運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1998-09-03 第143回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年九月三日(木曜日)     午前九時三十分開議 出席委員   委員長 西村 章三君    理事 飯島 忠義君 理事 植竹 繁雄君    理事 砂田 圭佑君 理事 萩山 教嚴君    理事 大畠 章宏君 理事 神田  厚君    理事 土肥 隆一君 理事 福留 泰蔵君    理事 達増 拓也君       今村 雅弘君    小林 多門君       佐藤 静雄君    阪上 善秀君       田中 和徳君    田村 憲久君       竹本 直一君    桧田  仁君       平沢 勝栄君    穂積 良行君       堀之内久男君    松岡 利勝君      三ッ林弥太郎君    宮路 和明君       目片  信君    望月 義夫君       矢上 雅義君    石橋 大吉君       玄葉光一郎君    坂上 富男君       辻  一彦君    藤村  修君       赤羽 一嘉君    井上 義久君       旭道山和泰君    三沢  淳君       平賀 高成君    藤木 洋子君       北沢 清功君  出席国務大臣        国 務 大 臣 柳沢 伯夫君  出席政府委員        内閣官房内閣安        全保障・危機管        理室長     江間 清二君        国土政務次官  谷川 秀善君        国土庁防災局長 林  桂一君        厚生省保健医療        局長      伊藤 雅治君        厚生省生活衛生        局長      小野 昭雄君        厚生省社会・援        護局長     炭谷  茂君        農林水産省大臣官        房総務審議官  石原  葵君        農林水産省経済        局長      竹中 美晴君        農林水産省畜産        局長      本田 浩次君        林野庁長官   山本  徹君        中小企業庁次長 殿岡 茂樹君        気象庁長官   瀧川 雄壯君        建設大臣官房総        務審議官    小川 忠男君        建設省河川局長 青山 俊樹君        自治省財政局長 二橋 正弘君        消防庁長官   谷合 靖夫君  委員外出席者        衆議院調査局第        一特別調査室長 高橋 徳光君     ――――――――――――― 委員の異動 八月七日  辞任         補欠選任   石井  一君     坂上 富男君 九月三日  辞任         補欠選任   小坂 憲次君     穂積 良行君   山本 孝史君     玄葉光一郎君   木村 太郎君     井上 義久君 同日  辞任         補欠選任   穂積 良行君     小坂 憲次君   玄葉光一郎君     山本 孝史君   井上 義久君     木村 太郎君 同日 理事大畠章宏君同日理事辞任につき、その補欠 として神田厚君が理事に当選した。     ――――――――――――― 八月二十八日 震災対策関係施策の充実・強化に関する陳情書 外一件 (第五三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  災害対策に関する件(平成十年八月上旬豪雨に  よる災害及び平成十年八月末豪雨による災害)      ――――◇―――――
  2. 西村章三

    西村委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。  先月来の豪雨災害により亡くなられた方々には心から哀悼の意を表しますとともに、被災者皆様にも心からお見舞いを申し上げます。また、負傷された方々には一日も早い回復を、現在行方不明となっている方々には一刻も早い救出をお祈り申し上げます。  当委員会といたしましても、今回の災害に対し、被災者の救済や復旧等にでき得る限りの協力を尽くしてまいる所存でございます。  なお、亡くなられた多数の方々に重ねて哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈りするため、この際、黙祷をささげたいと存じます。  全員御起立をお願いいたします。——黙祷。     〔総員起立黙祷
  3. 西村章三

    西村委員長 黙祷を終わります。御着席願います。      ————◇—————
  4. 西村章三

    西村委員長 それでは、議事に入ります。  まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事大畠章宏君から、理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 西村章三

    西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 西村章三

    西村委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事神田厚君を指名いたします。      ————◇—————
  7. 西村章三

    西村委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、平成十年八月上旬豪雨による災害及び平成十年八月末豪雨による災害について、政府から説明を聴取いたします。柳沢国土庁長官
  8. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 ただいまの委員長の御指示によりまして、最近の災害状況を御報告申し上げますが、その前に、一言就任のごあいさつも改めて申し上げておきたい、このように思います。  私、国土庁長官柳沢伯夫でございます。よろしくお願い申し上げます。  まず最初に、今般の各地で相次いだ集中豪雨によりまして亡くなられた方々の御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方に対し心からお見舞いを申し上げます。  国土庁といたしましては、災害発生直後より、関係機関と連携をとりながら、総力を挙げて警戒応急対策に取り組んでいるところであります。私といたしましても、防災行政責任者として、所管部局を督励し、また関係省庁協力を得て、今回の災害はもちろんのこと、各種災害対策について常に緊張感を持って取り組んでまいる所存であります。  また、阪神淡路地域の復興にも引き続き取り組んでまいります。  委員長を初め、委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第であります。  さて、今般の各地で大きな被害をもたらした豪雨災害につきまして御報告申し上げます。  八月上旬豪雨による被害状況といたしましては、消防庁調べによりますと、人的被害死者二名、軽傷者三名、住家被害として全壊家屋三棟、半壊三棟、一部破損三十五棟、床上浸水二千五百五十三棟、床下浸水一万四千四百八棟等となっております。  また、八月末豪雨による被害状況といたしましては、同じく消防庁の二日二十一時現在の調べによりますと、人的被害死者十九名、行方不明者三名、重傷者八名、軽傷者三十八名、住家被害として全壊家屋五十八棟、半壊家屋九十四棟、一部破損百七十四棟、床上浸水三千五百五十三棟、床下浸水九千八百九十二棟等となっております。  政府といたしましては、八月上旬豪雨による災害に対しまして、国土庁防災局担当審議官団長とする関係十一省庁から成る調査団新潟県の現地に派遣するとともに、厚生省による災害救助法新潟県内市町村への適用自衛隊災害派遣や警察庁、消防庁等、各省庁において災害発生直後から総力を挙げた対応を行ったところであります。  また、八月末豪雨に対しましては、内閣総理大臣福島県及び栃木県の現地に赴き、被災現場をつぶさに視察するとともに、被災者へのお見舞いと激励をいたしました。私もこれに同行いたしました。これに先立ち、国土政務次官団長とする関係十五省庁から成る政府調査団現地調査を行っております。  また、厚生省による災害救助法の五県十市町村への適用自衛隊災害派遣等、各省庁において総力を挙げた対応を行ってきたところでありますが、現時点においても、行方不明者の捜索・救出被災者に対する救助等を引き続き行っております。  八月三十一日には内閣総理大臣を会長とする中央防災会議を開催し、厳重な警戒と適切な避難措置実施、適切な応急対策被災地早期復旧について重点的に実施していくことが決定されております。なお、これらの措置に万全を期するため、中央における総合防災訓練を取りやめることといたしました。  災害復旧に関しましては、関係省庁による現地調査等を踏まえ、公共土木施設農地等被害状況早期把握を行っているところであり、被災地の速やかな復旧に努める所存であります。  なお、激甚災害指定については、被害状況被害を受けた自治体財政状況被災地農業所得状況等に照らし最終的に判断することとなりますが、最近の前線による豪雨各地に大きな被害をもたらしていることを考慮し、早急に検討してまいる所存であります。  また、被災者生活再建支援法趣旨を踏まえ、今回の災害による被災者支援策について、内閣総理大臣指示により、現在関係省庁において検討を進めております。  今後とも関係省庁が緊密に連携し、防災体制に万全を期するとともに、被災地の一日も早い復旧政府が一丸となって対応することといたしております。  以上であります。
  9. 西村章三

    西村委員長 これにて説明は終わりました。  この際、国土政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。谷川国土政務次官
  10. 谷川秀善

    谷川政府委員 国土政務次官を仰せつかりました谷川秀善でございます。  このたびの各地での集中豪雨でお亡くなりになられました方に対しまして心からお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた方々に対し心からお見舞いを申し上げる次第であります。  もとより微力ではございますが、柳沢長官を補佐し、災害対策に全力を尽くしてまいる所存でありますので、西村委員長を初め、委員各位の御指導、御鞭撻を心よりお願い申し上げまして、就任のごあいさつとさせていただきます。  どうぞよろしくお願いいたします。     —————————————
  11. 西村章三

    西村委員長 質疑申し出がありますので、順次これを許します。植竹繁雄君。
  12. 植竹繁雄

    植竹委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、今回の栃木県北部また福島南部地区中心に襲いました集中豪雨に当たりまして、亡くなられました方々に心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。また、行方不明になられまして、現在まだその実態もわからないというような方々に対し、早く見つけられるように願っておるわけでございます。さらに、今回家をなくされ、また財産をなくされて、いまだに緊急避難をされておられます避難所においでになる方に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  さて、八月二十七日夜半から三十一日の間に降りました集中豪雨は、栃木那須町では千二百五十四ミリという、当地区におきましては年間の三分の二の雨でございまして、全く想像もつかなかった、そういうことでございます。特にこの地区は、過去、昭和十三年に集中豪雨がありましたときには、那須町のこの地区じゃなく、もっと南の方の那珂川ということでございまして、まさにこの災害というものは予測もつかなかった、そういうことで大変にいろいろな損害が出ております。実は私は、この那須町、黒磯町、黒羽町、ここを地元として今日まで育ってまいったのであり、特にこの地区災害につきましては他人事でないと考えておるところでございます。  こういう点につきまして、今回、二十八日には国土政務次官中心に各省庁が視察に来られ、また建設省におきましては、関谷建設大臣福島県、さらには政務次官栃木県と、両県にわたり詳細に御視察いただき、お見舞いをいただきました。そして、翌二十九日には小渕総理大臣また国土庁長官がおそろいで来られました。各地を本当に丁寧に視察され、さらには被災者方々に本当に懇切丁寧にお見舞い申し上げていただいて、大変に被災者方々も心強く思っておられまして、私も地元出身の議員といたしまして、本当に深く感謝申し上げる次第でございます。  ただ、特に私の場合は、今回の災害について関係者が二人行方不明となり、一人は四日後に発見されましたけれども、まだ一人行方不明になっており、大変に心を痛めておるところでございます。  そのときの詳細は現地に行きまして伺いましたが、川が流れているところから百メートルのところに新築しまして住んだばかりでございまして、そして今回の集中豪雨によりまして、普通三十メートルぐらいの川幅でございますが、川が大きく百メートルぐらい移動し大河になった。そのために家が流され冠水した結果、その夫婦二人は屋根に上りまして、ソーラーにつかまりながら手を振り、助けを求めておりました。対岸の人といたしましては、本当にこの二人を目の当たりに見て助けられない、そういう状態であり、たまたまヘリコプターも参りましたけれども、ついぞ家の流失の方が速いので助けることができず、そのまま二人は行方不明になった。そういうことが、関係者であるだけに私は心を痛めており、一刻も早くこの回復政府並びに関係方々にお願いするわけでございます。  と同時に、また今回の災害におきましても、地域方々、本当にいろいろな方々からボランティア活動をいただきまして、回復に向けて鋭意懸命に頑張っており、これまた感謝申し上げる次第でございます。  そこで、私どもは、こういう災害を二度と繰り返してはならないということから質問をし、また要請をする次第でございます。  先ほど国土庁長官から、この再建につきまして、激甚災害を早急に指定するように査定し、やられておられると御発言ございましたけれども、私は、地域にいたしましても、本当に激甚災害早期指定していただくことが回復に、また精神的にも安定することで、どうか一刻も早い指定をお願い申し上げたいと思います。  また、小渕総理大臣福島におきまして、被災者生活再建支援法、これは来年の四月から発効するわけでございますが、これを前倒しはちょっと無理だと思いますので、これにかわる方法をどういう形で、ある程度具体的にわかれば教えていただきたい。これが二点目でございます。  さらには、亡くなられた方々に対しての弔慰金についてお伺いしたいと思います。  阪神淡路を例にとりましても、弔慰金が出されて大変に感謝しておるところでございますが、例えば、今まで生計を支えられた方々については五百万、あるいはその他の方々については二百五十万という仕切りがございますけれども、今回はどのように対応されるか、三点目にお伺いいたしたいと思います。  とりあえず、今の点について御答弁をお願いいたします。
  13. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 植竹先生から、災害が全く御自身の身内ともいうべき方々を襲って、しかもその状況が大変お気の毒であったという状況の御説明を含めてお話がございました。  その上で、まず御質疑をいただきましたのは激甚災害指定ということでございますが、この問題につきましては、先生ももうつとに御案内のとおりでございますけれども、被害状況被害を受けた自治体財政状況農地等については被災地農業所得状況等に照らして最終的に判断をするということになってございます。  私自身も、実は偶然なのですけれども、若い役人のころにこの災害査定の実際を経験したことがございます。通常は、川というか沢をずっと上っていって、崩落したところ、あるいは破堤したところ、そういうようなものをずっと見て、それで地方団体方々から要望された災害復旧額というものが適正であるかどうかということを査定してまいるという作業でございますけれども、これは、そういうふうに現地踏査をするというようなことからいって、災害状況が終わってある程度落ちついたところでそういうことを行うのが通常だというふうに心得ております。  しかる後に、この災害復旧に対する国の、あるいは上部の地方団体の助成を求めるということの中で、その作業の一環としてこの指定が行われるというようなことでございまして、通豊かなり時間がかかるということでございますけれども、今回の前線による豪雨各地に大きな災害をもたらしているというようなことを考慮いたしまして、とにかくできるだけ早急にこの手続を進めるということでただいま検討をしており、またこの方針で今後とも各方面を督励してまいりたい、このように考えておるわけでございます。  それから第二番目に、被災者生活再建支援法趣旨を踏まえた被災者に対する支援、これについてのお話があったわけでございますけれども、実はこの点は、私、小渕総理に同行して現地に赴いておったわけでありますが、小渕総理最初に訪れました福島県におきまして知事と話をしておりまして、家がつぶれちゃった人たちはどうなるのか、どうするべきかねというような話がつい話題になりまして、そこから、被災者生活再建支援法というのがあるけれども、あれは来年からだったねというような話に展開がなされまして、しかし、この法律が来年四月だから今回は何にもありませんよというわけには人情としていかないですねというような話から、何かそこに法の趣旨を踏まえた支援の手が差し伸べられないか、こういうようなことを話し合ったということでございまして、正式には中央防災会議の席上で私に対して、また関係省庁に対して検討指示があったということでございます。  どういうものになるかということについては、現在まだ検討が進められておりまして、今ここで言えるような段階に立ち至っていない、こういうことでございます。
  14. 炭谷茂

    炭谷政府委員 三番目に御質問されました災害弔慰金関係でございます。  先生も御説明されましたように、災害弔慰金につきましては、法律に基づきまして市町村が条例で具体的に、自然災害により死亡した方々遺族に対して、生計維持者の場合は五百万円、その他の場合には二百五十万円を支給するという仕組みになっております。  今般の災害による災害弔慰金支給対象者状況につきましては、現在該当する市町村において詳細な状況調査中でございますので、支給要件に該当する場合は速やかに手続をとるよう指示をいたしております。今後とも、円滑な実施が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
  15. 植竹繁雄

    植竹委員 ありがとうございました。ぜひ長官も先ほどの件は早期に実行していただくよう、重ねてお願い申し上げます。  さて、時間がないので簡明に御答弁いただきたいと思いますが、私もずっと申し上げますので、御答弁いただけないところは、ぜひ私の要望に従って対策をお願いしたいと思います。  次いで、厚生省関係でございますが、家屋流失しました被災者避難所におられますけれども、仮設住宅現物援助等住宅対策はどうなっているかという点について検討していただきたい。さらには、被災者健康対策、心のケア対策というものは災害の後は大変に重要でございますので、これをどう考えているか、これは質問というより要望し、実施していただきたいと思います。  さらに、今回問題となりました那須地区余笹川、黒川につきましては、実は今まで災害がなかったところでございますので、今回はそういう意味におきまして、こういう大災害は初めてでございます。したがいまして、今後はこういう河川のあり方については抜本的に、河川の取りつけを移動するとか、そういうような改良をしていただきたいと思います。  なお、この点につきましては、自民党におきましても災害対策改良検討しておりますので、建設省においてもこれを必ず早期に実行し、全国にはこういう河川も多々あるかと思いますので、検討していただきたいと思うのであります。  さらには、今回の余笹川地域というものは、今春、三十三万カ所全国でこういう河川がありますが、その対象外となりましたので、そういう一、二級河川以外の中小河川においても検査をしていただきたいと思うのでございます。  さらに、今回の流失の問題となりました点は、流木が橋げたにぶつかりまして、この流木によって橋の流失が多くありました。したがいまして、河川の両岸あるいは河川の中に木を植えるというふうなこともあるやに聞いておりますので、こういう流木対策なども考えて、今後、河川防災について根本的に検討していただきたいと思います。  それから、農業関係につきましても、栃木県の農業関係を全部合わせますと七十億以上の被害が出ております。特に、水稲等につきましては四十億と言われていますけれども、この点について、農家としまして最も頼りになるのは農業共済でございます。共済の中には、一人が二カ所に共済を掛けているということで、この共済早期解決、貸し出しというか手当てにつきまして、農水省においては積極的にこれをやっていただきたいと思うのでございます。  そのほか、被災者住宅並びにそういう施設の借入金とか税制対策につきましても、万全の対策をお願いしたいと思うわけでございます。  そういう点について、答弁は、時間がほとんどないので、特に関係省庁においては検討していただきたいと思います。  それから、実は今回、那須町は乳牛が七千頭を超えております。その他、肥育牛もおりますけれども、これは北海道を除けば全国で五番目、そういう町でございます。したがいまして、特に乳牛被害というものは、御承知のように、乳牛は牛舎の中でつながれております。そのために、水のために死んだ牛が大変多いということでございます。そうしますと、緊急時に牛を何とか処置しなくてはならないということで、これを穴に埋めたりすることがございました。しかし、死骸の対応をするという者は、もともと化製場等に関する法律ということによりまして、いろいろと許可をとりながらやらなくてはならないということでございますが、緊急時においてこういうことをやった人々に対し、いわゆるペナルティーというか罰則というものほかけないように要望いたします。  それから、終わりになりますけれども、今回の那須地区洪水というものは自然災害でございます。ただ、洪水というのは、御承知のように、火山とか地震とかいうのとちょっと違いますし、人為的に前もって防ぐことが可能でございます。そういう点を考えますと、地元といたしましては、今問題となっておるのは実は首都機能移転の問題でございますが、この洪水首都機能移転とは全く関係がございませんので、そういう意味で万全の対策関係省庁に対して要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。要望質問についての返答は、時間がないので、よろしくお願い申し上げます。  以上をもって私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  16. 西村章三

  17. 穂積良行

    穂積委員 冒頭に、今回、委員長初め皆様の御理解を賜りまして、被災地出身の私が質問をさせていただくことになりましたことを御礼を申し上げます。ありがとうございます。  さて、私は二十六日、雨の中を東京に戻りましたが、夜中に電話がかかりまして、大変な雨だ、一晩じゅう雷鳴がとどろき、しのつく豪雨である、こういうことで心配しておりましたところ、六時のテレビ、七時のテレビで、西郷村の太陽の国でとうとい人命が失われた、大信村の方でも死人が出た、こういうようなことを知りまして、現地電話をしましたところ通じません。ようやく白河市、西郷村、大信村の市役所あるいは役場に電話が通じましたが、それぞれ市長、町村長は大変な被害状況だということで、その状況を知ったわけでございます。  そこで、まずは大信村の村長は、おれの運転手の長男が死んで、一人息子なのですが、その姉さんも大けがをしている、大変なのだ、あちこち道路が寸断され、そして洪水が起こっている、こういう状況でありました。  即座に、二十七日は現地に行っても迷惑かもしれぬということで我慢して、翌日現地に入る、ついては建設大臣にもぜひ現地を見ていただきたいということでお願いをしましたところ、厚生政務次官とそれから建設大臣に、帯同する人たちを伴って、二十八日現地を視察いただきました。ヘリコプターでも視察いただいたわけであります。次いで二十九日には、小渕総理大臣みずから、柳沢国土庁長官以下皆さんを帯同して現地においでいただき、視察をいただきました。  このような政府の敏速な現地視察及び今後の対応の協議をいただいたことをまず御礼を申し上げる次第でございます。  それにしましても、今度の福島県南、阿武隈川の本流、支流の上流でございますが、それから那珂川の本流、支流、上流域のこの地域に降った降水というのは、もう皆様御案内のとおり、およそ二日間で一年分近くの降雨量だったということで、年をとった人に聞きましても、こんな大雨は初めてだということでありますが、しかし、このような天変的な災害というのはやはり起こるのだということを念頭に、今後の我が国土における防災対策等を考えていく必要があるのではないかと痛感した次第でございます。  まず、この西郷村の太陽の国・からまつ荘のとうとい人命五名を失った現場を見ますと、裏山はそんなに傾斜がきつくない、なだらかな松林の里山です。そこから急に泥流が近接するからまつ荘に瞬時に流れ込んで、逃げるいとまもなく身体障害者の皆さんの人命が失われた。その現場を見て、このようなところでも泥流災害を生じたということからしますと、仮にこうした異常な降水があった場合に、この日本国土で全国各地にこうした被害が起こり得るのだ。こういうことを考えますと、家を建てる、居住する場所を決めるというときには、そうした山との間をどのくらい置くかとか、近隣の状況を十分考えて、そういう災害に遭わないような住居立地ということを改めて考えるべきではないかという気がいたしました。  そういうことで、国土庁なり建設省は、今後、今回の異常豪雨災害に伴う経験を踏まえて、しっかりした災害に対する心構え、対策、そうしたことを考え直すべきではないか。そうしたことで、これは調査研究等をよろしくお願いいたします。そして、それに伴う国民への啓蒙と言ったらなんですが、心得ていただくことはきちんと言っていくということを要望する次第でございます。  私、冒頭に全部申し上げます。  それからまた、私がもう二十年近くつき合っておりました白河市の公設卸売市場が、阿武隈支流の堀川の堤防が切れて水浸しになりました。その卸売業者は、トラック三台流され、乗用車何台か流され、もうとにかく営業にならない、こういう状況です。そばの国道四号線も水浸しだったのですが、その水浸しの状況が、二十八日朝ごろから一応水が減った、それで一日半後にまた、三十日に再度の降雨で再決壊をしたわけです。その一日半の間にいろいろ、現地の消防団や建設省の出先も一生懸命努力して、土のうなども積んだらしいのですが、そのときに、また同じような水量が出たときに再決壊をしないような対策を講じたら、堀川の決壊箇所は再決壊がなかったのではないか。災害時の機敏な対応、適切な対策、そういうことは、全力を挙げてやれば二次災害等も幾らかでも防げるのではないかということで、この辺は一つの経験として今後はお考えいただきたい、私はこう思う次第でございます。  いずれにしましても、国道、地方道、あちこち冠水し寸断され、復旧は進んでおりますけれども、これらは住民の生活を考えますと、できるだけ早く復旧することが必要だ。そうすれば、これは激甚災の問題はもちろんありますが、まずは災害復旧現地で機敏に工事をさせて、その費用、それに対する助成等は後からきちっとやる、こういうことで復旧を急いでいただきたい、こう思う次第でございます。  さらに、各被災された個人の皆さんの状況を生々しく私から申し上げます。  公民館に避難しているところに見舞いに行きましたら、穂積さん、おれはおとといからこじきになった、本当にこじきと同様なのだ。どういうことかというと、二十七日の朝、突如泥流に見舞われて、これは谷津田川の堤防を越えたところなのですが、現金も通帳も持ち出す暇もなく、女房と二人で身一つで命からがら逃げた、こういう状況だ、それで米一粒ももちろんない、だから公民館でおにぎりや何や人様にお世話になって飢えをしのいでいる、こじきになった、こういう話なのですね。  ですから、こうした状況に対しては、ただいま植竹委員からお話がありましたように、被災者生活再建支援法は、白河での記者会見で小渕総理から、国土庁長官の助言によって、これは来年四月からの施行前にもその法の趣旨を踏まえてきちんとできるだけのことをしたい、こういうことをお話しいただきましたので大変ありがたいわけでございますが、これを具体的に実現するようによろしくお願いをする次第でございます。  私、農林水産委員長でもございますので、いずれ農林水産業の被害状況、それに対する対策等は別途審議することになると思いますが、これは大変な状況ですから、例えば農業共済金の早期支給、これはこれまでの経験もございますから、年内にきちっと早く支給することとか、いろいろな面で万般の政府措置をきちっとやっていただくことを心から要望する次第でございます。  以上申し上げているうちに、御答弁いただく時間を考えますと、私はこれで質問をやめなければなりません。被災地を代表いたしまして、国政面においてどうぞよろしくお願い申し上げます。  御答弁をいただいて、私の質問はこれで終わらせていただきます。
  18. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 穂積先生からは、被災地を代表する議員としてのさまざまな角度からの御質疑がございました。特に、土砂災害通常考えられないところで起こった、私自身も、あの太陽の国のからまつ荘の土砂災害を見たときに全く同じ感じを持ったわけであります。  ところで、政府におきましては、昭和六十三年三月十五日、中央防災会議におきまして土砂災害対策推進要綱というものを決定いたしておりまして、これに基づきまして、安全な土地利用を誘導するため、各種法規制の徹底及び開発事業者等に対する啓発、指導の徹底等を図ることと既にいたしております。この中央防災会議決定をさらに全国的に徹底、普及していくということが何よりも大事だということを、先生と同様、私も痛感いたした次第でございます。そのように努めさせていただくことを申し上げたいと思います。  それから、応急措置について、堅固なというお話がありましたが、これは応急はまさに応急で、望むらくはそれが堅固であるということが両立するといいわけですけれども、現場のこの状況等から、またその趣旨からいって、できるだけ先生の御趣旨は体するものの、やはり応急の措置ということで対処していくということになろうかと思っております。しかし、先生の御趣旨は体して今後取り組むように努めてまいりたい、このように思います。  それから、生活の問題ですけれども、先生がお触れになった、現金はともかく、預金については既に日本銀行、大蔵省でも一定の措置をとるということになっておりまして、例えば通帳等が逸失した場合の措置等について、既にその方針を明確にしておるところかと思っております。  なお、支援法の問題については、先生そのいきさつ等もつまびらかに今御報告をいただいて大変ありがたかったのですけれども、先ほど来の答弁のように、この法律趣旨を体して何らかの措置ができないかということを鋭意検討してまいりたい、このように思っております。
  19. 西村章三

  20. 坂上富男

    坂上委員 坂上でございます。八月四日、新潟から始まりました集中豪雨は、関東北部、東北南部、奈良、静岡各県にもその被害が及んだのであります。私は、新潟県を中心とした災害復旧について御質問をいたしたいと思います。  この災害によりまして亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御家族にお悔やみを申し上げます。また、行方不明の皆様方の一日も早い救助を願っております。被災の皆様方には謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。  まず、新潟集中豪雨は、測候始まって以来の一番の豪雨であったと言われておるわけでございます。したがいまして、その被害は莫大なものとなったのであります。  私の質問時間はわずか十分でございますので、一括して質問を申し上げますが、今までの答弁を聞いておりますと、どちらかといいますと、一生懸命やるということはわかるのでございますが、答弁としてはめり張りがいささか欠けているのじゃなかろうか、もう少し具体的に御答弁いただければありがたいな、こう思っておるわけでございますので、お願いをいたしたいと思います。  それでは、まず一つは、委員長に要請でございますが、災害特におきましても、特に新潟、できるだけ早く委員会としての調査、視察、そしてまた現地要望を受けていただきますこともお願いをしたい、こう思っておるわけでございます。  さて、国土庁長官以下各省庁に御質問いたしますが、まず新潟県の河川災害、それから道路の災害、土石の災害、下水道の災害、これの復旧に対する見通し及びこれらに対する激甚災害法の適用の見通し、これをもっと具体的な御答弁を賜りたいと思っております。それから、農業関係災害復旧の見通し及びその激甚法の適用の見通しについてもお聞きをいたしたいと思っておるわけでございます。  新潟につきましては、関谷建設大臣が二回にわたりまして、また建設、農水、国土の各省庁調査、視察に入られまして、県民としては心強く、感謝をいたしておるところでございます。  また、私の選挙区でありますところも大変な災害を受けました。特に栃尾市においては、農業地関係の決壊が約百カ所、河川の決壊が十カ所、これが、一つの市だけでございますが、及んでいるのでございます。これの復旧及び激甚法の適用の見通し等についても一括して、時間がありませんので、ひとつ要領よく、もし足りなかったらまた文書ででもお答えいただければありがたい、こう思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
  21. 青山俊樹

    ○青山政府委員 新潟集中豪雨におきます地方公共団体の河川、道路、砂防、下水道の被災状況と今後の災害復旧方針について御説明申し上げます。  河川、道路、砂防、下水道等の建設省所管公共土木施設被害は、千二十二件、約百六十七億円の報告を受けているところでございます。  河川では、栃尾市の増沢川の護岸決壊など四百六十五カ所、約八十二億円、道路では、国道二百九十号の路肩決壊など五百三十二カ所、約七十一億円、砂防施設十三カ所、約一億円、下水道十カ所、約十三億円などどなっております。  甚大な被害を受けた河川の破堤箇所や道路、橋梁等緊急の対応が必要な約二百十カ所につきましては応急工事を実施中でございまして、うち破堤部の応急工事や河道埋塞の除去はすべて完了いたしております。  本格的な災害復旧は、県、市町村からの災害申請を受けて速やかに現地査定を行うこととしており、一部につきましては今週より現地査定を実施し、十月中に完了する予定でございます。  抜本的な再度災害防止のための治水対策等につきましては、新潟県において現在検討中でございますが、建設省としては、激甚災害対策特別緊急事業、災害関連緊急砂防事業の活用や災害復旧制度の拡充等を通じて、重点的かつ機動的に施設整備に取り組む所存でございます。  以上でございます。
  22. 石原葵

    ○石原政府委員 農林水産省関係被害状況あるいは対策状況につきまして御説明させていただきたいと思います。  今回の災害、農林水産業関係被害は、農作物関係被害額約三十五億円、それから農地、農業用施設被害関係が約九十億円、それから林地、林業用施設被害関係が八十六億円等となっております。  農林水産省といたしましては、このような被害に対しまして、直ちに担当官を現地に派遣いたしまして実態調査を行いまして、農業共済共済金の早期支払いの指導、それから既往貸付資金の償還条件の緩和、災害復旧事業の現地査定等の対応を行っているところでございます。引き続き、県、市町村関係団体と連携いたしまして、災害対策に万全を期してまいりたいと思います。  以上でございます。
  23. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 今、公共施設等の被害状況については主として建設省から、また農地、農産物関係については農水省からお話があったわけでございます。建設省当局からは現在の災害被害の概算額の御説明もあったわけでございますが、国土庁当局にはまだ正式なこうした数字等の報告もない段階でございます。  今後、鋭意関係の役所を督励いたしまして、所定の手続に沿ってこの激甚災害指定の問題に取り組んでいきたい、このように考えております。
  24. 坂上富男

    坂上委員 あと二、三分ありますので、質問を続けたいと思います。  委員長の方もお願いをいたしたいと思っております。
  25. 西村章三

    西村委員長 検討いたします。
  26. 坂上富男

    坂上委員 その次に、これはどういうふうなお考えでございますか、天災融資法の意見も出ておりますが、こういうものに対する見通しはどんなになりますか。これは農水省ですか。
  27. 石原葵

    ○石原政府委員 ただいまお尋ねのございました天災融資法の発動の関係でございますが、今回の被害状況、現在調査中でございますのでまだ確たることは申し上げられませんが、過去の被害との関係からしますと、天災融資法の発動はなかなか難しいのではないかと考えております。  しかしながら、実質的にいろいろな金融措置、これは現在非常に低金利になっておりますので、天災融資法等の発動がなくても実質的には被災者が困らないような対策は講じたいものと考えておりますので、そのような形で対応してまいりたいと考えております。
  28. 坂上富男

    坂上委員 建設大臣が予算委員会でもまた現地へ来られても、例えば福島潟の排水路、これは平成十七年までの間に完成するという予定だったのでございますが、大体十年に一遍は水が出るだろう、こういうことで干拓をしたところでございますが、三年に一遍ばかりずつこうやって水が出ているわけであります。しかも、稲が全く冠水をするというような状態なものでございまするから、いわゆる省庁がお考えになっている以上に大変な水害が出る、こういうことでございます。したがいまして、これを三年間短縮していただくということになって大変ありがたいと思っておるわけでございます。  私はやはり、もう災害の見通しも、新潟から始まりまして、天候の関係からいったらこういう事態が相当この関係地域に起きるんじゃなかろうかということも、ある程度の予想はできたのじゃなかろうかとも思っておるわけでございます。でありまするから、これはほんの認識の問題でございまするから責任問題という取り上げ方はいたしませんけれども、やはりそういう観点からも見ていただかなければならぬと思っておるわけでございます。  さっき話しました福島潟の問題でございますが、これなんかは、農水省はよくおわかりのとおり、私は、あの干拓の農地の配分、取り消しになって、裁判の先頭に立ったのでございますが、ここは畑ですねと言うんだ。稲作をしてはならない、こういうことから始まったわけでございます。こんなところへ畑などやったってとんでもないということで裁判をやったわけでございますが、私たちの主張を通していただきまして、これは稲作にするということになったわけであります。しかもこの稲作でも、こうやって稲に水がかぶって、もう本当に二メーター近くもなるというような状態でございまするから、こういう点に対する、いわゆる農政の上でも建設の上でも、十分な配慮の行政がやはり私は必要なんだということをつくづく思っておるわけでございます。  御存じのとおり、羽越水害といって、私たちが視察に行ったら、もう坂のところに牛が倒れて死んでおる、馬が倒れて死んでおるというような大変な水害があったわけであります。これとわずか二十一センチ水かさが少なかっただけでありまして、物すごい水が福島潟等に出たわけでございます。  どうか、そんなような観点から、私は、建設行政、農政行政においても特段の、もう少し的確な見通しはやはり必要なんじゃなかろうかな、こう実は思っておるわけでございまして、私は殊に福島潟にもう二十五年来かかわってきて、その感を強くしておるわけでございますが、その辺に対する、長官、御答弁できますか。
  29. 青山俊樹

    ○青山政府委員 今お話がございました福島潟放水路につきましては、上流の災害の発生箇所の復旧にあわせて、下流部での一体的な河道整備を一般会計で実施する河川災害復旧関連緊急事業の創設とか下流部の激甚災害対策特別緊急事業とあわせて、平成十四年には暫定通水を図るべく努力せよと建設大臣から厳命を受けております。その方針に従いまして、鋭意改修を進めてまいる所存でございます。
  30. 坂上富男

    坂上委員 委員長どうですか、私の要請。調査に来るのか来ないのか。
  31. 西村章三

    西村委員長 理事会で諮らせていただきます。  玄葉光一郎君。
  32. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。私は、八月末豪雨による災害について質問をさせていただきたいと思います。  まず、この場をおかりして、今回の災害でお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。  先ほどから自民党の委員の方お二人、被災地状況を克明におっしゃっていただいたわけでございます。私も二十七日から毎日のように現場に出かけております。まさに目を覆うばかりの状況でございます。ある人の言葉をかりれば、若干語弊があるかもしれませんけれども、その方は福島県でありましたけれども、福島県サラエボ村だというような表現をその方はされていまして、つまり、内戦であるいは戦争で荒れ果てた地域、そんな状況でございます。  ここでは私からは、防災体制復旧の問題について、特に早急な復旧対策について御質問をさせていただきたいと思います。  各被災地また自治体を回らせていただくと、これはもう自治体方々、特にうたい文句のように激甚の指定という話をされます。これは先ほどどなたかからもございましたけれども、確かに、安心して自治体の職員あるいは首長さんが復旧に取り組むためには、補助率のそれぞれのかさ上げというのが必要なんだろうというふうに思います。先ほどから国土庁長官から力強い言葉もございますけれども、まさに早急な、早急な検討というよりは早急な結論を導くようなこれからのまさに検討を私からもお願いをし、一言国土庁長官からその件について御答弁をお願いしたいと思います。
  33. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 激甚災害指定を望む自治体の声が強いというお話は、それはそれで大変理解ができるわけでございます。  この問題につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、まず被害状況被害を受けた自治体財政状況あるいは農業関係の場合には被災地農業所得、こういうようなものが指定手続の上で欠かせない要素になっておるわけでございまして、これらの状況等が把握されたものに照らして最終的に判断をさせていただくということになるわけでございます。  したがいまして、これを早急にというのが我々の気持ちでもあるわけですが、これはそれぞれの段階で協力をして、この早期の結論が導かれるように努力をしなければならない、そういったぐいの問題であると認識をいたしております。先生方の御協力もいただき、また私どもも督励をしまして、この手続がスピーディーに進捗するように今後とも努めてまいりたい、このように考えております。
  34. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 無論、私たちも精いっぱいの協力をさせていただきたいと思います。  次に、被災者の救済の問題でございます。  ある日突然、災害で住む家あるいは商売道具を失った、これは当然茫然自失となるわけで、よほどの資産家でない限り立ち直りは難しい、そう思います。  まず最初に、先ほど来から出ている生活再建支援法の問題でございます。  これは、世帯収入が五百万円以下の方に百万円、住宅全壊が要件だということでございますけれども、あるいは五百万から八百万の方に五十万ということのようでございますけれども、これを総理は、先ほど国土庁長官答弁の中で、知事と話をされているときにその話が出たんだということでございました。  私は、一つは総理の言葉であるということ。もう一つは、この生活再建支援法というのはこの時点でいわば政策転換、大変な政策転換がもう既に起きた、つまり、生活再建支援法が制定された時点で、まだ施行はされていませんけれども、できた時点で大変な政策転換が既になされたというふうに解釈して間違いないというふうに思いますから、ぜひこの同内容の給付というのは私からもお願いをしたいというふうに思います。  簡単で結構ですから、一言御答弁をお願いしたいと思います。
  35. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 自然災害被災者が生活の基盤を失う、これに対して公共の部門がどのように対応すべきかということについては、大変古くから議論があったところであります。それを地方自治体の知事会がイニシアチブをとりまして、自分たちも基金を組成してこれに対応するので国の方もこれに対して一定の支援をしてくれ、こういう経緯の中で被災者生活再建支援法というものが制定をされた、先生御指摘のとおりであります。  そこで、自然災害被災者に対する公的部門の対応の仕方について、いわば考え方の転換があったと認識すべきだということについては、私もかなりの程度同感の気持ちを持っております。  そこで、今回被災地に総理にお供をしお話をしている中で、先ほどもちょっと触れましたように、こういう話が出て、総理から、ぜひこれに、この精神は法施行前といえども生かすべきだというふうに思うので、そういうことを踏まえて、しかしまあ法は施行されていないわけでありますから、何らかのことが考えられないか、こういう話の御指示がありました。鋭意、現在関係省庁検討をしているところでございます。
  36. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 重ねて申し上げるようになるかもしれませんが、総理の言葉であり、既に政策転換が行われたということで、ぜひ実現をさせていただきたい。  そのときに、私は被災者再建支援法というのを読ませていただいて、よくわからないというか、その運用がまた問題だなと正直思いました。今回、そのままその法律適用するわけではないと思いますけれども、つまり、今回も被災地へ行きました。実際に例えば一部損壊、半壊という住宅がたくさんあるのですね。しかし、その家屋は全部壊さないと実際には住めないなというような家屋がたくさんあるのですね。でも、あの法律を素直に読めば、何かまさにここで当てはまる全壊者ですか、住宅被害の全壊者にしか当てはまらないような書き方にも読めないこともない。だけれども、同時に、それと同等の被害というふうな文言もたしか入っていますから、その弾力的な運用というか、その法そのものを適用するわけではありませんけれども、そのこともどうか念頭に置いていただいて検討をしていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。  もう一つ、二つお聞きしたいと思いますけれども、先ほど穂積先生からお話がございました公設市場。市場もそうでありますし、これは当然どの災害でもあることかもしれませんけれども、幾つかの企業を回りますと、これだけ景気が悪い中、何とか頑張っていた若い経営者というのはたくさんいて、別に若い人に限りませんけれども、最近設備投資をしてコンピューターつきの機械を一台何千万、何億もかけて入れた、全部河川改修ができていたら大丈夫だったのに、できていないがために水をかぶって全部パアになってしまったという方がおられました。これはその方に限らず、かなりいらっしゃるわけでございます。そういう方々にどういう手を打ちますか。今ある制度はわかっているつもりでありますけれども、まずそのことを簡単に、一分ぐらいで御説明いただけますか。
  37. 殿岡茂樹

    ○殿岡政府委員 中小企業に関する仕組みというのを御説明させていただきます。  現在、災害救助法の発動が行われた場合、その地域また周辺地域につきまして、政府系の金融機関によります貸付限度額の引き上げでございますとか貸付期間、据置期間の延長等の内容を持ちます災害復旧貸付制度が設けられております。したがいまして、この制度に従います追加的な融資というのを受けられるような、そういう仕組みになってございます。
  38. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 今金利はおっしゃらなかったわけでありますけれども、きのう地元の新聞で政府系の金融機関の貸し出しの話が出ていて、金利が二・五ですね。しかし、民間の金融機関が無担保で一・六%ぐらいで貸します、とても成績のいい金融機関でございますけれども。そう考えると、一体政府系の金融機関の存在意義って何だろうというふうに少なくとも被災者は思うと私は考えます。  これは、中小企業に向けての融資だけではなくて、住宅に向けての融資もそうであります。また同時に、農業者への融資もそうであります。これは天災融資法が発動された場合もしかりでございますが、この融資をまさに実効性のあるものにしないといかぬと思うのです。実質、これは利子補給等々で無利子に近くしていく、あるいは無利子にしたケースもあるわけでありますから、そういった措置を考えていくべきではないかというふうに思います。  今それぞれにわたって質問をさせていただきましたが、どこか代表して御答弁いただけますか。
  39. 殿岡茂樹

    ○殿岡政府委員 先生御指摘のように、現在二・五%の利率でございます。  ただ、その融資条件まで考えますと、例えば運転資金について五年間、設備資金について十年間を原則とする融資でございますけれども、期間的な面で、比較されております民間金融機関と大分条件面で違った取り扱いをさせていただいておりまして、そういう意味では、全体としまして中小企業者の緊急の資金需要に、しかも長期にわたっての資金需要に応ずるということでやっているところでございます。
  40. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 検討するつもりはないということと考えてよろしいのですか。つまり私は、率直に言って今のままであればありがたくないというふうに被災者の方は思うと思いますが、いかがですか。
  41. 殿岡茂樹

    ○殿岡政府委員 御指摘の趣旨もよく承知しているところではございますけれども、まず何よりも資金調達の円滑化というのが被災者にとって最も重要であるという観点から、このような別枠の融資制度を設けておるところでございます。  なお、激甚法の指定がございますと、この利率につきましても深掘りの措置がとられるところでございます。
  42. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 それぞれのこういった融資の問題というのは、国土庁で全体の調整というのはしないのですか。全体の防災ということで、いわゆる再建のための融資制度全体をどう考えるかということで、これは全体をまとめて考えていく必要があるのじゃないかなというふうに私は思っております。ぜひこれは内閣として検討していただきたいというふうに考えております。  次に、農地の問題でありますが、先ほど共済の話があって、作目関係は話が出ましたから、農地、これは大変な泥沼状態になっているわけでございますが、この件についてどういう手を打っていかれるか、これも一言で結構ですから御答弁いただけますか。
  43. 石原葵

    ○石原政府委員 今回の災害によります農地、農業用施設被害は約百十四億円となっております。また、このほかに林地、林業用施設関係が約百七十八億円ということになっておりまして、これからもまだこの被害額がふえるのではないかと思っております。引き続き調査していきたいと思っております。  農林水産省といたしましては、このような災害に対しまして、松下政務次官を初めといたしました担当官を現地に派遣いたしまして対策を講じているところでございますが、基本的に、施設被害がありますと、現地査定とかを的確にやるということは重要でございますので、この点につきましては的確に実施してまいりたいと考えております。
  44. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 言いたいことはたくさんありますけれども、時間の関係で次に進みます。  もう一つ、二つだけ簡単に触れさせていただくと、消防団の活躍というのが今回とても目につきます。これはすごいなと感嘆しています。消防団、今回水防団と申し上げてもよいのだろうと思いますけれども、もう三日間寝ていないという人がかなりいらっしゃって、五日間家に帰らず公民館で寝泊まりして頑張っておられるということでございます。この直接間接の支援については、これまでもいろいろな委員会で議論があると思いますけれども、特に、ある小さな地区に行ったらば、五人ぐらいで消防団が五日間、もう三日間寝ていませんといってやっているわけですけれども、その地区の消防団は五人だと。何とかこれは、消防団がもう少しいればそこまでにならないのだろうなと時々感じることがございます。  私は、一番の原因というのは、サラリーマンが多くなったということだと思います。これは例えばの話でありますが、企業に一定数消防団員がいらっしゃるという場合は、その企業には何らかの税制上の優遇措置を与えるとか、何かこれから直接間接に支援をしていく必要を改めて痛感をいたしましたけれども、その点も一言だけ御答弁いただけますか。
  45. 青山俊樹

    ○青山政府委員 今回の出水におきまして、消防団、水防団の方々各地で懸命の活動を行われたことは議員御指摘のとおりでございます。私どもも、その精力的な活動に敬服いたしているところでございます。また、近年の団員数の減少、高齢化、サラリーマン化という、隊員を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるというのも議員御指摘のとおりでございます。  建設省におきましても、水防管理者とともに、水防に対する企業の理解を深め、企業も地域の一員であることを御理解いただくために啓発を行うといったこととか、社員が企業活動の一環として水防活動に参加できるような社内規定の整備を働きかけるなどの環境づくりを進めているところでございまして、現に利根川等の水防演習では、実際に企業が企業ぐるみで水防演習に参加していただいたという事例もございます。
  46. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 ぜひ自治省と建設省で一緒に税制改正要望でも出したらいいのじゃないかなと私は考えております。  質問時間が終わりですから、もうやめますけれども、最後に一言だけ申し上げると、自治体防災体制の問題もいろいろ考えさせられるところは確かにございました。防災無線がもっときちっと普及していたらなとか、いろいろ考えさせられるところが現実にございました。ただ、客観的に見て、今回、例えば西郷村なんかは自衛隊出動要請を五時に出しているのですね。あるいは避難の勧告とかもスムーズだったし、私はかなり、全般的に見れば自治体防災体制防災意識というのは進んできているな、大震災以降進んできているなというふうに率直に感じましたけれども、これからでもなお課題というのはたくさんございます。さっき防災無線のことを申し上げましたけれども、たくさんございますから、これからもさらに努力をお互いにしていきますようにこの場をおかりして申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  47. 西村章三

  48. 井上義久

    井上(義)委員 新党平和の井上義久でございます。まずもって、今回の災害によってお亡くなりになりましたお一人お一人の皆様方の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、御遺族皆様に心からお悔やみ申し上げる次第でございます。また、行方不明の皆様の一日も早い救出、さらに、被災されました方々に心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。  私も二十七日の朝のニュースで、特にこの太陽の国・からまつ荘の被災を知りまして、これは大変だということで、私も東北ブロックで、福島も当然私がお世話になっているところでございますから、すぐにこれは、ともかく現地に行ってみなければわからないということで、昼間の新幹線に乗りまして、午後一番で白河から西郷村、そしてこの太陽の国に入ったわけでございます。  途中、それこそ道路が滝のようでございまして、これは行き着けるかな、ともかく行こう、帰り大丈夫かな、そう思いながら、何とか現地に行き着いて、悲惨な状況を目の当たりにしたわけでございます。とても災害が起きるということを日ごろ予想もできないようなところで、夜中寝ているときに一気に土砂が襲ってきて、それに巻き込まれて亡くなった方、救出された方も二人いるわけでございますけれども、そのうち一人すぐにお亡くなりになりましたけれども、大変苦しかったろうなということで、心から同情の念を禁じ得なかったわけでございます。  そこで、柳沢国土庁長官、以前から人格、識見を知る一人といたしまして、国土庁長官に今回就任されましたことについて心から歓迎している一人でございますけれども、正直言いまして、政府対応阪神大震災の教訓を踏まえて、連絡会議の開催等それなりに迅速だったというふうに私も評価しているわけでございますけれども、現地に行きまして、やはり全体的な情報はテレビしかないわけでございまして、NHKテレビ、行くところ行くところでつけるのですけれども、金融特の中継をやっております。それで、その枠を使って水害情報等を出しているわけですけれども、国土庁長官、大事なお立場で答弁されなければいけないということもあったろうと思いますけれども、正直言いまして、これだけの災害が起きて、これだけの現地の皆さん悲惨な状況で、その主管大臣である国土庁長官テレビで背広を着て答弁されているということについて、私は率直に言って非常に違和感を感じたわけでございます。  私は、やはりこれだけの災害でございますから、しかも進行中でございますから、現地に来て指揮をとられるのがやはりリーダーとしての大事な点じゃないかな、それだけで皆さん安心するのじゃないかな、そういう思いを非常に強くしたわけでございますけれども、その点について、まず御所見をお伺いしたいと思います。
  49. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 井上先生から、井上先生現地に乗り込まれて、そしてテレビの画面を見られた感想として、私に対する御注意というか、そういう感じの観点からの御質疑かと思います。  これは、いきさつをちょっと申し上げますと、実は私ども、あれは金融問題特別委員会の席上におったわけでございますけれども、もう私どもの役所は朝から防災の情報収集の体制をとっておりましたので、逐一その委員会の席におります私のところに情報がもたらされたわけでございます。  私は、ある一定の段階になったとき、午後の何時ごろでしたか、ちょっと今記憶が定かでありませんけれども、ある時間帯になりましたときに、これは総理自身にもこの情報は伝えるべきだというふうに考えまして、ちょうど同じ委員会におりました総理に、秘書官を通じまして、こういう状況になっているということを総理にも御報告を申し上げました。  そして、しばらくしまして、総理は別途、消防庁かと思いますけれども、より詳細な体系的な情報を手にとりまして、そして、実は総理自身答弁の際に直接、被災の状況の報告とお見舞いの言葉を発言されたのであります。これは質問者と何の関係もなく、許しを得てそういう機会をいただきまして、総理が答弁の中でそういう御発言をなさいました。  それを機に、その後の質問者から私あての質疑が特段通告されておりませんでしたので、私すぐ理事に申し上げました。ただいまの状況のとおりであります、私は法案提案者というか担当者としてこの席にいるべきかとも思いますけれども、お許しを得られれば、退席させていただいて役所に帰って、災害対応するいろいろなしかるべき業務をいたしたい、こういうことを申し上げたのであります。それで、お許しが出ました。それで、私はそこを退席しまして役所に帰ったのであります。そして、そこでいろいろ検討いたしたのであります、どのようにすべきであるか。  私自身はもう既に、災害の態様あるいはレベルからいって、現地に赴くことを考えるという状況にあったわけでありますけれども、結論的に言いますと、私は明日もその後の日も質問の通告を受けておる、法案の提案者である、そういうようなことがありまして、いろいろ検討した結果、やむを得ず谷川政務次官現地に赴いてもらって政府調査団を指揮していただくということになったというのが事のいきさつでございます。  谷川政務次官は、政務次官が出かけるときも私は打ち合わせをしたわけでありますが、現地に行っても私との連絡をずっととっていただきまして、夜遅くだったのですが、とっていただいたりしていく中で、まさに的確に所要の業務の処理をしていただき、私自身としても大変感謝をしたということでございます。  いずれにせよ、私自身としては、自分自身が身を運べなかったということについて当時も大変残念に思ったわけだし、現在においてもそのように考えております。  以上でございます。
  50. 井上義久

    井上(義)委員 経過を理解した上であえて申し上げておるわけでございまして、これは我々全体がやはりこういう緊急時に考えなければいけない大事な問題だと思いますので、よろしくお願いいたします。  それからまた、全体的な質問に入る前にもう一点。三十日になりまして、阿武隈川がかなりまた危険な状況になったということで、特に郡山中心に大変厳しい状況で、計画水位を超えている、いつ決壊するかわからないという状況だったものですから、私も急速また郡山に参りまして、被災者の皆さん避難命令が出ていますから、ずっとそこを激励したりしながら、一日郡山におったわけでございます。  青山河川局長、私も大変尊敬申し上げている方なんで、今回、河川局長になられて初めての大変な災害ということです。実は、福島建設事務所があって、そこが福島県全体を掌握されていると思うのですけれども、たまたま、ともかく状況はもう河川局しかわからないということで、郡山の事務所に参りました。職員の皆さん本当に不眠不休で、大変なお仕事だなということを改めて痛感したわけでございまして、一段落したら、ぜひ省としても御慰労していただきたい、こう思うわけでございます。  応援職員の方が随分いらっしゃるのですけれども、あれだけ、百四十キロぐらいですか、通常三人でこれを管理されている。日常は問題ないのですけれども、災害時、土のうをつくったりいろいろ作業をされているわけでございます。やはり白河も危ない、それから郡山も危ない、須賀川も危ない、福島も危ないということで、どこが切れるかということで、それぞれ市民の皆さんかたずをのんで、どこか切れるのではないかと。  それで、しかも情報は、これは直轄河川でございますから当然国しかわからないというような状況を考えますと、どうもやはり災害時の体制が、局長がどこにいらっしゃったか僕はよくわかりませんけれども、やはり情報は国にしかないし、いざとなったときは国の持てる資材をすべて集中して危ないところに投入しなければいけない。そういう決断をしなければいけないときは、あのときは幸いなかったのですけれども、決断をしなければいけないというときに、本当に今の体制でそういうありとあらゆる機能、機能といいますか、資材、人を含めて集中してやれる権限がどこにあるのかということを考えますと、やはり現地にしっかりした建設省対策本部をきちっとつくって、あらゆる機能をそこに集中して一元的な管理ができるようなシステムがないと、これはやはりどこか危ないなということを非常に痛感した次第でございまして、その辺のことについてちょっとお伺いしておきたいと思います。
  51. 青山俊樹

    ○青山政府委員 今、阿武隈川の水害の話が多々あったわけでございますが、何点か私どもの方でも申し上げておきたいことがございます。  職員一丸となってこの洪水に対処したと思っておりますが、特に東北地方建設局は東北六県管轄でございますので、管内の各域から、特に仙台から、阿武隈川が大変だということで地建職員が応援に参りました。また福島にあります摺上川ダム工事事務所、これはダムの工事中の事務所でございます。その職員も含めて福島工事に応援に行き、建設省としても、体制としては精いっぱいの体制をとったつもりでございます。また、資材等につきましても仙台から運びまして、現地で非常に役立ったわけでございます。また、関東地建なんかからも資材等をいただいたわけでございます。  また、上流にあります三春ダム、これはことしの三月に完成したばかりのダムでございますが、洪水調節を大幅にカットいたしまして、阿武隈川の郡山がピーク時にはほとんど放流量ゼロというふうな洪水調節をしたわけでございまして、私どもとしましては、洪水対応を適切にやっておるという認識をいたしております。  ただ、情報が一般の市民の皆様方になかなか伝わりにくいというのも先生御指摘のとおりでございまして、例えば洪水予報なんかを気象庁と共同で出しているわけでございますが、それをテレビで報道していただくということはなかったというふうに認識いたしております。
  52. 井上義久

    井上(義)委員 実は二十七日に行きまして、その日の夜中にこちらに戻りました。といいますのは、これは緊急に対応していただかなければいけないなということが二つほどあったわけです。  一つは、太陽の国、御承知のように障害者の施設でございますし、それから特養なんかもあって、要するにがけが崩れて五つの施設が使えない。五百五十人ぐらいの方が体育館とかほかのところに避難をしているわけでございますけれども、例えば特別養護老人ホームに入所されている皆さん、どちらかというと日常的には寝たきりの方が多いわけでございまして、ベッドを全部体育館に運び込む。そうすると、仕切りがありませんから、排せつもなかなか思うようにできないというようなことがあったりして、通常の避難施設とはこれは全く違う、一日ぐらいはいいかもしれないけれども。それから食糧なんかも、聞きましたら、非常食糧というのは一日分だけあるそうでございますけれども、これはもう早急に対応してやらないと大変なことになってしまうというのがあったものですから、翌日すぐに、官房長官を通して総理に幾つかの項目を申し入れしたわけでございます。  ともかく、からまつ荘を中心とした太陽の国の被災者の皆さんの対応について、これは県が第一義的にやるのでしょうけれども、例えば県を越えた施設との交流、受け入れとかというようなことも含めて、国が全面的に前に出てぜひ対応してもらいたいというのが一つ。  もう一つは、崩れたあの裏山というのを私も見ましたけれども、普通の里山で、よくこんなところが崩れたなというようなところでございます。これは建設省、農林省が指定しております危険箇所、いわゆる指定箇所四十万カ所にも入っていないわけでございまして、そういうところが崩れたということを考えると、これはこれからしっかり総点検しなければいけないわけですけれども、特にそういう施設なんかでこういう事故が起きますと大変なことになりますから、少なくともそういうところだけでもすぐ総点検をして危険を取り除くように、この二点を至急やってくれということで翌日申し入れたわけでございます。  それについてはどう対応されたかということだけ、短くで結構ですから。
  53. 炭谷茂

    炭谷政府委員 まず第一点の、からまつ荘を初めとする福祉施設の入居者のケアの問題でございます。  これにつきましては、からまつ荘が遭難しましたときには、一部の方々は体育館に入っていらっしゃったという状況がございました。これにつきましては早急に、八月三十一日までに全員自宅もしくは他の福祉施設に入っていただいたわけでございます。また、太陽の国のほかの施設、これは六カ所ございますけれども、六カ所の方々につきましても、九月一日までに全員自宅もしくは他の福祉施設に入居されております。  しかし、先生も御指摘されましたように、自宅に戻られた方は四百人程度いらっしゃいます。これはやはり、なかなか自宅ではお世話しにくいということもございますでしょう。その方につきましては、福島県内だけでは十分でないところが生ずるかもしれませんので、私ども厚生省から、近県または国立施設というものでの対応というものを既に用意いたしておりまして、十分対応できるという態勢を既にとっております。  第二点の、福祉施設に関する防災対策の総点検でございますけれども、危険地域にある福祉施設がございますので、これについては私ども直ちに、八月三十一日に総点検を全国の都道府県に指示いたしました。ただし、危険地域以外に存在する福祉施設が今回難に遭っているわけでございます。これにつきましても、現在建設省とも十分御相談しながら、これらの災害対策についての総点検というものについて実施したいというふうに考えております。
  54. 井上義久

    井上(義)委員 これだけの災害を二十分でやれというので、大変苦しい思いをしておりますけれども、あとは時間がないので要望だけ、繰り返しになるかと思いますけれども。  一つは、やはり激甚災害指定、これはもうぜひ早期被害状況を掌握していただいて、早期にやっていただきたい。  それから、これも先ほど出ましたけれども、被災者生活再建支援法、生活再建ということは、建物を復旧するとか道路を復旧するとかということもあるのですけれども、やはり生活それ自体を復旧しなければいけないわけでございまして、法律ができているのに、この法律適用前だからだめですよという話は、柳沢長官、世の中ではこんなことは通用しないわけでございまして、政府の責任で何とかやれというのは当たり前の話ですから、これはもうぜひやってもらいたい。  それから、災害弔慰金災害障害見舞金、これらの速やかな支給、それから低利融資の災害援護資金の円滑な審査、貸し付け、これもぜひ早く古出できるようにしてもらいたい。  それから、公共土木施設早期復旧ですけれども、特に今回大きな被害を出した河川については、建設省の方で河川災害復旧関連緊急事業制度というので上下流一緒にやるということで、これは早く促進をしてもらいたいということと、それから住宅被害に対する住宅金融公庫の低利融資、これも円滑な活用ができるようにぜひ配慮してもらいたい。  それから、農水省の関係になると思いますけれども、共済金、これは当然早期の審査、支払い、これもいつまでも時間がかかっては困るので、ぜひお願いしたい。  それから、災害融資の実行、これは既に公表されておりますけれども、これも早期実施することをぜひお願いしたい、こう思います。  それから、もう要望だけさっと申し上げておきますけれども、今回現地へ行きまして私が非常に感じたことなのですけれども、やはり情報の提供、かなり能力は上がってきていますので、情報の提供ということについて、特に深夜の時間帯、ちょうど四時から五時に太陽の国が崩れたときは、地元の村の雨量計だと百ミリを超えていたというのですね。それで、こういう異常な状況というのがもう少し的確に伝わるようになれば対応の仕方もあったのではないかということと、それから知らせ方、通常防災スピーカーなんかで自治体がやっておるわけですけれども、これだけの時代になっているわけですから、例えば電話回線を使うとかインターネットを使うとか、もう少し何か新しい手法を考えなければいけないのではないかということを非常に感じましたので、これらの点、時間もないので、長官、まとめて御答弁をいただければと思います。
  55. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 激甚災害の問題それから生活再建支援の問題等々については、先ほど来お答えを申し上げているので省略させていただきますが、今先生がおっしゃった、まさに災害の現場に行きますといろいろなことを、これを改善すべきではないかということを我々は思い浮かべます。  先生の今のお話も、ほぼ私が感じたようなことと同様の点をお述べになられたような感じがいたしまして、特に、百ミリ近い雨が降るということがどういう危険をもたらすかというようなことについて、日ごろからきちっとした情報を伝達し、それから現に起こった場合には、そのことをいかに的確にその周辺地域の住民に伝えるかといったようなことについては、なお工夫の余地があるのではないかなというのが私の感じでもございました。  今後、政府部内の関係部署によく検討をさせ、少しでも改善が進むように努めてまいりたい、このように思っております。
  56. 井上義久

    井上(義)委員 どうもありがとうございました。
  57. 西村章三

    西村委員長 次に、三沢淳君。
  58. 三沢淳

    ○三沢委員 自由党の三沢淳です。このたびの台風四号の影響による集中豪雨でお亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げますとともに、被害者の方々にお見舞いを申し上げたいと思います。  そこで、今回のこの集中豪雨、これは停滞前線と夏台風ということで避けられない災害であったのではないか、そういうふうに思われますが、災害というのは、まさかあの場所であんな雨が、こんなところでというのがやはり災害でありまして、今中国では大洪水でもありますし、韓国でも豪雨災害が起きておりますし、世界じゅうでも干ばつで山火事が起こったり大洪水が起きたり、テレビや新聞では本当に他国のことのように思われますが、この日本も火山列島でありますので、いつ地震が起きたり火山が爆発したり、いつも秋には台風も来ますし、いつ災害が起きても不思議ではないこの日本列島で生活している中で、やはり不安ですから保険というものをいつも我々は掛けております。  大きなテーマでありますが、長官にいろいろな認識とかこれからの災害予防についてお聞きしたいのですけれども、災害の起きやすい日本列島でこのような、まさかあの川が、こんなところでこんなことが起きた、堤防が切れるはずがなかったのに切れてしまったとか、そういうことが今本当に起きておりまして、それに対する対応というのが今求められております。国民の生命、財産、安全を守らなければいけないのがやはり国でありますので、本当に大きなテーマでありますけれども、その辺はどういうふうなお考えを持っておられますか、まず最初にお聞きしたいと思います。
  59. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 災害予防に対する基本的認識のお尋ねかと思いますけれども、今先生まさにおっしゃったとおり、日本列島は自然的条件からいって災害が発生しやすい国土である、こういう基本的認識に立たなければならないと思います。  そういう中で、国土を保全し、国民の生命、身体及び財産を守ることは基本的な国の責務である、こういう認識に立っておりまして、政府におきましては、このような観点から災害対策基本法、防災基本計画等を定め、これに基づいて関係省庁が連携して災害の予防に取り組んでいるということが一つでございます。  それからまた、物的というか、そういうハード面におきましては、これは治水事業、砂防事業等々につきまして各種の中長期的な計画を定め、これに基づいて国土の保全事業を鋭意進めておる、こういうことで、物的にもできるだけ高いレベルできちっと体制を確保してまいる、こういうことでございます。  しかし、そういうことをやってもなお、最近における異常気象というか、世界的に起こっている異常気象等で、今度のように一時間に九十ミリなどというような考えられない雨、こういうものが現実に起こったということでございます。  これに対しては、そういうものに備えた国土の保全事業をやるなどというようなことは、これはいろいろな財政的な制約等々からできないわけでありまして、これはもう避難をもって対処するというしかない。この避難をどのように的確に行うかということが大事であるというふうに考えておりまして、先ほど先生がおっしゃられたことでございますけれども、私もいろいろなことに気がつきました。  まず、地震については、最近危険マップなどというようなものを配付する地方自治体が多くなってきておるわけですけれども、これからは水害についても、自分たちの近くを流れている河川は何ミリの雨に耐えられるか、こういうのを高水能力というのですか、あるいは流水能力というのですか、それぞれの河川にはそういうような流水能力というのがあるわけでございますので、そういったものについてきちっとした情報を地域人たちが把握している、こういう状況が必要だろう。それがオーバーした場合には、これはもう避難をしなければいけない。オーバーしているという情報をいかに的確に流すかというのは、先ほど井上先生の御質疑があったように、我々はこれから工夫していかなければいけない、このように考えております。  こんなことは各省庁、私、帰ってすぐ質問をしたのですけれども、少しずつ努力をしておるというわけですが、まだ全国に普及していないという状況ですので、これの普及の促進に努めてまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
  60. 三沢淳

    ○三沢委員 災害というのは本当にいつ起こるかわかりませんので、それに備えるというのは本当に難しいことかもわかりませんけれども、ぜひ御努力いただきたいと思います。  しかし、災害が起きましたら、やはり危機管理体制といいますか、そこはしっかりしていかなければいけないのではないか。特に今日本は、金融、防衛、この前ミサイルも飛んできました。あと自然の災害、人的災害、いろいろありますが、その危機管理をしっかりすることが日本の国民の安全を守る、財産を守る、生命を守るということではないか、そういうふうに思われます。  阪神淡路大震災の教訓でこの四月に内閣危機管理監というのが新設されまして、この前の初動がおくれたために大きな被害をこうむったということで危機管理監が新設されて、その方の指導のもと迅速に対応しようではないかということで四月に新設されたのですけれども、今回の水害に対しまして、この内閣危機管理監の対応と、本当に迅速に各省庁と調整をされたのかどうか、お伺いしたいと思います。
  61. 江間清二

    ○江間政府委員 お答えを申し上げます。  先生お話しのとおりに、この四月に、内閣官房の危機管理機能を強化するという観点から内閣危機管理監の制度が発足をいたしました。危機管理監の所掌としては、当然のことながら、大規模災害でありますとかあるいは重大事件、事故等について所管をしているわけでありますけれども、今回の災害に当たりましても、内閣危機管理監の御指示を受けまして、官邸内にございますところの危機管理センターに官邸連絡室というものを設置しまして、関係機関からの被害状況等の情報の集約、それの総理、官房長官等への適宜報告、あるいは国土庁等を含めた関係省庁との連携を図りながら、災害の応急的な対応策ということについて遺漏のないように努力をしてきたつもりでございます。
  62. 三沢淳

    ○三沢委員 阪神大震災の教訓を得て今回の水害に対しては迅速に対応されたということで、大変すばらしいことではないか、そういうふうに思いますが、今回は水害でしたけれども、この危機管理体制、この前、三十一日は、まさか日本の上空をミサイルが飛んでいくとは思っていませんで、国民のだれもが驚いたのですけれども、災害というのは、本当にいつどこで、どういうふうな状態になるのか。  例えば、これが日本の陸地に落ちた場合は、その危機管理体制といいますか、今回は水害ですばらしい能力を発揮された、迅速に対応できたということですけれども、その辺のところの、もし落ちてきた場合とか、例えばこれが飛行機に当たったとか客船に落ちたとかいう場合の危機管理体制というのはどんなふうに考えておられるのか。今度の水害のように迅速に対応できるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  63. 江間清二

    ○江間政府委員 ただいま先生仮定の御質問でございますけれども、あえてのお尋ねでございますので、私も仮定の問題として、一般論としてお答えをさせていただきたいというふうに思います。  仮にミサイルが我が国に着弾するというような事態、国民の生命あるいは身体等に被害が発生するというような場合には、事態の重要性にかんがみまして、それがいかなる理由によるものであれ、政府は一体として、当然のことながら地方自治体等の協力も得ながら、人命救助あるいは救援活動などに全力を挙げるということがまず当然の措置としてなされることになろうと思います。また、それと同時に、さらに被害の局限に努めるという努力をすることになるわけであります。  そういう際に、それが本当に整々といくのかという点については、これは、ともかく関係省庁一体になって各情報の収集、分析、また状況の的確な把握ということに努めると同時に、それを踏まえて適切な対応をとっていくということになるわけであります。  いずれにせよ、関係者一体となっての連携というもので適切な対応がとれるように努めてまいるということに相なろうかと思います。
  64. 三沢淳

    ○三沢委員 何度も申しますけれども、日本の国民の生命、財産、安全を守るのは、本当にいろいろ水害もあれば地震もあれば、いつどこで、どういうふうに起こるかわからない。今日本は戦争もない豊かな生活をしていまして、みんなが危機ということに関して忘れているのではないか。そういう意味では、こういう水害とか地震、またミサイルとかを、もう一度しっかりと国民に危機というものを植えつけていかなければいけないのではないか、そういうふうに思っております。  次に、個々のお話をさせてもらいます。  今度、福島県の西郷村の福祉施設からまつ荘で裏山が崩れ、これは危険箇所に指定されなかったということなのですけれども、とうとい五名の方が亡くなられました。この指定されなかったところが崩れたというのは、建設省さんはどのようにお考えになるのか。それと、これからどういうふうに点検されていくのか、これは大変難しいかもわかりませんけれども、少しお聞きしたいと思います。
  65. 青山俊樹

    ○青山政府委員 西郷村のからまつ荘の災害につきましては、これは土石流によるものと認識いたしております。  土石流危険渓流は全国で約八万渓流あるわけでございますが、今回土石流が発生したところは、二万五千分の一の地形図で谷という形を読み切れずに、いわゆる私ども谷地形と言っておりますが、そういった形を呈しておらずに、土石流危険渓流とは読み切れなかったわけでございます。  今回の災害にかんがみまして、からまつ荘のような災害弱者に関連した施設を土砂害から守るために、厚生省と連携しまして一斉点検をやりまして実態の把握を行い、市町村等の警戒・避難体制の整備に反映させてまいるとともに、必要な箇所については防災工事を実施してまいりたいと思っております。  なお、調査につきまして早急に実施いたしまして、九月末を目途に取りまとめたいと思っております。
  66. 山本徹

    山本(徹)政府委員 山地災害の危険のある地区につきましては、中央防災会議の要綱に基づきまして、山腹崩壊、地すべり等による災害が発生するおそれのある地区として、民有林は都道府県、それから国有林については営林局が調査いたしまして、市町村、さらに防災関係機関に周知徹底を図っているところでございます。  先生御指摘のからまつ荘の裏山でございますが、私も先週金曜日、八月二十八日に松下農林水産政務次官のお供をして調査をいたしましたが、この地形は、標高差が四十メートルの低い山で、かっ傾斜も平均十度程度でございまして、てっぺんまでの斜面の長さも百五十メートルというなだらかな山である。それから森林の状況も、アカマツ、コナラ等、四十年程度の森林が立派に育っている安定した森林でございまして、福島県でも崩壊の危険が少ないと考えられたことから、危険地区としての調査対象となっておりませんでした。  しかし、今回の災害にかんがみまして、林野庁といたしましても、学校、病院、福祉施設等の公共施設に隣接する裏山等の災害防止を重点的に図るために、明日九月四日に全国の都道府県の林務部課長会議を開催いたしまして一特に公共施設をまず第一の対象にいたしまして一斉点検を実施し、必要な工事も逐次実施していきたいと思っております。  なお、こういった調査につきましては建設省等と連携協力して実施することにいたしておりまして、公共施設以外についても順次再点検を実施し、防止対策の万全を期してまいりたいと考えております。
  67. 三沢淳

    ○三沢委員 次に、福祉施設。高齢者の方はこれからふえますのでそういう施設が多くなると思いますし、障害者の方もたくさんおられるのですけれども、こういう福祉施設が一般的には市街地から離れた山間に建っている建物が多く見受けられるのですけれども、いざ土石流とかこういう災害が起きた場合に、厚生省としまして、そういった方々をスムーズに避難させられるのか、その辺の点検はされておるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  68. 炭谷茂

    炭谷政府委員 社会福祉施設災害対策につきましては、常日ごろから非常災害に対しまして対応すべき具体的な計画をつくっております。これは、災害に際しての情報連絡体制、また安全誘導避難対策、また医療や消火などの対応というものにつきまして具体的な計画をつくっております。また、近隣の人の協力も得るということも、常に地域連携を図るということについても体制をつくっているところでございます。これにつきましては、特に監査指導において重点事項として毎年一回は点検をするというようなことにいたしておりますし、また具体的なマニュアルをつくってやっているわけでございます。  しかし、今回の災害における体制についていろいろと状況を把握いたしまして、これを今後の社会福祉の災害対策に十分生かしてまいりたいというふうに考えております。
  69. 三沢淳

    ○三沢委員 災害というのは夜中も起きたりしますし、これは土砂ばかりじゃなしに火事もあったりするのですけれども、その辺のところの人材確保はできているのでしょうか。全部とは言いませんけれども、どのぐらいの割合でその施設は安全なんでしょうか、わかる範囲でちょっとお答え願いたいと思います。
  70. 炭谷茂

    炭谷政府委員 社会福祉施設の夜勤体制でございますけれども、これにつきましては、それぞれの福祉施設の定員、また施設の種類によって違っておりますからまつ荘については四名の夜勤体制をとっていたようでございます。  ただ、このような非常の場合、また何かの予知があった場合、警告があった場合というようなことについては、職員をその際非常招集をかけるというような形で対応するというようなことで指導しているところでございます。
  71. 三沢淳

    ○三沢委員 健常者の方は素早く逃げられたりするのですけれども、ぜひそういう体の弱い障害者の方やお年寄りを、緊急のときは皆さん自分勝手に逃げ惑いますので、その辺のところは政府がしっかりした指導をとっていただいて、やはり安心して暮らせる、そういう時代をつくっていただきたい、そういうふうに思っております。  まだまだ質問がありますけれども、また次回にさせていただきまして、質問をこれで終わります。どうもありがとうございました。
  72. 西村章三

    西村委員長 藤木洋子君。
  73. 藤木洋子

    ○藤木委員 藤木洋子でございます。よろしくお願いいたします。  一九九八年八月豪雨災害が起こりまして、私どもも発生直後から豪雨対策の本部をつくりまして、三次にわたりまして調査団を派遣してまいりました。その調査に基づきまして、例えば二次災害防止と被害の拡大防止問題、あるいは寸断された生活道路などライフラインの復旧問題、さらには那珂川の堤防建設のおくれの問題などなど、八項目にわたりまして国土庁長官に申し入れを行ってまいりました。  そこでも申し上げたことでございますけれども、今回の被害の拡大に対する政府の責任というものが極めて大きいというのが率直な感想でございました。実際、現地に参りまして、被災者、被災自治体の切実な要望について政府が責任を持って必要な措置対応を直ちにとるということが重要であることを痛感しております。  時間の関係もございますので、直ちに取り組むべき問題ということについて、以下お聞きをしてまいりたいと思います。  まず第一に、まだ避難所生活を続けている方も多うございまして、水や土砂で被害を受けた家屋の本格的な片づけというのは、まさに今真っ最中、これからというところでございます。福島県の白河市でございますけれども、ここでは市で消毒が始まっておりますけれども、床上浸水についてだけなのですね。床下浸水家屋は、申し出があれば貸し出すという程度のものです。また那須町では、家屋の片づけも困難をきわめておりまして、周辺の土砂の片づけなどは重機を入れていただきたいという要望が出ております。つまり、手作業でやられているということでございます。  この現在の状況というのは、被災自治体任せにしていたのでは復旧が遅々として進まないということを示しているのではないでしょうか。現地の実態について国として把握をして、公的な支援を講ずるべきだと存じております。  そこで、今回の災害で百五十棟近くの方が全壊、半壊被害に遭われましたし、一部損壊だとかまた損壊の認定に至ってはいないけれども、床上浸水被害は三千五百以上に上っております。その中には、軒先まで水につかっているというような状況だとか、とても片づけをしただけではすぐには住めない、そういう被害に遭った方も決して少なくはございません。とても大変な状況でございますけれども、今親戚だとか縁者を頼って身を寄せているという方もいらっしゃるというふうに伺いますけれども、これは決して長続きする問題ではないわけですね。  そこで、きのうの時点、九月二日現在で七百十一名もの方がまだ避難所生活を余儀なくされていらっしゃいますし、地元紙の報道によりますと、今わかっているだけでも四十二世帯の方々仮設住宅への入居を希望しておられます。聞きますと、自分が持っている田んぼや畑の近くに住んでいたんだ、だからもとの場所にできるだけ近いところに仮設住宅を建ててほしいという要望がございます。  そこで、希望者には入居条件などを外して公営住宅を確保するという問題、また仮設住宅を必要な戸数だけ建設するという問題は、国として極めて急いで責任を果たさなければならないのではないかと思いますけれども、その点、公営住宅問題は建設省仮設住宅の問題は厚生省からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
  74. 小川忠男

    ○小川政府委員 お答えいたします。  公営住宅の一時入居につきましては、今回のような災害の場合には当然最優先で対応させていただきたいと思います。現に、現地からの情報では、幾つかの空き家の公営住宅について既に入居していただきつつあるというふうな連絡を受けております。
  75. 炭谷茂

    炭谷政府委員 今般の災害により住宅を失い、またみずから住宅を確保できない方につきましては、地元地方公共団体と協議をいたしまして、応急仮設住宅の提供については速やかに対処させていただきたいと思います。
  76. 藤木洋子

    ○藤木委員 ぜひ速やかに行っていただきたいと思います。実際に被災者方々の非常に強い要望になっておりますから、ぜひお願いをしたいと思います。  次に、栃木県内の国道四号線や県道など、ずたずたに寸断されました生活道路であるとか橋梁、水道など、ライフラインの復旧を急ぐことはもちろんのことでございますけれども、今後の雨に備えて河川、護岸の改修などに急いで着手すべきことなど、本当に山積しております。さらに、農業被害も非常に大きゅうございまして、稲や野菜、牛なども四百頭以上が被害を受けるなど、大変な事態であります。共済金の早期支払いは当然でございますけれども、共済だけではとても賄えません。農業を再開できるような援助が必要でございます。あわせて、地方交付税の前倒し支給を初め必要な財政支援を直ちに行っていただきたいと思います。  それから、先ほど来お話が出ておりますけれども、被災自治体からはこぞって激甚災害指定を要求する切実な訴えがございます。大臣は法の仕組みについて説明をされましたけれども、私はやはり一刻も早く指定を行っていただきたいということを御要望させていただき、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。  同時に、被災地では、さきの国会で成立しました災害被災者生活再建支援法適用をしてほしいという要望も伺っております。総理も、二十九日被災地を視察されました際に、支援法の趣旨を踏まえて対応したいと述べておられますし、今大臣も、被災者の生活を再建するための支援というのが法の趣旨でございますからその趣旨を踏まえて検討に入っているのだとおっしゃいましたけれども、積極的に支援するという立場に立つならば、ぜひとも法の水準を下回ることのないようにお願いをしたいと思いますが、その二点についていかがでございましょうか。
  77. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 冒頭、藤木先生から、過日御陳情があったことも伺いました。その御報告はいいのですけれども、被害の拡大が国の責任であるというようなお言葉があったかと思いますけれども、それはまくら言葉かもしれませんけれども、あれだけ一生懸命、今も各省庁の職員から懸命に前向きの答弁をしておる状況からして、こういうお言葉は私としてはちょっと御遠慮いただければ大変ありがたいということを申させていただきたいと思います。  激甚災害指定でございますけれども、これにつきましては、法の仕組みの御説明をずっとしてきたわけでございますけれども、この仕組みをできるだけ早く進めるということ、これを先ほど来、これは役所全体の調整をした上で申し述べているわけでございますけれども、そうしたことで、そういう方向でやってまいりたいということを重ねて申し上げる次第でございます。  それから、被災者生活再建支援につきましては、これも法の趣旨を踏まえてということでございますけれども、今先生おっしゃられたとおり、法を下回ることのないようにということもよく念頭に置いてやってまいりたい、このように思いますけれども、同時に、法の仕組みというのが、やはりこの問題は、地域住民の生活に第一次的に責任を持つ地方公共団体がまず動くということからスタートするということも、ぜひひとつ御認識の中に入れておいていただきたいということを申し添えて、御答弁とさせていただきます。
  78. 藤木洋子

    ○藤木委員 激甚災害についても非常に急いで進めたいという御回答でございまして、大変それは結構だと思います。指定が決まりましたら自治体は安心して財政出動ができるわけですから、一日も早い復旧が進められるであろうということを私も期待しております。さらに支援法も、法を下回らないということを踏まえて、それを念頭に置いて進めるというお言葉でございますので、ぜひともその立場を貫いていただいて、一日も早く結論をお出しいただき、支援が至急できるようにしていただきたいと思います。  先ほど、国の責任の問題でちょっとお言葉がございましたけれども、まくら言葉ではございませんで、後でまたお話をさせていただくことになろうと思いますが、今の取り組みを私は責めているのじゃないのです。皆さんが本当に一生懸命やっていらっしゃるのは、それはもう本当に、私も現場にも参りまして、政府もお越しいただいて、ちょうどヘリコプターに乗って建設大臣が飛んでいらっしゃるときに私参りましたから、よく存じ上げておりますが、そうではなくて、いろいろな逆転現象が公共事業の問題でも起こっているということを申し上げたいわけでございます。非常に言葉が少なかったと思いますので、おいおい質問の中ではっきりさせればと思っております。  次に、私も直接見てまいりましたけれども、福島県の太陽の国ですね。ここは確かに、危険地域指定されていないにもかかわらず五名の犠牲者を出した被害でございます。この点についてお伺いをしたいと思います。  入所者の実態は、九月一日現在で、一時帰省された方が四百名以上、他の施設への移送が百四十名以上というふうになっております。一時帰省者につきましては、家族に一週間程度ということで協力をお願いしているということでございますから、もう間もなく、この土曜、日曜が来るとその期限が来るわけです。しかし、太陽の国内の被災四施設は、現時点では二カ月近く使用はできない状況だというふうに伺っております。ですから、一週間後、家族が介護できない状態になっても、入所者の皆さんの行く当てがないわけですね。  そこで、お話によりますと、県内や県外の他施設に一時的に移ってもらうという方針をお立てになっているそうですけれども、障害をお持ちになっている方を転々と環境を変えるということは決して望ましいことではございません。障害者御本人にとって最もよい方法を家族の希望に沿って決めていただくことが大切ではないでしょうか。必要であれば、ぜひ仮設施設の建設を進めるということも検討していただきたいということを申し上げたいと思うのです。  また、他施設へ移る場合にも、機械的な割り当てをするということがないようにしてもらいたい、家族の希望に沿って進めていただきたいと思います。もちろん、他施設へ入所する場合は、阪神淡路大震災で定員外人所を認めた特例措置をおとりになりましたけれども、今回も適用すべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。  これは厚生省にまとめてお答えをいただきたいと思います。
  79. 炭谷茂

    炭谷政府委員 まず、社会福祉施設の仮設施設の件でございます。  現時点におきましては、福島県から具体的に仮設施設をつくりたいという要望は参っておりません。もし県からこのような御要望が参りましたら、私どもとして速やかに検討させていただきます。  また、他の福祉施設に臨時的に入っていらっしゃる方の費用の問題でございます。  これにつきましては、所要の費用については措置費において必要な助成を行ってまいりたいというふうに思っております。
  80. 藤木洋子

    ○藤木委員 特例措置はどうされるのですか、特例措置措置をされるわけですか。
  81. 炭谷茂

    炭谷政府委員 そのように特例的に扱わさせていただきます。
  82. 藤木洋子

    ○藤木委員 そこで、一方、介護の側の職員の問題なのですけれども、実際、不眠不休で被災直後の不安定になっている入所者の介護に当たっておられるのを私も目の当たりにしてまいりましたけれども、これでは本当に長続きするのかなというような労働強化を感じないわけにはまいりませんでした。そこで、太陽の国内の施設での職員の必要な増員を図るべきだというように思いますが、その点もちょっと伺っておきたいと思うのです。  また、他施設に入所する方の入所に当たっては特例措置で介護者も当然必要な増員配置が求められますけれども、それではこちらも措置費で手当てができるということでございましょうか。
  83. 炭谷茂

    炭谷政府委員 まず、福祉施設について受け入れていただくところの職員の配置でございます。  これは、私どもも心配いたしまして福島県に状況をお聞きしましたところ、何とか福島県の福祉関係職員を適切に配置することによって対応できるという回答を得ております。ただ、私どもとしては、そういうことで不十分の場合に備えまして、国立の福祉関係職員、また全国、他の四十六都道府県の福祉関係施設の職員の応援ということもいつでもできるように準備態勢を整えておりますが、現在のところ、福島県では、何とかマンパワーの面については対応できるという回答を得ております。  また、他施設で太陽の国の入所者のケアをしているという費用につきましては、先ほどと同様、特例的に措置費で対応させていただきます。
  84. 藤木洋子

    ○藤木委員 それでは、県の方から要望があれば人的な配置もすぐに出動できるということでございますので、要望があればそれは早速おこたえをいただきたいというふうに思います。  それから、今回五名の犠牲者を出した太陽の国は、危険指定地域以外のところで起こった被害でございました。建設省は、今回の事態を受けて、危険地域指定以外の災害弱者の施設を総点検すると言っておりますけれども、いつまでになさるのかさえ実は明らかではないのですね。  また、厚生省はこの八月三十一日、「社会福祉施設における防災対策の再点検等について」という通知を出されました。しかし、こうした通知は今に始まったことではございません。  今回の通知の中でも述べておられますけれども、一九八五年、地すべりで、松寿荘という特別養護老人ホームがございますけれども、ここで二十六人の犠牲者を出したときに実は通達を出しておられます。ところが、にもかかわらず、去年、当委員会で我が党の平賀議員の質問に対しまして、五百四十五カ所の危険地域指定災害弱者の施設があり、その中でも特に緊急に整備しなければならないところは十四カ所あるという御答弁下ございました。通達を出すだけでは事は進まないのではないかと思うのですけれども、その点どのように御検討していられるのか、計画を立てていらっしゃるのか、公開をして進めていくというようなことをお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
  85. 青山俊樹

    ○青山政府委員 まず、からまつ荘のような今回の災害で非常に悲惨なことになりました災害弱者に関連した施設を土砂災害から保全するための一斉点検について申し上げたいと思いますが、厚生省と連携いたしまして実態の把握を行いまして、九月末を目途に取りまとめる予定でございます。
  86. 炭谷茂

    炭谷政府委員 ただいま先生が御指摘されました、危険区域にあって現在も緊急に整備を要する施設、昨年の十一月時点で十四施設いまだあるということでございます。それがその後、移転等によりまして六施設は整備済みでございまして、一施設につきましては廃止となっております。したがいまして、残り七施設あるわけでございます。  これにつきましては、私ども、関係地方公共団体に対して注意を喚起するとともに、財政的な措置といたしまして、国庫補助金の優先採択、また社会福祉・医療事業団の無利子融資というような財政的な措置でバックアップしていくというふうに考えております。
  87. 藤木洋子

    ○藤木委員 それでは、厚生省に重ねてちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、そういった財政措置をとれば、どのぐらいの期間内に解決するというふうな予測を立てておられますか。
  88. 炭谷茂

    炭谷政府委員 私どもといたしましては、できる限りの財政援助措置を用意いたしまして、また地方公共団体に対して督励をしたいというふうに思っておりまして、一日も早い移転、改築というような問題の解決というものについて全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  89. 藤木洋子

    ○藤木委員 建設省厚生省もそうなのですけれども、今おっしゃいました、九月にまとめるとか、あるいはその措置をとれば移転だとかあるいは改築だとかそういったことが行えるというこ主をおっしゃいましたけれども、その進行状況についても情報公開をぜひやっていただきたいということを申し上げたいと思います。  そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、傍害弱者の施設で、今のような状況で、今後自然災害による犠牲者を出さないとか、あるいはこうした悲劇は繰り返さないと言い切ることはとてもできないのではなかろうかという思いがするのですね。防災の取りまとめ官庁として、対応する省庁に対してひとつイニシアチブを発揮していただいて、このようなことの改善を進めていただきたい。御決意を伺いたいというふうに思います。
  90. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 先生御指摘のとおり、災害弱者の施設の安全の確保ということについては、かねて政府のいろいろな文書の上では大きな関心が払われております。中央防災会議の決定に係る防災基本計画等におきましてもこのことは特記されているところであります。  問題はこの実践だということですけれども、ただいまの各担当省庁の話を聞いていると、私自身も大変心強い感じがいたしましたけれども、ぜひこの実践をしていただくように私どもの方からも督励してまいりたい、このように考えております。  ただ一点、ちょっと蛇足というかお気にさわるかもしれませんけれども、今度の被害災害というのが、一時間に九十ミリというようなとても予測を大幅に超えた自然現象から起因したものであるということも、やはり先生念頭に置いていただきたい。我々もそういうことも含めてこれから対処していこうとは思いますけれども、やはり極めて異常な状況であったということも、お互い共通の認識にしていただければ幸甚と思います。
  91. 藤木洋子

    ○藤木委員 終わりますけれども、今お話がございましたように、確かに、未曾有の集中豪雨であったということだけは間違いございません。しかし私、災害というのはそういうものだと思うのですね。思いがけないことが起こるのが災害だというふうに思うのですね。ところが、那珂川の流域の堤防が、建設しなきゃならないならないと言いながらやられてこなかったというような問題だとか、それから、それがやられていないにもかかわらず、上流の方で宅地開発が進められておりさすしゴルフ場も開発されておりますし、それに許しては、そういった防災のための規静を行うとかそういった注意を喚起するというようなこともなかったという点は、極めて残念だというふうに言わないわけにはまいりません。  ですから、やはり緊急を要する生活と安全のための公共事業、これをこそ急いでやらなければならないのであって、不要不急の公共事業を先に回すというようなことがあってはならないということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  92. 西村章三

    西村委員長 北沢清功君。
  93. 北沢清功

    ○北沢委員 私は、昨日、社民党の現地視察調査団の副団長として、栃木、茨城を一日じゅうくまなく回りまして、現地状況に触れてまいりました。先月の二十九日には福島に第一次として参ったわけですが、その体験を踏まえて御質問をいたしたいと思いますが、先生方からいろいろ御質問がございました。要約をすると三つあると思うのです。私は、そのことについては御答弁もございましたので、御決意等に触れて御答弁いただければ結構ですが、現地情勢について感じたことについては二、三指摘をいたしたいと思います。簡潔な御答弁をいただきたいと思います。  やはり今回の豪雨は一時間に九十ミリという、これは実感としては、バケツの水をぶちまけるではなくて、その二倍の水ですから、息をすることもできないくらいな集中豪雨でございました。したがって、川上からいわゆる水戸における都市の水害等含めて、那珂川を中心災害が非常に厳しく激烈なものであったわけでありまして、改めて水の力の強さといいますか激しさというものを感じてまいりました。  第一点としては、やはり激甚災害指定を、これは調査が完結をしなきゃいけないわけですが、調査を急いで、ひとつ早く指定をしていただきた  それからもう一つは、私もいろいろ現地の知事や市町村長さん、機関の皆さんにお伺いして御意見をお聞きしたのですが、例えば水戸の海岸の百キロ離れたところに黒牛の死体が流れておるとか、ごみが山のようにあって、大変なことなのですね。それから汚泥もございますし、またいろいろボランティアの方も入っておりまして、いろいろの対策を一番しやすくて市町村が遠慮なく対応できるというのは、やはり自治省が今やっております特交の交付ということですね。市町村の財源が大変なことでありますから、これの中間取りまとめで支払いをしたり、その基準についても極めて広範に対応できるような措置をひとつ講じていただきたい。  第三点は、やはり神戸の災害から発した被災者生活再建支援法のことでありますが、これは神戸の場合は遡及したわけでございますが、結果としては。ですから、そのことの法の整備、施行期間というものを抜きにして、財源もないわけでありますから、それらを含めて財源処置を講じて、それに対応するような現地の皆さんに対する支給を、総理も言っておられますので、工夫を凝らしてひとつ速やかにしていただきたい。私はこの三つに限ると思います。  それから、現地を見て感じたことですが、黒磯の寺子地区というところで、本当に天井まで水のつかった家でありますが、今の市町村における災害救助法というのは全壊ないしは半壊ということで、まさに中の状況を見て、使用に耐えられないような住宅があるわけでありますね。だから、これは裁量の分野といえば裁量の分野でありますが、それらを含めて、その施行の規則についてはもう一度見直して、ただ単なる床上浸水ではなくて、そういうような極めて生活に耐えられないような住宅についても施行できるように、ぜひ御検討をいただきたいということが一つであります。  それから、川下の被害として、水戸市の中では、水府橋の付近は八メーター十五センチを限界としてまさに溢水をしたわけでありますが、右岸は堤防をつくっていますから今回は助かりました。この左岸の地区床上浸水が約八百戸で、床下も五百戸ぐらいだと思いますが、特に岩根地区というところは十二年前にもそういう災害を受けて、昔から台風が来ればいつもびくびくしておる。しかも、十二年前にも同じような災害がありまして、支流の溢水も含めてこれらについては取り組んでおられるわけでありますが、予算の総体的な枠組みをいかに、生活観点といいますか防災観点という形の、これについて積極的な取り組みをひとつ考えていただいて、いわゆる公共事業攻撃という部面も非常に最近多いわけでありますが、命と住民の生活を守るという面では、防災感覚を中心とした予算の組み替え、改善というものが必要ではないか、私はそう思います。  一括して申し上げます。  それからもう一つ、現地で非常に和牛が、畜産農家の被害が大きいわけであります。三百頭流れて二百頭が死んだのではないかということで、これは意欲的に産地形成に取り組んだり銘柄に取り組んでいた農家の皆さん、特に若い皆さんの将来に対する望みが絶たれたわけでありますから、いわゆる融資とかでなくて、実際にこれらの皆さんにこたえるような支援、救済策というものをひとつ工夫を凝らしてやっていただきたい。そういうことを強く私は農林省の皆さんにお訴えをいたしたいと思います。  それから、那須町一町だけで産業廃棄物処分場が計画中を含めて三十三カ所ございます。これは今までも赤い水や黒い水が流れておりまして、これらについて、やはり千ミリ以上という降雨の中で汚染が出はしないかという心配も現地にはございます。したがって、厚生省においては、実態をつかむために調査しチェックをして、住民の不安にこたえられるように特にお願いをいたしたいと思います。  最後、もう一つ私の感じたことを重点に申し上げますが、いわゆる川下と川上というのは防災上は一体のものなのですね。私は今回行ってみて、那須町の山際の農水路が非常に水が多いのです。しかも、汚濁した水でなくて透明な水が多いのですね。これは絞り水と言われています。これは、いかに雨がやんでも、山の山林なりまたは水田がダム効果をしているのですね。  昔から、水田はダムだと言われていますが、改めて実は現地を見て、今山林とか水田、特に中山間地域が非常に荒廃する可能性がある中で、これからの異常災害、今回の災害はまさに天の怒りであり自然の怒りであると私は思いますけれども、しかし、これはCOP3も含めて、海洋の温度が一度上がったということからの問題でありますから、今の異常災害は今後さらに頻発になるということを踏まえて、そういう意味での山林と水田、特に中山間地域の水田を守るということの必要性を実際の現地を見て強く感じたということを申し上げて、質問を終わりたいと思いますが、答弁をお願いします。
  94. 柳沢伯夫

    柳沢国務大臣 先生からたくさんの点にわたっての御質疑をいただきましたけれども、私の関連では、先ほど来諸先生からの御質疑にお答えしております激甚災害指定と、それから生活再建のための被災者への支援ということについて決意を申し上げたい、このように思います。  激甚災害につきましては、これはもう所定の手続に従って判断がされるわけでございますけれども、とにかく各地方公共団体ともに復旧工事を急がなければならない、そのためにはやはり指定の有無について早く知りたいという立場に立たされているということはよくわかっておりまして、これは関係の部署すべてにわたって早急に手続を進めてまいる、こういうことで対処してまいりたいと考えております。  また、この被災者への支援につきましては、先ほど来お話を申し上げておりますとおり、小渕総理じきじきの御指示でございまして、現在鋭意関係部署で検討をいたしております。  ただ、この点についてあえて言えば、これは地方公共団体がまずイニシアチブをとって、それに対して国がどのように支援をしていくか、こういう仕組みになっていることをあわせて御認識を賜っておければ、このように考えております。よろしくお願い申し上げます。
  95. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 被災を受けました地方団体に対します財政措置の問題でございますが、これらの団体におきましては、応急対策あるいは復旧対策などに相当の財政負担が生ずることが見込まれております。自治省といたしましては、これらの地方団体の実情をよくお聞きいたしまして、特別交付税あるいは地方債等によります財源措置を講じて、被災した地方団体の財政運営に支障が生ずることのないように対処してまいりたいというふうに考えております。  また、交付税の繰り上げ交付でございますが、これにつきましても、被災団体からの実情をよくお聞きいたしまして適切に対応してまいりたいと考えておりますが、ちなみに、八月上旬の豪雨災害におきましては、新潟県に対しまして、十七市町村に九月分の普通交付税を一部繰り上げ交付しておるところでございます。
  96. 本田浩次

    ○本田政府委員 牛の関係被害でございますけれども、現時点で、県などの報告によりますと、先生御指摘のとおり約四百頭、被害額で二億円弱、こういう状況でございます。内訳といたしまして、乳用牛が約二百頭、それから肉用牛で二百頭、和牛が若干、こういう状況にございます。被害状況につきましては、引き続き現在調査中でございます。  私どもといたしましては、豪雨発生以来、関係機関と密接な連携、連絡をとりながら、被害状況の迅速かつ的確な把握に努めておるところでございまして、地元自治体などとも連携しながら、被害状況に応じまして、家畜共済共済金の早期支払い、金融対策など適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
  97. 炭谷茂

    炭谷政府委員 災害救助法適用関係でございます。  災害救助法適用におきましては、全半壊だけではございませんでして、住家が滅失した世帯のみではなくて、その算定に当たりましては、先生が御指摘されました住めない状況にある住宅、この場合は、大半の場合は床上浸水の場合が多いのではないかというふうに思いますけれども、床上浸水の場合につきましても、これを勘案して適用しているところでございます。  またさらに、住家の被害が少ない場合にありましても、多数の人の生命や身体に危害を受ける、また受けるおそれが生じた場合につきましては厚生大臣に御協議していただきまして適用するなど、実情に応じた適切な運用を行っているところでございます。
  98. 青山俊樹

    ○青山政府委員 那珂川改修についてでございますが、昭和六十一年の災害以降、河川激甚災害対策特別緊急事業、床上浸水対策特別緊急事業、また緊急改修等、各種事業を組み合わせまして改修を促進しているところでございます。  現在進めております床上浸水対策特別緊急事業におきましては、水戸大橋から水府橋間につきまして、平成十二年を目標としてその堤防を完成さすべく最大限努力してまいりたいと思っております。また治水対策全般につきましても、これから精力的に誠意を持って進めてまいりたいと思っております。
  99. 小野昭雄

    ○小野(昭)政府委員 産業廃棄物の最終処分場に関するお尋ねでございますが、御指摘の地域に立地をしております産業廃棄物最終処分場についてでございますが、これはコンクリートの破片といったような、もともと水に溶け出して環境汚染を生じるおそれの非常に少ない産業廃棄物のためのものがほとんどでございます。しかしながら、被災地域におきます処分場の状況栃木県におきまして現地調査をいたしましたところ、四カ所でございますが、色のついた水の流出が見られた処分場がございましたこと等から、このような施設に対しましては、既に栃木県が水質調査指示いたしますとともに、処分場の周囲の壁の破損箇所の修復というものを指示したというふうに承知をいたしております。  今後とも、県等と十分連携をとりながら、施設被害状況に応じました的確な対応をとりまして、環境汚染の防止に努めてまいりたいと考えております。
  100. 北沢清功

    ○北沢委員 御答弁ですが、ぜひひとつきめ細かい対策を続けていただきたい。特に、畜産農家のあれは共済と融資ということですから、これでは立ち上がれませんね、私も実際そういう経験がございますが。それらを含めて、あの荒れ果てた実情から見れば大変なことだということだけはお伝えをし、さらに工夫を重ねられることをお願いして、質問を終わりたいと思います。
  101. 西村章三

    西村委員長 以上で質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時六分散会