○緒方靖夫君
日本共産党の緒方靖夫です。
私は、この三年間、当
委員会にずっと参加して、
審議それから現地視察等と参加してまいりました。そういうことをやりながら改めて今思うことは、やはり根本的にこの問題については
考える必要があるんじゃないかという点なんです。
日本共産党は、初めから
国会移転には反対だという態度をとっているわけですけれども、そういう立場だけじゃなくて、この間、先ほどあったあらゆる事態からそういうことを改めて痛感するんです。
きのうの産経新聞に社説が載っておりまして、「
首都移転 原点から是非を問い直せ」というのがありました。いろいろ理由は書かれておりますけれども、結論部分で、「この際、
東京から
首都機能を移す必要があるのかどうか、原点に戻って
議論すべきだ。大規模プロジェクトの有効性を実施前に厳重チェックすることが、取り返しのつかないムダを防ぐ
行政改革の最大ポイントでもある。」、そういうことが書かれているんです。私は、これは非常に正論ではないかということを痛感するわけです。
三つぐらいちょっと述べてみたいんです。
一つは、やはり時代がまるっきり変わっていると、これを発議したときから、決まったときから。先ほど
長官も言われましたけれども、当時
東京ではオフィス床が足りずに地価が値上がりし一極
集中が進む、そういう中でこういう
議論が出てきた。これに対して、この間、
東京都は努力して一極
集中を緩和してきたという、そういう事実があるわけです。それから、公共事業に対して、いい公共事業もあるし、むだも多い、そのむだは削ろうという
議論がやっぱり
世論でも非常に大きくなってきた、こういう
変化が
一つあるわけです。
それから二つ目に、かなり精神主義的な宣伝がやられてきたなと思うんです。
一つは人心一新論ですよね。
日本は歴史的に四百年ごとに首都を変えてきた。江戸に都が移って、本当は京都なんだけれども、それから四百年たつ、もうそろそろ時期じゃないか、だから変えようという。これ、まさに理屈も何もないわけですよね。今、これだけ不況のときにこういう話をすると皆さん非常に怒る。それから、先ほど
長官ちょっと触れられましたけれども、規制緩和と
行政改革、これは車の両輪で、これを進めていく起爆剤としてやっていこうと、
地方分権もそれに加わると思いますが。
行革基本法は通ったので、これについては、先ほど
象徴と言われましたけれども、話は似たようなものだと思うんです。ですから、やっぱりそういう形で
議論を進めていっていいのかと。
それから三番目に、一番大きな問題として財政的問題ですよね。財政問題でどれだけ金がかかるのかということが大問題になりますけれども、来年からは大変な機能を加えた、
危機管理システムを備えた首相官邸の着工が始まる。それから、今は新二号ビル、もとの人事院ビルですか、それの工事が行われている。
建設省に聞きますと、地上二十四階建て地下四階、二十五メートルのプールが、地下に四つ温水プールがつくられるという。これは、どこかに売り飛ばしてもいいようにという備えだと
説明をする人もいるんです。ですから、こういうのを
考えていくと大変なむだがある。
ですから、私はこの際、
委員長にも、それから同僚
議員の方にも申し上げたいんですけれども、やはりそもそもこれは
議員立法としてできたわけですね。ですから、
議員が発議すれば当然これはまた見直すことはできるわけです、
法律もそうですけれども。したがって、やっぱりそういう根本的なことも含めて
議論する時期ではないかと。
今、同じ
国会で金融、財政の赤字をどうするかということも大きな議題になっているときに、財政問題について見通しがどうか余りよくわからないで、どこを
選定するのか、
候補地をどうするのかということを
議論することは随分ずれがあるなということを痛感いたします。
それから、
最後に大臣に質問申し上げたいんですけれども、
一つは省庁が一体どういう形になるのかという点です。
最初は省庁丸ごと移ると言われておりましたけれども、いろんな
議論を経て、これは言葉が正確じゃありませんけれども、政策部門とそれから執行部門と実務部門と、それを分けて、それで二つ置くんだということになりましたね。そうすると、霞が関の空間を利用していくということ、これが
一つの何かったい文句だったと思うんですが、霞が関にそういう空間は余りできないんではないかと思うんですよね。ですから、それがどうなるのか。二重に省庁を置くとなると、やはりいろんな形でむだ遣いにもなるだろうと、その点でどういう見通しがあるのかということについてお尋ねしたい。
それからもう一点、先ほど局長の
説明で、
スライドでも映ったんですけれども、これを見ると「国際色豊かな大使館街」なんて書いてあるわけですよね。私も幾つかの外国の大使館の人たちから、一体
国会移転どうなのかと聞かれたときに、大臣なんかもよく聞かれると思うんですが、そのときにどういうふうに答えていいかわからない。彼らは移るつもりはないですよね、まず。わずか人口数万か十万のところに大使館を持っていく、とんでもないと。それよりもここに残っていると、当たり前じゃないかと。