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1998-10-05 第143回国会 参議院 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成十年十月五日(月曜日) 午後四時五十分開会
—————————————
委員
の異動 九月十日
辞任
補欠選任
一伊藤
基隆
君 直嶋
正行
君 九月十一日
辞任
補欠選任
小川
勝也君
小宮山洋子
君 十月二日
辞任
補欠選任
魚住裕一郎
君
海野
義孝
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
坂野
重信
君 理 事 石川 弘君 岩井
國臣
君 岡 利定君 塩崎 恭久君 江田 五月君 齋藤 勁君 森本 晃司君
笠井
亮君
山本
正和君 委 員 岩城 光英君 加納 時男君
景山俊太郎
君 金田 勝年君 木村 一仁君
佐々木知子
君 田中 直紀君 林 芳正君 日出 英輔君 平田 耕一君 三浦 一水君 溝手 顕正君
山本
一太君
小川
敏夫君 木俣 佳丈君
小宮山洋子
君 角田 義一君 直嶋
正行
君
峰崎
直樹君 簗瀬 進君
海野
義孝
君
浜田卓二郎
君 益田 洋介君
池田
幹幸
君 緒方 靖夫君 小池 晃君
三重野栄子
君 入澤 肇君 渡辺 秀央君 佐藤 道夫君 水野 誠一君 菅川 健二君 発 議 者
笠井
亮君
委員
以外の
議員
発 議 者
筆坂
秀世
君
衆議院議員
発 議 者
保岡
興治
君 発 議 者
池田
元久
君 発 議 者
枝野
幸男
君 発 議 者
石井
啓一
君 発 議 者
西川
知雄
君 発 議 者
鈴木
淑夫
君
修正案提出者
保岡
興治
君
修正案提出者
鈴木
淑夫
君
修正案提出者
池田
元久
君
修正案提出者
枝野
幸男
君
修正案提出者
石井
啓一
君
修正案提出者
西川
知雄
君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 正二君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
(
衆議院
提出
) ○
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
(
衆議院提出
) ○
競売手続
の
円滑化等
を図るための
関係法律
の整 備に関する
法律案
(
衆議院提出
) ○
特定競売手続
における
現況調査
及び
評価等
の特 例に関する
臨時措置法案
(
衆議院提出
) ○
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律
案(
衆議院提出
) ○
金融再生委員会設置法案
(
衆議院提出
) ○
預金保険法
の一部を改正する
法律案
(
衆議院提
出) ○
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
衆議院提出
) ○
金融機能
の
正常化
に関する
特別措置法案
(
筆坂
秀世
君外一名
発議
) ○
預金保険法
の一部を改正する
法律案
(
筆坂秀世
君外一名
発議
) ○
金融監督委員会設置法案
(
筆坂秀世
君外一名発 議) ○
金融機能
の
安定化
のための
緊急措置
に関する法 律を廃止する
法律案
(
筆坂秀世
君外一名
発議
)
—————————————
坂野重信
1
○
委員長
(
坂野重信
君) ただいまから
金融
問題及び
経済活性化
に関する
特別委員会
を開会いたします。
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
、
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
、
競売手続
の
円滑化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
、
特定競売手続
における
現況調査
及び
評価等
の
特例
に関する
臨時措置法案
、
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律案
、
金融再生委員会設置法案
、
預金保険法
の一部を改正する
法律案
及び
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
、いずれも
衆議院提出
、
金融機能
の
正常化
に関する
特別措置法案
、
預金保険法
の一部を改正する
法律案
、
金融監督委員会設置法案
及び
金融機能
の
安定化
のための
緊急措置
に関する
法律
を廃止する
法律案
、いずれも
筆坂秀世
君外一名
発議
、以上十二案を一括して
議題
とし、
発議者
から順次
趣旨説明
を聴取いたします。
発議者衆議院議員保岡興治
君。
保岡興治
2
○
衆議院議員
(
保岡興治
君)
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
、
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
、
競売手続
の
円滑化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
及び
特定競売手続
における
現況調査
及び
評価等
の
特例
に関する
臨時措置法案
について、
提案者
を代表してその
趣旨
を御
説明
いたします。
我が国経済
を立て直し再活性化させるためには、
金融システム
の
安定化
、
再生
が何よりも重要であります。このためには、
金融機関
の抱える
不良債権
を早急に
処理
しなければなりません。このための環境を
整備
しようとするものがこのたび
提出
いたしました四
法案
であります。 まず、
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
いたします。 この
法律案
は、
金融機関等
が有する
不良債権
の実質的な
処理
の
促進等
を図ることが
喫緊
の
課題
となっている
現状
にかんがみ、
弁護士法
の
特例
として、
一定
の要件を満たす
民間会社
が業として
債権
の
管理
及び
回収
を行う
制度
を新たに設けるとともに、必要な
規制
を行おうとするものであります。 この
法律案
の
要点
は次のとおりであります。 第一に、
法務大臣
の
許可
を受けた
債権回収会社
は、
弁護士法
の
規定
にかかわらず、
金融機関
の有する
貸付債権等
の
一定
の
金銭債権
について、その
管理
及び
回収
を行うことができる旨の
規定
を設けることとしております。 第二に、
債権回収会社
の
業務
の適正な運営の
確保
を図るため、その取締役の一名以上に
弁護士
の
選任
を義務づけるとともに、
暴力団員等
の
参入等
を防止するための
措置
を講ずる等の
規定
を設けるほか、
業務
を遂行するに当たって相手方を困惑させる等の
行為
を禁止し、また
債権回収会社
が
一定
の裁判上の
行為
を行うには
弁護士
に追行させるなどの
行為規制
に関する
規定等
を設けることとしております。 第三に、法令に違反するなどした
債権回収会社
に対する
許可取り消し処分
や
業務改善命令
などに関する
規定
を設けるとともに、
監督者
である
法務大臣
の
立入検査等
の
規定
を設けるほか、
暴力団支配排除
の
観点
から、
警察庁長官
による
債権回収会社
への
立入検査
や
債権回収会社
の
回収
に当たっての
援助等
の
措置
についても
規定
することとしております。 第四に、所要の
罰則規定等
を設けるとともに、その
施行
については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において行うこととしております。 以上が
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
の
趣旨
であります。 次に、
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
いたします。 この
法律案
は、
金融機関等
の
不良債権
の
処理
が
喫緊
の
課題
となっている
状況
にかんがみ、
金融機関等
が有する
債権
はその多くが
根抵当権つき債権
であるので、その
譲渡
の
円滑化
を図るための
臨時
の
措置
を定めようとするものであります。 この
法律案
の
要点
は次のとおりであります。 第一に、
金融機関等
が
根抵当権
により担保される
債権
を共
国債権買取機構
、
整理回収銀行
、
サービサー等
の
債権回収機関
に
売却
しようとする場合において、
債務者
に対し、
売却
する旨及び新たに
元本
を発生させる意思を有しない旨を
書面
により通知したときは、民法の定める
元本
の
確定事由
に該当するものとみなすこととしております。 第二に、これにより
元本
が確定した場合の
登記
は、
根抵当権
の移転の
登記
とともに申請する場合に限り、
債務者等
の
根抵当権設定者
と
共同
で申請しなくても、
根抵当権者
のみで申請することができることとしております。 以上がこの
法律案
の
趣旨
であります。 次に、
競売手続
の
円滑化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
についてであります。 この
法律案
は、
不動産競売手続
において不当な
執行妨害行為
により
手続
の遅延が生じている等の
現状
にかんがみ、
手続
のより円滑かつ適正な遂行を図る等のため、
民事執行法等
の一部を改正しようとするものであります。 この
法律案
の
要点
は次のとおりであります。 第一に、
執行妨害
を排除する
観点
から、不当な
執行抗告
の制限、買い受けの申し出をした
差し押さえ債権者
のための
保全処分
の
制度等
を新設するとともに、
執行官等
の
調査権限
を強化することとしております。 第二に、
手続
の
迅速処理
を図る
観点
から、
配当期日
の
呼び出し状
の
送達方法
の
改善等
のほか、
売却
の見込みのない場合の特別の
措置
を定めることとしております。 第三に、
競売制度
を利用しやすいものにする
観点
から、買い受け人が
銀行等
からの
融資
を受けた場合の
代金納付
による
登記
の
嘱託方法
を改善し、買い受け人が
銀行ローン
を活用する道を開くこととしております。 第四に、
抵当不動産
に対する
競売手続
の
開始等
があったことを知ったときから二週間を経過したことにより
根抵当権
の担保すべき
元本
が確定した場合の
登記
について、
債務者等
の
根抵当権設定者
との
共同申請
を必要とせず、
根抵当権者
のみでこれを申請することができることとしております。 以上がこの
法律案
の
趣旨
であります。
最後
に、
特定競売手続
における
現況調査
及び
評価等
の
特例
に関する
臨時措置法案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
預金保険機構
、
整理回収銀行
及び
住宅金融債権管理機構
が申し立てた
競売手続
について、その円滑な
実施
に資するため、同
機構等
の資料を利用できるよう、
現況調査
及び
評価等
に関し
民事執行法
の
特例
を
臨時
に設けようとするものであります。 この
法律案
の
要点
は次のとおりであります。 第一に、
執行裁判所
は、
預金保険機構
、
整理回収銀行
及び
住宅金融債権管理機構
が申し立てた
競売手続
について、同
機構等
から
不動産
の
現況
を明らかにする
書面
の
提出
を受けた場合において、相当と認めるときは、
民事執行法
の
規定
にかかわらず、
執行官
に
現況調査
を命じないでこれを
現況調査報告書
にかえる取り扱いを可能とすることとしております。 第二に、
執行裁判所
は、
預金保険機構等
から
不動産
の
評価
を記載した
書面
の
提出
を受けた場合において、相当と認めるときは、
民事執行法
の
規定
にかかわらず、
評価人
を
選任
することなく、その
書面
に記載された
評価
に基づいて
最低売却価額
を定めることができることとしております。 以上がこの
臨時措置法案
の
趣旨
であります。 これをもちまして、
議員提出
四
法案
の
説明
とさせていただき、今後の
国会審議
における
議員各位
の御理解と御協力をお願い申し上げ、
趣旨説明
にかえたいと思います。
坂野重信
3
○
委員長
(
坂野重信
君) 次に、
発議者衆議院議員池田元久
君。
池田元久
4
○
衆議院議員
(
池田元久
君)
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律案
、
預金保険法
の一部を改正する
法律案
、
金融再生委員会設置法案
及び
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
及び主要な
内容
を御
説明
申し上げます。 まず、
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律案
について御
説明
申し上げます。 昨年秋の
大型金融破綻
から一年近い時間が経過しようとしております。この間、
我が国
の
金融システム
に対する内外の
信頼
は大きく失われ、今や多くの
金融機関
が
不良債権
という重い病にかかっております。その最大の
責任
はもちろん
政府
にあります。
金融機関
の病のひどさを知りながら、
国民
に対しては症状は軽いという偽りのカルテを示し、手術はもちろんとして治療さえも満足に施しませんでした。しかも、一兆八千億円という巨額のお金をかけてまで打った高価な栄養剤は全く効き目のないものでありました。 このような
状況
に対応し、
我が国
の
金融
の
機能
の安定及びその
再生
を図るため、
金融機関
の
破綻
の
処理
の
原則
を定めるとともに、
破綻
した
金融機関
の
金融整理管財人
による
管理
及び
破綻
した
銀行
の
特別公的管理
の
制度
を設けること等により
信用秩序
の
維持
と
預金者等
の
保護
を
確保
することとし、この
法律案
を
提出
した次第であります。 以下、この
法律案
の主要な
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
我が国
の
金融
の
機能
の安定及びその
再生
を図るため、新たに設置される
金融再生委員会
が主体となって、
金融機関
の
破綻処理
を二〇〇一年三月までに集中的に
実施
することとしております。その際、
破綻処理
の
原則
として、
破綻
した
金融機関
の
不良債権等
の
財務内容
その他の
経営
の
状況
を開示すること、
経営
の
健全性
の
確保
が困難な
金融機関
を存続させないものとすること、
破綻
した
金融機関
の株主及び
経営者等
の
責任
を明確にするものとすること、
預金者等
を
保護
するものとすること、
金融機関
の
金融仲介機能
を
維持
するものとすること、
金融機関
の
破綻処理
に係る
費用
が最小となるようにすることという六つの
原則
を掲げております。 第二に、
金融機関
の
財務内容等
の
透明性
を
確保
するため、
金融機関
に対して定期的な
資産
の
査定
の
実施
と公表とを義務づけることとしております。 第三に、
金融機関
が
破綻
した場合に、
信用秩序
の
維持
及び
預金者等
の
保護
を図るため、
金融再生委員会
が、
裁判所
の
認可
を受けて、
当該破綻金融機関
に対し、
金融整理管財人
による
業務
及び財産の
管理
を命ずる
処分
をすることができることとしております。 第四に、
銀行
が
破綻
した場合に、他の
金融機関等
の連鎖的な
破綻
を発生させることとなる等により、
我が国
における
金融
の
機能
に極めて重大な
障害
が生ずることとなる
事態
か、
当該破綻銀行
が
業務
を行っている
地域
または
分野
における
融資比率
が高率である等の
理由
により、他の
金融機関
による
金融機能
の代替が著しく困難であるため、
当該地域
または
分野
における
経済活動
に極めて重大な
障害
が生ずることとなる
事態
のいずれかの
事態
を生じさせるおそれがある場合は、
金融再生委員会
は
裁判所
の
認可
を受けて
当該破綻銀行
の
特別公的管理
の
開始
の決定をすることができることとしております。 第五に、
公的資金
による
資本注入
を認める
金融機能
の
安定化
のための
緊急措置
に関する
法律
は、直ちに廃止することとしております。 次に、
預金保険法
の一部を改正する
法律案
について御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
破綻金融機関
から
営業
を譲り受け、その
整理
を行うこと等を
目的
とする
整理回収機構
を設立し、
債権
の
回収等
の
業務
のほか、
整理回収銀行
及び
住宅金融債権管理機構
から引き継いだ
業務
を行わせるとともに、
預金保険機構
による
破綻金融機関
の
営業
を引き継ぐ
受け皿金融機関
への
出資
、
特例業務
の終了時における
累積欠損金
の国による
負担
、
特定合併
に係る
資金援助
の
廃止等
の
措置
を講ずる必要があることから、
提出
した次第であります。 以下、この
法律案
の主要な
内容
につきまして御
説明
を申し上げます。 第一に、
整理回収機構
は、
破綻金融機関
からその
営業
を譲り受け、及びその
整理
を行うこと、
破綻金融機関
からその
資産
を買い取り、及びその
管理
、
処分
を行うこと、
金融機関
の
更生事件
における
管財人
の
職務等
を行うこととしております。 第二に、
整理回収機構
の職員は、その
債権
の
回収
に係る
業務
を行う場合において必要があるときは、
債務者等
が所有する
不動産
に立ち入り、
現況
を確認し、その者に質問し、または
帳簿等
についての
説明
を求めることができることとしております。 第三に、
整理回収機構
は、
整理回収銀行
及び
住宅金融債権管理機構
の
営業
の全部を引き継ぎ、その
業務
を行うことができることとしております。 次に、
金融再生委員会設置法案
について御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
金融制度
及び
証券取引制度
について
調査
、
企画
及び
立案
をするほか、
我が国
の
金融
の
機能
の安定及びその
再生
を図るため
金融機関
の
破綻
に対し必要な
措置
を講ずるとともに、
銀行業
、
保険業
、
証券業
その他の
金融業
を営む
民間事業者等
についての
免許
及び
検査
その他の
監督
並びに
証券取引等
の
監視
に関する
事務
を行うため、
総理府
の
外局
として、
金融再生委員会
を設置する必要があることから、
提出
をした次第です。 以下、この
法律案
の主要な
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
国家行政組織法
第三条第二項の
規定
に基づいて、
総理府
の
外局
として、
金融再生委員会
を設置することとしております。 第二に、
金融再生委員会
の
所掌事務
及び
権限
を、
金融制度
及び
証券取引制度
の
調査
、
企画
及び
立案
をすること、
破綻
した
金融機関
の
金融整理管財人
による
管理
、
破綻
した
銀行
の
特別公的管理
その他
金融機関
の
破綻
の
処理
に関すること、
銀行業
の
免許
並びにこれらを営む者の
検査
その他の
監督
に関すること、
証券業
を営む者登録及び
検査
その他の
監督
に関すること、
預金保険機構
及び
整理回収機構
並びに
農水産業協同組合貯金保険機構
の
監督
に関すること、
日本
銀行
に関すること等とすることとしております。 第三に、
金融再生委員会
の
委員長
は、国務大臣をもって充てることとしております。 第四に、
国家行政組織法
第三条第三項ただし書きの
規定
に基づいて、
金融再生委員会
に、
金融監督庁
を置くこととしております。 第五に、
金融監督庁
に、
証券取引等監視委員会
を置くこととしております。 第六に、
金融再生委員会
に、
株価算定委員会
を置くこととしております。 次に、
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴い、
関係法律
の
整備
を図る必要があることから
提出
をした次第であります。 以上がこれらの
法律案
の
提案
の
理由
及び主要な
内容
であります。
坂野重信
5
○
委員長
(
坂野重信
君) 次に、
発議者筆坂秀世
君。
筆坂秀世
6
○
委員
以外の
議員
(
筆坂秀世
君) ただいま
議題
となりました
金融機能
の
正常化
に関する
特別措置法案
、
預金保険法
の一部
改正案
、
金融監督委員会設置法案
及び
金愚機能安定化緊急措置法廃止法案
について、その
提案理由
を
説明
いたします。
金融機関
の抱えている
不良債権
を、道理ある
方法
で解決することは、
日本経済
が直面している
重要課題
の一つであります。問題は、そのコストをだれが
負担
するのかという点にあります。もともと
不良債権
は、バブルの時期に大
銀行
などが
土地投機
など
乱脈
の限りを尽くしみずからつくったものであります。このツケを
国民
が
負担
させられるいわれはいささかもありません。ところが、この間、
政府
は、
銀行
の
責任
を追及するどころか、超低
金利政策
、
住専処理
への
税金投入
、三十兆円の
銀行支援策
など、ひたすら
公的資金
による
銀行
甘やかし策をとってきました。これが
最後
は国が面倒を見てくれるという
銀行
の
モラルハザード
をつくり出し、
不良債権
の
処理
をも先送りする結果となってきたのであります。 アメリカでは、
商業銀行
の
破綻処理
に際して、
公的資金
は一切使わず、
銀行業界
の
自己責任原則
を貫いて問題を解決しました。
日本
でも、今やるべきは
野方図
な
公的資金
の
投入
で
モラルハザード
を助長することではありません。
預金者保護
、善良な
借り手
の
保護
、
決済業務
という
金融機関
の本来
責任
を
自己責任
、
自己負担
の
原則
で行わせることです。そうしてこそ、
銀行業界
に
自己規律
が生まれ、
金融システム
への真の
信頼
をかち取ることができるのであります。 四
法案
は、以上の考え方に立脚したものであります。以下、その概要を述べます。 まず、
金融機能正常化法案
についてであります。 第一に、
法案
の
目的
で「
金融機関
の
自己責任
の
原則
にのっとり
我が国
の
金融
の
機能
の安定及びその
正常化
を図る」ことを明記し、
預金者保護
、善良な
借り手
の
保護
も
銀行業界
の
自己負担
によることとしています。 第二に、
不良債権
の
実態開示
についてであります。
不良債権
の
実態開示
に当たって重要なことは、
処理
を急ぐべき
不良債権
と善良な
借り手
を明確に区別すること、すなわち、その
融資
が投機的なものかどうかを明らかにすることであります。そのため、本
法案
では、
金融機関
に対し、
資産査定
結果とあわせて
貸付資金
の使途についても
金融監督委員会
に報告させ、自主開示する義務を負わせるとともに、
虚偽報告
には厳しい
罰則
を科すこととしております。 第三に、
破綻処理
は、
金融監督委員会
の
指導監督
のもとに
預金保険機構
が行うこととし、
破綻金融機関
の
営業譲渡
のあっせんや
営業譲渡先
が未定である
破綻金融機関
の
業務
を一時的に引き継ぐ
承継銀行
の設立、
出資
をできることとしています。もちろん、その
費用
は
銀行業界
の
自己負担原則
を貫くこととしております。 また、
預金保険法
一部
改正案
によって、
金融機関
の
破綻処理
や
不良債権処理
への
税金投入
の仕組みをすべて廃止します。
銀行
の
破綻処理費用
は
銀行業界
の
負担
で行うべきであることから、
預金保険機構
の
資金
は
保険料
で賄うこととし、
資金
が不足すれば
保険料
を引き上げることで財源の充実を図ります。また、
保険料率
、
特別保険料率
を定める際には、
中小金融機関
に配慮することとしています。 次に、
金融監督委員会設置法案
についてであります。
金融監督委員会
は、
金融機関
に
公共的役割
を果たさせ、貸し渋りや
投機的業務
など
乱脈経営
を許さず、
金融機関
と
金融業界
の健全な体質を
確保
することを主たる任務とし、そのため
健全経営
に関するガイドラインの策定、
金融機関
の
検査
・
監督
、
預金保険機構
の
監督
、
金融行政
に対する
苦情処理等
を行うこととしています。
最後
に、十三兆円の
資本注入策
を文字どおり全廃し、それに類似した
資本注入策
を一切退ける立場から
提出
しているのが
金融機能安定化緊急措置法
の
廃止法案
であります。 以上が
日本共産党提出
の四
法案
の
提案理由
ですが、
委員各位
の御賛同をお願いいたします。
坂野重信
7
○
委員長
(
坂野重信
君) 以上で十二案の
趣旨説明
の聴取は終わりました。 次に、
衆議院提出
の
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
、
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
、
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律案
、
金融再生委員会設置法案
、
預金保険法
の一部を改正する
法律案
及び
金融再生委員会設置法
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
、以上六案は
衆議院
において修正されておりますので、
衆議院
における
修正部分
について順次
説明
を聴取いたします。
修正案提出者衆議院議員保岡興治
君。
保岡興治
8
○
衆議院議員
(
保岡興治
君) ただいま
議題
となりました
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
及び
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
に対する
衆議院
における
修正部分
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 初めに、
債権管理回収業
に関する
特別措置法案
に対する修正につきましては、第一に、本法が
金融機関等
の
不良債権処理
が現下
喫緊
の
課題
となっている
状況
に対応するためのものであることを明記することといたしました。 第二に、取扱対象
債権
につき、原案で
規定
されていたもののうち、貸金業者の有する貸付
債権
については、
金融機関
系列の貸金業者が有する
不動産
担保つき事業者向け貸付
債権
に限定することといたしました。 第三に、悪質な取り立て
行為
を防止し、
債務者
の人権を擁護するとの
観点
から、
債権
回収
に当たり、偽りその他不正な手段を用いることの禁止、利息制限法に違反する約定のなされた
債権
の
回収
の禁止、貸金業者から借り入れて弁済することを要求する
行為
の禁止、
法律
上支払い義務のない者に対する請求の禁止等、従来省令で
規定
する予定であったものなどについて可能な限り具体的に法文に盛り込むこととしてその明確化を図った上、
暴力団員等
の使用、白紙委任状の取得及び虚偽広告の禁止について新たに
罰則
を設けることといたしました。 第四に、本
制度
については
金融機関等
の有する
不良債権
の
処理
に焦点を合わせた
制度
としてまずは導入するものであることから、五年後をめどとして
実施
状況
等を勘案して検討を加え、必要な
措置
を講ずることといたしました。 次に、
金融機関等
が有する
根抵当権
により担保される
債権
の
譲渡
の
円滑化
のための
臨時措置
に関する
法律案
に対する修正につきましては、第一に、
我が国
の
金融システム
の一環を構成する保険会社について、これを原案の適用対象となる
金融機関等
に加えることといたしました。 第二に、
金融機関
の
資産
の買い取りを行うこととなる
住宅金融債権管理機構
について、これを原案の適用の対象となる特定
債権回収機関
に加えることといたしました。 以上であります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願いいたします。
坂野重信
9
○
委員長
(
坂野重信
君) 次に、
修正案提出者
衆議院議員
池田元久
君。
池田元久
10
○
衆議院議員
(
池田元久
君) ただいま
議題
となりました各案に対する
衆議院
における
修正部分
につきまして、その概要を御
説明
申し上げます。衆法の五から八だと思います。 まず、
金融機能
の
再生
のための
緊急措置
に関する
法律案
に対する修正について御
説明
申し上げます。 第一に、
金融機関
の
金融整理管財人
による
管理
及び
銀行
の
特別公的管理
の
制度
のほか、
破綻
した
金融機関
の
業務
承継の
制度
を設けることとしたこと。 第二に、
金融整理管財人
による
管理
及び
特別公的管理
について、
裁判所
の
認可
を受けるという要件を削ったこと。 第三に、
金融再生委員会
は、
銀行
が
破綻
するおそれが生ずると認める場合は、
特別公的管理
の
開始
決定をすることができること。 第四に、
預金保険機構
による
金融機関等
の
資産
の買い取りに関する
緊急措置
を設けること。 第五に、
預金保険機構
の
業務
の
特例
として、
破綻金融機関
、
承継銀行
、または本法の
規定
に基づき
特例
資金援助
または損失の補てんを受けた
特別公的管理
銀行
の
受け皿金融機関
に対し、
資本注入
をできることとすること。 次に、
金融再生委員会設置法案
に対する修正について御
説明
申し上げます。
金融再生委員会
の
所掌事務
及び
権限
を、
金融
破綻処理
制度
及び
金融
危機
管理
に関する
調査
、
企画
及び
立案
をすることとし、
金融制度
及び
証券取引制度
の
調査
、
企画
及び
立案
をすること及び
日本
銀行
に関すること等を削ったこと。 以上であります。
最後
に、野党三会派が
提出
したこれらの
法律案
は、与野党により修正を加えられた上、
衆議院
で可決をされました。国会が立法府としての
責任
を果たし、この国会で
金融
再生
のための道筋をつけることができるとすれば、
日本
発の
金融
恐慌は起こさないという世界に向けたメッセージが初めて説得力を持つこととなります。 どうか、
委員各位
の御賛同をお願い申し上げるとともに、速やかに御可決をいただきますようお願い申し上げます。
坂野重信
11
○
委員長
(
坂野重信
君) 以上で
趣旨説明
及び
衆議院
における
修正部分
の
説明
の聴取は終わりました。 十二案に対する質疑は後日に譲ります。 明日は午前九時三十分に
委員
会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 —————・—————