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穂積委員 冒頭に、今回、
委員長初め
皆様の御理解を賜りまして、
被災地出身の私が
質問をさせていただくことになりましたことを御礼を申し上げます。ありがとうございます。
さて、私は二十六日、雨の中を東京に戻りましたが、夜中に
電話がかかりまして、大変な雨だ、一晩
じゅう雷鳴がとどろき、しのつく
豪雨である、こういうことで心配しておりましたところ、六時の
テレビ、七時の
テレビで、
西郷村の太陽の国でとうとい人命が失われた、
大信村の方でも死人が出た、こういうようなことを知りまして、
現地に
電話をしましたところ通じません。ようやく白河市、
西郷村、
大信村の市役所あるいは役場に
電話が通じましたが、それぞれ市長、
町村長は大変な
被害の
状況だということで、その
状況を知ったわけでございます。
そこで、まずは
大信村の村長は、おれの
運転手の長男が死んで、一人息子なのですが、その姉さんも大けがをしている、大変なのだ、あちこち道路が寸断され、そして
洪水が起こっている、こういう
状況でありました。
即座に、二十七日は
現地に行っても迷惑かもしれぬということで我慢して、翌日
現地に入る、ついては建設大臣にもぜひ
現地を見ていただきたいということでお願いをしましたところ、厚生
政務次官とそれから建設大臣に、帯同する
人たちを伴って、二十八日
現地を視察いただきました。ヘリコプターでも視察いただいたわけであります。次いで二十九日には、
小渕総理大臣みずから、
柳沢国土庁長官以下皆さんを帯同して
現地においでいただき、視察をいただきました。
このような
政府の敏速な
現地視察及び今後の
対応の協議をいただいたことをまず御礼を申し上げる次第でございます。
それにしましても、今度の
福島県南、阿武隈川の本流、支流の上流でございますが、それから那珂川の本流、支流、上流域のこの
地域に降った降水というのは、もう
皆様御案内のとおり、およそ二日間で一年分近くの降雨量だったということで、年をとった人に聞きましても、こんな大雨は初めてだということでありますが、しかし、このような天変的な
災害というのはやはり起こるのだということを念頭に、今後の我が国土における
防災対策等を考えていく必要があるのではないかと痛感した次第でございます。
まず、この
西郷村の太陽の国・からまつ荘のとうとい人命五名を失った現場を見ますと、裏山はそんなに傾斜がきつくない、なだらかな松林の里山です。そこから急に泥流が近接するからまつ荘に瞬時に流れ込んで、逃げるいとまもなく身体障害者の皆さんの人命が失われた。その現場を見て、このようなところでも泥流
災害を生じたということからしますと、仮にこうした異常な降水があった場合に、この日本国土で
全国各地にこうした
被害が起こり得るのだ。こういうことを考えますと、家を建てる、居住する場所を決めるというときには、そうした山との間をどのくらい置くかとか、近隣の
状況を十分考えて、そういう
災害に遭わないような住居立地ということを改めて考えるべきではないかという気がいたしました。
そういうことで、
国土庁なり
建設省は、今後、今回の異常
豪雨災害に伴う経験を踏まえて、しっかりした
災害に対する心構え、
対策、そうしたことを考え直すべきではないか。そうしたことで、これは
調査研究等をよろしくお願いいたします。そして、それに伴う国民への啓蒙と言ったらなんですが、心得ていただくことはきちんと言っていくということを
要望する次第でございます。
私、冒頭に全部申し上げます。
それからまた、私がもう二十年近くつき合っておりました白河市の公設卸売市場が、阿武隈支流の堀川の堤防が切れて水浸しになりました。その卸売業者は、トラック三台流され、乗用車何台か流され、もうとにかく営業にならない、こういう
状況です。そばの国道四号線も水浸しだったのですが、その水浸しの
状況が、二十八日朝ごろから一応水が減った、それで一日半後にまた、三十日に再度の降雨で再決壊をしたわけです。その一日半の間にいろいろ、
現地の消防団や
建設省の出先も一生懸命努力して、土のうなども積んだらしいのですが、そのときに、また同じような水量が出たときに再決壊をしないような
対策を講じたら、堀川の決壊箇所は再決壊がなかったのではないか。
災害時の機敏な
対応、適切な
対策、そういうことは、全力を挙げてやれば二次
災害等も幾らかでも防げるのではないかということで、この辺は一つの経験として今後はお考えいただきたい、私はこう思う次第でございます。
いずれにしましても、国道、地方道、あちこち冠水し寸断され、
復旧は進んでおりますけれども、これらは住民の生活を考えますと、できるだけ早く
復旧することが必要だ。そうすれば、これは激甚災の問題はもちろんありますが、まずは
災害復旧に
現地で機敏に工事をさせて、その費用、それに対する助成等は後からきちっとやる、こういうことで
復旧を急いでいただきたい、こう思う次第でございます。
さらに、各被災された個人の皆さんの
状況を生々しく私から申し上げます。
公民館に避難しているところに
見舞いに行きましたら、
穂積さん、おれはおとといからこじきになった、本当にこじきと同様なのだ。どういうことかというと、二十七日の朝、突如泥流に見舞われて、これは谷津田川の堤防を越えたところなのですが、現金も通帳も持ち出す暇もなく、女房と二人で身一つで命からがら逃げた、こういう
状況だ、それで米一粒ももちろんない、だから公民館でおにぎりや何や人様にお世話になって飢えをしのいでいる、こじきになった、こういう話なのですね。
ですから、こうした
状況に対しては、ただいま
植竹委員から
お話がありましたように、
被災者生活再建支援法は、白河での記者会見で
小渕総理から、
国土庁長官の助言によって、これは来年四月からの施行前にもその法の
趣旨を踏まえてきちんとできるだけのことをしたい、こういうことを
お話しいただきましたので大変ありがたいわけでございますが、これを具体的に実現するようによろしくお願いをする次第でございます。
私、農林水産
委員長でもございますので、いずれ農林水産業の
被害状況、それに対する
対策等は別途審議することになると思いますが、これは大変な
状況ですから、例えば
農業共済金の
早期支給、これはこれまでの経験もございますから、年内にきちっと早く支給することとか、いろいろな面で万般の
政府の
措置をきちっとやっていただくことを心から
要望する次第でございます。
以上申し上げているうちに、御
答弁いただく時間を考えますと、私はこれで
質問をやめなければなりません。
被災地を代表いたしまして、国政面においてどうぞよろしくお願い申し上げます。
御
答弁をいただいて、私の
質問はこれで終わらせていただきます。