○大沢辰美君 どちらを選ぶのかという表現では、私は政治の役割を果たせないと思うんですね。私は、
市場原理を
前提にした米の
価格維持には減反しかないというのでは、これからもう稲作
生産は減少する一方だと思うんですよ。
ある農協中央会の
生産調整の担当者は新たな
米政策に対する不安をこのように言っています。
生産調整による水稲
生産力が絶対的に
低下し続ける中で、今の政策はどの
水準でこれを保持しようとしているのか見きわめられない、このように指摘している。これは本当に多数の
農家の皆さんの声を代表しているんじゃないかと思います。ですから、
政府の責任放棄に対する当然の批判として受けとめていただきたいと思います。
今、次官の答弁の中で、いろんな
需給安定
対策を講じているんだからという答弁がありましたけれども、その
需給対策についても、御存じのように、九十六万三千ヘクタールの減反をやればやはり転作も同じようにふえていっているわけなんですけれども、これを一〇〇%実施した
生産者に対しては手厚い助成をするかのように宣伝をされて安定
対策を打ち出したけれども、私が聞いた
農家の実態の声は、メリットがない、そして米をつくった方がいいとおっしゃることが圧倒的でした。
ことしはそういう中で転作の面積もふえているんですけれども、これも兵庫県の例なんですけれども、小豆は最高額を転作奨励でいただけますから町も奨励しているわけです。最高時、キロ二千円だったときもあったわけです。だけれども、ことしはキロ六百円になってしまっている。そうしたら、なれないものをつくっていますから、もちろん収穫も上がらない、天候も悪天になっているという点で、こういう点ではやっぱり保障がないわけなんですよ。だから、他の作物にかえたいけれども、また野菜をつくろうと思ったって助成金はキロ四千円でしょう、ですから採算がとれないというのが実態だと思うんです。
だから、本当に
農家の人は他につくるものがない、米をつくらなければ経営が成り立たないというのが実態だということをまず知っていただきたいと思うんです。そのお金を三千円、十アール当たり出していらっしゃるわけですけれども、大方の
農家の方は、米と遜色のない収入になると言われたけれども、これでは拠出金の持ち出しの方が多いというように言われた方もおられました。
だから、今、本当に農業
生産が高齢化しているし、後継者不足の中で機械化が進んで、労働力も少なくなって必然的に稲作というのは傾斜してきているのが実態ですから、こういう
需給安定
対策をつくったとしても、転作の条件整備ですね、わずかの奨励金ではもう間尺に合わないのが実態ですから、こういう作物をつくっても安定して経営が成り立つ措置が必要じゃないか、条件整備をちゃんとやりなさいということなんですが、その点については根本的に転換されるお考えはありませんか。