○小平
委員 きょうは時間がありませんので、日韓漁業
交渉は条約ですからいずれ国会の場で大きな議論になりますが、その場で改めてまた、もっと
内容を詰めた形でいろいろとただしたいと思っています。我々としてはこの
状況のままでは賛成しかねる、そんな思いがしていますので、今後の取り組み、推移を見ながら我々も対処しよう、そう思っています。
確かにマグロの問題、今後の大きな問題であります。ただ、私が懸念するのは、
日本は、そういう
資源の枯渇を避けるために、秩序ある漁獲といいますか、そういう
意味において、自主的な減船をし、また関係者には補償をする、それも
財政が絡むことでありますが、それは当然しっかりしなければなりません。しかし問題は、このマグロの刺身というのは
我が国だけが唯一の消費国ですね。したがって、
日本が自主的にそれを制限する、しかし一方では、APECでもあるように、自由化が進められる。そうすると、海外においては、
日本をターゲットにして、逆に自由化が広がれば、マグロをもっと
日本に輸出をする、そういう機運が当然ほかの諸国から出てくる。そうなれば、逆に乱獲の方向になっていくのでは、こんな心配があります。
したがって、水産庁としても、この関係諸国にはそのことをしっかり訴えて、協力を求めながら、将来的に秩序あるマグロの漁獲そして輸入ができる形が続くように、そこをしっかり対処していただきたいと思います。
次に、先ほど
質問の中でお答えいただけませんでした負債対策の関係です。それについてお答えいただきたいのですが、先ほどのことでもう少し補足しますと、御案内のように
米価は、
平成八
米穀年度までは据え置きで来ました、
平成七年にあった
米価までは。それによって、この表でもおわかりのように、
平成七年という年を境にして大きく影響が出てきたように思います。この
政府米価の下落というのは、数字にすると約百七十五円という数字なのですね。しかしこれは非常に心理的にも大きな要因でありまして、言うならば米の
価格の、
自主流通米を含めて、非常に影響が出てきた。
そこで、この決算事例でもおわかりのように、経営面積を
政府の
施策にのっとって進めた北海道専業農家にとっては、これが水田を大きくした。かつては、昔は大体四町ぐらいが、四ヘクタールぐらいが
平均でした。それを、ああいう米の増産体制の中で大体八ヘクタール、九ヘクタールぐらいまでに広げてきまして、それをさらに加速させたのがこの新農政、新政策等々の方向にも合致する形で規模拡大、言うなれば、国際的な競争の中で面積を大きくして、そして経営コストを下げて競争にたえる、そういうことも相まって、十五、六町という面積がB農家の例ですね。
そういうところであるのですが、米の減反によって、このA農家の事例でいいましても、半分近くまで米の収入が大変下がってきている。かわりに畑作、転作等々に努めましたが、なかなか芳しい方向には行かない。B農家についても、転作等に力を注いで、その方の収入はふやしていますが、トータルに見ると、やはり農業粗収入はこういうふうに下落の一途である。そこに苦労して出稼ぎやアルバイト等々の農外所得も含めて、農家所得としてもこのような
状況になっております。
そこで、農業収入から経営費、これは御案内のように、各資材やあるいは機械や農薬や、また土地改良、水利費等のいろいろな負担分等々、そういうものの経費を差し引ぎますと、もう全然、わずかなものしか残らない。そこに、さらに規模拡大やあるいは農地改良等々、これは避けて通れません、営農ある限り土地改良は必要です。
農業を知らない皆さんには、土地改良という問題はよく理解が得られないようです。また、農業土木なんという言葉を使って、ただ一般的に批判する方もいますけれども、農業ということがある限り、土地改良は未来永劫続くことだ。土地改良なくして農業は
考えられませんから、これも大事な点ですよね。
したがって、土地改良等々にかけるための費用、それにいろいろと制度資金の借り入れ等が起きてきます。そしてさらに農地の取得等々、こういう借入金の長期借り入れ。この毎年の元金、利息の返済、これをやっていきますと、この赤で示したように、規模拡大農家ほど
平成八年から赤字転落だ。
そうすると、何があるかというと、自分が蓄えた預貯金、子供たちの結婚資金だとか病気の準備のためだとかもろもろ、皆さん貯蓄というのはしますわね。農家だってそのとおりですよ。それを今食いつぶしている。結果的に、これじゃやっても
意味がないと。それで、先ほどの切実な訴えの中に、来年から農業を続けるべきか悩んでいる、そしてこの毎年
生産費割れしている
状況では、耕作地の放棄、これに思い悩んでいる、こういうことであります。
先ほど大臣がおられなかったので、今重複してお話しいたしましたが、こういうことの中で、
政府として、これは構造
改善局長、どういうふうに働いていくか。その辺の基本的なことを、経済
局長でも結構ですから、まずはお聞きしたいと思います、経済
局長でもどちらでも。どうぞ、じゃお二人からそれぞれ。今、時間がないので詳しいことはいいですから、今後どう取り組むかということについての基本的な
考えを言ってください。
〔赤城
委員長代理退席、
委員長着席〕