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橋本聖子君
橋本聖子でございます。
意見を述べさせていただきます。
この
共生社会という
言葉自体まだなじみの薄い
言葉だと
思いますが、これから二十一
世紀を迎えるに当たりまして、人々がお互いを本当に尊重し合って、平等に安心して暮らしていける
社会を築く必要があると私は思っております。改めて
基本的な
共生社会という
言葉の持つ
意味の深さを考える時期が来ているように
思います。立場や条件が違う人々が同じ
社会で生活していく上でいろんな問題が生じますけれども、その問題をしっかりと見据えて解決できる方法を探っていきたいと思っております。
男女共同参画社会に関しまして、私が参議院議員に初当選して間もなくなんですけれども、第四回の世界
女性会議が北京で開催されました。その
会議に私も
参加させていただきまして、
女性をめぐるさまざまな問題が浮き彫りにされていくことを目にいたしましたときに、日本のみならず世界じゅうで
女性の問題について語り合い、私
自身もこんなに多くの問題を抱えていることに驚きました。他国では同じように国によって
男女差別といいますか、
女性が虐待されたり習慣や風習などで、
法律の
整備だけでは済まされない奥の深い問題が多くあることも改めて認識いたしました。
私
自身は、過去オリンピックに何回か出させていただきまして、長くスポーツ界におりまして、幸いにも周囲の方やまたコーチや家族もオリンピックというスポーツをやっている目標に向かって、
女性だからというようなことで差別を受けることがなく挑戦できたのは、
自分にとっては幸せだったというふうに思っているんですけれども、夢を追い続けてこられたのがよかったのではないかなというふうに
思います。現在も
女性選手がたくさん日本でも世界に向けて記録へ挑戦していってくれておりますけれども、
共生社会という観点からスポーツ
社会を見てみますと、まだまだ多くの問題があります。
男女共生という面から考えましても、スポーツ界には多くの団体や協会や連盟というものがあるんですけれども、その中で
女性の役員の登用が少なく、ほんの一握りといったところなんです。
女性指導者の育成の問題もあると
思いますけれども、絶対数が足りないというのが非常に問題になっております。
男性と
女性ではやはり肉体的に違いがありますので、
女性同士といいますか同性でなければわからない問題がたくさんあります。以前に比べましても
女性の
参加が認められることが多くなって、やる気があれば現実にチームをつくることもできますし、試合やまた競技数もふえてきましたので、
女性の指導者というものもしっかりと育成していかなければいけないのかなというふうに思っております。
実力が評価される
部分が大きいものですから、日本のほかの
分野の
社会よりはまだ恵まれているかもしれませんけれども、外国の方に比べますと、
男女共生ということでははるかに日本はまだおくれておりますし、障害者スポーツの面でも充実した
施設が多くありまして、
共生社会に対する認識の深さというものはまだまだ外国に学ぶところがあるというふうに思っております。
そういうような認識の深さからくるものだと思うんですけれども、すごくいいアイデアが生まれて、
実現もしやすくなっていくんじゃないかなというふうに海外遠征で
思いました。特に、
女性が気軽にスポーツをするために育児という問題が解決されなければいけないという面で、スポーツジムにも託児所があったりコインランドリーがあったりということで、非常にすばらしいアイデアが生かされているなということを知りました。
また、余り知られていないことだとは思うんですけれども、スポーツ界で性の分類といいますと、
女性か
男性というのではなくて、
女性か
女性以外かということに正式にはなっております。大きな大会、例えばオリンピックですとかアジア大会になりますと、
女性の検査というのがありまして、フェミニニティーコントロールというんですけれども、このコントロール、例えば口の中の粘膜をとったりですとか毛根で染色体等を調べたりするんですけれども、そういうようなチェックを受けて
女性だという判断が下されなければ、そのカードをもらわなければオリンピックに出られないという規則がありまして、私、過去十回受けて、世界で一番
女性だという証明を受けている一人でもあるんです。
そういう
意味で、生物学的な性を
基本にしていまして、出生時に性を間違えてしまうということもあって、理学的に心理的性が生物的性と一致しないということもあって、性転換手術に踏み切る方もいるんですけれども、本人にとって
社会生活が不幸にならないように、スポーツ界でもしっかりと、別な
意味の
男女というものに対して認識を新たに解決していかなければいけない問題があるなということを感じました。
一般に、
女性が働いたり
子供を産んだりするときに大きな壁がたくさんありますけれども、同世代の
女性の悩みを聞きましても、育児休暇の問題、保育園の問題、
家事の
分担、
女性だけが我慢していては問題が解決しないところがたくさんありますので、私
自身も諸先生の御
意見等を聞きながら
勉強させていただきたいというふうに思っております。
自由民主党の
女性に関する特別
委員会の
委員長もさせていただいておりまして、
男女共同参画社会基本法をしっかりつくり上げて、二〇〇〇年六月のアメリカでの第五回世界
女性会議に向けてしっかりと法をつくり上げていかなければいけないと思っておりますので、ぜひ御指導のほどをよろしく
お願いします。
ありがとうございました。