○中須
政府委員 まず第一点目の、島根県沖合海域における韓国漁船の操業の問題でございます。
これは大変難しい問題というか、本来日韓の
漁業協定は、
日本の漁船が韓国の
水域に入っていく、韓国の漁船が
日本の海域に入ってくる、それを相互に一定の規模でそれぞれの
沿岸国の主権を認めた上で相互入会をしようではないか、これが基本的な
協定の姿でございまして、しかもそれを互恵の
立場でやっていこう、こういうことであります。
問題は、それぞれの
水域というのが、同じ
水域で同じ
漁業が入り会っているのであれば全くそれはお互いに
理解し合えるわけでありますが、場合によっては、ただいまお話がありましたように、一定の海域では
日本の船は
日本の
水域だけで操業している、それなのに韓国の船が一方的に入ってくる。他方で、考えてみますと、
日本の船も韓国が操業しているところに行くばかりではなくて、韓国が操業していないところに一方的に入っていく、そういう姿があるわけでございまして、
漁業者の利害が必ずしも一致していないという点で難しい問題があるわけであります。
ただ、そこはやはり関係の
漁業者の皆さんのお気持ちも十分酌みながら、すべての
漁業が例えば島根県沖で禁止できるかどうかということは別でありますが、先ほど御
指摘がございましたように、例えば底刺し網だとかかご
漁業であるとか、そういう意味で競合の激しいものについて禁止を求めていくとか、いろいろやり方はあろうかと思います。そういう意味で、その点は沿岸の
漁業者の
考え方というものに十分配慮をしながら妥当な解決策を
見出していきたいというのが私
どもの考えであります。
二点目に、ヒラメ、タイなど資源の悪化しているものについては漁船の操業を認めない、こういうことでありますが、これはやはり基本的には御
指摘のとおりだろうと思います。ただ問題は、資源の悪化の
状況なり過去の操業実績なり、あるいは仮にやめさせるにしても一定の段階を踏んでやめさせていくとか、いろいろな
対応の仕方があるわけでありまして、その辺は
漁業者とも十分話し合いながら、資源の
状況に応じた適切な
対応をしていきたい、こういうふうに考えます。
三点目の、
我が国漁業と漁場競合する
漁業、これはシイラ漬けであるとかバイかごとか、そういう御
指摘がございました。これは
我が国の
立場からしてかなりの漁場を使うということでございますので、そういう
水域については、韓国側が操業すると我が方の操業が困難になるという意味で、この辺は、具体的な話として、漁場競合を避けるための区域を、禁漁区というかそういうものを設定するとか、そういうふうな形での
対応も可能ではないかというふうに思います。もちろんそういう意味で、漁場競合が生じないように十分配慮をしながら、仮に認める場合でも、韓国漁船の入域については考えていきたいというふうに思います。
ただ、その中で、御
指摘のありました刺し網
漁業、底刺し網については、先ほ
ども申し上げましたとおり、資源に与える影響あるいは
我が国漁業との競合の程度において大変大きな問題を抱えているということでございますので、
我が国の主権が
行使し得る
我が国の二百海里
水域内においては韓国にやめていただくという強い態度で臨んでいきたい、こんなふうに考えます。
最後に、国内の
漁業者の
意見をそういった
漁業交渉、
漁業委員会等で
議論をする場合に十分反映させる仕組みを考えるようにというお話でございますが、この点については
漁業者からもそういうお話がございます。具体的には、この
協定が発効して以降、共同
委員会が発足した後にどういうような体制をつくるかという問題になろうかと思いますが、その点は
漁業者とも相談しながら、要は、
交渉当事者、
交渉に当たる者と背後にいる
漁業者の間の意思疎通が十分図れる体制をつくるということだと思いますので、そういう面で、具体的にどのようにするか、よく話し合って具体案を考えていきたいというふうに思います。