○栗本
委員 特段に何倍にせいという要求をこの間されていないということでございますが、十三億円の中身。
この学術
会議の性格は、例えば、研究所あるいは大学と同一でございませんが、比較的類似のものだと考えております。そういたしますと、例えば公立大学で、一学部二百人、二百五十人ぐらいで、年間
事務経費全部まとめて十億円、それは人件費を含めてです。ですから、
会議費等に関しましては、実は何千万円とかいうふうなケースのところが多々ございます。
そういう意味で、今の十三億の中で、審議
関係費で約三億、国際学術交流
関係で三億、会員推薦
関係で二千三百万、合わせて六億を超すというのは、実は一つの大学、小さい研究所において、そういう
関係の経費の大ざっぱに見て十倍以上あると考えてもいい。絶対額は少ないのですが、日本の貧しい学術研究に対する予算の中では、ある意味で膨大な経費であるというふうに、もっと膨大にしなければいけないという立場もありますけれども、というふうにお考えいただきたいというふうに思うわけであります。
したがって、これが、科学者の国会と言われます学術
会議の会員によって使われるということは構わないと思いますが、これを行政の立場から見ますと、今PFIというふうに言われております、ある意味で
民間から、それは東大の先生もいる一これは公務員ですけれども。慶応の先生もいれば、
民間からその予算の配分をどう使うかということを決める。ある意味で理想的な形になっているというふうにも言えると思うわけですね、大蔵省の職員が大蔵省で働いて大蔵省の予算を、あるいは通産省の職員がそれを使うのと違って。そういうところからぜひお考えいただきたいのです。
ここで、時間がございませんから、後ほど
理事
会に御提出いただきたい。
実は、ある意味で非常に潤沢とも言えるその審議
関係費それから推薦
関係費というのは、一体どのように使われているのか。二億、三億というのは、私は大学に長い経験がございましたが、どのように使われているのかということについてすぐにその見当がつかないような額であるというふうに言えると思います。
恐らくこのことは、日本の政府と学問、科学との
関係においては、相対的に大きな、絶対的には少ないのですが相対的に大きな額であるために、
かなりの関心を持って――突然私の質問の前に傍聴の方がふえましたから、御関心だろうと思います。そのことも、決して小さな問題ではないということを逆に傍証していると思います。
したがって、この会員になる、これは科学者の国会でありますから、かつては選挙で選ばれていたわけですね。私も投票したことがございますが、公職選挙法に基づかないために意外にも不明朗だったり不適切な選挙行為が一部特定の学術政治勢力によって行われているということが非常な問題になりまして、そしてこれは現在は、何制といっていいかわかりませんが、いわば推薦制といいましょうか、実績制といいましょうか、そういうものになってきているわけであります。そこの部分が、会員をだれにするかということを
決定したり、つまり議員を議員が選ぶのですね、一言で言いますと。
決定したり、それから科学者でない者も入れるようになっているというふうな、中の実績、学会
運営の実績が考慮されているとか、私はおかしいと思うのですが、しかし、そうなっています。
それで、これは議員の国会、議員個人の方でありますが、もう一つ、政党に当たると言うとおかしいですけれども、学術研究団体、登録された学術研究団体というのがある。これは学会であります、現実には。
この学会が、やはりこれに登録されませんと、この予算の配分といいますか、使用ももちろんでありますけれども、もう一つは、日本国政府がこの学術
会議を、いわば公認といいますか、総理府の機関としても認めているわけですから、日本国政府として、ここの国会で認められた学者は偉い、学問は偉いということになる。別にそんなことを我々が、私も学者でありましたが、政府が偉いと言っているから偉い、そんなもの偉くないのだと言えば終わりのようなのですが、実は、審議官もおわかりだと思いますが、文部省の予算にも
関係する。
科学研究費というのが、これは文部省の予算でございますが、そちらの配分は、現実にはこの学術
会議の会員を中心として、あるいは推薦によってほぼ
決定されてくるというようなことがございます。つまり、十三億以外に
かなりのオーソライゼーションが行われている。
そしてまた国際的には、これは私の知人の学者で現実にあったことですが、国際的に非常に高く
評価されている業績であるにもかかわらず、文部省の科研費がカットされるということがあって、その研究には
民間からも
かなりの
支援があるから、少し減るけれども実際にはある
程度やれるのだけれども、しかし、日本国としてこの研究を認めないのかというふうな問題が発生しまして、文部省が苦慮いたしまして、別個の予算をつけたという例もございます。
実は、非常に大きな問題としてこの学術
会議のことが長年、ある意味で不明朗だと言われる部分も含めて問題になってきている。ところが今回、今比喩で申し上げましたいわば政党に当たる、政党に当たると言うとやや語弊がありますけれども、わかりやすく申し上げます。学術研究団体が登録を申請したところ、門前払いをされるという事件があった。門前払いというのは、学会としてちゃんとしているかもしれないけれども、うちにはこの分野は
関係ないよということを、推薦管理会、推管、推管と言っているところがそういった判断をしたわけであります。
このような、今訴訟になっている。こういったことで訴訟になるというのは極めて異例な
事態であり、
一般的に言いますと、訴訟する者あるいは団体が異常であるか、あるいは起こさせる方が異常であるか、どちらかだと思いますけれども、このことについては、審議官、御承知でありましょうか。