○斉藤(鉄)
委員 公明党・改革クラブの斉藤鉄夫でございます。
きょうの
議論のメーンは
輸送容器データ改ざんの問題でございまして、この問題について質問させていただきますが、その前に、今週の火曜日に予算
委員会で
情報収集衛星のことにつきまして
大臣と
議論をさせていただきました。そのとき、時間が来まして
議論が中途半端に終わりましたので、その質問を最初にさせていただきます。
この第三次補正予算の中に、
科学技術庁予算として
情報収集衛星の予算がついたわけでございます。
光学センサー衛星、光で、普通の光学レンズで
地表面を見る
衛星を二機、それから
合成開口レーダー、これは電波を発してその電波の反射波をつかまえて地上の絵をかくということで、これは夜も見えるわけですけれども、曇りでも見られるわけですけれども、これを二機。
光学センサーの方が
分解能一メートル、
合成開口レーダーの方が
分解能三メートル、そういうものを
開発をして
平成十四年度に四機打ち上げる、こういう
計画でございます。
官房長官の方からは、その得られた
データを
解析する地上施設、また地上スタッフについても考えていて、その地上スタッフは二百人規模になる、こういう
答弁もございました。かなり大きなプロジェクト、その
中心を
科学技術庁が担うわけでございます。
私自身、この
情報収集衛星について否定をするものではございませんが、先ほど
田中委員の質問にもございました、
昭和四十四年の、宇宙の
利用については
平和目的に限るという
国会決議がございます。この
国会決議との関連性をきちっと
議論し、整理してから前に進む、これも大事ではないか、そういう観点から質問をさせていただいたわけでございます。
私が提起した問題点は大きく分けて二つございまして、
一つは、
政府の
答弁は、
昭和四十四年の
国会決議の解釈として、
昭和六十年に
政府の正式な
見解が出ます。これは、たとえ宇宙を使った
技術であっても、その
利用が
一般化した
衛星、またそういう
技術であれば、
自衛隊といえども、また宇宙を
利用した
技術といえども、これを
自衛隊は使うことができるのだ、こういう
見解。今回の
情報収集衛星も既に
一般化された
衛星と考えて差し支えない、したがって、今回のこの
情報収集衛星は
国会決議に反しない。こういう論理でこの
導入を決められたわけですけれども、私が提起した問題は二つあって、
一つは、その
一般化された
技術というのは、大きなシステムの中の一要素
技術の話なのではないか。
例えば、
昭和六十年の
政府見解が出てくる前の
議論を見てみますと、通信
衛星を使った電話、これを
自衛隊が使えるかどうかという
議論の中から、一般の人が
衛星を使った電話をしているのに、
自衛隊だけが、宇宙に
関係した
技術だからその電話を使えないというのはそれは確かにおかしい、常識から考えてもおかしいということで、この汎用一般性理論といいましょうか、
一般化した
技術は
自衛隊も使えるということが導き出されたわけでございまして、電話というのは、電話をかけること自体が
目的ではない、他の大きな
目的の中の一要素
技術、そういう場合には、宇宙を使った
技術といえども
一般化されたものは使っていいというのが
一般化理論が出された
背景でございまして、今回の
情報収集衛星は、
他国の軍事施設を見るということが
目的ですから、
目的そのものが非常に軍事性の高いものであって、そこにあの
昭和六十年の
政府見解を当てはめるには少々無理があるのではないか、これが第一の問題点。この第一の問題点については、予算
委員会で平行線でした、
議論はあるところまで行ったわけですが。
私が提起しました第二の問題点、それは、
平成十四年度に打ち上げる
衛星、これは先ほど言いましたけれども、光学レンズの方で
分解能一メートル、
合成開口レーダーで
分解能三メートルということでございますが、そのレベルに達するためにはこれからかなり
技術開発が必要ということでございます。
日本航空宇宙工業会が
外務省に提出した
報告書の中にも、三年から五年程度の
開発期間がかかり、
一つ一つの
分解能向上のためにこういう
技術開発項目が必要であるということが詳しく書かれております。今後
技術開発をしなくてはいけない
技術を搭載した
衛星が、
昭和六十年の
政府見解のいわゆる
一般化された
技術、一般民生にも使われている
技術、その
一般化技術と相矛盾するのではないか。これから三年かけて、五年かけて
技術開発しなきゃいけないものをもう既に
一般化された
技術と言うには無理があるのではないか、したがって、今回のこの
情報収集衛星については、その
一般化理論を当てはめるには無理があるのではないか、こういう問題提起を予算
委員会でしたわけですけれども、その
議論の途中で時間が来てしまいました。
この
議論を、ちょっとこの時間を使わせていただいて一歩深めてみたいと思うのですけれども、
大臣と、
内閣調査室から来ていただいておりますので、その私の疑問に対する
お答えをいただきたいと思います。