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1998-10-08 第143回国会 参議院 外交・防衛委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年十月八日(木曜日)    午前十時開会     —————————————    委員異動  十月八日     辞任         補欠選任      木俣 佳丈君     浅尾慶一郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         河本 英典君     理 事                 依田 智治君                 吉村剛太郎君                 柳田  稔君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 岩崎 純三君                 亀谷 博昭君                 佐々木知子君                 鈴木 正孝君                 村上 正邦君                 森山  裕君                 浅尾慶一郎君                 齋藤  勁君                 吉田 之久君                 続  訓弘君                 立木  洋君                 田  英夫君                 田村 秀昭君                 山崎  力君     国務大臣         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 額賀福志郎君     政府委員         防衛庁長官官房         長代理     伊藤 康成君         防衛庁防衛局長 佐藤  謙君         防衛庁人事教育         局長      坂野  興君         防衛庁装備局長 及川 耕造君     事務局側         常任委員会専門           員       櫻川 明巧君     —————————————   本日の会議に付した案件防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 河本英典

    委員長河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。     —————————————
  3. 河本英典

    委員長河本英典君) 議事に入るに先立ち、額賀防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。額賀防衛庁長官
  4. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) おはようございます。  一言ごあいさつを申し上げます。  各先生方には、いわゆる証拠隠し疑惑につきまして、九月中旬の報道以来、防衛庁といたしましても、事務次官を長とする四社事案関連文書管理実態に関する調査委員会におきまして、事実関係徹底究明に向け全力を注いできたところであります。  私といたしましては、今国会中を努力目標として中間報告をまとめさせていただきたいと申し上げてまいりましたが、聞き取りを進めるに従いましてあらわれてきた新事実、矛盾点などを十分調査する必要が生じ、極力正確に御報告を申し上げたいという観点もありまして、残念ながら国会の当初会期内までに公表することができなかったところであります。  現在、鋭意作業を進めておりますので、十月十四日までには中間報告ができるようにいたしたいと思いますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
  5. 河本英典

    委員長河本英典君) 防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明聴取いたします。額賀防衛庁長官
  6. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提出されました一般職職員給与に関する法律及び一般職任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて防衛庁職員給与改定を行うとともに、自衛官俸給表陸将、海将及び空将の欄または陸将補海将補及び空将補の(一)欄の適用を受ける自衛官以外の自衛官に係る調整手当支給割合改定を行うものであります。  すなわち、第一点は、一般職職員の例に準じて参事官等及び自衛官俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校学生学生手当改定を行うとともに、営外手当についても改定することといたしております。  第二点は、自衛官俸給表陸将、海将及び空将の欄または陸将補海将補及び空将補の(一)欄の適用を受ける自衛官以外の自衛官に対する調整手当制度について、その充実を図っていくため、自衛官俸給改定との兼ね合い等を総合勘案し、当該自衛官に係る調整手当支給割合改定することとしております。  以上のほか、附則において、施行期日適用日俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。  なお、事務官等俸給並びに扶養手当医師及び歯科医師に対する初任給調整手当単身赴任手当等につきましては、一般職職員給与に関する法律の改正によって、同様の改定防衛庁職員についても行われることとなります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  7. 河本英典

    委員長河本英典君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  これより本案に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 柳田稔

    柳田稔君 おはようございます。  この給与等に関する法律質問をする前に、先ほど長官の方からお話がありましたとおり、十月十四日までに中間報告をお出しするとはっきりと明言していただきました。今日まで、九月いっぱいとかきのうまでとかいうお話が何回かあったわけですけれども、今度はしっかりと守っていただきたい、しっかりと出していただきたい、そう思います。この会期も来週いっぱいになりましたので、あと一週間ですか期間は、提出まで。  再度お聞きしたいんですけれども、この臨時国会が終わった後、今度はガイドラインがかかりますね、この委員会に。そうすると、それまでにはできるだけ中間報告というよりははっきりとした結論を出して、そして新たな体制を固めて、そして国民防衛庁はここまでやったよと、国の安全を守るために再度立ち上がるんですと、ガイドラインも必要なんですというふうな格好に持っていかなきやなりませんので、再度お伺いしますけれども、しっかりとした中間報告を出していただきたいと思いますが、長官どうでしょうか。
  9. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、柳田先生から御指摘をいただきました。九月いっぱいと申し上げたのは、私、個人的な願望を言ったのを新聞がそういう話をいかにも約束したかのごとく書いたと思っております。  今国会中にということは委員会におきましても努力目標として申し上げたことは事実でありますし、またその点については事務局を叱咤激励してできるだけその方向で努力をしていきたい、これは休日返上でやってきたということもぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。  ウサギカメではありませんけれども、早ければ正確を期すことができるかできないか、そういうこともあり、私はカメのごとく正確に確実に目標に到達するという考え方でやっていきたいというふうに思っておりますし、もちろんできるだけ早くやらなければならないことはよく承知をしております。したがって、十四日までには何とかその時点で、わかっている範囲で整理をさせて御報告させていただきたいというふうに思っております。  したがって、柳田先生からさらに次の、これからの国会日程等々にまで及んで御配慮ある御発言をいただきましたが、しっかりと受けとめて対応をさせていただきたいというふうに思っております。
  10. 柳田稔

    柳田稔君 最近の新聞は、金融再生の問題と今回の防衛庁一連事件、この二つが大きな目玉になっています。あれを防衛庁職員が、制服組も含めてですけれども、見ると、だんだん意識が萎縮するというか、士気が低下するというか、そういうことにも今なっているんではないかなと、そう思うんですけれども、それについては長官はどういうふうに感じられておりますか。
  11. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 言ってみれば前の調達本部長及び副本部長が再逮捕され、防衛庁が三回も強制捜査を受けるということは前代未聞のことであり、防衛庁職員にとりましてはこんな衝撃的なことはないだろうというふうに思っておりますし、自分もそう受けとめております。  しかしながら、これはやっぱりきっちりとこれまでの問題についていろいろとどこに課題があるのかということを国民の前にあらわし、そして再びこういうことが起こることがないようにするためにはどうしたらいいかということをまた国民皆さん方に提示をしていく。そして、しかもなおかつ時々刻々防衛問題というのはいつときも休むことなく我々は遂行していかなければならないという現実の問題もあるわけでありますから、きっちりと我々の職務、任務というものは何であるかということを絶えず足元を見ながらきっちりと見定めて対応していかなければならない。  この二つ責任を果たしていかなければならないということについて、陣頭指揮でやらせていただきたいというふうに思っております。
  12. 柳田稔

    柳田稔君 先ほど国会日程のことも言いましたし、今隊員の士気のことも申し上げましたけれども、そんな余裕のある状況ではないというのも長官はおわかりだと思います。  ですから、カメのようにというよりは、しっかりやらなくちゃいけないし、もう時間がそうないんですよという認識を持っていただきたいと思うのです。だから、そういう意味も込めて十四日までにお出ししていただいて、この委員会の場でそれなりの議論をして、できるだけ早く、これはもう迫っていますので、その意識をもっと強く持っていただきたいと、そう思います。
  13. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ウサギカメの話をしましたが、ウサギのように早く、カメのように正しくやらせていただきたいと思います。
  14. 柳田稔

    柳田稔君 そしてもう一つ、今回の事件にも関連するかと思うんですけれども、五十五歳で定年ですね。そうすると、五十五歳で定年というと子供が大学に行く、そんな時期にも当たるので、定年問題についても一回考えてみる必要があるのかな、そう思ったりもしているんですけれども長官、どのように考えられますか。
  15. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私の大臣就任直後にこの問題が起こって、昨年の九月から東通問題が表に出て一年近くになっておるので、今後のことを考える際に、この調達システムをどうするかということと、それから中長期的に自衛隊の今後のあり方、自衛隊のライフサイクル、自衛隊の再就職という問題についても一つ考え方を持っていなければ、これは十年、二十年たったときにどうなるのかということにもなりかねないので、その問題を勉強していこう、研究していこうというふうに思いまして、自衛隊の再就職問題についての検討委員会のメンバーも決まったし、近々第一回の会合を開かせていただきたいというふうに思っているところであります。
  16. 柳田稔

    柳田稔君 しっかりやってもらいたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  17. 高野博師

    高野博師君 最初に、防衛庁の背任事件問題についてお伺いいたします。  前回の十月一日の当委員会藤島官房長更迭理由を伺ったのですが、その際には職務遂行支障を来すおそれがあるためということで更迭をしたというのが長官説明でありましたが、同じ日の秋山次官記者会見によれば、藤島官房長東京地検特捜部家宅捜索直前自宅に持ち帰っていた内部資料を廃棄していたというような事実が明らかになっているのですが、この内部資料の中には水増し請求問題の経過報告書とかあるいは事情聴取を受けた職員からの供述内容を聞き取ったいわゆる青本というか青ファイルコピーが含まれていた、こう言われているのですが、もう一度、更迭理由は何でしょうか。前回と変わりませんか。
  18. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 九月二十九日に藤島官房長につきまして官房長の職を解き、参事官として、つまりいわゆる事実上の官房付にいたしました。これは、当時藤島官房長事情聴取を受けたという報道もあり、しかもなおかつその後私は藤島官房長事情聴取されたことを確認いたしたわけでございます。  藤島官房長は、御存じのとおり、官房長として内局文書についての統括責任者であります。したがって、本来ならば先頭を切ってこのいわゆる証拠隠し疑惑について事実解明をしていかなければならない立場にあるわけでございます。しかしながら、そういう事情聴取を受けたという事実関係からして、事実解明をしていく上に当たって何らかの支障を起こすようなことがあってはならないということ、また防衛庁としてのさまざまな仕事のかなめにもいるわけでありますので、防衛庁の本来の職務支障が起こるようなことがあってはならないということを考えたときにこの措置をとらせていただいたわけでございます。
  19. 高野博師

    高野博師君 どうもそういう理由ではなくて、内部資料を廃棄したという、これは重大な事実が明らかにされているわけで、更迭理由はまさにこれではないかと思うのですが、そうじゃないという理由は全く理解できません。そこはどうでしょうか。要するに証拠隠滅をしたおそれが十分ある、疑いがあるということがこの更迭理由と違うのでしょうか。簡単に答えてください。
  20. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 藤島官房長自宅書類コピーを持ち帰って一読した後不要になったので破棄をしたということは聞いております。それの詳細については目下ほかのこととも含めて調査をしているところであります。
  21. 高野博師

    高野博師君 この委員会質問をしていろんな理由をただした後に記者会見で別な事実を新しく出すということは、我々はマスコミ情報を追ってその情報をここで確認しているわけじゃないので、防衛庁はこの場できちんと正確な情報を我々に出すべきではないかと思うのですが、まさに国会軽視ではないかと思うのです。その点についてはどうでしょうか、長官
  22. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私どもといたしましては、できるだけ本人等から確認したことについてはオープンにしているつもりであります。いささか時間的に皆さん方に御迷惑をおかけしたようなことがあったとすればおわびをいたしますけれども、原則的にはオープンにするという姿勢で対応させていただいているということについてぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
  23. 高野博師

    高野博師君 そこのところがよく理解できません。秋山次官は、藤島官房長田中義人さんですか、副本部長関係資料自宅に持ち帰っていたと。この田中さんも同じように資料を廃棄していたのでしょうか。
  24. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) 御指摘田中契約原計第一担当前副本部長でございますが、につきましては破棄をしていたという事実は今のところ聞いておりません。それぞれまた役所に持ち帰ったなり、あるいは検察当局に任意で提出をしているというふうに承知しております。
  25. 高野博師

    高野博師君 伊藤官房長代理も、資料を持ち帰った職員がほかに数人いるということを記者会見で言っているそうですが、だれなのでしょうか。
  26. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) かねて複数の者が書類を移動しているということにつきましては国会でも御説明してきたところでございます。それで、今例えば数名の者の実名を挙げたわけでございますが、それ以外にも聞き取りの中で何人か出ておることは事実でございますが、それらの者につきましては、そのランク等関係もございますので、ここで名前は控えさせていただきたいと思います。
  27. 高野博師

    高野博師君 いわゆる青本というか青ファイルが約十部ぐらい石附元副本部長がつくられて最高幹部に配った、こう言われているのですが、最高幹部とはだれに配ったのでしょうか。
  28. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) 先般、青ファイルということにつきまして先生から御質問をいただきました。その後私ども調査をしておりますが、これの中身でございますけれども、いわゆる四社事案経過あるいはこの事案に関していろいろ事情聴取を受けた者からの聞き取りメモ、あるいは会社関係者等から聞いた情報、それらをいわば集大成と申しますか、集めたものを俗称そのように言っているようでございます。私ども、そのようなものにつきましてどのくらいつくられたのかと。一部の報道には、先生指摘のように、十数部でございますか、そういうような報道があるわけでございますが、現在そこはなお確認中でございます。  なお、これまでに例えば藤島官房長等名前が挙がっているわけでございますが、そのような内局幹部クラスあるいは調達実施本部幹部、また若干の事務方の者も持っておったようでございます。
  29. 高野博師

    高野博師君 詳細は中間報告でこれは公表されるのだと思いますが、この中間報告あるいは最終報告に基づいて防衛庁自浄能力があるということを示す必要があるんだと思うんです。  そしてまた、責任を明確化する、けじめをつけるという意味では、調査結果を踏まえて防衛庁自身での処分が当然あるんだと思うんですが、この点は処分があると理解してよろしいんでしょうか。
  30. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、中間報告をまとめているところでございますけれども処分の場合は一連調査がまとまった上で、事実関係を明らかにした上で処分をするのが適切であろうというふうに思っております。事実関係がわかり次第、厳正な措置をさせていただきたいというふうに思っております。
  31. 高野博師

    高野博師君 わかりました。  ぜひ、今おっしゃられたような厳正な処分を行って責任の所在を明確にするということは極めて重要だと思いますので、その点を強調して、質問を終わります。
  32. 小泉親司

    小泉親司君 日本共産党小泉でございます。  先ほど同僚委員からも繰り返しお話がありましたように、この証拠隠滅問題については、私の前回質問でも会期内とおっしゃっていたものでありますので、十四日に出すということですから、その点はきちんと出していただきたい。特に私も繰り返しお話をいたしましたが、先ほど同僚委員からもお話がありましたけれども国会捜査中ということを理由にして答弁をしないで、その後の記者会見で次々と証拠隠滅問題の報告をするというのは、やはり国会軽視であって、その点ではきちんと報告を出していただきたいし、今までの答弁をまとめて出すというようなことでないように、調査したものをしっかりと出していただきたいというふうに思います。  そこで、まず官房長代理にお尋ねいたします。この前の衆議院委員会で前官房長自宅に持って帰った資料、この点を御答弁されましたが、何と何を持って帰ったのか、その点をまず初めにお聞きします。
  33. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) 藤島官房長自宅に持ち帰りましたのは、日常いろいろなものを持ち帰っているようでございますが、今回の関係で申し上げますと、先ほど説明申し上げましたいわゆる事案経過をまとめたファイルがあったようでございます。そのほかに想定問答集等があったというふうに聞いております。  その中で破棄いたしましたのは、一読後不要ということで事案経過をまとめたファイル破棄したということでございます。
  34. 小泉親司

    小泉親司君 例えば、あなたもそういう資料というのは自宅に持ち帰ることが通常ございますか。
  35. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) これは多分個人の仕事の仕方だろうと思います。私ももちろん昼間忙しい場合に翌日必要な資料を家に持ち帰るということがございます。そして、家で読みまして持ち帰るということは当然ございます。人によっては何日間かそれを置いておく方がいらっしゃるという話も聞いております。  また、それを一たんまた役所へ持って帰るのか、あるいは自宅破棄するのか、これも書類の性格にもよるとは思いますけれども、それぞれ人によって違うのではないかと思います。
  36. 小泉親司

    小泉親司君 私は、職員から聞き取りをした資料などを自宅に持ち帰るなんというのはどだい信じられない話だというふうに思います。  この点では官房長代理想定問答とおっしゃいましたけれども、これはどういう想定問答なんですか。衆議院では国会答弁云々かんぬんとおっしゃられましたけれども証拠隠滅関係についての国会答弁なんですか、それともいわゆる検察庁関係での想定問答じゃないんですか。その辺、何の想定問答集なのか。実際に一緒に青ファイル等も持ち帰ったんですから、そこのところをはっきりさせていただきたいと思います。
  37. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) 私が聞いておりますのは、国会とか一般の通常、新聞マスコミ等に答える場合の想定問答集と聞いております。  なお、先生検察当局云々というふうにお話しになりましたが、少なくとも現段階では私はそのような種類の想定問答集があったとは聞いておりません。
  38. 小泉親司

    小泉親司君 今度の防衛庁捜索事務次官室が新たに捜索対象に入りましたね。この点ではどういうことが想定されるんですか。
  39. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) 大変恐縮でございますが、防衛庁家宅捜索が入ったということは公知のことでございますが、その中で具体的にどこということにつきましては、これは捜査当局の方からも必ずしも公表すべきではないというふうに聞いておりまして、個々のお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  40. 小泉親司

    小泉親司君 次に、NECの問題に入ります。  一昨日ですか、東通に続いて日本電気の子会社ニコー電子の役員が逮捕されて、NECグループが組織的に水増し請求を図った事実が明らかになって、この事件自体非常に大きく拡大しているところであります。しかも、報道されているところでは、NEC本体も五年間で百億円以上の水増し請求があるというふうに指摘されております。  私は、このNECの徹底的な調査を改めて行うべきだというふうに考えておりますが、防衛庁長官は一昨日の衆議院委員会でも、九年度から制度調査を実施した、ことしの三月に府中事業場、八月に横浜事業場調査したというふうに答弁をされております。  私、そこでお尋ねしますが、東通事案が起訴され、ニコー電子関係者が背任で逮捕されたというそういう時点に立てば、私は今の制度調査の事態というのは全く変わっているものでありまして、やはり防衛庁自身、八月の段階ではいろんな基準がないからいろいろ問題があるんだということを言ってきたわけですから、その点からすればNEC幾ら制度調査でことしの三月、八月、府中事業場横浜事業場をやったからといって、これで私は解消される問題ではないと。今新たな段階に入っているわけですから、改めてNEC調査、特に特別的な調査をやるべきだというふうに考えますが、長官、いかがでございましょうか。
  41. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、平成九年度から制度調査を行っておりまして、小泉委員が今おっしゃるように三月に府中事業場、八月に横浜事業場を行っているわけでございます。  当然、今までの東通案件において返還額算定根拠が言ってみれば崩れていったわけでありますから、制度調査を行っていく上に当たってもそういうことを念頭に置きながら調査が進められていっているというふうに思います。その上でこの二百八十社について調査を進めていることであり、これはNECばかりではなく、当然全体にわたって明らかにしていくことが大事であるというふうに思っております。  当然、当面の問題としてNECが大きな関心事項になっておりますから、そういうことについて調査をする場合も我々は注目していかなければならないというふうに思っておりますが、実際問題としてニコー電子等については捜査が着手されていっているわけでありますから、我々もそういう捜査支障のない範囲でいろいろとみずからの調査を展開していかなければならないというふうに思います。
  42. 小泉親司

    小泉親司君 東通事案の起訴状、それからニコー電子の背任事件概要、この二つを読みますと共通点が一つあるんです。それは何かといいますと、いわゆる宣伝広告費や交際費などの一般管理費、販売費を、いわゆる非原価と言われるもの、それを算入していたということは共通した問題なんですね。  こういう点では、NECグループつまり日本航空電子でありますとかニコー電子東通、こういったところはこういう非原価項目をいわゆる原価に算入していたということは常態化しているんじゃないんですか。
  43. 及川耕造

    政府委員(及川耕造君) まさに今、制度調査等で調査中でございますので、まだその結果が出ておりません。その調査を待ちたいと思っております。
  44. 小泉親司

    小泉親司君 じゃ、そういうことを調査しているということですね。
  45. 及川耕造

    政府委員(及川耕造君) ちょっとただいまの御質問を私少し取り違えまして失礼いたしました。  ニコー電子、まさに起訴あるいは逮捕の事由として返還額の算定に当たって非原価を入れたということでございますので、NEC自体はまだ返還とかなんとかという話になっておりませんので、そういう点ではちょっと問題点が違うのではないかというふうに存じます。
  46. 小泉親司

    小泉親司君 だって、二つ事案一般管理費を算入したということが起訴ないしは事件の最も大きな中心になっているわけでしょう。この点では共通しているわけでしょう。そういう点は常態化していないか。いわゆる非原価項目を原価に算入したということは実態としてあり得ないんですか。
  47. 及川耕造

    政府委員(及川耕造君) NECに何らかの過払いを行って、それを返還させるに当たりまして、防衛庁の方が計算の根拠の中に非原価項目を入れたかどうかということになろうかと思うんですが、今NECとの間で返還をさせるどうのこうのという話が御案内のとおりございませんので、したがいまして、この起訴ないし逮捕理由はまさに返還額の算定の中でそういう項目を入れたということでございますから、NEC自体がどうのこうのというのはまだそういうことではないのではないかと思います。
  48. 小泉親司

    小泉親司君 最後にいたしますが、この上申書の中にそのことは非常に明確に書いてあるんですよ。  どういうふうに書いてあるかといいますと、「広告宣伝費・交際費については、予定価格算定の訓令上調達物品に直接関係のない物品に対するものが非原価として規定されている。」。つまり、訓令上は広告宣伝費、交際費は非原価なんだと。「しかしながら、原価計算基準においては企業存続のため必要な経費として原価性があるものと位置付けられていることから、実際に発生した経費としてこれを計上したものと思料される。」と。つまり、訓令はだめだと言っているんだけれども、実際に原価計算の中に広告宣伝費や交際費は含まれていたわけでしょう。  だから、そういうことが常態化していたということはこの上申書の中でも明確になっているわけですから、その点で改めて長官にこういう点も含めて、NEC、日本電気その他の一般契約、確定契約の分についてもきちんとした特別の調査をすべきだというふうに私は思いますが、改めて長官にその点をただしておきたいというふうに思います。  以上で終わります。
  49. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、個別の問題について一つ一つ全部を把握しているわけではありませんけれども、膨大な契約件数について一つ一つどれが原価で非原価という作業というよりも、全体の総合的な決算書類に基づいて返還額を算定したという基本的な考え方があったというふうに聞いておりまして、そういう中に今、小泉議員が御指摘のようなケースが起こってきたわけでございますので、今後こういう算定の仕方については我々はちょっと問題ありというふうに認識をしなければならないので、今後の制度調査に当たっては注意していく必要があるというふうに思っています。
  50. 山崎力

    ○山崎力君 今回の問題で一連長官発言から見て、ちょっと問題があるのかなと思っていた点が一つございます。  というのは、中間報告に関してなんですが、中間報告というのは何のためにあるのか。最終報告まで非常に時間がかかる。そうすると、その事案についての結論は出るんだけれども、その間にそれの対応策をそれぞれの立場の者が考えなきゃいかぬ。そのベースになるデータをその判明時点までに出すというのが中間報告の趣旨だと思うんです。だとすれば、一応省庁として、役所としてその行政並びにそういうやっていることの中身についての報告を求められるわけですから、その対象というのはあくまでも国会なわけで、その国会会期中のある時点中間報告を出すことによって、役所だけではなくて国民の代表としての我々にその内容を提示して、そこでその対処方をみんなで考えようというのが中間報告の趣旨だと私は思うんです。  そういう点で、ようよう延長になったということで間に合って、十四日までということで最低限のラインは踏みとどまったわけですけれども、まさに必要とされる時点までに判明した事実を報告し、何が判明されていないか、今後最終報告までに詰めるのかということを明らかにする、そういった中間報告というのが延び延びになったということは我々にとって非常にいらいらのもとであったし問題でなかったのかと私は思っているんですが、その辺について長官、いかがでございましょうか。
  51. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 御指摘の点はよく理解できるところもあり、また我々もいろんな人の聞き取り調査をしてきたわけであります。二百人余りになるわけでありますけれども、前も言いましたが、それぞれの矛盾点や食い違いについて、これをどういうふうにフォローしなければならないかとか裏づけをとるとかいう作業もありましたし、急いで誤ったことを申し上げてもこれは我々の責任にもなりますし、そういう意味では、早くやりたい、しかし正しくなければならないという思いもありました。  しかしながら、会期中を努力目標というふうに掲げさせていただきまして、我々もできる限り作業を進めさせていただいたと。今委員の御指摘のとおり、十四日までにわかっている範囲内で報告をさせていただき、御議論をいただきたいというふうに思っております。
  52. 山崎力

    ○山崎力君 言葉じりの問題はこれ以上余り言いたくないんですけれども、まさに間に合わなければ中間報告意味が余りないということを考えていただければ、努力目標というよりも中間報告する以上は絶対の目標でなければいけないと私は思いますので、その点、今後に生かしていただきたいと思います。  それからもう一つ、今同僚議員からの話もありましたけれどもコピー自宅に持ち帰って処分した云々という話がありました。これは一般的にいってほかの省庁でもないわけではないんですけれども、一応、最も機密度の高いものを扱う防衛庁として、内局とはいえ機密度においてはむしろ制服の扱うものより高い部分はあるわけで、その辺の取り扱いのところが、いわゆる上層部の良識というか、言葉をかえれば自分の判断に任せられている部分があるのではないかという気がするわけです。  自宅処分したものが大したものかどうかは、これはわかりません。しかし、そういった意味において、仕事の性質上持ち帰るなとは言いませんけれども、それはあくまでもほかのところと違った、中身によってはそれこそ特殊なかばんに入れて必ず本庁に持ち帰るとか自宅において絶対破棄しないとか、そういう内部規約を制服組だけでなくて内局の方々にもこの際もう一回点検する必要があるんじゃないかなという感覚を持ったのですが、その辺はいかがでしょうか。
  53. 伊藤康成

    政府委員伊藤康成君) ただいま先生指摘のとおりでございまして、書類内容等いろいろその種類が当然あろうかと存じます。  当然のことながら、秘文書等につきましては、これはもう制服の方ばかりではなく内局職員につきましても同様に厳しい規制がございまして、みだりに部外には持ち出せない、どうしても必要な場合には先生がおっしゃったような特殊な箱に入れる等の厳密な手続をとることになっております。  そこで、それ以外の、通常いろいろな資料が私どもの方に入ってくるわけでございまして、それらにつきましては、その種類が非常に雑多でございますので必ずしも一律の規定はできない、むしろそれぞれの官僚の常識の問題かと存じます。
  54. 山崎力

    ○山崎力君 きょう議題になっております給与の問題なんですが、これは制服、それから内局一般職、他の省庁との絡みもあって問題は薄いわけですけれども、中身をざっと見て、人の懐ぐあいの関係もあり、仕事の問題がわからないという部分もあっての、そういった準じてという表現の中での改定でございますけれども、将来的ないわゆる制服を含めた方々の給与体系というものを今後どうやっていくかということに関して、これは素人見ですけれども、今のままの準じた形で、例年どおりほかのところがこうだからこうですよという形でいいのかなという気も若干しないわけではありまぜん。これは定年制とも絡んでまいりますけれども、その辺についての検討というのはなされたんでしょうか。
  55. 坂野興

    政府委員(坂野興君) 公務員の給与体系全般が民間の給与に準じた額に従来からしてきているわけでございまして、その中で、自衛官につきましては、人事院が勧告する給与体系に基づきまして、自衛官の勤務の特殊性を考慮いたしまして特別な俸給表をつくっているわけでございます。諸外国等の例を見てみましても、一般のいわゆる文官とそれから軍人の給与につきましては、それぞれ大体バランスのとれたものというふうな仕組みになっておりまして、基本的には私どもの制度もそういった制度と同じような体系になっておるというふうに考えております。  具体的に、問題は自衛官の勤務の実態に即した処遇をするということが一番大事ではないかというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、自衛官の処遇の改善につきましては、諸手当等の改善ということで今後とも努力していきたいというふうに考えております。
  56. 山崎力

    ○山崎力君 最後になりますが、今回のいろいろな四社事案その他、これは若干長官の方の発言もありましたけれども、本筋といいますか内局の話、背広組の話なんですね。制服の方はほとんど現時点では関与が見えてこない。  それで、歴史的に見ても制服の人たちと内局、背広の人たちがうまくやるということは極めて重要なことでございまして、そういった意味においては、実際に不幸な事態で防衛庁が、自衛隊が真価を発揮するにはやはり制服の人たちに動いてもらわなきゃ困るわけで、そういった人たちに対してのモラル面の確保の意味からも、今後内局としてよほど襟を正さなければ制服に対してのモラル面を含めた指導ができなくなるというのが今回の最大の問題だろうと私は思っております。  その辺に対する今後の手当てといいますか気配りについて、長官お話を伺って、質問を終わりたいと思います。
  57. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 山崎委員の御指摘のとおりだと思います。  したがいまして、我々は調達本部をめぐる背任事件等については、検察等の事実解明と同時に、我々もどこに問題点があるかということについて調達検討会を設けさせていただきまして、そこで議論をし、しかもなおかつ再発防止のためにどういう手だてがあるのかということについて、抜本的な改革をつくっていかなければならないというふうに思っているところであります。  一方、いわゆる証拠隠滅の問題につきましても、これは事実関係を明らかにして厳正な処置をしていく、そういうことを我々ができるかできないかが問われているというふうに思っておりまして、それをきっちりとやることによって、制服組ばかりではなく、ましてそれを支えてくださっている国民皆さん方の信頼を取り戻さなければならないというふうに思っております。そういう責任を感じながら仕事をやらせていただきたいというふうに思っております。
  58. 山崎力

    ○山崎力君 終わります。
  59. 河本英典

    委員長河本英典君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  60. 小泉親司

    小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、防衛庁職員給与法改正案に反対の討論を行います。  今回の法案は、国家公務員の一般職のベースアップに準じるもので、防衛庁職員を特に優遇するものではありません。  しかしながら、小渕内閣が、アメリカへの公約を最優先して、アメリカの無法な軍事干渉に日本を自動的に参戦させる日米ガイドライン関連法案の成立をねらっており、憲法違反の日米安保体制の強化、軍事力の拡大を進めているもとで、自衛官防衛庁職員給与の引き上げを容認することはできません。  しかも、今回明らかになったように、防衛庁NECなどの軍需産業と結託して、兵器、装備品の調達で不正な水増し請求を行い、国民の税金を食い物にして、これを組織ぐるみで隠ぺいしようとしている状況のもとで、給与の引き上げを認める本法案に賛成するわけにはいきません。  以上、反対の理由を述べて、討論を終わります。
  61. 河本英典

    委員長河本英典君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  防衛庁職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  62. 河本英典

    委員長河本英典君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 河本英典

    委員長河本英典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十七分散会      —————・—————