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1998-10-05 第143回国会 衆議院 日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年十月五日(月曜日)     午後四時四十三分開議 出席委員   委員長 大原 一三君    理事 赤城 徳彦君 理事 衛藤 晟一君    理事 杉山 憲夫君 理事 牧野 隆守君    理事 小平 忠正君 理事 佐藤 敬夫君    理事 宮地 正介君 理事 江崎 鐵磨君       江渡 聡徳君    大石 秀政君       河井 克行君    木村 隆秀君       久野統一郎君    小坂 憲次君       佐田玄一郎君    実川 幸夫君       中谷  元君    萩山 教嚴君       藤井 孝男君    細田 博之君       御法川英文君    宮腰 光寛君       望月 義夫君    山本 公一君       渡辺 具能君    渡辺 博道君       北脇 保之君    木幡 弘道君       今田 保典君    永井 英慈君       鉢呂 吉雄君    細川 律夫君       赤羽 一嘉君    長内 順一君       木村 太郎君    一川 保夫君       西川太一郎君    二見 伸明君       中林よし子君    平賀 高成君       伊藤  茂君    中田  宏君  出席国務大臣         内閣総理大臣  小渕 恵三君         大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君         農林水産大臣  中川 昭一君         運 輸 大 臣 川崎 二郎君  出席政府委員         大蔵大臣官房総         務審議官    武藤 敏郎君         大蔵大臣官房審         議官      福田  進君         大蔵省主計局次         長       寺澤 辰麿君         林野庁長官   山本  徹君         運輸省鉄道局長 小幡 政人君  委員外出席者         衆議院調査局日         本国有鉄道清算         事業団債務処         理及び国有林野         事業改革等に         関する特別調査         室長      長尾 正和君     ――――――――――――― 委員異動 十月五日  辞任         補欠選任   岡部 英男君     御法川英文君   久野統一郎君     佐田玄一郎君   阪上 善秀君     中谷  元君   下村 博文君     小坂 憲次君   山本 公一君     望月 義夫君   西川太一郎君     二見 伸明君 同日   小坂 憲次君     下村 博文君   佐田玄一郎君     久野統一郎君   中谷  元君     阪上 善秀君   御法川英文君     岡部 英男君   望月 義夫君     山本 公一君   二見 伸明君     西川太一郎君     ――――――――――――― 九月二十九日  国鉄清算事業団長期債務処理JRへの追加負  担反対に関する陳情書  (第一五五号)  同外一件  (第二〇四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関す  る法律案内閣提出、第百四十二回国会閣法第  四六号)  国有林野事業改革のための特別措置法案(内  閣提出、第百四十二回国会閣法第四四号)  国有林野事業改革のための関係法律整備に  関する法律案内閣提出、第百四十二回国会閣  法第四五号)  森林法等の一部を改正する法律案内閣提出、  第百四十二回国会閣法第七八号)  地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、東北森林管理局及び関東森林管理局設置  に関し承認を求めるの件(内閣提出、第百四十  二回国会承認第二号)  一般会計における債務承継等に伴い必要な財  源の確保に係る特別措置に関する法律案内閣  提出、第百四十二回国会閣法第四三号)      ――――◇―――――
  2. 大原一三

    大原委員長 これより会議を開きます。  第百四十二回国会内閣提出日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案国有林野事業改革のための特別措置法案国有林野事業改革のための関係法律整備に関する法律案森林法等の一部を改正する法律案地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局設置に関し承認を求めるの件及び一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案の各案件を一括して議題といたします。  この際、日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対し、衛藤晟一君外二名から、自由民主党自由党及び社会民主党市民連合の三派共同提案による修正案佐藤敬夫君外一名から、民主党及び平和・改革の二派共同提案による修正案平賀高成君から、日本共産党提案による修正案が、国有林野事業改革のための特別措置法案に対し、赤城徳彦君から、自由民主党提案による修正案が、国有林野事業改革のための関係法律整備に関する法律案に対し、赤城徳彦君から、自由民主党提案による修正案が、一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案に対し、牧野隆守君から、自由民主党提案による修正案がそれぞれ提出されております。  各修正案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。江崎鉄磨君。     —————————————  日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関す   る法律案に対する修正案     〔本号末尾掲載〕     —————————————
  3. 江崎鐵磨

    江崎委員 私は、自由民主党社会民主党市民連合並び自由党を代表して、日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する修正案趣旨を御説明申し上げます。  第一に、原案では、日本鉄道共済年金厚生年金へ統合した際、日本国有鉄道清算事業団負担することとされた移換金負担のうち、JR社員分について、その全額を事業主であるJR負担としておりますが、このJR負担原案の二分の一に軽減するものであります。それは、せめて旧国鉄時代職員年金負担にかかわる経営者負担部分JR負担すべきではないかとの考えによるものであります。  第二に、日本国有鉄道清算事業団債券等登録停止期間について、原案では、一般会計債券に係る債務が承継される日前一カ月問とされていたものを、本法律案早期施行を可能とするため、債券に係る債務承継日以後二週間とするものであります。  第三に、日本国有鉄道清算事業団一般会計に対する無利子債務について、原案では、政府は、「平成十年九月二十八日までに」免除するとされていたものを、既に九月二十八日を経過していることから、「この条の規定施行の日において」免除することとするものであります。  第四に、本法律案施行日について、原案では「平成十年十月一日」とされていたものを、既に十月一日を経過していることから、「公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日」に変更すること等、所要修正を行うこととするものであります。  以上が、本修正案提出いたしました理由でございます。  日本国有鉄道清算事業団債務処理は、もはや先送りが許されない政治課題であり、しかも、一日も早くこれを実施に移さなければならない緊急の課題であります。  何とぞ、各位の御賛同をお願い申し上げ、提案趣旨説明を終わらせていただきます。
  4. 大原一三

  5. 佐藤敬夫

    佐藤(敬)委員 ただいま議題となりました日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する修正案につきまして、民主党及び平和一改革を代表いたしまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、日本鉄道共済組合等長期給付事業厚生年金保険への統合に伴う費用負担に充てるものとして日本国有鉄道清算事業団負担することとされていた額については、政令で定めるところにより、日本鉄道建設公団が負担すること。  第二に、施行期日については、「公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日」とすること等であります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願いを申し上げます。
  6. 大原一三

  7. 平賀高成

    平賀委員 日本共産党平賀高成です。  初めに、締めくくり総括質疑の前に修正案趣旨説明をしなければならなくなったのは、修正案が出る前に締めくくり総括質疑の日程を決めたところに問題があるのであって、日本共産党は、審議不十分のままでの締めくくり総括質疑に反対だということを初めに表明しておきます。  日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する日本共産党修正案趣旨説明を行います。  旧国鉄長期債務国家予算の四割にも匹敵するまで債務を増加させた政府責任を明らかにして、国債務返済には新たな国民負担をさせないこと、国鉄分割民営化の際に、一人も路頭に迷わせないとして政府が約束したにもかかわらず、千四十七名の旧国鉄労働者がいまだに放置をされたままになっている現状を一日も早く政府責任で解決することが強く求められています。  しかし、政府は、これらの重大な問題についていまだに何らの責任を明らかにしていないことは重大であります。しかも、政府原案によると、旧国鉄長期債務問題では、その元本返済財源については、歳入歳出見直しによる財源確保というだけで、その財源を一切明らかにしていません。また、たばこ特別税郵便貯金特別会計運用益など、旧国鉄債務とは何ら関係のない国民負担を強いるものであります。今でさえ未曾有の財政危機のもとで、このまま政府原案国会で成立すれば、社会保障関係費等国民生活関連予算歳入歳出見直しによる財源確保理由に大幅に切り捨てられたり、増税などによる新たな国民負担を求めることになるのは必至であります。  我が党の修正案の具体的な内容説明します。  その内容の第一は、国鉄分割民営化の方針に照らして、本州三社へ過少債務の引き継ぎを是正するために、本州三社への応分の負担を求めるものです。  第二に、道路特定財源等見直しによって総合交通特別会計を創設して、道路、空港、港湾などの交通基盤整備を総合的、計画的に実施してむだと浪費をなくすこと、新幹線売却額を活用して旧国鉄長期債務返済財源に充てることなどを内容とするものです。  我が党の修正案は、国民生活関連予算の切り捨てや新たな国民負担なしで旧国鉄長期債務返済を行う抜本的処理策であります。  各位の御賛同をお願いいたしまして、趣旨説明を終わります。
  8. 大原一三

  9. 赤城徳彦

    赤城委員 ただいま議題となりました国有林野事業改革のための特別措置法案に対する修正案について申し上げます。  第一に、国有林野事業に係る職員数適正化目標等についての閣議決定の期限を集中改革期間の「開始後一月以内」に改めること。  第二に、この法律施行期日を「公布の日」とすることであります。  次に、国有林野事業改革のための関係法律整備に関する法律案に対する修正案について申し上げます。  第一に、この法律施行期日を「公布の日」とするとともに、組織再編に関連する規定施行期日を「平成十一年三月一日」とすること。  第二に、この法律施行最初に定める管理経営基本計画計画期間を「平成十一年一月一日から平成二十一年三月三十一日」までとすることであります。  何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  10. 大原一三

    大原委員長 牧野隆守君。  一般会計における債務承継等に伴い必要な財   源の確保に係る特別措置に関する法律案に対   する修正案     〔本号末尾掲載
  11. 牧野隆守

    牧野委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案に対する修正案の大要を申し上げます。  修正案内容はお手元に配付されております案文のとおりでございますので、その朗読は省略させていただきまして、修正趣旨内容について申し上げます。  一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案は、平成十年十月一日までに成立することを目途といたしまして御審議をお願いしておりましたが、諸般の事情により、いまだに成立を見ておりません。  本修正案は、施行日につきまして、原案において「平成十年十月一日」と定められておりますのを「公布の日」に修正し、たばこ特別税施行日につきましては、「平成十年十月一日」から「平成十年十二月一日」に修正するほか、たばこ特別税施行日修正に伴う所要修正を行うものであります。  なお、本修正によるたばこ特別税減収見込み額は、平成十年度において約四百三十四億円と見込まれております。  以上が、修正案趣旨及び内容であります。  何とぞ御賛成くださるようお願い申し上げます。
  12. 大原一三

    大原委員長 以上で各修正案趣旨説明は終わりました。     —————————————
  13. 大原一三

    大原委員長 これより各案件及び各修正案を一括して質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鉢呂吉雄君。
  14. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 民主党鉢呂吉雄でございます。民主党を代表して、国有林野改革法案につきまして、締めくくり的に質問をさせていただきたいと思います。  まず、中川農林水産大臣質問をいたします。  森林管理署あるいは森林管理局の問題について、とりわけ森林管理署再編整備については、参議院選挙直後の七月十三日ということで、設置箇所当該市町村には大変大きな不安をもたらしたところであります。大原委員長からも、当該市町村に対する十分な説明をすべしという御指導を先般の九月二十二日の委員会で賜ったところでありまして、その委員長趣旨も踏まえて、森林管理署設置について、町村の意向を十分お聞きをして柔軟な対応、場合によっては見直しを含めて対応をすべきである、このように考えますけれども、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  15. 中川昭一

    中川国務大臣 今回の法案基づきます管理局並びに森林管理署設置箇所変更につきましては、当委員会でも何回も御議論をいただいたところであり、また、今鉢呂先生からもお話がありましたが、十分に説明をするようにという議論、そして委員長の御指導もございまして、一月一日からということをただいまの修正で三月一日をもって新しい体制に移行させていただきたい。  それは、全国のほとんどの廃止が予定されているところから我々のところに強い要望もいただいておることもあり、一方では、この抜本的な改革の中で、きちっとした体制をつくっていく上で必要な組織見直したというふうにも考えておりますので、この法案が成立し、対外的にも正式の新しい管理局管理署設置体制ということのスタートを切らしていただきましたならば、関係自治体関係住民皆さん方にも十分説明をさせていただくことによりまして御理解をいただきたい。そのためにも、一月一日からということを三月一日に、二カ月時間をお与えいただきましたことにつきましては、厚く御礼を申し上げて、趣旨を徹底させていただくように努力をさせていただきたいと思います。
  16. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 組織再編については、一月一日を三月一日施行という変更修正案という形で提案がされたわけであります。  総理にお伺いをいたしますけれども、この問題は、単に営林署の設置市町村の問題にとどまらず、これからの国有林野民有林との一体的な流域システム関係で、民有林も含めて林野庁が果たす役割は大きくなるという形であります。そういう形で、硬直的に国がここに設置をしろというようなものではなくて、国民のための国有林野という視点からいっても、十分市町村と協議をする中で、ある意味ではこの組織配置については弾力的な配置をするということも考慮しなければならないというふうに私どもは思っております。  そういう点で、この問題については総理指導性をぜひ発揮していただきたい、そういう視点総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
  17. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 ただいま中川農水大臣から御答弁申し上げましたけれども、本問題につきましては、御説のように、国有林民有林との関係も含めまして極めて重要な問題でございますので、今後とも、各市町村のお考えも十分承りながら、最大限努力してまいりたいと思います。  鉢呂委員は、本問題が起こりまして以降、全国視察をされまして、特に、私の県は国有林が非常に多いのでありますが、その地域また私の町まで視察に参られました。現状はよく承知をいたしておりますし、また地元からの御要請も聞いておりますので、全国各地区の市町村に対しまして、十分これから努力をして、理解を深めてまいりたい、このように考えております。
  18. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 総理地元からも御要請があったということでありますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げたいと思います。  時間が五時十一分までの十五分間という短い時間でありますので、次に移らさせていただきます。  次は、職員要員問題についてであります。  中川農林水産大臣は、前回の私の質問に対しても、将来、五年後、現行一万五千人体制をおおむね三分の一程度基本とするという言い方で、いろいろ形容詞がついた表現になっておるということで、森林管理現場実情を考慮しながら検討を進めていくという御答弁をされております。  そこで、実際の現場業務森林事務所が行っておるところでありまして、これは境界あるいは森林を巡視する、さまざまな役割現場部門で果たしておるところであります。現行は正職員を一名配置、千二百五十六カ所程度森林事務所があるのですけれども、現状も、そこは全部配置をされておりません。併用という形になっておるわけでありまして、そういう意味では、正職員人事異動で次から次にかわっていくということもあります。今は基幹外職員という方がきちっとその地域国有林野管理しておるということでありまして、ぜひ一、二名の複数配置検討してやっていただきたい、このことを農林水産大臣にお伺いするものであります。
  19. 中川昭一

    中川国務大臣 今先生指摘のように、全国に広がる森林事務所は、おおむね一名程度が中心となりまして作業をやっておるわけでありますが、今回の抜本的な見直しの中で、先ほど申し上げました森林管理局森林管理署等の本来的な目的公益的機能に八割程度集中をさせまして、その結果、人員が、今御指摘になったような、形容詞が三つぐらいつくような形を一応目標にしてということになるわけでございます。  いずれにいたしましても、新たな業務を遂行するのに必要な、不可欠な人員をぎりぎりまでスリム化していく。しかし同時に、そのスリム化作業に当たっては、いわゆる生首を切らない、あるいは本人意思に反しないというような閣議決定あるいは三党合意もございますので、それを踏まえた上でございますけれども、国有林事業の本来の役割が大きく変化をしていく、また一方では、それに伴いまして、職員の仕事もぎりぎりまで数をスリム化していかざるを得ないということも本来の目的の一つでもございますので、この森林事務所につきましては、今まで同様の体制を、原則として大いに頑張っていただくということで御理解をいただきたいと思います。
  20. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 これも小渕総理に総括的に御指導の御答弁をいただきたいのですけれども、今も私の方からも申し上げたとおり、森林事務所というのは、国有林野現場でさまざまな巡視あるいは管理を行っておるところでございます。ともすれば、国有林野というのは非常に膨大でして、境界線がわからないとか場合によっては盗伐が起こるとか、あるいは山の管理をきちっと掌握をしていなかったら、例えば雨が降ったときにそれが洪水を引き起こすとか、さまざまな関係で非常に重要であります。  そういう点では、今回の改革に当たっても、今大臣がおっしゃいましたけれども、現状の中でこれを管理していくということであります。特に、農林水産大臣もこの間、今も言いましたけれども、本人の意に反して職を失わせることはしない、国有林野の現業の体制についても、労使で腹を割って意思疎通合意を図っていくというふうに答弁をされております。  この問題は、法案では、最終的に閣議決定をする、職員の定数にかかわる事項については閣議決定を一カ月後に行うことになっておるわけであります。そういう点から、閣議におきましても、労使間で早期に、かつ自主的に合意を示された、そのことについて、閣議了解点に達していくように最大限の御指導をいただきたいということで、総理の御答弁をいただきたいと思います。
  21. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 国有林野事業の将来の要員規模につきましては、平成八年度末の要員一万五千人のおおむね三分の一程度基本として、森林管理現場実情や雇用、身分の問題等を考慮しつつ検討してまいる考えでございますが、労働組合とも論議意思疎通を十分行いながら、円滑な改革の推進が図られるよう努めてまいる考えでございます。  今御指摘閣議決定でございますが、要員規模につきまして、この決定に当たりましては、このような考え方に基づきまして適切に対処してまいる考えでございます。
  22. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 現場状況を判断して検討をされていくということで、森林事務所が、名実とも公益的機能を維持発展する、その中核的な業務を推進する事務所になるように、人的な配置について、総理の特段の御指導をぜひお願いいたしたいと思います。  最後に、あと二分程度でありますけれども、総理にも最初委員会で御質問をさせていただきましたけれども、今回の国有林野事業の三兆八千億に上る累積債務処理、特に第四回目の平成三年度に決定をされた処理計画というものは、とりわけ木材価格低下とか伐採量低下、あるいは資産、林野・土地を売るというようなことのいわゆる外部的な経済要因ではなかった、これは明確であります。農林水産大臣も、そのこともあると。同時に、金利金利を生むというようないわゆる累積債務、当時二兆三千億であったわけでありますけれども、この七年間で一兆五千億累増した最大の原因は、木材価格等低下は約四千億弱でありまして、おおむね一兆円以上は金利金利を生んできたその体系にあったと思います。  私は、この間の論議でも、それは仕方がなかったから、今後の五十年間かけて一兆円を残してやっていくんだ、その決意はわかりますけれども、この三兆八千億を生み出した政府なり林野庁なり農林水産省の行政責任は極めて大きいものがあるというふうに考えます。この責任というものをきちっと果たす。民間であれば、このような借金を残した場合は経営陣の退陣が当然であります。まさに倒産せざるを得ないような今の国有林野状況でありまして、その責任は極めて大きいというふうに考えるわけであります。そこについての総理の御判断。  そして同時に、今後五十年かけて、一兆円の既存の借入金をもって対応するということであります。このことについても、私は、例えば木材価格についても、先般の新聞にも出ておりましたけれども、平成六年の価格で今回の収支見通しはやっておるわけでありますけれども、一年で既に二割弱も価格が下がっておる。これを五十年、一定の固定の現状価格で見るということは、大変あいまいな収支の見通しであるというふうに考えております。  努力あるいは頑張らなければならない、そのことはわかりますけれども、果たして一兆円を返していけるのか。同時に、公益的な機能を従前以上に発揮させる、そのことは、お金もあるいは人も要ることでありまして、そういった今後の国有林野を本当に発展をさせるという意味合いで、財源的な手当ても必要だというふうに思います。  総理の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  23. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 ただいまの鉢呂委員の御指摘を十分受けとめながら、農水大臣を中心にいたしまして今後この法律基づいて対処いたす上に、御指摘のような点を十分踏まえながら対処いたしてまいりたい、このように考えております。
  24. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員 ありがとうございました。終わります。
  25. 大原一三

    大原委員長 細川律夫君。
  26. 細川律夫

    ○細川委員 民主党の細川でございます。  まず初めに私は、先ほど自民党外三党から提出をされました修正案についてお伺いいたします。  政府の方ではJR追加負担三千六百億円を正当化する見解をずっとこれまで述べてきたわけであります。私たちは、この問題は既に平成八年、この国会におきましてきっちりと決着がついたものでありまして、今さらJR追加負担をさせるということは、国鉄改革の理念に反することはもちろん、国会みずからの決定を否定する不合理、不条理の決定だということをこれまで主張をしてまいりました。すなわち、この問題はオール・オア・ナッシング、つまり、JR負担平成八年のスキームに戻して清算事業団債務の全額を鉄建公団が引き継ぐのか、あるいは政府案のように旧国鉄在職期間までもJR負担とするのか。この二者択一、どちらかということでありまして、それ以外の論理はあり得ないというふうに思ってきたところであります。  今回この修正案JR負担を半額にするということが提案をされたわけですけれども、なぜ半減するのか、全く理解できないわけでございます。修正案は、形だけでもJR負担をさせれば義理が立つ、そういう意味だとしか思えないわけでございます。この折半の案では、今まで何度も指摘されてきたように、JR負担の不合理というもの、これは全く解決されていないところでございます。  そこでお聞きをいたしますけれども、この修正案JRへの負担を残した理由は一体何なのか。たばこの増税や郵貯特会からの繰り入れのスキームを維持したい、こういうことだけではないのか。そうならそうとこの委員会ではっきり言ってもらいたい。  提案者にお答えを願います。
  27. 大原一三

    大原委員長 川崎運輸大臣。(発言する者あり)
  28. 細川律夫

    ○細川委員 提案者にということでお願いをしておりまして、できたら自民党の総裁であります総理にお答えをいただきたいと思います。
  29. 大原一三

  30. 細川律夫

    ○細川委員 総裁として、総理、お答え願います。
  31. 大原一三

    大原委員長 一応、川崎運輸大臣
  32. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 修正案提案者としてでなく、内閣側としてお答えをさせていただきたいと思います。  八月三十一日から特別委員会審議が始まったところでございます。共済年金から厚生年金への移換、それに伴う移換金の負担をどのように処理すべきか、さまざまな御議論をいただいてまいりました。JR負担はなしにすべきだ、こういう議論もございました。また、JR側の負担を多くすべきだという議論も先ほど開陳されたところでございます。また、JR職員の年金はJR負担をしてほしい、こういういろいろな意見が出た中、自由党また社民党から軽減という一つの提案がなされ、一つ一つの議論を踏まえた中で政党間の議論というものも重なり合いながら今回の修正案提案された、こういうふうに理解しておりますし、私どもは、議論された結果でありますから、重く受けとめたい、このように考えております。
  33. 細川律夫

    ○細川委員 私がお聞きをいたしましたのは、JRにこれまでの提案の半額負担としているその理由を、一体どういう理由で半額になるのか、ただ議論の結果というのではなくて、理由をきちっとお聞きをいたしております。
  34. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 先ほどの提案理由の御説明を聞いておりますと、もともと年金というものは、企業側負担職員みずから掛ける負担、この二つから構成されておる。この考え方の中で企業のものは負担をすべきだ、こういう議論であったと思いますけれども、私どもはそこにいろいろな意見を差し挟めません。これは、政党間の議論の中で出されてきたものでありますので、まさに国会審議の場を経ながら出た話でありますから、私どもは重く受けとめたい、こう申し上げておるところでございます。
  35. 細川律夫

    ○細川委員 今までのこの委員会での質疑におきましては、JR負担につきまして、この年金問題は福利厚生の問題だから事業主であるJR負担をするとずっと説明してきたわけなんです。それがまるきり今度変わるわけですから、これは一体、どうしてそうなるのか。これは、私どもも納得できるように説明していただかなければいかぬ。どうもよくわからない。
  36. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、政党間の議論である。しかし、自民党がその中に入り、また政府も相談を受けた中で三党の提案になったということから、私から御説明すれば、これは年金問題で、企業者側が積み立てておくべきものと職員が積み立てておくべきものと、まさに二つの議論があるだろう、その中で、負担として二分の一、両方が持ち合うのが適当ではなかろうかという修正案が出された、そして私どもはそれを重く受けとめたということであります。
  37. 細川律夫

    ○細川委員 同じことの繰り返しになりますから、私の方もこれ以上追及というか、質問をすることは差し控えますけれども、しかし、この大事な国鉄の長期債務処理法案について大変重要な修正案が出ておりますときに、それについてきちっとこの委員会議論をするということは、国会の使命として当然だと私は思っております。そういうことで、理由説明がないままに進むことがまことに残念でありますけれども、時間が限られておりますから先に進みたいと思います。  次に、たばこの問題もありますから、これについてお聞きをしておきます。  債務承継財源確保法案が成立をいたしますと、たばこが一箱二十本で二十円の値上げになります。そもそも、たばこと国鉄の長期債務と一体どういう関係があるのか。これは喫煙者にとりましては大変迷惑な話であります。私は、たばこ特別税目的拘束禁止の原則の、課税原則に反する不当な税でありまして、立法府としてはこういう無原則な税を是認することはできない、これも前回のこの委員会で述べたところでございます。  そこで、いろいろな問題がありますけれども、簡単に二つ申し上げたいと思います。  このたばこ特別税が実施をされますと、本来のたばこ税であれば五〇%が地方自治体の収入になります。さらに、国税のうちの二五%が地方交付税の財源というふうになりまして、たばこ税の収入の八分の五が地方に回ることになります。たばこ税なら、地方に回る税額、計算をすれば、二千六百億円の八分の五の千六百億円をいわば地方から国が取ってしまう、こういう結果になってしまいます。  これを大蔵大臣、どのようにお考えなのか。今地方分権が言われておりますときに、こういうことになることについて、どのようにお考えなのか。お答えいただきたいと思います。
  38. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 喫煙者に御迷惑をかけることにはもう違いありませんので、余り姿勢を高くして申し上げることもできないわけですが、結局、国が債務を継承するというときに、一般会計財源をたばこに求めたということになるかと思います。したがいまして、これは一般歳出に使われないで、国債整理基金特別会計に直入する。  たばこをなぜ選んだかと申せば、まあ、これは申しにくいことではありますが、嗜好品であるとか比較的景気の動向に左右されない、あるいはまた、全体の価格の中に占める税分がどちらかといえば減少してまいりますから、その部分だけというような、いわばそこで、地方とのお尋ねは、結局最低限の税収を国庫として欲しい、地方にまで差し上げる余裕がないと申しますか、そういう意味での特定の、目的税ではございませんが、税収確保のため、そう御説明申し上げるべきかと思います。
  39. 細川律夫

    ○細川委員 たばこ特別税につきましては、これは特別税でありますから、当分の間、こういうふうに説明を、政府委員の方からせんだっての委員会で受けたわけであります。しかしまた、先日の別の委員質問のときには、大蔵大臣の方から、当分の間とは幾らかというと、六十年間もというようなお話もございました。そうしますと、特別税で当分の間といっても、これは恒久的な税になるんではないか、そういうふうに思いますし、また、私の質問のときの政府委員のお答えでは、たばこ特別税という形にすれば、喫煙者は、自分が国鉄あるいは林野の長期債務のために税金を払っているんだという意識もあるんだというようなこと、そういう理由もあるんだとおっしゃったんです。しかし、六十年もずっと長くこの税をやりますと、そういうこともまずなくなるんではないか、薄れるんではないかというふうに思いますけれども、私は、当分の間というのならば、期間をきちんとむしろ決めるべきではないか、そういうふうにも思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
  40. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 確かに、その問の御説明は必ずしも一貫しないものがあるということは、私も御指摘のとおりだと思います。  ただ、一般債務の償還が六十年でございますから、この財源も六十年ということを申し上げておるのだと思います。大変正直申しまして、国だけがこの税源を取っていくわけでございますし、それは六十年変わらないのか、六十年本当にそういう状況でやっていくのかとおっしゃれば、一応、国の債務償還でございますからと申し上げざるを得ません。しかし、それはかなり長い時間のことでございますから、今明確にそれ以外にございませんと申し上げることも私はできないのだろうと思います。
  41. 細川律夫

    ○細川委員 時間が参りましたからこれで終わりにいたしますけれども、いずれにいたしましても、今回の法案JRに対する三千六百億円の追加負担というものは絶対に許されないものであるというふうに思いますし、たばこ特別税あるいは郵貯特会からの年二千億円の繰り入れについても強く反対をいたしまして、私の質問を終わります。
  42. 大原一三

    大原委員長 赤羽一嘉君。
  43. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 新党平和の赤羽一嘉でございます。  きょうは、最後の総括質疑、大変限られた時間ですので、私は、この問題につきましては、この一年間の予算委員会、運輸委員会等々、当委員会、議事録も暗記するほど読んでおりますし、基本的に御説明はわかっておりますので、端的に質問に答えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず、今回、負担額の半額の修正、先ほど細川委員からの質問に対して、余りよくわからなかったんです。国会で二分の一の負担削減という議論がいっあったのか。私、全委員会出ておりましたが、そんなものは全くなかった。それがあたかもあったかのような形で言われるんだったらお示しいただきたい、それが一点です。  二点目に、なぜ半額負担という根拠が出てくるんですか、もう一度確認していただきたいと思います。
  44. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 私が修正案提出者じゃないということだけは御理解を賜りたいと思います。  年金の負担につきまして、私どもは、JR職員についてはJR負担すべきであるという議論を展開いたしてまいりました。しかしながら、社民党、自由党皆さん方から軽減案というのが議論の中で出されていたことは事実でございます。その中で、軽減のやり方についてさまざまな議論がまたあったんだろうと思います。  先ほどの御提案を聞いておりますと、企業主側の負担、企業主側が負担をしておくべき部分、そして職員側が負担しておくべき部分、この二つがあるんであろう。そして、この負担というものを考えたときに、国とJRが折半で負担をしたらどうですか、こういう提案がなされたというふうに理解をいたしております。
  45. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 まず、政府の主張は、JR社員の、大臣、いいですか、聞いてくださいよ、JR社員の福利厚生にかかわることだからJRが全額負担すべきだ、しかし、今回、自由党や社民党やほかから出てきたのは、それは折半しようや、事業主と職員それぞれが半分ずつ持てばいいじゃないか、そういう趣旨なんですか。ということは、JRの社員の福利厚生だからJRが全額負担するというのは一つの論理だと思いますよ。  ところが、今回は、JR事業主として半分の責任を負わなければいけないという説明は、私は納得できないんです。なぜならば、国鉄職員時代の部分に対する事業主は国鉄でしょう。これは国が責任を持つべきなんですよ。JRなんというのは全く関係のない話なんであって、ここは明確に説明をいただきたいと思います。
  46. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 自由党さんが明確に言われていることを、それでは二つ読みます。  JRの社員の年金はJR国民で支えることとし、このため必要な負担JR国民で分かち合う。JR負担政府案の二分の一に修正すれば、年金に関するJRの企業負担は、JR平成九年四月の年金統合前まで、要するに平成八年まで払っておった二百二十億と大体数字が合ってくるということから考えられた、こういうふうに考えております。
  47. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 自由党の要旨も先ほど直前に見せていただきましたが、国民負担事業負担かという議論は、僕はおかしいと思うんですよ。先日、佐藤先生からの質問でも、これはすりかえだというふうに指摘がありましたよ。事業主が負担するのは当然なんですよ、それは。ですから、二年前の審議で、JRが、JRの部分について事業主として千七百億円負担するということを決めたんでしょう、国会で決めて、閣議決定もして。だから事業主はJRじゃないんですよ、国鉄期間分は。国鉄じゃないんですか。国鉄期間部分の事業主はJRというんですか。
  48. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 議論を蒸し返すようでございますけれども、まず、JR年金の統合の際に、JR負担と清算事業団負担が決められた。これはお互いに事業主でございます、お互いに事業主、旧国鉄の移行体である清算事業団が解散されるときに、この負担をどのような形で年金問題についてやろうかというときに、私どもは、JR職員の年金の負担につきましては全額JRに御負担をいただきたい、こういう議論を展開してきたことは事実でございます。
  49. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 要するに、そもそもこの話は無理に無理を重ねているんですよ。  私、一つずつちょっと確認したいんですが、閣議決定、まず六十三年一月二十六日の国鉄改革をやったときの、その債務をどうするかという閣議決定にこうありますね。これは御存じでしょう。「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団債務等については最終的には国において処理するものとする」とありますね。この最終的処理のときに、追加負担先にJRが入っていたんですか、六十三年の長期債務の区分のときには。どうなんでしょう。
  50. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 この問題については、基本的には入っていないという認識を持っておりました。
  51. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 それが国鉄改革民営化趣旨だと思うんですよ。そして、平成八年三月八日の閣議決定事業団負担とした七千七百億円の移換金債務、あの当時、清算事業団に七千七百億円、約八千億円もかぶせて大丈夫なのかという話があった末に、しかし、「事業団の既存の債務等と同様の取扱いをするものとする。」という閣議決定になっているんですよ。同様の取り扱いとするという閣議決定をしていながら、こっちの閣議決定では、その処理のときに追加負担先にJRが入ってくるんですか。おかしいじゃないですか。
  52. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 この問題は、基本的には六十二年のときの国鉄改革、この問題以降に発生した課題であるという整理をまずさせていただいております。  それから、事業主であるJR事業主である清算事業団負担に切り分けられた。そして、この国鉄清算事業団というものをいつ清算するんですか、解散するんですか、これは六十二年のときに決められた基本的な考え方、要は、資産を売ってある程度見通しがついた段階で、その時期に物事の解決策を出しなさい、こういう考え方でありますから、私どもの理解といたしましては、この年金問題は、清算事業団を解散するときに同じようにその時期に決着しなさい、そういう閣議決定であったというふうに理解をいたしております。
  53. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 到底そんな理解はできませんね。どうやって読み取るのですか。  この前のこの委員会で宮沢大蔵大臣は、閣議決定については、一つの問題についての行政の最高の意思決定閣議決定だと言われていましたよ。そんな閣議決定が、字句はこうなっているのです、字句どおりじゃないですか、「同様の取扱いをする」ということを書きながら、何年かして、二年もたたないうちに、政府が都合のいいように自分たちが決めた閣議決定内容を右往左往して変えるのですか。これはおかしいのですよ。全く理解できません。  どうですか、閣議決定総理大臣の一番大事な問題ですよ。六十三年の閣議決定と八年三月の閣議決定で同様の取り扱いをするとしながら、前者に対しては、追加負担なりなんなり処理のときにはJR負担の先から外すよとしておきながら、それが国鉄改革意思だとしながら、平成八年のときにこういう閣議決定をしている。恐らくそのときにはJR負担先にしょうなんて考えていなかったでしょう。それが、この期に及んでJR追加負担をしろ、これは合理的だなんてどこが合理的なんですか。よくわかりません。総理大臣、答えてください。
  54. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 平成八年の閣議決定におきまして、既存の債務等と同様の取り扱いをすることとされたのは、移換金の処理に必要な財源・措置を検討決定する時期についてでありました。  したがいまして、財源・措置の内容まで他の債務等処理のための財源・措置と同一のものとすることとされたわけではありません。このため、既存の債務等が今回、国や鉄道建設公団の負担とされるからといって、JR事業主として負担することが合理的なJR社員分の移換金についてまで、すべて国や鉄道建設公団の負担とすることは適当でない、これが今の考えでございます。
  55. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 それでは、平成八年のときに、厚生委員会審議があったときに、この移換金債務負担については、あの大議論の中で、七千七百億円と千七百億円という負担の区分を決めておいて、ちょっと待ってくださいよ、これは暫定的な措置ですよ、二年後に清算事業団が終了のときにもう一度見直しをしますからねというふうなやりとりがどこにあったのですか。あるのなら議事録を見せてください。
  56. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 清算事業団を解散するときにこの問題について決定をしようということが閣議決定されているわけですから、まさに清算事業団を解散するこの時期に今検討させていただいて政府案は提出させていただいた。しかし、その後、いろいろな議論を踏まえながら修正案が今出され、私どもは重く受けとめておる、こう申し上げております。
  57. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 平成八年の閣議決定内容、決めたときに——自民党の岡部委員自由党の鰐淵委員も、本委員会で、質疑の中で、あの閣議決定JR追加負担させる可能性を示していないというふうに表明しているのですよ。私も全くそのとおりだと思いますよ。それが当時の閣議決定じゃなかったのですか。どうだったのですか、総理
  58. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 ただいま川崎運輸大臣が御答弁申し上げましたように、今時点、その年限が参りまして、この時点におきまして解決をするということが定められて、その方針に基づいて政府としての法案提案され、それに対しまして今日修正案提出されて御審議をいただいておる、こういうことであると思います。
  59. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 いや、私の質問答弁されているとは思えないのですがね。閣議決定内容変更で僕は詰めているわけですが、では、先ほど運輸大臣が、国において処理するということは国が負担することじゃないというふうにずっと言っていますよね。私、日本人をもう四十年間やっていますが、「国において処理する」という日本語、わかりますか。私、辞典で「において」というのをきょう調べましたよ。そうしたら、格助詞の「で」、国で処理するという意味だというふうに書いてありますよ。この「国において処理する」というのはわかりにくい。政府の役所の人間に、こんなことが官僚の中で使われている言葉なのかと聞きましたよ。いや、余り霞が関でも使っていませんと。  それで、私、随分調べたのですよ、どこにあるのか。そうしたら、日本国有鉄道再建監理委員会の、この二百ページに及ぶ中に随分出ているのですよ。例えば、三の「長期債務等の配分」、百十四ページから百二十一ページの間にずらっと出ていますよ。年金負担について、三島会社の基金についてとか、旧国鉄に所属する余剰人員の対策費等について、この費用は全額「「旧国鉄」において処理する。」というふうに書いてありますよ。ずらっと見てください。今の政府の解釈だったら、ここはこう読むのですか。この負担は全額旧国鉄が責任を持ってだれが負担をするかを決定すると読めますか。おかし過ぎますよ、こんなことは。だれが読んだって、旧国鉄が処理する、負担する、こうとしか読めないでしょう。二年前の厚生委員会だって、みんな国が負担するのだという前提で話しているのですよ。聞いていてどうですか、総理、このようなことはおかしいと思いませんか。
  60. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 国において処理するというのが、国が負担をする意味だという形では私どもは受けとめておりません。
  61. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 では、「「旧国鉄」において処理する。」というのはどういう意味なんですか。——ちょっと時間が限られていますので、後でそこの部分を答弁してください。  それで、僕は、おかしい、合理的じゃないというのを今幾つか言いましたけれども、川崎運輸大臣は、このJR社員の国鉄職員期間分の退職金の原資について、この委員会で、退職手当についても、JRが国鉄期間分を含めて自分の社員の分を負担していることが国鉄改革の方針として決められている、そう答弁されて、これを、JRへの今回の移換金の追加負担金を正当化する論拠の一つとされております。  まず、これは当局でいいですけれども、国鉄時代に退職給与引当金というのは計上されておりましたか。局長でいいですよ。
  62. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  旧国鉄時代は公全体でございますので、そういう制度はございません。
  63. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 では、JRが発足したときに、最初に退職給与引当金は計上されましたか。
  64. 小幡政人

    ○小幡政府委員 JR発足に当たりましては、お話のように、退職給与引当金を計上させていただいております。ただ、これは四割の計上でございます。
  65. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 民間企業が退職手当を四割というのは決まっているのですよ。(発言する者あり)何かやじを飛ばしていますけれども、全額じゃないのだ。どこの民間企業だって全職員の退職金の四割なんですよ。だから、これは佐藤先生がこの前の質問で、結局原資は、支払うのはJRですよ。僕は国鉄職員JR職員になった、それで退職する、そのときに、当然JRから退職金はもらいますよ。しかし、その退職金の原資は、今の引当金計上の件でも明らかなように、これは国鉄が実質的には負担しているということになるのでしょう。
  66. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 退職金の問題でございますけれども、まず、年金の問題は、共済年金として継続させた。経営形態問題それから労働問題、これは切れた。しかし、共済年金問題は継続をしたわけですね、共済年金という形を継続した。同じように、退職金は、そこで一たん清算をされずにJRがすべての職員の退職金は支払いますよということで継続をされている、これを申し上げている。そして、もし全員がそのときやめた場合、四割しか積んでいないのですから、六割はJRが払うということを覚悟している、こう申し上げているわけです。
  67. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 大臣、さっき説明したでしょう。四割は当たり前なんですよ、どこの会社だって、民間企業は。一遍にやめるなんということは想定していないのですよ、民間企業は。何言っているのですか。  それで、国鉄再建監理委員会の答申にこう書いてあるのですよ。JRに移籍する者の国鉄在職期間分に係る退職手当は、JRが引き継いで支払うが、これに充てるため、JRの発足時に民間並みの退職給与引当金を設定することとし、当該引当金相当額をJRの長期債務引き継ぎ額より控除するというふうに書いてあるのですよ。これは明らかじゃないですか。原資は全部旧国鉄が負担しているのですよ。だから、継続をしているという、大臣が論拠としている一つは、もう僕は論破されていると思いますよ。理由にはならないと思いますよ。総理、どうですか、聞いていて。
  68. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 いや、申し上げておりますのは、共済は継続をした、退職金も継続をした、そしてJRがすべての職員の退職金は支払う、その準備のために四割だけは残した、こう申し上げております。
  69. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 払っているのはJRなんですよ。よく聞いてくださいよ。だけれども、その原資は国鉄なんですよ。(発言する者あり)違うのだったら、これははっきり出してくださいよ。そんな事実じゃないのだから。これはもう論破されているのですよ。調べているのだから、こちらの方が調べはついているのだ。  それで、まともな回答が来ませんから一つ確認しますが、JR社員の国鉄職員期間分は、今回の移換金債務は全部JRが支払うべきだというふうに言っていますよね。そうしたら、これはどうなんですか。国鉄改革のときにJRに採用されなかった、清算事業団職員にちょっとなっていた、それで、昭和六十二年から平成二年にかけてJRに採用されて今でもJR職員の人が二千名余りいるのですよ。この人たちの移換金についてはJRが支払うのですか。答えてください。
  70. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  六十二年四月一日、JR発足時においてJR職員でなかった方につきましては鉄建公団で支払うという原案になっております。
  71. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 また全然話が通らないじゃないですか。JR職員分は当然のように当たり前として、政府並びに大臣JR負担すべきだというふうに言って、法律が出たのですよ。  ところが、二千人余り、JR職員としての方が長い彼らの分は、今回はJR追加負担じゃなくて鉄建公団の負担になっているのですよ。これはどう説明するのですか。全く納得できません。——早く答弁してください。
  72. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、六十二年四月一日においてJR職員に継続して採用されなかった、継続されなかったという方々については鉄道建設公団でということを申し上げております。
  73. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 いや、だから、あなたたちの主張の論拠は、現在のJR社員について、それはJRの福利厚生だからJR負担するのは当たり前だ、こういうふうに言っているのでしょう。  なぜ、そういう二千人余りのJR職員の移換金を負担しないというような法律、いいかげんな法律を出してくるのですか。私はとても納得できませんよ、大臣大臣、答えてください。
  74. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、六十二年四月一日においてJRに継続して採用されなかった人というのは、いわば六十二年の三月三十一日においてほかの民間企業に就職されたような方々と同じ形態という認識のもとに、そういうことにさせていただいておるわけでございます。
  75. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 全く答弁になっていませんね。現職として、それでは、その人たちはJR職員じゃないのですか。  大臣どうですか。払う人がいたり、払わない人がいたりという、何でそんな変な区分になっているのですか。おかしいじゃないですか。大臣答弁してください。
  76. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  今回議論をお願いしております対象は、旧国鉄期間分のお話でございます。旧国鉄期間分、すなわち、JR社員になられた方の旧国鉄期間分についての分担関係でお願いしているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、六十二年四月一日に民間企業に行かれた、あるいはそういう方と同じような形で清算事業団に行かれたという方につきましての旧国鉄期間分については、鉄建公団の方で分担させていただきたいという案になっているわけでございます。
  77. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 それは、なぜ鉄建公団に負担させるのですか。
  78. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 今お願いしておりますのは、JR職員として採用された人の年金負担、ですから福利厚生だと申し上げているわけで、清算事業団に行かれた方々の福利厚生をJR負担するという理屈はないと思っております。
  79. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 清算事業団に短期間行ってJRにすぐ戻ってきたり、すぐ戻るというのは変かもしれないが、入社して、現状でもJR職員の人に対して、何でそんな例外規定を設けるのですか。どうしてそういうふうになっているのですか、今回の法律は。
  80. 小幡政人

    ○小幡政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、六十二年四月一日に引き続いてJR職員になった方の旧国鉄期間分についての議論をお願いしておるわけでございまして、その方々には先ほど申したような先生のお話のケースの方は当たらないということで、鉄建公団の方でお願いしている。すなわち、具体的に旧国鉄期間分、JR職員になった方の旧国鉄期間分についてに限ってのお願いをしている、こういう理解でございます。
  81. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 私は別に局長を責めるような気持ちはさらさらなくて、要するに、私が今言ったように、閣議決定しかり、国において処理するしかり、事業主か国民負担かという二者択一じゃないことを二者択一のような論法しかり、今みたいな例外規定しかり等々。これはどう考えても、今回の処理スキームで、いろいろな、二年前にああいうふうに決めたにもかかわらず、昨年十二月十七日の財政構造改革会議でこのスキームをつくった。たばこの特別税を創設する、郵貯からも一兆円持ってくる、だからJR、おまえ少しつき合えよ、まさにこういうことじゃないのですか。自由党の人たちや他の野党の人たち、JR追加負担を削除したらこのガラス細工は全部壊れてしまうみたいな話が出てくるわけじゃないですか。そうじゃないのですか、大蔵大臣。  財源確保法の絡みですから総理でも結構ですよ。この三つ、もう時間もないですから、総理大臣、お答えください。たばこ、郵貯、これが出てくるんだから、一般会計財源として確保するんだから、おまえのところ、JR関係あるんだろう、出てこい、追加負担を受けろ、こういうことでしょう。そうじゃないのですか。総理大臣、お願いします。
  82. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 いずれにいたしましても、国鉄清算事業団債務の本格的処理はもはや先送りの許されない問題でありまして、緊急に実施すべき重要課題でございます。  加えて、現在、既に、この問題につきまして、法案が期限内に成立しないことに伴って、事業団債務償還等の支払いを確保するため、資金運用部が事業団の日々のつなぎ資金を融通するという異例の事態を招いております。このため、自由民主党政府といたしましては、国会に対して一日も早い法案の成立をお願いいたしておるところでございます。
  83. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 私が聞いているのはそういうことじゃなくて、総理、今回の追加負担をJRがのまなければ、このスキーム、たばこの特別税、郵貯からの繰り入れ、この財源確保法のスキームも全部つぶれてしまうのですか、それを確認しているのですよ。それだけお答えください。
  84. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 昨年の財政構造改革会議には、政府ではございませんでしたが私も関係いたしましたが、結局、いろいろな選択肢を考えていて、雑な言葉で言えば、何とかお金を出してくれそうなところからひとつ頼もうということで、郵貯特会に頼んだり、あるいはたばこの特別税はどうだとか、そういうことを苦労されて、何もそれとそれが条件ということではなくて決定したというような経緯であったと思います。
  85. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 ですから、これはガラス細工じゃないんですね。JR負担が削除されても、この財源確保法のスキームは壊れないわけですね。
  86. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私の承知しております限りでは、郵貯にもたばこにもひとつお願いをしたいということは崩れないと思います。
  87. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 大臣、ちょっと済みません。JR追加負担は、郵貯やたばこにお願いしたときの条件にはなっていないわけですね。JR追加負担を受けますから、そちらは出してください、こういう話じゃないんですね。
  88. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私の受けております説明は、それは条件ということではない。
  89. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 わかりました。ですから、条件じゃないんですよ、今御答弁にもありましたように。  JRは、こんな追加負担、みずから決めた、平成八年の閣議決定をみずから覆すような、筋の通らないと言っていますよ、マスコミ各社全部そういうふうに書いているじゃないですか。我々議員だって、与野党を超えておかしいという話をしているわけじゃないですか。ですから、ぜひ今回の追加負担は削除すべきだというふうに私は思います。  総理、どうですか。
  90. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、現在、この問題を処理いたさなければならない緊急な事態に対処しておることでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
  91. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 ですから、私たちの主張は、今回の長期債務はここで決着をつけなきゃいけない、本体の元本償還の財源をまじめに考える、こういうことの方が本当は大事なんですよ。しかし、それを阻んでいるような筋の通らない追加負担、こんなことは削除するべきだというのが我々の主張であって、今回の長期債務は今回この場でしっかり決着をつけようというのが我々だって本意なんですよ。そのためにこそ、こんな筋違いの法は話を通しちゃいけない。  世界は見ていますよ。民間企業のJR追加負担させる、絶対に株価にも影響がありますよ。負担がふえる、収入が減る、税収が減る。損得勘定だって何にもいいことないじゃないですか。こんないいことないだらけの話を、先ほど大蔵大臣答弁にもあったように、これがガラス細工でないんだったら、明確に今回追加負担の削除をするべきだというふうに私は思います。  総理、最後にもう一度確認の答弁で終わらせていただきたいと思います。
  92. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 重ねてでございますが、ぜひ、今回のこの政府提案並びにこれに対しての修正案についての御理解をいただきたいと思います。
  93. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 全く理解できません。削除することを主張いたします。  以上です。     〔委員長退席、牧野委員長代理着席〕
  94. 牧野隆守

    牧野委員長代理 二見伸明君。
  95. 二見伸明

    二見委員 国鉄債務の問題を質疑するわけですが、その前に、ちょっと本題から外れますけれども、宮沢大蔵大臣はG7から帰られたばかりなので、それに関連して一、二お尋ねをしたいと思います。場合によっては、総理大臣の方にお願いすることになるかもしれません。  新聞の報道するところによりますと、共同声明が発表されて、大半が金融問題なんですけれども、その中にこういう言葉がありますね。日本の経済的課題は、三四半期連続のマイナス成長や金融セクターが引き続き弱いことで、最近数か月でより顕著になった。力強く持続可能な経済回復は、日本、アジア、世界にとっても決定的に重要だ。こういう文言があります。  金融の問題は今、与野党で協議されておりますから、それについては私は触れません。金融問題も関係する景気問題について、G7を受けてどういうことになるのかついて、一、二お尋ねをしたいと思います。  実は、森幹事長はきのうの富山での講演で、十一月に臨時国会を開いて、十兆円を超える規模の第二次補正を編成したいという意向を表明されました。大蔵大臣は、G7の開会前の記者会見では、「問題意識は十分に持っている。念頭にないことはない」と言われたというふうに聞いております。ところが、G7後の記者会見では「追加的措置は考えていない」というふうに述べられたと聞いております。これはどういうことなのか。もう一方は、あすの閣議では、総理大臣は緊急経済対策の策定を指示するというふうに報道されております。  森さんは十一月に第二次補正を組むと言っている。大蔵大臣は追加的措置は要らないと言っている。総理大臣はあした緊急経済対策の策定を指示するという。全くばらばらでわからないのだけれども、これはどういうことですか。  まず、大蔵大臣は追加的措置は必要ないというお考えなのか、その点。そして、総理大臣は必要だとお考えなのか。まず大蔵大臣から伺います。
  96. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 なるべくお時間をとらないように申し上げますが、朝、会見がございましたときにある記者が、それは東南アジアの援助を決めた後でやったんです、東南アジアは日本に物をもっと輸出しなきゃならぬ、それには日本の経済がもっとよくなければ買えないでしょう、そこをどう思うかという、我が国では余り行われないような質問でございましたが、それは理屈はそうですね、だから日本がよくならなきゃ東南アジアがなかなか売れない、そういう問題意識は持っています、私、そう言ったのです。ところが、ちょっと日本と雰囲気が違いましたから、それを私が何か新しい政策をとるというふうに思ったらしく私には思えましたので、夕方のときに、私はそうは言っているんじゃないよと申しました。  それだけのことなのでして、私としては外国のそういう会見で、これから日本でどうするかこうするかということをその場で言うつもりはなかったものでございますから、これは日本でよく皆さん相談してもらって、大蔵大臣の立場で考えようと、それだけのことでございましたのです。
  97. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 私が第二次の緊急経済対策を行うように明日指示するということについては、さようなことは申し述べておりません。  ただ、明日の閣議で、恐らく経済見通しについて大変厳しい数字も出てくるのではないでしょうかというお尋ねがありました。かつまた、御案内のとおり、IMF等につきましては二・五%を超える経済の落ち込みについての見通しもございまして、そういうことで、政府としてはどういう対策を講ずるかということでございましたので、厳しい状況にかんがみまして、政府全体でこの問題について考えていかなけりゃならない、そのためには総理大臣としても、各省庁の担当者に対しましても、それぞれ、新たなる経済対策に対する考え方を検討していただくというようなことは申し上げなければならない環境かと思いますけれども、私は、そのようなことを明日申し上げるというようなことを確定して申し上げたことでもございませんので、御理解いただきたいと思います。
  98. 二見伸明

    二見委員 そうすると、十一月に臨時国会を開いて第二次補正を処理するという考えはあるのですか。
  99. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 先ほどのは自民党の森幹事長の講演の内容として、新聞では拝見しましたが、私ども政府の立場で、今、国会をお願いをしておるところでございまして、そうした国会を今後においてどのように開いていくかというようなことにつきましては、当然のことながら議会との御相談もございますので、そのようなことは今考えておりません。
  100. 二見伸明

    二見委員 巷間伝えられるところは、十兆円超の事業規模の第二次補正ということが言われております。もし十兆円超ということになりますと、第一次が十六兆円ですから、二十六兆円という大変な事業規模の予算が編成されることになります。  一方、十六兆円の第一次補正の中で、地方単独事業というのがありまして、一・五兆あります。国の財政も厳しいけれども、地方の財政も相当逼迫をしておりまして、地方単独事業をやれる能力、やれる能力というか円満に進めていく力はないという状況であります。そういう環境の中で十兆円というのは、私は、今までの橋をつくる、道路を直す、いわゆる従来型の公共事業を中心にやったって恐らくだめだろうと思います。  これは参議院の選挙のときには各党も似たような主張をしたのだけれども、むしろこの日本の国を立て直すためには、特に我々自由党は日本の経済構造の改革を進めるためにも抜本的な税制をやろうじゃないかという議論はしてまいりました。私は、例えば住宅減税等々の政策減税を、それは要らないというのじゃないけれども、それだけで当面を過ごそうとするのであれば、日本の経済構造の改革、日本の景気の回復には大きな力にはならないのじゃないかと思いますけれども、基本的な物の考え方をお尋ねしたいと思います。
  101. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 第一次の総合経済対策でございますが、これが支出につきましては、今二見委員指摘のように、地方との関係もございまして、特に県議会等で六月、この支出を決めましたところはいいといたしましても、それが九月県議会になりまして、実際の出動はこれ以降になるというものもかなりございます。そういった点で、我々としては一日も早く一次の経済対策が効果を十分発揮できるような体制をとっていくことが必要でないか、今その成り行きを見詰めると同時に、いかなる措置が講ぜられるかということで今努力をいたしておるわけでございます。  御指摘のように、第二次につきまして、どのようなものがあるかということにつきましては、今一般的に公共事業も含めてそうして考えていくのか、さらなる支出が可能なような項目があり得るかどうか、こういった点については政府を挙げて今検討中でと、こういうことでございます。
  102. 二見伸明

    二見委員 本題に移ります。  今回のJRの問題につきましては、二十四兆円に及ぶ元本の問題もあります。それから、厚生年金への統合に伴う移換金の問題もございました。先ほどもこの移換金の問題が議論されておりましたけれども、この移換金の問題で、JR負担するのか、あるいは国民負担するのか、そういう問題だと私は思います。  政府案は、全額JR負担というふうにいたしました。それをめぐってさまざまな議論を呼び起こしたことは事実であります。一方で、国民の立場に立ってこの問題を見ますと、JRの社員のための年金の原資を、全く関係のない一般国民にすべて負担を強いるということには無理がある。JRは、全部国でやれ、鉄建公団でやれと言っている。これは鉄建公団にそれを処理する能力もないし、そんな金もありません。ということになれば、結局は、三千六百億円は全部無関係国民がしょうということになる、それも私はいかがかというふうに思います。  しかも、JRの社員の年金のために、一般のサラリーマン、厚生年金その他の年金が年々千五百億円支援をしている。これから四十年間、六兆円の支援をしようとしていることを考えれば、JRのいろいろなお考えもわかるし、今まで一生懸命頑張ってこられたJRの経営努力も多といたしますけれども、それ相応の負担をすることが、むしろ冷静に見ると国民の納得を得られるのではないかというふうに感じているところでございまして、その点については、改めて政府側の答弁を求める気はありません。私たちの考え基本的に申し上げておきたいと思います。  それはそれとして、JRにとって、例えば三島、貨物、これはかなり厳しいですね。経営安定化基金ですか、これの金利がゼロに近いのですから、それを当てにして経営をやろうと思ったところが、低金利のあおりを食っちゃってどうしようもないという状況であります。三島、貨物にどのような支援を考えているのか。私は、今現状では三島、貨物の株を上場する環境にはないと思いますけれども、株を上場できるように支援をしてもらいたいと思います。支援を考えなければならぬと思いますけれども、その点について運輸省の考え方をお示しいただきたいと思います。
  103. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 今、二見先生から御指摘いただきましたように、例えば北海道の経営内容を見ますと、当初、昭和六十二年は五百三十八億の営業損益を出しておりました。平成九年度は三百七十一億の営業損益でございます。そういう意味では、経営的に努力をされておる経過は出ておる。しかしながら、安定化基金は四百九十八億から三百二十四億、約百七十億落ちている。ここがやはり経営の一番厳しい理由になっております。  したがって、今まで、税制の問題また助成の問題、いろいろやっておりましたけれども、これを機会にやはり無利子貸付制度というものを創設して、一千億円用意したいと思っております。また、来年以降も新たなる措置が必要だということならば前向きに検討してまいりたい、このように思っております。
  104. 二見伸明

    二見委員 長期債務返済する、処理するための財源として、いろいろ議論があったのだけれども、JR利用税とか新幹線利用税を検討された経緯はありますね。  私は、JRという特定の企業をターゲットにした課税というのは、課税の本来の立場からいってどうなのか、実は若干疑問を持っているわけです。例えば、すべての交通関係、交通総合税みたいな形でやるのは、いい悪いは別にして、賛否は別にして、理屈は立つ。私はそういう税がいいとは思いませんけれども、理屈は立つ。だけれども、JR利用税、新幹線利用税というような特定のものにターゲットを絞った税というのはどうなのか、問題があるのではないかなと思いますけれども、この点について大蔵省の見解を承って、あと一回委員にバトンをタッチしたいと思います。
  105. 寺澤辰麿

    ○寺沢政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、昨年の財政構造改革会議におきまして処理方策を取りまとめていただく経過の中で、平成九年六月三日の閣議決定におきまして、いろいろな財源が示されております。その中に、「鉄道利用税等の形によるJR利用者の負担」という項目もございまして、JR利用税ないしは新幹線利用税等の鉄道利用税の形によるJR利用者の負担について検討をされました。それで、この検討の中で、JRの利用者だけに負担を求めることといたしますと、JRと競争関係にございます航空機また民鉄等との関係で、競争上不利になるというのがJRの主張でございました。  その問題を解消しようといたしますと、御指摘のように飛行機も民鉄もJRも広く税負担を求めるということになるわけでございますが、昨年の段階では、景気情勢がよくない中でそういった税負担を求めるのは適当ではないという形で、今回お示ししているスキームで財源を求めることとされた経緯でございます。     〔牧野委員長代理退席、委員長着席〕
  106. 二見伸明

    二見委員 終わります。
  107. 大原一三

    大原委員長 一川保夫君。
  108. 一川保夫

    ○一川委員 私は、残された時間内で、国有林野事業改革に関する問題について、政府考え方をお尋ねしたいというふうに思っております。  国有林野事業改革に関するこの問題も、これまで長年いろいろな方々がタッチをされ、その時点その時点でいろいろな整理がなされたのだろうと思いますけれども、今日、こういった累積債務がいろいろと議論されております。また一方、金融機関の話題では、ああいった不良債権のことが話題になっておりますけれども、やはり二十世紀のこの末にこういった累積債務的なものをしっかり処理をしていくということは、我々に課せられた非常に大きな仕事ではないかというふうに私自身は認識いたしております。そういう中にあって、この国有林野事業におきましても、国有林野事業役割なり使命というものをしっかり見きわめながら、やはりしっかりとこの時期に改革の方向づけをするということは、非常に大切なことだろうというふうに考えております。  その前提となります、私はいろいろな、もろもろの国有林野にかかわる基礎的な仕事があろうかと思いますけれども、まず、農水省にお尋ねしたいのは、本当に国有林野実情というか実態みたいなものをしっかりと把握しておられるかどうかということが若干気になります。それは、従来から流域別にいろいろなことが議論されてきておりますけれども、国有林のこれからの管理経営ということを議論する上でも、やはり国有林の資源の状況、実態といったようなものをできるだけ正確に把握しておくということが非常に大切なことだろうというふうに考えております。その地域別なり樹種別あるいは樹齢別にそういったデータをしっかりと把握しておくということについて、農水省として今後どういう方針で取り組もうとしておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
  109. 中川昭一

    中川国務大臣 先生指摘のように、国土の約二割を占める国有林でございますが、林野庁といたしましては、この国有林林野庁業務目的達成のために実態把握、極めて大事なことだと思っております。具体的には、これまで、国有林の計画を立てる際に、五年ごとに、航空写真あるいは現地調査等によりまして、おおむね八ヘクタールぐらいを一つの単位にいたしまして、その地域、面積、樹齢、樹種等の、森林につきましての質的、量的な把握を行っております。  今回の国有林の抜本改革に当たっても、公益的機能というものを重点にするわけでございますから、また実態把握というものが今まで以上に必要になってくるというふうに思っております。  今後とも、国有林の計画の樹立に当たりましては、先ほど申し上げたことに加えまして、現場森林官等を中心に資源の適切な把握等に努めまして、計画の実施に適切に反映させてまいりたいと思っております。
  110. 一川保夫

    ○一川委員 それと、我々、地元におきましてもいろいろと話題になる中の一つとしまして、これからの国有林の収支計画の中でも大きな位置づけになっておりますけれども、林野なりその持っている土地を処分していくということが一つのテーマになっております。この一兆円の返済の枠の中でも、五千億円程度林野なり土地の処分で対応していくというようなことにもなっているわけでございます。ただしかし一方では、国有林野にかかわっている地域というのは、それぞれ今大きな地域振興の課題を抱えているわけでございますし、過疎問題、高齢化問題で悩んでいる地域でもあるわけでございますので、国有林野の土地なりそういったものを処分するに当たりましては、やはりできるだけ地域の特性を生かす中でそういう課題に協力してあげるということも非常に大事なことだろうと思いますし、また、そういった手続等をできるだけ迅速に処理するということが大変重要であるというふうに思っておりますけれども、それに対する見解を伺っておきたいと思います。
  111. 中川昭一

    中川国務大臣 今御指摘のように、五十年間で一兆円の剰余金を生み出すことによりまして、今回国有林処理をしなければならない一兆円の負担を消していこうという計画であります。  もちろん一般会計等からの繰り入れもあるわけでございますが、その中で、国有林の資産の処分につきましては、地元の皆さんの御要望等も十分踏まえて、ただ土地を売ればいい、林地を売ればいいというだけではなくて、地域産業の振興あるいは地域住民の福祉の向上、さらには国民的な林野に対する公益的機能にも資するという観点からも、柔軟に、かつ適切にやっていきたいと思っております。そして、手続につきましては、可能な限り、要望と合致するならば、迅速かつ弾力的に対応していきたいと思っております。
  112. 一川保夫

    ○一川委員 今回のこの国有林野改革のための法律整備というのは、大変重要な課題でもございます。私は、今般のこの国有林野事業改革をこれから円滑に進めていくという上でも、やはりその時点その時点における職員数の適正な水準なり、債務処理状況、それとまた国有林野としての経営の形態のあり方、そういったものを定期的にしっかりと見直しをかけていくということが、これまでの反省を踏まえて非常に大事なことだろうというふうに思います。政府の方でも、毎年国会に報告されるということになっておりますけれども、しっかりと責任を持って必要な措置を講じていくということを基本的な考え方として持っていただくことが、大変大切なことだろうというふうに思っておりますけれども、農水大臣所見を伺っておきたい、このように思います。
  113. 中川昭一

    中川国務大臣 先生指摘のとおりでございまして、何しろ五十年計画でございますから、常に見直しをしていく必要があるというふうに考えております。  具体的には、国有林野管理経営に関する法律の中に、管理経営基本計画には必要な条項があるわけでありますけれども、管理経営に関する基本方針あるいは管理経営の事業の実施体制、この中に職員数が入ってくると思われますが、それから長期的な収支の見通し等を決めなければならない。そしてまた、五年に一度その計画の見直しをしなければならない。さらには、毎年九月三十日までに基本計画の実施状況を公表しなければならないということになっております。  それから、国有林野事業改革のための特別措置法の中で「国会への報告」ということで、毎年度、国有林野事業に係る債務処理に関する施策の実施状況を報告しなければならないということになっておりまして、できるだけ的確な公表また計画の見直し等をやっていきたいと思っているところでございます。
  114. 一川保夫

    ○一川委員 最後に、総理大臣にその決意のほどをお伺いしたいと思います。国有林野改革といいますのは、私は、国有林野だけの問題じゃなくて、やはりこれからの二十一世紀の我が国の、広く言えば国土政策全般にかかわる問題でもございますし、また、当然、森林行政全般にも大きな影響なり役割を及ぼす、そういった今回の改革だろうというふうに思っております。  また、一方では、今、小渕内閣の当然の課題でもあろうかと思いますけれども、財政改革なりあるいは行政改革というような今日的な大きな政策課題の中でも、こういった国有林野改革というのは大変重要なものがあるというふうに考えております。これらにつきまして、やはり政府全体でこういう改革に取り組む姿勢というのは、大変大切なことだろうというふうに考えております。  そういう点で、総理大臣の御決意を伺っておきたい、そのように思っております。     〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕
  115. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 我が国の国土保全を初めといたしまして、国有林の果たしてきた役割というものは評価してもし切れないものだろうと思います。しかし、現下、この運営をめぐりまして、大変財政的にも厳しい環境でございます。今回のこの法律によりまして、将来に向かっての構造改革財源問題あるいは雇用の問題等々も含めまして、国有林を守っていくという体制をきちんとしていかなければならぬ、このように考えて、政府を挙げて努力をいたしてまいりたいと思っております。
  116. 一川保夫

    ○一川委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  117. 杉山憲夫

    ○杉山委員長代理 平賀高成君。
  118. 平賀高成

    平賀委員 日本共産党平賀高成です。  私は、初めに、JRの採用差別問題について質問します。  分割・民営化が行われて十一年がたちますが、いまだに採用差別の問題で路頭に迷わされている、こういう労働者の皆さんがいるわけですが、私はいまだにこういう問題が残っていること自身、重大な政治的な問題だと思います。特に、千四十七名の労働者の皆さんは、分割・民営化の中で、二回も政府の国策によって首を切られた最大の被害者であります。当時の中曽根首相も、一人の職員も路頭に迷わせることがないように万全を期すと国会で明言をしています。私は一刻も早く解決すべき問題だと考えます。  そこで、小渕首相に聞きます。  分割・民営化後十一年が経過をし、JR採用差別で闘っている労働者の皆さん、非常に生活も大変です。例えば、その生活は、アルバイトあるいは行商などで食いつながざるを得ないなど、大変な深刻な状況に置かれています。小渕首相は、こうした状況をもうこれ以上放置することはできないと思いますが、どのように考えますか。
  119. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 JRの不採用問題につきましては、過去に何度か運輸大臣あるいは労働大臣が政治決着に向けて労使双方に協力を求めましたが、関係者間で大きな意見の隔たりがあるのが現状でございます。  本件につきましては、本年五月二十八日に東京地裁においてJR勝訴の判決が出されたところでありますが、政府としては、本判決が問題解決の契機となり得ると考えられることから、今後の関係者の対応を見守りつつ、引き続き努力をいたしてまいる所存でございます。
  120. 平賀高成

    平賀委員 私、そういう人ごとのような答弁は聞きたくありません。小渕首相はそのような答弁をしましたけれども、そういう態度が今本当に多くの皆さんに犠牲を負わせています。  今、私は「JRで働くお父さんを見たい」という文集を持ってきましたが、この中には、北海道の名寄の家族の方が、ある日、小学校の一年生の子供が私にこう言ったのですと書いています。お母さん、給食費払って、そうでないと僕、給食食べられないと目に涙をいっぱいためてお母さんに訴えたそうです。そういうことがこの中には切々と書かれてあります。  私は、政治的な解決が図られてこなかったために、家族の皆さんにも本当に大きな犠牲を与えている、これは人道上からも許されない問題だと思います。こういう事態を打開して、本当に解決をするために今こそ努力をするべきではありませんか、小渕首相。
  121. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 今総理から御答弁がありましたように、東京地裁で第一審JR勝訴という結論が出てまいったところでございます。  これを一つの契機としながら、社民党さん、さきがけさん、また自民党の中で、この問題について政治的な決着ができないだろうかといろいろな議論が今なされておることは事実でございます。そういうものを見守りながら、運輸省としてなすべきことがあれば努力してまいりたい、このように考えております。
  122. 平賀高成

    平賀委員 このJR採用差別問題というのは、政府の国策によって生まれた問題であります。いまだに解決されていないこと自身、重大な問題です。それで、十一年もこの問題が放置をされてきて、家族にも、本当に人道上の問題からいっても、深刻な状況を押しつけています。幾ら政府といえども、人の一生を台なしにすることは、私は絶対にできない問題だと思います。  さらにつけ加えて言いますと、でっち上げ事件で、裁判で無罪が確定したにもかかわらず、いまだに職場に復帰できない、これは、横浜人活センター事件などがそうでありますが、こういう問題というのは政府の国策によって生まれているわけでありますから、総理責任ある解決をぜひ私は求めたいと思います。このことを最初に申し上げまして、長期債務の問題に移らせていただきます。  今審議をしている国鉄債務問題について、JR負担をゼロにするとか、半額にするというような修正案が出ています。しかし、その問題の中心というのは、政府がやるべきこともやらずに旧国鉄債務をこの十年間で二倍にふやし、しかもこの長期債務国民負担をさせるということが大問題であるわけです。  今多くの国民の中には、明治時代の簿価で超一等地をもらって、しかもさまざまな関連事業で莫大な利益を上げているJRに一切負担をさせないで、なぜ郵便貯金やたばこからお金を取るのか、こういう素朴な疑問があるわけです。借金を二倍にふやした政府責任からいっても、新たな国民負担なしでこの債務処理をするのは当たり前のことであって、今このことが問われているわけです。この点でまず検討すべきは、JR本州三社に対する応分の負担を求める問題です。  そこで、運輸大臣に聞きます。  国鉄分割民営化のときに、JR各社に対して、鉄道事業に必要な土地ということで帳簿価格で土地が承継されました。例えば、JR東日本の山手線の二十九の駅用地だけをとってみましても、当時十八兆から二十兆円と言われた資産が、何と七十九億円で承継をされています。当時の時価の二千数百分の一という、本当に明治、大正時代の簿価で一等地を承継したわけです。ところが、鉄道事業に必要な土地として引き継いだ国民の共有財産である土地が、JR各社によって売却をされています。  運輸大臣に聞きます。JR各社が鉄道事業用地として引き継いだ土地で、これまでに売却された面積と金額は幾らですか。
  123. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 国鉄改革後、JR七社の昭和六十二年度から平成九年度までの十一年間、用地譲渡総件数は三千六百件、譲渡総面積は六千百万平方メートル、譲渡総価格は一千六百六十五億円でございます。  ただし、これらの用地の譲渡は、土地収用対象事業への協力、それから新幹線を整備しまして、それに伴って並行在来線を第三セクターへ売却をしたというものが主な内容でございます。
  124. 平賀高成

    平賀委員 もう一つ、運輸大臣に聞きますが、これらの土地売却で得た収入というのは、JRの経営努力なしで得た利益ではないですか。
  125. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 今申し上げましたように、東京都なり大阪府が一つの事業をやっていく、その中でJRの土地を収用して新しい事業を起こしたい、そういったときに協力をいたしたものでございます。
  126. 平賀高成

    平賀委員 確かにそういうふうな理由があったにしても、これはJRが経営努力で得た利益かどうか、そのことについて聞いています。もう一回答弁をしてください。
  127. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 土地の売却を強く要請されて売った、こういうふうに理解しております。確かに、経営努力の結果というのは、なかなか考え方としてはそういう形にはならぬと思いますけれども、JR自体さまざまな、例えば並行在来線の問題等、いろいろな形で対策を行いながら売却をした、こういうふうに思っております。
  128. 平賀高成

    平賀委員 これは経営努力で得た利益でないことははっきりしています。  当委員会小渕首相は、私の質問に対する答弁で、これ以上JRへの負担を求めていくということが可能かどうか、こういう答弁を行っています。しかし私は、このJRの応分の負担というのは当然のことだと思っています。JR各社が鉄道事業用地として必要だとして土地を簿価で引き継いで、しかし、これは使わないで売却したわけですから、国民負担をなるべく減らすというあなた方の方針からいいましても、当然長期債務返済に充てるべきではないですか。小渕首相、小渕首相に聞いている。
  129. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 ただいま川崎運輸大臣が御答弁申し上げたように、JRといたしましては、ほかの公共的な用途を目的として要請されてそれを売却したということでございますので、JRとして特別の利益を得るための売却でないということでありますれば、これは認められるものと思っております。
  130. 平賀高成

    平賀委員 幾ら公共的な用地のために出したといいましても、これは鉄道事業をやるために必要だということでもらった土地です。当時の三塚運輸大臣でさえも、国民負担をお願いしているわけですから、JRに渡す資産というものはあくまでもぎりぎりのものだ、こういう答弁を当時の三塚運輸大臣も行っているわけです。幾ら公共用地に使われたとしたとしましても、そもそもそういう趣旨の財産でありますから、土地でありますから、これは当然長期債務返済に充てるべきだと私は思います。  さらに、JR本州三社は、鉄道事業以外の関連事業のために七千四百三十五億九千七百万円の投資を行うだけの体力を持っています。しかも、JR各社が鉄道事業に必要だからと簿価で一等地を引き継ぎながら、鉄道事業とは直接関係のない駅ビルに利用しています。  そこで、運輸大臣に聞きます。そうした土地は全国で何カ所あって、総面積は幾らですか。
  131. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 JR関係の駅ビルにかかわる経営は、JRの出資会社が行っております。店舗面積は三千平方メートル以上のものが百二十一カ所、その店舗面積は百十九万平方メートルでございます。
  132. 平賀高成

    平賀委員 こうしたJRの駅ビル開発などが全国各地で行われて、周辺の中小企業に重大な影響が及んでおります。  例えば、京都駅の場合には、鉄道用地として引き継いだ面積が三万八千平方メートル、その面積のうち二万四千九百平方メートルをJR西日本が六〇・五%出資した京都駅ビル開発株式会社に使わせています。JRが鉄道用地を関連事業として直接利用する場合でありながら、京都駅ビル開発株式会社はJRの別会社のために、旅客鉄道会社法による運輸大臣の認可の対象外となっているわけです。  昨年九月、京都商店連盟の調査では、京都駅周辺の六十一の商店街のうち、売り上げが減ったが五四%で、そのうち四割以上の商店街で、駅ビルの影響が大きいと答えています。帳簿価格で引き継いだ鉄道事業用地を鉄道事業以外に利用し、莫大な収益を上げているJRには応分の負担をさせないで、逆に、このようなJR商法によって大きな被害を受けている中小企業や国民に大きな負担をさせるということは、小渕首相、不公正だとは思わないですか。     〔杉山委員長代理退席、委員長着席〕
  133. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 JRは法に基づいて民営化いたしまして、その事業を通じまして利益を獲得し、その中から国庫にも税金として納めていただいておるわけでございまして、そういう意味では、民間事業として法に基づいて行うことについて我々がこれを指弾することはできないと思っております。
  134. 平賀高成

    平賀委員 たばこや郵貯というように国民負担はどんどんやる一方で、当事者である当のそのJRに対して何ら負担を求めないというのは、本当に私は不公正なやり方だと思います。  さらに、私は、国民負担なしにこの長期債務の問題の解決を考える場合、道路特定財源の問題にもメスを入れることが必要だと思います。  国鉄分割民営化の方針を決めた国鉄再建監理委員会の答申の中でも、マイカー中心の自動車輸送の増加が国鉄の赤字経営に重大な影響を与えたことを明らかにしています。この自動車輸送のシェアの拡大は、鉄道には特定財源がなく、道路には特定財源があったことから生じたことは明らかであります。したがって、道路特定財源を長期債務返済に充てるのは道理や根拠があるわけです。  九七年度で見ると、自動車重量税の国の税収分だけでも六千七百億円ありますが、大蔵大臣、この自動車重量税は一般財源ではありませんか。
  135. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この点は、昨年の財政構造改革会議でも実は随分議論になりました。それで、中でグループをつくっていただきまして、特定財源グループというところで、今お話しの道路特定財源はどうだということはいろいろ議論になりまして、おっしゃるような点はあったわけですけれども、しかし、とてもこれは長期債務に転用するわけにはいかないという多くの方の議論でありました。したがって、それは実現はできないという結論になりました。
  136. 平賀高成

    平賀委員 私は、これは一般財源かどうかということを確認しているわけですから、ちゃんとその点について答えてください。大蔵大臣ですよ。
  137. 寺澤辰麿

    ○寺沢政府委員 お答え申し上げます。  特定財源グループで検討されまして、自動車重量税についても議論が行われました。その中では、自動車重量税については、形式的には一般財源でございますが、創設の際の経緯からすれば道路整備のための目的税的一般財源であり、納税者は納得しないのではないかというふうに議論をされたところでございます。
  138. 平賀高成

    平賀委員 本当にわけのわからない答弁ですが、大体、福田大蔵大臣でさえ、四十六年度予算では、自動車重量税を一般財源として受け入れることにしたのです。したがって、この道路財源として発足しました自動車重量税収入は、ひもつきであるとか特定財源であるとか、そういう形をとっておりません、当時の福田大蔵大臣だってこういうことを言っているんですよ。もう一回ちゃんと答えてください。
  139. 寺澤辰麿

    ○寺沢政府委員 お答え申し上げます。  自動車重量税が昭和四十六年に創設されましたのは御指摘のとおりでございます。  収入額の国分、四分の三でございますが、この八割が国の道路整備に充当されております。これにつきましては、四分の三は国の一般財源であるが、税創設及び運用の経緯から、八割相当額は道路財源とされているというのがこの取り扱いの考え方でございます。
  140. 平賀高成

    平賀委員 今、一般財源だと認められました。  当委員会の参考人質疑で、国鉄の分割・民営化のスキームをつくった一人であって、自民党推薦の加藤寛参考人も、道路特定財源にメスを入れることは賛成でございますと、私の質問に対して答弁しています。さらに大蔵大臣は、当委員会の私への答弁で、元本返済の四千億円については、四千億円をどうやってつくるかということは、今ここで具体的に計画が立っておりませんと答弁をしています。そして、二十三・五兆円の元本償還は歳入歳出見直しによって行うと、そのとき答弁しています。  そうだとするのなら、その見直しの中に、元本償還、返済財源として道路特定財源見直しが入っているのか、この点について聞きます。
  141. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 今、政府委員が申し上げましたような経緯がございますから、道路特定財源というものを、なかなか簡単に従来の慣例、いきさつというものは私は破れないだろうと思います。
  142. 平賀高成

    平賀委員 法律的にも一般財源だという自動車重量税さえ見直しを行わない、その一方で国民負担はどんどんかけてくる、こういうやり方というのは本当に私は理不尽なやり方だと思います。  きょうの議論の中でも、少なくとも、JRの土地売却代金の問題やこの特定財源の問題、こういうものをちゃんと見直していくのなら、新たな国民負担なしでこの長期債務の問題を解決することは十分可能だ。先月の九月九日に、私たち日本共産党は、「新たな国民負担なしに、旧国鉄の長期債務問題を解決するために」、こういう提言を出しておりますが、三つの柱でこういう内容を述べております。私は、日本共産党のこういう立場こそ、国民が求める本来の立場だということを最後に強調いたしまして、時間が来ましたので、以上で終わります。
  143. 大原一三

    大原委員長 伊藤茂君。
  144. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 短い時間ですが、質問をさせていただきます。  まず、冒頭に総理にお伺いしたいのですが、先ほどの同僚議員の冒頭部分でしたか、御答弁の中で、林野要員問題につきまして、おおむね三分の一を基本にしてという言葉遣いをなさいました。ちょっとはっとしまして、この問題は、与党時代にも政府・与党で私ども随分議論をいたしまして、労使の協議を尊重しながら、また多面的な、みんなで議論をしてやるということが今大事なんだということを、何遍も実は確認をしてまいったところであります。同じような趣旨のことを先般中川農水大臣質問させていたださましたら、まさにそういう意味のいい御答弁をちょうだいいたしました。  まさか農水大臣が言われたことと総理がおっしゃったことが違うわけはないと思いますので、冒頭、気になりましたので申し上げますが、三分の一とかなんとか、そういう数値目標が先にあるような印象で、これからの山の問題の処理がうまくいくとは思いません。労使も含め我々も、みんなが知恵を絞って、やはりこれからの将来をどうするのかということが必要なわけでございます。初めに数値目標ありきとは、総理もお考えになっていないと思います。また、今までのさまざまの合意労使の真剣な話や努力を尊重しながらやっていくというのが本来の姿だと思いますが、いかがでしょうか。
  145. 中川昭一

    中川国務大臣 伊藤先生の御質問の御趣旨は、まさにそういう意味で私は理解させていただいておりますし、総理答弁も、前段を説明というか、もう既に私からもそういう言葉は何回も出しておりますから、そういう意味総理からそういう御答弁があったと思います。  改めて政府として確認をさせていただきますならば、今回の国有林の抜本的改革におきましては、まず二つの大きな目的がある。公益的機能の重視、そして、国の業務は民間で賄えない森林の保全、管理等の業務に限定をする、それから二番目としては、伐採、造林、林道等の事業は全面的に民間に委託をする、これが基本的な考え方でございまして、その中で、職員数を、集中期間中にできるだけ早く業務に応じた必要最小限の規模としていく考えでございます。  それに当たりましては、この要員というものは、そういう業務に必要な人数は一体どのくらいになるかということに関しては、一つの数値目標というよりも、詰めていけばどういう方向になるのかということは、まさに今までの議論の経緯、そして、今後も労使が熱心に論議をし、意思疎通を大事にしながら円滑な形でこの議論が進められていくように、閣議決定あるいは先生にもお力をいただきました三党合意等で進められていく議論でございます。  その中の一つの数字として、形容詞が三つほどつくような、かなりあいまいなことでありますけれども、一つの、議論の過程における目安としてそういう数字が、今までも、私も含めて何回か口から出た言葉ではございますけれども、それは目的ではなくて、これからのポイントは、労使が今までと同様に議論を進めていきながら、必要な人員、必要最小限の人員というものはおのずから決まっていくだろうという趣旨と御理解をいただきたいと思います。
  146. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 ただいまの担当の農水大臣説明を了といたしております。
  147. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 いずれにいたしましても、初めに数値目標があって、それをやるんだということではなくて、今大事なことは経過を大事にするということだと思いますので、改めて御確認をお願いして、努力をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、総理にお伺いいたします。  いわゆるJR不採用問題、千四十七人の問題。実は、数年前に私が運輸相を担当したときにも何とかしたいなと思いながら今日に至っている問題でございまして、何も今、国鉄、JR問題の基本議論しようとは思いません。残された大きな社会問題であります。社会問題として、早急にやはり関係者の和解で打開するという必要があるのではないだろうかということで、さまざま努力を、これは村山内閣当時からずっと議論してきたテーマでありまして、御承知のことだと思います。  今、この問題が議論されています。ある意味では、やはり当面かこれから先か、しばらくの間がラストチャンスだろう。さまざま難しい問題もございますけれども、政府としても特段の決断と御努力をいただきたいと思っているわけでございますが、いかがでしょうか。
  148. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 本件につきましては、伊藤委員も含めまして、歴代運輸大臣も大変御苦心してまいった問題ではなかろうかと思います。労働大臣ともどもに本問題の解決のために御苦労されながら今日に至っておるわけでございますが、先ほど御答弁申し上げたように、裁判所の一審の判断も出てきております。そういうことで、川崎運輸大臣といたしましても、社民、さきがけの間で従前からこの問題に取り組んでこられたということも含めまして、この裁判の結果は結果として、これは現実に一つの省の判断でございますが、御指摘のような点もございますので、さらに担当の方々の話し合いも含めて解決することを願っております。
  149. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 関連しまして運輸大臣、この間もお伺いしましたが、そういうものが進行した場合に、一つの必然性として、現在清算事業団にかかわる立場の問題も発生するであろうと思います。先般も、それは、今回の法改正の附則第二条一項でしたかによって鉄建公団に引き継がれるというスキームになっているという御答弁がございましたが、改めて、それでよろしいですね。
  150. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 先日も御質問いただいたところでございますけれども、まず、JRと係争中でございます。これが何らかの方策の中で清算事業団との間の係争という形に変わりましたとすれば、当然、鉄建公団が当事者としてそれを引き継がせていただいて、いろいろなことを考えさせていただくことになろうと思います。
  151. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 大蔵大臣に伺います。  たばこ特別税の問題ですが、当分の間の措置として取り扱われております。  私は、前にも申し上げたのですが、なぜこの問題でたばこかという疑問もございます。それから本来は、やはり地方税と国税とございまして、地方の方も大変ですから、たばこは地元で買いましょうというステッカーを張るとかいうような状況にもございます。  非常に長期間にわたるということになりますといろいろな問題があるので、やはり、これらのことにつきまして、制度のあり方の問題として、また今後の財政の努力視点もございますが、節目節目で検討したり、見直したり、勉強したりしていくということが必要ではないかと思いますが、いかがでしょう。
  152. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この間もお尋ねがございまして、お立場をよく存じながら申し上げたところでございましたが、これは、一般会計財源の補完を図るものとして特別税を創設いたしました。一般会計に承継される債務の償還期間が一般の国債と同じように六十年でございますから、これを前提としたことから、利払い及び償還財源に充てられるたばこ特別税の適用期間についても、六十年ということを頭の中では考えておりますけれども、しかし、承継債務の償還状況一般会計の財政状況等に応じまして、御指摘のように不断の検討を要する課題であると考えております。その意味で、六十年と規定せずに当分の間と規定したところでございます。
  153. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 終わります。ありがとうございました。
  154. 大原一三

    大原委員長 中田宏君。
  155. 中田宏

    ○中田委員 無所属の会の中田宏でございます。  私は、国鉄清算事業団債務処理に絞って、この最後の質疑を行わせていただきたいというふうに思います。  本委員会のきょうの最初に、自民党、自由党、社民党共同の修正案趣旨説明がありました。私は、小渕総理、宮沢大蔵大臣それから川崎運輸大臣に、本当にこれでよろしいんですか、このようにお聞きをしたいわけであります。小渕総理、あなた自身もこれに賛成をされるんですかというふうに疑いつつ、私はお聞きをしたいわけであります。  自由党が新しいスキームを持ち出すのは私、結構なことだと思うのですよ。しかし、自民党は党内手続を経て国会に出しておるんでしょう、政府原案として。これが内容がどんどんどんどん変質していって、それで果たして総理を初めとした皆さん、これでよろしいという御見識なのかどうか、私は本当に疑いたくなると思うのですね。  JR負担については、本委員会で何度も何度も出てまいりました。その際、総理はどう答弁をしていたのか。総理答弁は、JR社員分厚生年金移換金がJR社員の年金給付のための負担であることからすればJRRの負担とすることが合理的である、あるいは、特定企業の社員の福利厚生のための負担を一般国民負担とすることは不適当である、こう言ってきたのですよ。それが政府の見識であり、哲学だったのじゃないのですか。積算根拠だってちゃんとあったはずなんじゃないのですか。  ならば、今回、JR負担は半分だ、残りの半分は鉄建公団を通じて国庫補助金という形で国民負担だと。これはどういう合理性があって、総理、これに賛成するのですか。ぜひ総理のきちっとした責任ある御答弁を私はお伺いしたいと思います。
  156. 小渕恵三

    小渕内閣総理大臣 政府としては、当初国会にお願いをいたしました法案が、与党の支持を得て法律として提案しておりまして、これを是としておるわけでございます。  しかし、その後の本委員会における御審議等を通じまして、各党にもいろいろな御意見がありました。こういうことを含めましたので、この法律案につきましては、各党間の話し合いの中でこうした決着を図ろうということでございまして、国会が御判断をされることにつきましては、私といたしましては、それが最善のものとして考えていかなければならない、このように考えておる次第でございます。  今時点における国鉄清算事業団債務の本格的処理はもはや先送りを許されないという状況の中で、今日、自由民主党といたしましても私のところに判断を求めてまいりましたので、私といたしましても、そのような判断につきまして、野党との話し合いに理解を示し、その結果、こうした形での修正と相なったものでありますので、これをもって、政府といたしましては、ぜひこの修正案において処理していただきたいと願っておるということでございます。
  157. 中田宏

    ○中田委員 これ以上先送りができないことと、半分に減らしたり三分の一にしたり五分の一にしたり、そういうこととはもう全然わけが違うと思うのですよ。バナナのたたき売りじゃないのですね。半額にするとか、何か秋風が吹いてきて寒くなってきたから夏物大バーゲンとか五〇%オフだとか、そういったぐいの話とは全然違うのではないのですか。無節操ですよ。  私は、そもそもこの議論というのは、法治国家として本当にこの国は大丈夫か、閣議決定をしたり議会で手続を踏んだりということの、これは民主主義の基本的な問題として、もとる行為だと思いますね。六十一年や六十三年の閣議決定、国において処理する、これもそう。あるいは平成八年三月の閣議決定、七千七百億円については清算事業団負担すると決まっているわけですね。ところが、それも、国が負担することを意味していないとか、これはもう言葉遊びですよ。  時間がないですけれども、最後だけちょっと、先生方にお許しをいただいて、あと少々だけ申し上げてもう終わりにします。この間、慶応大学の小林先生が参考人で来ましたね。あのときに小林先生が、友人と食事をしていて、おれが処理するといって伝票を持って帰ってもらったら、後日精算が来て、あんたが処理するようにおれは処理しておいた、こういう言い方は、国がやることとしては全くばかげていますよ。本当にそう思いますね。  JR負担が可能かどうか、JRの能力が問題なんじゃないのです。JR負担をすべきかどうかのべき論で言うのならば、それはJR負担すべきでない、私は今までの見解からいったらそのべき論だし、あるいは共産党のようにもっともっと徹底的に負担すべきだというのも一つの見識だと思いますよ。しかし、半分に削るとか三分の一にするとか、そんなのは全然見識ないじゃないですか。だったら、どういう根拠でその積算をはじいたのですか。そこが大問題なんですよ。  こういう国だったら、やはりマーケットが信頼されるわけないですね。外国投資家がJRにも投資をしている、しかしそれも無視する、マーケットも信頼されない。経済がよくなるわけない。何が経済再生内閣なのかと私は非常に疑わしいわけであります。  最後に、時間もあれですから、私、本当に一言だけ申し上げますが、何か怪しげな飲み屋か値段のわからないすし屋か料亭じゃないのですよ。今後は、政府がこういうスキームをつくるときは、一切、明朗会計とばちっと出していただいて、一千七百億円ぽっきり、追加負担なし、こんなような表現をしてもらわないとわからないという国会閣議決定では、全くこの国は信用されない。  このことを最後に申し上げて、私は、時間を終わらせていただきたいと思います。
  158. 大原一三

    大原委員長 これにて各案件及び各修正案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  159. 大原一三

    大原委員長 この際、日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する衛藤晟一君外二名提案による修正案及び一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案に対する牧野隆守提案による修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。川崎運輸大臣
  160. 川崎二郎

    ○川崎国務大臣 この修正案につきましては、諸般の事情に照らして、政府としてはやむを得ないものと考えます。
  161. 大原一三

    大原委員長 宮沢大蔵大臣
  162. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この修正案につきましては、諸般の事情に照らし、政府としては異議がありません。     —————————————
  163. 大原一三

    大原委員長 これより各案件及び各修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。小平忠正君。
  164. 小平忠正

    ○小平委員 私は、民主党を代表して、日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対し、原案及び民主党、平和・改革以外の修正案に対し反対、並びに国有林野事業改革法案及び自民党提出の同修正案に反対、一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案に対して反対の討論を行うものであります。  国鉄長期債務は、法令に基づき、国鉄清算事業団、すなわち国の債務JR債務とに明確に区分されたものであったはずであります。国鉄改革当時、JRは売り上げの四・五倍の十四・五兆円を負担することとなりましたが、JR各社は着実な債務返済を行い、十年間で八・一兆円の利払いを行った上で、二・九兆円の元本返済も行ったのであります。一方、国鉄清算事業団債務は、当初二十五・五兆円であった債務が、土地や株式の売却を行ったにもかかわらず、平成九年度首で二十八・一兆円にも膨れ上がっております。まず問うべきは、旧国鉄時代に我田引鉄と言われ、全く採算の合わない路線を次々と開通をさせた政治の責任と、長期債務の本格的処理を先送りしてきた政府責任であります。  さらに、この法案は、昭和六十三年の閣議決定でも、土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る長期債務等については、最終的には国において処理するとされる趣旨に明らかに反し、三千六百億円の根拠である年金移換金の問題は、法的にも社会常識としても、正当性に欠けるものなのであります。  二年前の国会において厚生年金保険法等の改正が行われ、昨年、平成九年四月より行われた日本鉄道共済年金厚生年金への統合に伴い、移換金の不足額として、清算事業団が約七千七百億円、JR各社が約千七百億円を負担することで最終的な決着を見たものであり、追加負担を認めるべきではありません。したがって、民主党及び平和・改革は、この点についての修正を求めているところであります。  次に、国有林野法案関係についてであります。  今日の国有林野事業の破綻原因は明白であります。それは、経営の行き詰まった事業に対し、政府がいつまでも独立採算制の国営企業方式にこだわり続け、高金利の財投資金を投入し続けたことが、今日の経営破綻につながっているのです。このような本質的な部分には手をつけず、経営改善と称して専ら職員の削減のみを進めてきたのが、これまでの政策であります。  そして今回の法案も、表面上は公益的機能への転換と言いながら、基本的には従来の政策の延長にすぎないと言わざるを得ません。もし、本気で公益的機能へと転換するのであれば、国有財産法上の位置づけは、当然、現在の企業用財産から公共用財産へと変更すべきであります。  また、事業特会に一兆円の債務を残すというのも抜本改革への姿勢を疑います。政府は、過去何度も長期改善計画を立てては失敗してきました。ところが、今回も性懲りもなく向こう五十年間の長期見通しなるものを立案し、一兆円もの債務を償還しながら経営を黒字転換するという、恐らくは立案者すら信じていない案を提示しているのであります。林野庁みずからが国有林野事業の破綻を認めているにもかかわらず、一兆円もの債務を背負わせての事業再建が本当に可能と考えているのでしょうか。  職員適正化についても、公益的機能を発揮する森林をつくり出すのであれば、どこに、どのような技術を持った人間が、どの程度必要かといった議論が十分行われるべきであり、政府案や修正案のような駆け足の議論ではとても適正数など決められないと思うのであります。  次に、債務承継財源確保法案でありますが、国鉄清算事業団の長期債務国有林野債務処理のために、郵便貯金特別会計から毎年二千億円程度、合計一兆円、たばこ特別税を新設し、毎年二千二百四十五億円程度を一般財源に繰り入れるとのことでありますが、長期債務と全く関係のないところから財源を持ってくるといった手法は納得のできるものではありません。  以上が反対の主な理由ですが、最後に、旧国鉄長期債務について、政府は、最終的に国において処理をするとの約束を守り、一般会計の健全化の中から財源を見出す努力をすべきであります。  また、国有林野事業の抜本改革に向けては、企業特別会計からの完全脱却と、国土環境保全などの公益的機能への具体的転換なしには実現不可能であるという立場を明らかにして、反対討論を終わります。  ありがとうございました。(拍手)
  165. 大原一三

    大原委員長 次に、赤羽一嘉君。
  166. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 私は、平和・改革を代表し、ただいま議題となりました政府提出森林法等の一部を改正する法律案に賛成し、その他五法案に反対、また、民主党、平和・改革提出日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する修正案に賛成し、自民、自由、社民提出日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案に対する修正案に反対する立場から討論を行います。  今回の法案を成立させることは、行財政改革の模範的モデルである国鉄改革に大きく傷をつけてしまうものであります。  そもそも、旧国鉄長期債務は、抜本的な行財政改革の一環として処理すべきものであるはずであります。本法案のように、理屈も何もなく、負担させやすいところに負担を強いることは、国鉄民営化の意義を風化させてしまうばかりか、内外から信用を失墜させかねない悪法であります。  以下、それぞれの法案に反対する理由を申し述べます。  まず第一に、何よりも、今回の法案によって莫大な財政赤字を抱え込むことになるにもかかわらず、それを国民が納得するに足るような行政改革、歳出削減については見るべきものが何もないという点であります。  旧国鉄債務処理について、巨額の財政赤字をふやしこそすれ、ほとんど減らさないままに一般会計で引き継いだ上に、政府関係機関並びに与党の当事者のだれもがみずから責任を明らかにせず、ただ負担国民及び民間に求めようとする、そうしたことは到底納得できるものではありません。  理由の第二は、JR追加負担を求めている年金移換金の問題であります。  移換金債務の九千四百億円の負担に関しては、平成八年当時の厚生委員会において議論がなされ、野党各委員より、七千七百億円もの負担に国鉄清算事業団はたえられるのかとの懸念が表明され、大変激しい論戦が展開されました。が、結局、旧国鉄期間分の七千七百億円は国鉄清算事業団が、JRになってからの期間分の一千七百億円はJR各社が負担することが決定されました。また、将来返済できずに終わる移換金債務については、事業団の既存の債務と同様に、最終的には国において処理するとの決定がなされ、あくまで国の債務として、JR負担をかけないことが決められたものであります。  このような経緯の末に決定されたにもかかわらず、二年もたたぬうちに、へ理屈を並べてその負担区分を変更し、JR追加負担を求めているのが今回の法案であります。これは当時の議論を全く無視した国会軽視そのものであり、余りに御都合主義が過ぎるものであると思います。  理由の第三は、民間企業に追加強制負担を求めていることがいかにグローバルスタンダードに適合しないかということであります。  JR各社の年間利益が二千億円強しかない状況で、急に三千六百億円もの追加借金を背負わせることは、業績の悪化につながり、JRという企業の経済価値を下げ、その結果、JR株の下落を招くことは必然であります。JRの株主の合理的な予測を超えた理不尽な追加負担を株主総会も開かずに決定することは、株主代表訴訟の対象になることが予想されます。  また、株主、投資家への裏切りとも言える民間企業JRへの追加負担を国が政治主導で行うことになり、我が国の民営化がこうした方針で行われるのならば、今後の株式の公開に重大な影響をもたらす懸念を強くするものであり、内外の市場からの反発を危惧するものであります。  理由の第四は、郵便貯金特別会計からの特例繰り入れについてであります。  郵便貯金の黒字と国鉄長期債務処理との間には因果関係は全くありません。郵貯に黒字があるからといってそれを持ってくるというのでは、財政の論理と節度を無視するものだと言わなければなりません。  理由の第五は、たばこ特別税の創設についてであります。  国鉄長期債務処理に、たばこ特別税を創設することは何の因果関係も持ちません。しかも、一般会計の税収とせずに、直接、国債整理基金特別会計に直入することによって目的税的に使おうとするのは、税理論上どう考えてもつじつまがいません。目的税として処理するには、それなりの合理的な因果関係が必要なことは言うまでもないことであります。  最後に、理由の第六として、政府・与党の責任が全く明らかにされておらないことであります。  今日の事態に至らしめ、問題を生じせしめたのは、政府・自民党の積年の運輸行政、財政運営の結果であり、そうした責任政府・自民党の採算を無視した旧国鉄への利権関与によってやみくもに線路が延長され、膨大な借金を積み残した責任が、今日に至るも全く追及されていないのであります。  また、さらには、国有林野においてはなお一兆円の債務が残っておりますが、その詳細な償還計画とその具体的な可能性についても、明確なものは何ら明らかにされておりません。  こうした旧国鉄の長期債務国有林野累積債務一般会計が承継したことによって、我が国の債務残高は急膨張することになり、国際的な信頼の低下を招いております。財政投融資対象機関には、第二、第三の旧国鉄及び国有林野に陥ろうとしている機関も少なくないと伝えられております。にもかかわらず、その対策が講じられようとしているとの話は全く聞いたことがありません。  自民、自由、社民提出修正案に関しても、その内容は、JR負担分を縮減するだけで、私がこれまで指摘した幾つかの問題点が解消しているわけではないことから、反対であります。  民主、平和・改革提出修正案は、政府提出法案の問題点を踏まえ、かつ今回の法案提出されるに至った経緯をかんがみて、最重要な問題点だけについて修正することを目指したものであります。委員各位の御賛同を賜りますようお願いし、私の討論を終わります。  以上です。(拍手)
  167. 大原一三

    大原委員長 次に、中林よし子君。
  168. 中林よし子

    ○中林委員 私は、日本共産党を代表して、旧国鉄の長期債務法案国有林野事業改革特別措置法案等に対する反対討論を行います。  政府は、国鉄の分割・民営化に際して、長期債務問題の解決を図ることを最大の課題としてきました。しかし、二十五兆五千億円であった長期債務は、国鉄清算事業団が土地の売却などによって十四兆六千億円もの返済を行ってきたにもかかわらず、毎年の利払いにも不足し、利払いのための借金が繰り返され、二十七兆八千億円に大きく膨らんでしまったのです。抜本的な処理対策を先延ばしにして、国民負担を二倍に膨らませた自民党政府責任は極めて重大です。  債務法案は当面の利払い部分について対応しようとするものであり、元本返済財源には全く裏づけがなく、新たな先送りをするものであり、旧国鉄長期債務の抜本的処理とはとても言えないものです。しかも、利払いの財源は、旧国鉄とは全く関係のない郵便貯金特別会計からの繰り入れや、たばこ税の増税分を充てるというものです。これは、政府の失政によって膨らませてきた借金のツケを国民負担させるものであり、認めるわけにはいきません。  少なくとも今以上国民負担させない処理策を真剣に検討すべきです。我が党が提案しているように、道路特定財源を初め、港湾、空港など交通関係の特別会計を一元化した総合交通特別会計を創設し、公共事業の浪費をなくせば、旧国鉄長期債務返済財源を安定的に確保することができ、JR本州三社への追加負担分も合わせるならば、年間四千二百億円程度返済財源確保は容易にできるものです。  なお、自民、自由、社民三党提出修正案JR追加負担を半減し、民主党、平和・改革提出修正案JR追加負担を全額削除するというものであり、反対です。  国有林野事業累積債務が三兆八千億円に膨らんだ原因は、独立採算制を押しつけたまま木材の輸入自由化を進め、赤字対策に財投資金を投入してきたことにあります。このように、累積債務責任は自民党政府にあることは明らかです。  国有林野事業改革法案は、木材生産からの撤退と民間委託を進め、職員は三分の一の規模に削減し、営林局は半減化され、二百二十九の営林署は九十八の森林管理署に統廃合されるものです。これは、国有林事業の事実上の機能停止と言わざるを得ません。関係自治体が強く反対しているように、営林署の統廃合は山を荒廃させ、地域経済に大きな打撃を与えるものです。  さらに、一兆円の償還債務を引き継ぐ国有林野事業は、木材生産から撤退する中での収入源は資産売却しかなく、元本償還のための国有林野の切り売りが続き、一層の荒廃を招くことになるものです。しかも、五十年後償還できない責任は私がとらせていただきますという農水大臣の無責任答弁は、国民を欺くもので、許されません。  今やるべきことは、国有林野を荒廃させる職員の削減や営林署の統廃合をやめること、国が国有林に全面的に責任を持つ原則を確立することです。そして、毎年のように発生している自然災害から国民の命と財産を守るための国土保全、さらに水資源の涵養、地球温暖化防止など、国有林野公益的機能を十分に発揮させることです。そのことを強く指摘し、反対討論を終わります。(拍手)
  169. 大原一三

    大原委員長 次に、伊藤茂君。
  170. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 私は、社会民主党市民連合を代表し、ただいま議題となりました国鉄清算事業団長期債務処理及び国有林野事業改革に関する六案件につきまして、政府原案及び政府原案に係る日本共産党提出修正案民主党及び平和・改革共同提案修正案を除く修正案につきまして、賛成の討論を行います。  まず、国鉄清算事業団長期債務についてであります。  利息が利息を生む長期債務についてこれ以上先延ばしすべきではなく、今何としてでも打開への道筋をつけなければならないと思います。このような認識に立って、社会民主党は、さまざまな問題を残しておりますが、政府案のスキームをやむを得ないものとすると同時に、年金部分のJR負担問題については、JRが滞りなく返済していることを踏まえつつも、膠着状態を打開する試案として、JR負担の軽減、圧縮という提案を行ったところであります。このような立場から、我が党は、自由党、自民党と共同で修正提案を行うことといたしました。これが、今とるべき、またとり得る責任ある態度だと考えます。  この際、若干の点について、我が党の要望を申し上げます。  今後、特定財源見直し、総合交通政策の推進、赤字会社・貨物会社への支援、たばこ、郵貯への配慮が不可欠であり、政府の真摯な検討を要望するものであります。  あわせて、JR不採用問題につきましては、大きな社会問題となっており、和解による早期解決に向けて、政府として打開のための努力を行うよう強く求めます。  次に一国有林野事業改革に当たりましては、森林の持つ公益性、流域管理システムの定着、山村等地域振興に留意し、国民合意のもとで国有林の多面的、公益的機能が発揮されるよう努めるべきと考えます。  営林署等の現場組織の改廃に当たっては、関係自治体、林業組織地域住民の理解合意を得るとともに、国有林のある流域に何らかの組織を置くべきであると思います。  また、将来の要員につきましては、森林事務所等に複数要員配置するとともに、民有林における労働力の動向、円滑な事業運営及び労働条件の確保に留意して、労働組合との合意のもとで実施すべきであります。  最後に、これまでの反省と総括の上に立って、国民理解を得るよう政府がさらに努力することが大切であることを申し添え、賛成の討論を終わります。(拍手)
  171. 大原一三

    大原委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  172. 大原一三

    大原委員長 これより各案件及び各修正案について採決いたします。  日本国有鉄道清算事業団債務等処理に関する法律案及びこれに対する各修正案について採決いたします。  まず、平賀高成提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  173. 大原一三

    大原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、佐藤敬夫君外一名提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  174. 大原一三

    大原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、衛藤晟一君外二名提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  175. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  176. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  次に、国有林野事業改革のための特別措置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、赤城徳彦提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  177. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  178. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  次に、国有林野事業改革のための関係法律整備に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、赤城徳彦提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  179. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  180. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  次に、森林法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  181. 大原一三

    大原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  182. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、一般会計における債務承継等に伴い必要な財源確保に係る特別措置に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、牧野隆守提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  183. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  184. 大原一三

    大原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各案件委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  185. 大原一三

    大原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  186. 大原一三

    大原委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後七時三十分散会      ————◇—————