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1998-09-25 第143回国会 参議院 国会等の移転に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年九月二十五日(金曜日)    午後零時四十四分開会     —————————————    委員異動  九月一日     辞任         補欠選任      鶴保 庸介君     平野 貞夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松田 岩夫君     理 事                 国井 正幸君                 平田 耕一君                 長谷川 清君                 加藤 修一君     委 員                 太田 豊秋君                 狩野  安君                 久野 恒一君                 末広まきこ君                 鈴木 政二君                 山下 善彦君                 郡司  彰君                 佐藤 雄平君                 山下洲夫君                 緒方 靖夫君                 畑野 君枝君                 渕上 貞雄君                 平野 貞夫君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  柳沢 伯夫君    政府委員        国土庁大都市圏        整備局長        兼国会等移転審        議会事務局次長  板倉 英則君    事務局側        常任委員会専門        員        入島 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国会等移転に関する調査     —————————————
  2. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) ただいまから国会等移転に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る九月一日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。     —————————————
  3. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) この際、柳沢国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。柳沢国土庁長官
  4. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) このたび国土庁長官及び首都機能移転担当大臣を拝命いたしました柳沢伯夫でございます。よろしくお願いを申し上げます。  国会等移転は、来るべき二十一世紀を展望した極めて重要な課題であります。また、東京一極集中を是正し、国土災害対応力を強化し、東京潤いのある空間を回復することに寄与するとともに、国政全般改革と深くかかわる大変意義深いものであると認識しております。  参議院におかれましては、平成二年十一月の国会等移転に関する決議を初め、平成四年十二月の国会等移転に関する法律の制定、さらには平成八年六月の同法の一部改正等、本問題に積極的に取り組まれてこられました。政府といたしましては、このような取り組みに対して深く敬意を表する次第であります。  国会等移転に関しましては、平成八年十二月以来、国会等移転審議会におきまして移転先候補地選定に向けた調査審議が精力的に進められており、本年一月には三つ調査対象地域設定されたところであります。これを受けて、本年四月、五月には各府県の知事からのヒアリングが行われ、またこの九月、十月には各調査対象地域についての現地調査が実施されるところであります。その後、引き続き審議会におきまして調査対象地域について地域ごとの詳細な調査がさらに進められるとともに、公聴会候補地間の相互比較総合評価等が行われ、来年秋ごろを作業上の一応の目安として移転先候補地選定する方針とされております。  国土庁といたしましては、これまでの経緯を踏まえながら、国会等移転審議会の円滑な調査審議に資するための各種調査を着実に推進してまいります。また、国会等移転に対する国民的な合意形成の促進に努め、国会等移転具体化に向けて積極的な検討を行ってまいる所存であります。  松田委員長を初め各委員の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。     —————————————
  5. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 国会等移転に関する調査を議題といたします。  本日は、国会等移転審議会審議状況等について政府から十五分程度説明を聴取した後、四十分程度自由に質疑を行うことといたします。  それでは、まず政府から説明を聴取いたします。板倉国土庁大都市圏整備局長国会等移転審議会事務局次長
  6. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 国土庁大都市圏整備局長国会等移転審議会事務局次長を兼ねております板倉でございます。よろしくお願いいたします。  国会等移転審議会審議状況につきまして、お手元説明資料に基づきまして御説明申し上げます。  まず初めに、国会等移転審議会審議の流れにつきまして御説明申し上げます。説明資料の一ページをごちんいただきたいと思います。  国会等移転先候補地選定に向けた国会等移転審議会調査審議三つタームに分けて段階的に進めることとされております。  第ータームでは概括的な調査を行うこととされ、国会等移転調査会報告内容確認等を行った上で調査対象地域設定、すなわち第二タームにおいて詳細な調査を行う地域を決定することとされております。第二タームでは、この調査対象地域について属地的調査現地調査を行うこととされております。さらに第三タームでは、候補地間の相互比較総合評価を行うこととし、移転先候補地選定最終答申を行うこととされております。  国会等移転審議会では、平成八年十二月の発足以来、現在までに十三回の審議会と十回の調査部会を開催しております。この間、去る一月十六日には調査対象地域設定を行い、国会等移転審議会調査審議は第ータームを終えて第二タームへと進んでおります。  次に、調査対象地域の概要について御説明申し上げます。説明資料の二ページの下段をごらんいただきたいと存じます。  調査対象地域は、大きくは北東地域中央地域の二区分とされ、十一の府県にわたっております。このうち中央地域につきましては、位置的な状況等から東海地域三重畿央地域に区分され、実質的には北東地域と合わせて三地域とされております。  北東地域は、宮城南部から福島県を経て栃木県中北部、茨城県中北部に至る東北新幹線等交通軸周辺に幅広く広がる地域中心とする地域であります。この地域は、東京との連携が容易であり、開発可能性に恵まれた地域であります。  東海地域は、岐阜南部から愛知三河地域を経て静岡県西部に至る地域中心とする地域であります。また、三重畿央地域は、三重伊勢平野中央部から三重、滋賀、京都、奈良の府県境付近に至る地域中心とする地域であります。これらの地域日本中央に位置し、名古屋または京阪神との連携が容易な地域であります。  なお、調査対象地域のおおむねの位置を図示いたしますと、説明資料の三ページのとおりでございます。  続きまして、最近の審議状況等について順次御説明申し上げます。  まず、地方公共団体ヒアリングについて御説明申し上げます。説明資料の四ページをごらんいただきたいと思います。  国会等移転審議会においては、四月から五月にかけて調査対象地域関係十一府県から地域の概況、首都機能移転に対する対応方針当該地域への首都機能移転意義効果等についてヒアリングを実施いたしました。ヒアリングにおいては、各府県からこれらの項目について説明があり、各府県とも災害に対する安全性、地形の良好性交通利便性等選定基準に照らした自府県特性を述べられました。また、広く首都機能移転に協力していきたいという発言が多く見られました。  具体的なヒアリング内容につきましては、説明資料の五ページから十五ページのとおりでございます。  次に、去る四月二十二日の第十一回の審議会において、首都機能移転先の新都市イメージ中間取りまとめを行い公表されましたので、御紹介申し上げます。  大変失礼でございますが、スライドを使わせていただきたいと思います。なお、スライド内容につきましてお手元カラー印刷資料にも掲載してございますので、御参照いただきたいと思います。  中間取りまとめでは、移転先の新都市について具体的イメージをより明らかに示すために、新都市の鳥瞰図と四つのテーマに基づいたイメージ図が示されておりますので、それに従って御紹介いたします。  まず、一枚目のスライドは、山並みの向こうから上ろうとする春の朝日に照らし出された新都市像、すなわち新たな時代の幕あけを告げる緑に包まれた国会都市の鳥瞰を示しております。  豊かな緑の中に人口約十万人の国会都市中心とした小都市群が広がっています。全体として最大約六十万人の都市となっており、都市間の自然的景観も保全され、美しい新都市となっております。中央駅におり立ちますと、広場を通して国会が正面に見えます。さらに、遠方には二つのクラスターが、手前には日本の原風景に近い緑豊かな既存集落が広がっています。  次に、国民世界に開かれた政治行政観点から、国民世界に新たな情報を発信する都市の姿が示されております。  右下が新都市玄関口となる中央駅のターミナルです。左下の映像は、大地震が起こったときの危機管理の司令塔となる中央省庁のセンターを示しております。このうち、国民に開かれた新しい国会議事堂イメージ図では、行財政改革と相まって簡素で効率的な政治行政が実現され、最新の情報機器が導入された国会では多くの傍聴者の中で活発な議論が展開されている様子などが示されております。後方には答弁者映像説明資料とともに映し出されます。  次に、にぎわい文化の薫りの観点から、だれもが訪ねてみたくなるような魅力的な町の姿が示されております。  伝統的な祭りによるにぎわいの演出、コンサートホールや日本庭園などが示されています。このうち、活気と楽しさに満ちた中心市街地イメージ図では、カフェ風オープンテラスが示されていますが、新都市活気と楽しさに満ち、軽やかで自由なライフスタイルが実現されている様子が示されております。  次に、住宅地中心に、優しさに満ちたコミュニティーの観点から、ゆとりと人のぬくもりが実感できる町の姿が示されております。  このうち、ゆとり潤いのある住環境イメージ図では、豊かな緑の中で、電柱のない美しい町並みを備え、老人も障害者も安心して暮らし続けることのできる環境が実現される様子が示されております。  最後に、自然環境との共生観点から、いわば自然の声が聞こえる町の姿が示されております。  このうち、水辺で自然に親しむ人々のイメージ図では、中心市街地周辺に広がる既存集落の一部を示したもので、フナが泳ぎ、カエルやカメなどの小動物もいるビオトープを備えた河川を示しており、こうした豊かな自然を維持保全しながら、新たな自然的環境を積極的につくり出す環境共生型の都市づくりが行われている様子が示されています。  今回の新都市イメージ図では、本年五月からインターネットを通じて広く国民皆様方から御意見を伺っておりますが、おおむね好感を得ているようでございます。今後、こうした意見を含め広く国民からの幅広い声を踏まえて、最終的な取りまとめを行う予定でございます。  なお、六月十九日の第十三回審議会におきまして、平岩外四会長の後任といたしまして森亘氏が会長に就任されました。  続きまして、審議会現地調査でございますが、説明資料の十六ページをごらんいただきたいと思います。  現地調査につきましては、九月から十月にかけまして五回に分けて実施することとしておりますが、これまで九月十六日、十七日の岐阜県、愛知県、二十一日、二十二日の福島県、宮城県について実施したところであります。  最後に、国会等移転審議会の今後の調査審議予定について御説明いたします。  まず、本年十一月を目途審議会を開催し、現地調査取りまとめを報告することとされております。その後、第二タームで実施しております各種調査の結果を逐次審議会調査部会に報告させていただくこととされております。これについては、説明資料の十七ページをごらんください。  第二タームで実施する調査は、地域ごとの属地的な調査といわば地域を横断的に調査するものとの二種類に分けられます。  属地的な調査としましては、図の左側中段あたりにありますように、地域の全般的な特性に係る調査東京との連携土地取得容易性災害に対する安全性等の即地的な詳細調査自然的環境等への影響に関する調査を実施いたします。  また、地域横断的な調査としましては、図の左側上段にございますように、首都機能都市としての理念と我が国の国土社会構造文化的特性災害への対応力などに与える影響に関する調査を実施いたします。  なお、これらの調査内容につきましては、説明資料の十八ページのとおりでございます。  それ以降、さらに第三タームに進みまして、各地域相互比較総合評価の御議論に入っていただくこととされております。また、これらと並行して、来年の年明けから半年程度をかけまして全国各地公聴会を開催し、国民に広く理解を深めていただきたいと考えております。  なお、審議会においては、平成十一年秋ごろを一応の目途とし移転先候補地選定する方針とされております。  以上が、国会等移転審議会の現在までの審議状況と今後の調査審議予定であります。  国土庁といたしましては、これらの経緯を踏まえながら、国会等移転審議会の円滑な調査審議に資するための各種調査を着実に推進してまいります。また、国会等移転に関する国民的合意形成につきましては、全国的に議論が盛り上がり、広く国民の支持をいただくことが極めて重要な課題であると認識しております。  国土庁としても、従来よりシンポジウムの開催、世論調査の実施などさまざまな広報、広聴活動を広く展開してきたところでございますが、今後はこれまでにも増して積極的な対応を図り、国会等移転に対する国民的合意形成に努めてまいる考えであります。  これをもちまして、私からの説明を終えさせていただきます。
  7. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  本日は、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談形式で自由に質疑応答を行っていただきます。質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。また、委員の一回の発言時間はおおむね三分程度とし、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
  8. 長谷川清

    長谷川清君 せっかく長官がいらっしゃいますから、二点ばかり簡単に質問しておきます。  昨年の六月三日に、財政改革法に基づくこれの推進について閣議が決定されておりますね。その三日後の六月六日、閣議において国土庁長官は、一九九八年から二〇〇三年までの間、この六月三日の閣議の趣旨に基づいて首都移転の問題、国会等移転の問題等々について財政資金の投入は行わないという御発言がございますね。こういう点について、果たして長官のそういう発言というものが、閣議の後今日までどういうふうに取り扱われておるのか、そういう点を一つお伺いしておきたいと思います。  それから二点目は、最後には東京との比較ということがございますね。その場合には、やはり東京都民がいらっしゃいますから、その十分なる納得というものも得なきゃならぬと思いますが、そういう点について長官の今のお気持ち、お考え、それを聞いておきたいと思います。
  9. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) 財政構造改革というものが話題になりまして、一九九八年から二〇〇三年までを、特に当初の三年間を集中改革期間とするというような財政構造改革法律までつくっていただいたわけでございます。その際、私の前任者が、二〇〇三年まで五年間は首都機能関連の本格的な財政支出というものについてはこれはもう差し控えるという発言をしたということで、それが事実として残っておるわけであります。  そして、小渕内閣になりまして、財政構造改革法の精神は引き継ぐけれども、具体の適用に当たっては景気情勢等に弾力的に対応できるように変更を加えていく、こういうことをいたしたわけであります。そういうことが先ほど触れた五年間延長するというものとどのように関係してくるかということについては、公式には何ら新たな発言なり決定が行われているということはございません。ございませんけれども、私どもといたしましては、この財政構造改革法もすべて廃止をされる、財政構造改革なんというのはもう必要ないんだというようなことになったわけではないわけでございますので、財政支出について一定期間遠慮するという、このことは基本的に残っているというふうに認識して現在の作業にも取り組んでいる、こういう状況でございます。  それから、第二点の東京との比較でございますけれども、これは私自身も、この法律議員立法でございましたが、最終の場面で、特に東京都選出の議員から非常に強い要望がありましてこのくだりが挿入されたというそのいきさつ、これについては若干参画もいたしたものですからよく認識をしているところでございます。  そういうことでございますけれども、これは私といたしましては、いわば当然のことをうたったと。つまり、そのほかに考慮すべき事項として、社会経済情勢変化と、もう一つ国民合意というか世論の動向といったようなものについて、それらを踏まえてさらに手続を先に進めていくということでございまして、東京との比較というのも、社会情勢とかあるいは国民世論の中にいわば含まれるようなことであるけれども、東京都の方々は非常にそこをセンシティブにお考えになって特掲をしたというようなことに考えておるわけでございます。  いずれにしても、そういうものを最終段階でもう一回クリアをしてその先に進んでいこう、こういう構えの取り組み方になっておるという次第でございます。
  10. 山下善彦

    山下善彦君 この特別委員会が本日から新しい委員としてスタートするわけでございますが、そのスタートをする中で、私もこの特別委員会に配属されまして委員の顔ぶれを見ましたところ、すべて候補地皆さん方ばかりだな、こういうことを改めてこの席に来て認識をしたわけでございます。  そういう中で、この移転問題、先ほども国土庁の方からスライド等を見させていただきました。実は、私もこの六月までは県議会議員として静岡の方で、国会等移転関係特別委員会県議会にございまして、東海四県ブロックでいろいろの協議を現場でしてきた人間でございます。その中でいろいろお話が出たのは、確かに行革以前、この国会移転論議というものは相当の熱を帯びて国会中心にして議論をされてきている。それ以来、何か立ち消えになっているような感もするのではないかなという形の中で、地方地方なりに、あそこがいいここがいいといって、たまにはヘリコプターに乗って上から見てみよう、海から見てみようと地方地方なりの大変いろんな努力をされてまいりました。  最後に、そういう皆さん方と、正式な議論の場ではございませんが、これから都市集中化を分散する意味で当然この国会等移転の問題が出てきたと思いますが、実際に最終的にはいつやるのかどうなのかという、ここら辺が非常に不明確であるために、今確かに説明資料にも、福島県だとかいろんなところへもう既に行っておられる。そういう中で、その場は何とかうちにもなんていうお話も出ていると思いますが、現実にその辺のしっかりした土台というかベースがやはりもう少し明確に打ち出されてもいいんじゃないかな、そんな感じがします。  きょうはこの委員会スタートに当たって、その辺をちょっと長官に、地元でもございますが、確認をさせていただきたいと思います。
  11. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) 今、山下委員の方から、首都移転の話が行革推進される中でやや重みを失ったか、あるいは鮮明さを失ったかのような感じがするんだというお話がありました。確かに、いきさつ的に申しますと、今回の首都機能移転の話というのは、東京一極集中、その中で地価の暴騰というようなことを背景として提起された、こういういきさつはございます。  しかし、今振り返ってみますと、この国会等移転に関する法律は、逆に行政改革なかんずく地方分権、こういったようなものの契機にするんだというようなことが書いてありまして、実はその中で行革あるいは地方分権との関係は、逆に両方がお互いに貢献し合って実現に向けて進んでいくんだと、こういうような仕組みになっております。  私個人といたしましても、私はついせんだってまで自民党の行政改革推進本部事務局長を務めてまいりましたけれども、全く日本の国というのは、もう待ったなしで本当に改革をしなければいけないというように思っておる人間でございます。  したがいまして、私の頭では、橋本内閣が二〇○一年一月一日ができれば中央省庁の再編のスタートをする日であってほしいというように少し前倒しをしましたので、首都機能移転の方がタイミング的には少しおくれるというような格好になっているわけでございますけれども、むしろそうであれば、行政改革が成った、日本国家構造改革が成ったことの象徴として首都機能移転が行われる、こういうふうに考えられるような様相になってきているのではないか、こういう認識でございます。  したがって、この国会移転法律がうたっているように、国会移転をすること、そのことによって行政改革を進めるきっかけとするんだということよりも、むしろ行政改革をやる、そのやったこと、新しい国家構造を動かすことの象徴として首都機能移転があるんだ、こういうようなことで、若干前後関係というのがひつくり返ったようなことになるものだとは思いますが、いずれにせよ、国家構造改革というか行政改革というか、そういうものと非常に密接不可分になっておるんだということの認識を強く私は持っているわけでございます。  今、山下委員は、どうも段取りがよくわからないじゃないかというようなお話が次にあったわけでございます。  この段取りについては、法律の二十二条に実は明確にうたわれておりまして、審議会答申が行われたときは、先ほど言ったような国民合意社会経済情勢変化あるいは東京都との比較考量というようなものを通じて移転についてさらに検討を前に進める、こういうことになっておりまして、さしずめ来年の秋ごろに予定されておる答申が出ますと次の段階に進んでいくんですよということがこの法律にうたわれておるということでございます。  段取りについては、そういうようなことで整々として進んでいるということをぜひ認識として共通にさせていただきたい、このように申し上げます。
  12. 末広まきこ

    末広まきこ君 平成七年には、この首都機能移転目標設定としまして、期日目標、これを二〇一〇年というふうにお伺いした記憶があるのでございますが、そこら辺は今どうなっているのか、変わってきたのか。一部新聞によりますと二年ずれたという報道もありますし、そこら辺の正確なことを教えてください。
  13. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 今のお話は、国会等移転調査会報告書におきまして、新しい都市建設に着手する年度としまして、当時答申が行われた時点では、世紀を画する年に建設事業に着手して、約十年間で第一段階ともいうべき国会中心とする新都市をつくる、それが約十年間でございますので二〇一〇年というようなことになろうかと思います。そういうことでようございますか。
  14. 末広まきこ

    末広まきこ君 というと、平成七年時の計画は今ずれずにそのまま生きているということですね。
  15. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 先ほどこの点につきましては御議論がちょっとございましたけれども、昨年の財政構造改革会議の閣議決定の際に国土庁長官がこの点に触れまして、首都機能移転につきましては、要するに、新しい財政資金の投入は、その当時財政構造改革期間とされました二〇〇三年度までは行わない、ただし国会等移転審議会で行われております移転先候補地選定作業、これについては整々と従来どおりの方針で進めさせていただきますということを申し上げたわけでございます。  したがいまして、その御方針が今も変わらずに私ども審議会方針として受け継がれているわけでございまして、大臣が先ほど申しましたように、来年の秋を目途移転先候補地選定作業を終えるというのが現在の審議会の御方針と承っております。  それからさらに、先ほど大臣からお話がございましたように、移転法の二十二条の検討、つまり経済社会情勢の全体的な検討国民合意形成状況検討それから東京都との比較検討というような作業を終えまして、国会法律でもって移転先地を決定すると。さらに申し上げますと、その先にはさまざまな実行に向けた準備作業というのが広範多岐に行われるわけでございます。これにつきましては、マスタープランの策定とか、事業主体の決定とか、環境保全の問題とか、さまざまな検討が行われるというふうに理解しているわけでございます。
  16. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  私は、この三年間、当委員会にずっと参加して、審議それから現地視察等と参加してまいりました。そういうことをやりながら改めて今思うことは、やはり根本的にこの問題については考える必要があるんじゃないかという点なんです。日本共産党は、初めから国会移転には反対だという態度をとっているわけですけれども、そういう立場だけじゃなくて、この間、先ほどあったあらゆる事態からそういうことを改めて痛感するんです。  きのうの産経新聞に社説が載っておりまして、「首都移転 原点から是非を問い直せ」というのがありました。いろいろ理由は書かれておりますけれども、結論部分で、「この際、東京から首都機能を移す必要があるのかどうか、原点に戻って議論すべきだ。大規模プロジェクトの有効性を実施前に厳重チェックすることが、取り返しのつかないムダを防ぐ行政改革の最大ポイントでもある。」、そういうことが書かれているんです。私は、これは非常に正論ではないかということを痛感するわけです。  三つぐらいちょっと述べてみたいんです。  一つは、やはり時代がまるっきり変わっていると、これを発議したときから、決まったときから。先ほど長官も言われましたけれども、当時東京ではオフィス床が足りずに地価が値上がりし一極集中が進む、そういう中でこういう議論が出てきた。これに対して、この間、東京都は努力して一極集中を緩和してきたという、そういう事実があるわけです。それから、公共事業に対して、いい公共事業もあるし、むだも多い、そのむだは削ろうという議論がやっぱり世論でも非常に大きくなってきた、こういう変化一つあるわけです。  それから二つ目に、かなり精神主義的な宣伝がやられてきたなと思うんです。一つは人心一新論ですよね。日本は歴史的に四百年ごとに首都を変えてきた。江戸に都が移って、本当は京都なんだけれども、それから四百年たつ、もうそろそろ時期じゃないか、だから変えようという。これ、まさに理屈も何もないわけですよね。今、これだけ不況のときにこういう話をすると皆さん非常に怒る。それから、先ほど長官ちょっと触れられましたけれども、規制緩和と行政改革、これは車の両輪で、これを進めていく起爆剤としてやっていこうと、地方分権もそれに加わると思いますが。行革基本法は通ったので、これについては、先ほど象徴と言われましたけれども、話は似たようなものだと思うんです。ですから、やっぱりそういう形で議論を進めていっていいのかと。  それから三番目に、一番大きな問題として財政的問題ですよね。財政問題でどれだけ金がかかるのかということが大問題になりますけれども、来年からは大変な機能を加えた、危機管理システムを備えた首相官邸の着工が始まる。それから、今は新二号ビル、もとの人事院ビルですか、それの工事が行われている。建設省に聞きますと、地上二十四階建て地下四階、二十五メートルのプールが、地下に四つ温水プールがつくられるという。これは、どこかに売り飛ばしてもいいようにという備えだと説明をする人もいるんです。ですから、こういうのを考えていくと大変なむだがある。  ですから、私はこの際、委員長にも、それから同僚議員の方にも申し上げたいんですけれども、やはりそもそもこれは議員立法としてできたわけですね。ですから、議員が発議すれば当然これはまた見直すことはできるわけです、法律もそうですけれども。したがって、やっぱりそういう根本的なことも含めて議論する時期ではないかと。  今、同じ国会で金融、財政の赤字をどうするかということも大きな議題になっているときに、財政問題について見通しがどうか余りよくわからないで、どこを選定するのか、候補地をどうするのかということを議論することは随分ずれがあるなということを痛感いたします。  それから、最後に大臣に質問申し上げたいんですけれども、一つは省庁が一体どういう形になるのかという点です。  最初は省庁丸ごと移ると言われておりましたけれども、いろんな議論を経て、これは言葉が正確じゃありませんけれども、政策部門とそれから執行部門と実務部門と、それを分けて、それで二つ置くんだということになりましたね。そうすると、霞が関の空間を利用していくということ、これが一つの何かったい文句だったと思うんですが、霞が関にそういう空間は余りできないんではないかと思うんですよね。ですから、それがどうなるのか。二重に省庁を置くとなると、やはりいろんな形でむだ遣いにもなるだろうと、その点でどういう見通しがあるのかということについてお尋ねしたい。  それからもう一点、先ほど局長の説明で、スライドでも映ったんですけれども、これを見ると「国際色豊かな大使館街」なんて書いてあるわけですよね。私も幾つかの外国の大使館の人たちから、一体国会移転どうなのかと聞かれたときに、大臣なんかもよく聞かれると思うんですが、そのときにどういうふうに答えていいかわからない。彼らは移るつもりはないですよね、まず。わずか人口数万か十万のところに大使館を持っていく、とんでもないと。それよりもここに残っていると、当たり前じゃないかと。
  17. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) そろそろ御意見をまとめてください。
  18. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 はい。  そういうことになるわけですね。  そうすると、大使館街の等々と言っているこのうたい文句というのは実際どうなっているのか、それからこういう大使館等々との折衝などをやられているのかどうか、その二点を伺いたいと思います。以上です。
  19. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) 省庁再編との関係で申しますと、実は現在の霞が関の方々というのは、目の子で申しますと、実際の行政の執行事務をやっている人というのは二割くらいのもの、人数のウエートというよりもエネルギーのウエートでちょっと理解してもらいたいんですが、あとは立法補佐機能つまり政策の企画立案というのが実態なのでございます。  これは、私ども、各省庁の課ごとにあなた方は何の仕事をしていますかという調査票を渡しまして、それで調べた結果、私の個人的な印象ですけれども、ほとんど中央省庁というのは、いわば企画立案と執行を分けた場合には政策の企画立案に携わっているという者が多いと。  そこで、今のお話を申し上げますと、もし首都機能移転ということで、国会とどちらかというと政策の立案部門がくっついて移るということになると霞が関は非常に空き家ができるというような形になってくるだろうと、このように思っております。  それから、もう一言つけ加えますと、先ほど申したことで私が最も強く申したのは地方分権です。なぜ一極集中が生じたかといえば、権限がほとんど中央省庁集中していまして、みんながそこに来なければ仕事が進まないという実態があって一極集中が進んだわけでございます。したがって、今度地方分権を思い切ってやるというようなことを考えますと、もう一つ東京を別のところにつくるということではないというふうに考えなければならないということでございます。  もちろん、それに対する反論は、そんなに地方分権が進むんだったら今の霞が関をそのままにしておいても、一極集中が逆に起こらないんだからそれでいいじゃないかという話も出てくるわけですが、私は、そういう中央集権的なものが変わったんだよというその象徴としてほかの地に持っていくということに意義があるんだと、そういうことを申し上げたいというふうに思っています。  それから、第二番目の大使館の問題は確かに頭の痛い問題であろうというふうに思います。特に、先生御案内かどうかあれですけれども、イギリス大使館あるいはイタリア大使館、これはもう今他にそういうものを求めようと思ってもほとんど不可能なような立派なたたずまいをなさっておる。  そういうような人たちがそれじゃ移るのかということですけれども、これもまあ考えようでございまして、イタリア大使館、イギリス大使館は立派ですけれども、ほかに大使館のスペースがなくて惨めなことになっているような国がいっぱいあります。そういう人たちはむしろ大歓迎になるだろうと思います。また、オランダの大使館の例でいいますと、今東京にあるオランダの大使館は、かつて遷都が行われたときに現実に長崎から移築をしたものなんだそうでございます。  そういうようなこともございますので、今話しているかといえば改めて話しているということはございませんけれども、そういうことになれば一定の理解が必ず得られるであろうと、このように考えております。
  20. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党の郡司でございます。  さきに民主党の方でちょっとレクチャーを受けたときの話の内容を四点ほどおつなぎをしたいと思います。  一つは、国会都市というふうなイメージ図がありますけれども、各県の概況、対応につきましては首都機能というふうな言葉が使われておりまして、国会移転等というふうな言葉の中に首都機能というものがどの程度含まれるのか、その辺がよくわからないというふうなこと。  それから、候補地選定を行うということでありますけれども、これは複数のところの選定というふうなことになるということでよろしいのかということ。  それから、何か法的に首都というふうな規定というか、今東京がそうだということの何というんですか法的なものがないんだと。そのようなお話も聞きましたけれども、作業の中では首都というふうなものを規定するような立法作業というものも入ってくるのかどうか、その辺のところ。  それからもう一つは、いろんな国会関係の中でも出てまいりますけれども、皇居というものがこのことによって移転というふうな話が含まれるといいますか、可能性があるというのか、例えば召集なんかの場合にはその都度そのところまでおいでいただくということになるのかどうか。その辺のところがございましたので、もしおわかりになれば。
  21. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) 「国会等」というのは、実はこの法律の第一条にございます。第一条に書いてありまして、「国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」と、こういうふうに書かれておりまして、これは法律の文言にすると小難しいのですけれども、ありていに言えば、先ほど言ったように、国会と現実上議院内閣制のもとで国会の立法作業を助けてもらっている中央官庁、いわば中央官庁の企画立案部門及び司法の中枢的なものということになると最高裁判所ということになるということでございます。  それから、第二の選定は複数になるのかということでございますけれども、これはもう二十二条でこの審議会選定してくれるということで、最終的には二十三条で改めて法律で決定をするということになるわけです。これは審議会の今後の審議状況を見ないと何とも言えないわけでございます、審議会自身を我々縛っているわけじゃありませんから。しかし、望むらくは、我々としては一つに絞られる方向での審議が進むということを期待しておると。結果はしかし、これは何とも今の段階ではわからない、こういうことです。  それから、東京の首都としての立場を規定しているものが法律上ないということは御指摘のとおりでございます。今回一体どうするかということについては、考え方としてはやっぱりワシントンDCのようにその一定の区域については、地方自治体が管理するというか、要するに今の東京というのは首都でありながら東京都の自治体の中にあるという二重の形を持っておるわけでございます。しかし、今回は我々まだ確定的にそういうことを何かに書いてあるわけじゃありませんが、考え方としてはそういうことではなくて、全くワシントンDC型の特別の地位を持つ地域として規定されるであろうということがみんなの共通の認識になっているということでございます。  それから、四番目の皇居のことについては、先ほど御紹介した一条に書いていないわけでございます。したがって、これについてはまだどういうことをこれから考えていくか全く未定の状態になっておる、こういうことでございます。
  22. 久野恒一

    ○久野恒一君 茨城県の久野でございます。  今、郡司先生の方からお話がございました、その後でではないんですけれども、やはり災害が少ないということ。この前水は出ましたけれども、いずれにしても大局的に災害が少ない、地震もこれから余りないだろう。そういう意味では、やっぱり均衡ある発展、そういうものを御勘案いただければ、どうしても利根川を越えて北の方へ持っていっていただければありがたいなという気持ちは個人的に持っております。  しかし、これは日本全体の問題でございますので、どこに持っていくかということ、これは我々がこれから決めていかなければならない問題ではございますけれども、地元として、ある程度地元負担が伴ってまいりますと腰が引けてくる県もあるのではないかなと。そういう意味で、今積極的な県、これは全部三カ所ともみんな積極的に取り組んでおられるのでしょうか。あるいは腰が引けているところがあるんでしょうか。その辺のところをちょっと。
  23. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 今、九月十六日から五回に分けまして現地調査をさせていただいておりまして、その中で各県から地元の取り組み方針といいますか、対応方針というのを議会関係者も含めてお伺いいたしているわけでございます。  まだ半分済んだ程度でございますけれども、移転候補地について共通して言えますのは、受け入れ態勢等も含めて、あるいは土地取得についての自治体としての協力をぜひしたいというようなことも含めまして、共通して積極的にお取り組みいただいているというのが私どもの受けとめている印象でございます。
  24. 久野恒一

    ○久野恒一君 三つの県とも同じスタンスであるというふうに理解してよろしいですか。
  25. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) それぞれおっしゃり方にニュアンスの違いは確かにございますけれども、この問題につきましていずれも前向きに積極的に受けとめていこう、そういう点では共通しているように受けとめております。
  26. 平野貞夫

    平野貞夫君 先ほど、局長さんの話の中に非常に重要な話があったんですが、この問題の国民合意形成、これが十分かどうかという問題が一つあると思います。  率直に言いまして、国会決議から始まったこの問題は、私は十分な国民合意形成ができていないという認識をしております。私も、衆議院の事務局にいましたときに、当時この決議の案文をつくらされた仕事をやっておりまして、そのときの政治状況からいって、やっぱり一部の政治勢力がかなり強引にこれを持っていったという経験をしております。  そういう反省も含めて、私は首都機能移転に反対じゃございません、推進すべきだと思っていますが、どうも直接利害関係のある東京都あるいは首都圏と、それから誘致運動をしているところだけの問題になっているようだと思う。私は四国で、利害関係はございませんが、なぜ首都移転が必要なのか。大臣の話の中に、いろいろ構造改革とか将来の日本の国のあり方の問題があったわけですが、そういう意味で、私、質問じゃございませんが、九州の人にも北海道の人にも四国の人にも、やっぱりこれは必要だというそういう納得できる説明といいますか、あるいは材料を政府としても十分出していただきたいという要望をしておきます。
  27. 加藤修一

    ○加藤修一君 先ほどからいろいろと委員の方々の御意見を拝聴しておりまして、啓発される部分がございます。ただ、委員の中で、これが発議されたころの背景というのが変わってきているんではないかということがございましたけれども、確かに私もそういう考え方をせざるを得ないなと思っております。  今、我が国も、不良債権の問題だとか、あるいはデフレギャップの関係で遊休資産がかなりある。私は、前国会でこの委員になったわけですけれども、なった途端に北海道は候補地から外れたという話になったわけです。遊休資産ということを考えていきますと、例えば苫東なんかはかなり国費を、港湾をつくる、道路をつくるで二千億円は超えている、あるいは不良債権を含めて二千億円ぐらいは行っていると思うんですけれども、そういったものをうまく使っていくということも当然考えられる。しかも、あそこは空港が二十四時間運用しているわけでありますし、土地も広いし、さまざまな形で私は利点があるんではないかなと思うんですね。  選定に当たっては、当然比較優位とか比較劣位を考え検討して三地域という話になっているとは思いますけれども、具体的に北海道が外れた、あるいは外したという、そういった意味での明快なものがないように私は思うんです。その辺について、少し御意見を賜りたいと思っております。
  28. 板倉英則

    政府委員板倉英則君) 実は、国会等移転調査会報告の中に選定基準が九つ示されておりますが、その中で地理的な条件といたしまして、これはおおむねでございますが、東京からの距離が六十キロから三百キロということが示されております。これは実は、新しい首都機能を持った新都市ができ上がった場合に、東京との連携ということをある程度念頭に置く必要があるという認識のもとにこういう基準ができたというふうに私ども承知しております。  それで、この三百キロ以遠の地域についてどう扱うかということがもちろん議論になったわけでございます。それにつきましては、この三百キロ以内と以遠につきまして、以遠の地域につきましては、特にすぐれた特性等がある場合にはとりあえずこの三つ調査対象地域調査は進めますが、そういう地域がさらにあるということであれば追加して調査することは当然検討しなきゃいけないというセービングクローズが実はついているわけでございます。  実は、この考え方は移転法の八条にも若干そういう考え方が示されておりまして、移転先の新都市が、交通通信体系の整備等により世界及び我が国の各地域との交流が容易である、このことをどういうふうに理解するかということと兼ね合いが出てくるかと思います。  そういうことを総合的に勘案しまして、とりあえず調査対象地域から北海道は外させていただいている、これが審議会の立場であろうかと思います。
  29. 畑野君枝

    ○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。時間もございませんから簡単に。  私は、ぜひとも皆さんに御論議していただきたいと思うのは、先ほどからもありましたけれども、やっぱりそもそも国会等移転は何なのかということだと思うんですね。特に、やはり首都とは何なのか、国民にとって国会はどこにあるのが適切なのかという、候補地のいろいろな話はございますが、国民にとってはどうなのかというそもそものところが大切じゃないかなというふうに思います。  先ほどワシントンの話がございましたけれども、アメリカの場合は独立戦争の関係であそこに置かれているという歴史的な事情がございます。世界でも、やはり民主国家と言われるような国は大体ほとんどが大都市国会がある。イギリスであればロンドンだし、フランスでいえばパリということに。何でかというと、やはりたくさんの人口がいるから直接国会にも物が申せる、選挙が終わって、はいさようならじゃなくて。そういうやっぱり国会の役割というのがあるんだというふうに思うんです。そこのところをぜひもう一回、初心に返って御論議をしていただきたいというふうに思います。  長官に伺いたいのは、先ほどもありましたけれども、行政改革地方分権の契機として必要だというふうにおっしゃったんですが、私は神奈川ですけれども、知事の方からも、首都機能移転より地方分権を進めてほしいという御意見なんですね。移転には、もう今のこの財政事情を含めて数十兆円のお金がかかるというふうに言われておりますが、地方分権というのは、本当に政府が音頭をとってやればそれだけのお金がかからないでやれるものじゃないかというふうに私は思いますが、その辺、いかがでしょうか。
  30. 柳沢伯夫

    国務大臣柳沢伯夫君) お話のとおりと言いたいところですが、私が言ったのはちょっと順番は逆で、地方分権ができたときに、そういう国家体制になったということの象徴として首都を動かすということが今乗っかっているタイムスケジュールから言えることで、つまり行政改革の方が二〇○一年にやる、こう言っていますから、それに対して首都機能移転の方はそれより後になりましたからそういうふうな段取りになっている。しかも、そういうことの方が確かにより考えやすいことだと。つまり、国家体制が今までのような中央集権と変わりましたよということを内外に形であらわすということのために首都機能移転するということに、恐らく大変な意味があるんじゃないかというふうに私は言ったわけでございます。  分権の契機としてというのは、むしろこちらの法律が書いてある方で、既に法律と今我々が行革基本法なんかでお願いしたタイムスケジュールとはちょっと違った格好になっているということについて私の考えを述べさせていただいた、こういうことでございます。
  31. 畑野君枝

    ○畑野君枝君 ぜひ、形よりも実のある政府のイニシアチブを私はお願いしたいと思います。  以上です。
  32. 松田岩夫

    委員長松田岩夫君) 御意見も尽きないようですが、予定した時間が参りましたので、本日の調査はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。   午後一時四十三分散会