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齋藤勁君 本
特別委員会には
長銀問題等をいろいろ検討し解明する小
委員会が設置をされておりまして、残念ながら今日まで審議の関係で開催をされておりません。既に
特別委員会理事会でも、今後、閉会になってもこの
特別委員会なり小
委員会を活発化していくかということについて協議をされておりますので、私はその中で
長銀問題についての解明をしていきたいというふうに思います。
私は、公邸に呼ぶ呼ばないの是非は別にいたしまして、いわゆる一国の
総理、そして
大蔵大臣が、その
時点で
長銀が
実質債務超過になっているという
判断を下せないにしても、そのときの
判断それから責任の問題、言ってみれば私的行為について
総理が合併をしたら全面的に支援をしますよと、こういうことが果たしてそのときには適切であったのかどうか、あるいはそういうことが正しいのかどうかということについて非常に疑義を持っているところであります。それらについてはまたその場でたださせていただきたいというふうに思います。
さて、そこで、
衆議院、参議院でこの
金融問題はずっと
議論をし、これからもしていかなけりゃならないと思うんですが、
大蔵大臣に引き続きお尋ねさせていただきたいのは、この間、いわゆる護送船団方式の終えん、終局だということをたびたび
大蔵大臣も言われております。これは大蔵省そして
金融界含めての一体的な護送船団ということで表現をしておりますが、かつて大蔵省は、幾つかの指針で今日的
状況を展望しながらそれらの
金融機関に対してさまざまな提言をして、いわば体質改善なりリストラ策な
ども含めましていろんな指針を出しております。
例えば、この指針は九二年、今から六年前でございますけれ
ども、「
金融行政の当面の
運営方針について一というところで、大変長いので前文は省略をいたしますけれ
ども、一
金融機関には、経営組織全体を通じた厳しい自助努力による最大限の合理化努力を要請することとしたい。」、これは当時バブルの崩壊に伴う不良資産の増大や内部蓄積の減少ということで、バブルの崩壊後でございます。
さらに、この二年後の九四年二月の指針では、「
金融機関の不良資産問題についての行政上の指針」というところで、「
金融自由化によって増大するリスクに適確に対応していくためには、
金融機関は徹底した合理化を進めるとともに、経営のリストラクチャリングを進め、経営体質を強化していく必要がある。このため、
金融機関に対して、最大限の経営努力を求める。」、
金融機関に対して最大限の経営努力を求めるという、こういう指針でございます。
さきの九二年も九四年もいずれも不良資産問題の深刻化を背景に出されたものでございまして、
注目しなきゃならないのは、不良資産を早期に処分するために合理化をしろということではなくて、共通するキーワードは不良資産よりむしろ
金融の自由化、
金融の自由化に対してこういう指針を出しております。いずれにしても、
銀行には長期的な視点に立って経営戦略構築、経営資源の効率的配分をしろと、九二年、九四年にこういう指針を出しておる。
さらに、もっと古い年限でございますけれ
ども、八五年、昭和六十年でございます。このときの
金融制度調査会では、一
金融自由化の進展とその環境整備一ということで答申がされております。長いんで時間がなくなるんですが、そのときに、いわゆる
金融機関はともかく資金供給のウエートが徐々に小さくなっていると。すなわち、国債の大量発行を契機とした公社債
市場の発達を背景に、直接
金融による資金の流れは増加傾向にある。
金融機関業務における国際業務のウエートが増大をしている。国際業務にはカントリーリスク、為替リスクといった固有のリスクがある。流動性リスク、金利変動リスクも高いことから、
金融機関はこういう諸リスクに対応するための内部管理体制を確立すること。こういう八五年の金制調の答申でございます。
これだけを見ますと、護送船団方式、大蔵省の方はそのときに的確な指針を出していたということで、内部の指針としてはこれはそれなりの
評価をしなきゃならないのではないかというふうに思います、明記されているんですから。そうすると、その指針を出したけれ
ども、いわゆる
銀行業界を含めて
金融界の方がこのことについて何も対応してこなかった、すべて悪いんだと。これは善と悪を明確にするわけじゃないんですが、このことを読む限りそういうような姿が出てくるわけでございます。
これは、なぜこういった指針が生かされなかったんだろうかというやっぱり問いかけをしなきゃならないと思うんです。そのときそのときでもう
国会では審議をしていますから、あるいはもう十分
議論をされているかもわかりませんが、今このときに
大蔵大臣みずからが護送船団方式の終えんだというようなことをたびたび私
どもとやりとりしている中で、これは長い間
経済、
金融、そして大蔵問題についてはもう本当に先見性のある、そして
我が国を指導されてきた
大蔵大臣でございますので、なぜこのことが生かされてこなかったんだろうかということについて
国会にも国民にも説明をする、そして誤りがあれば正していく、こういう姿勢がやっぱり大切ではないかというふうに私は思います。
今、長々と九二年、九四年、あるいはさらに八五年の例を出しましたけれ
ども、護送船団方式が終局だと言われる、そういうことを
指摘されます
大蔵大臣、このことが今また
議論になってどうしようかということで大変な思いをしてさまざまな
法律を出しているわけでございますので、そういった全体的な立場に立って所感を伺いたいと思います。