進展する中で大きな変革期に直面し、
国民の間に国や社会の将来に対する不安感が生じている。これを払拭し、人々に自信と誇りと希望を与えることが
政治の
責任である。そのためには大胆な構造改革を断行しなければならない。」という一節がありますが、これは党派を超えて広く共感を呼ぶ
認識であると思います。そして、何よりも必要なことは、明確な
政策とビジョンを持って強い指導力を発揮することであります。
小渕総理、あなたは辛抱強く、揺るぎない信念と指導力があります。どうぞ持てる力を遺憾なく発揮し、この未曾有の難局を乗り切ってください。我々自由
民主党は、
自由党とも連携して、
国家国民のためにこの
危機を一日も早く克服し、安心して暮らせる将来への展望を開かれるよう強く期待をいたしまして、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣小渕恵三君
登壇〕