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西川(知)
委員 私は、自民、民主、平和・
改革を代表して、ただいま
議題となりました
金融機能の
再生のための
緊急措置に関する
法律案外七
法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
申すまでもなく、当面する経済情勢は極めて深刻な事態に至っております。この間、世界は、挙げて、
金融機能再生に関する与
野党協議の進行を見詰めてきたと言っても過言ではありません。
そうした内外注視の中、経済情勢立て直しのため、
金融機能再生関連
法案をどうしても成立させなくてはなりませんでしたが、本日こうして採決に至り、
破綻処理等及び
不良債権処理のシステムを策定することは、何よりもまず世界恐慌の回避のための一里塚を越えることができるのだと認識するものであります。
戦後初めて経験する未曾有の
金融危機に際し、
金融機関の
破綻等についての多様な事態に当たり、
金融整理管財人、ブリッジバンク、
特別公的管理などさまざまな選択肢を備えて、最も効果的な対応がとれるようになります。そして、これにより、
金融危機の象徴であった
日本長期信用
銀行の取り扱いについても、
一定の道をつけたのであります。
この
法案の成立が、現在の厳しい経済環境が好転へと向かっための大きなきっかけとなり、今後
我が国が、景気回復、経済
再生のための諸施策をとっていくことにより、一日も早い
危機からの脱却を果たすことが必要なのであります。
以下、順次これらの
法案に賛成する理由を申し述べます。
まず第一は、今回の
修正案によって、言うまでもなく、
金融システム安定化への道が実質的に大きく歩みを始めたことであります。
世界第二位の経済大国の
金融不安が世界に与える影響を十分に理解し、
共通の
危機意識を持った与
野党が国会の場で真剣に
協議し、
金融システム安定化の
法案の成立にスクラムを組んだのであります。これで、世界の懸念に対しても、ともかくも安心感を提供できたと信じます。
理由の第二は、これらの
修正案が、
野党三会派が
提出した対案を基礎として、与
野党の英知を結集してつくり上げた
法案であり、官僚、特に大蔵省の影響を排除し、
国民の直接の請託を受けて
責任をとるべき立場にある政治が主体となってつくり上げたという点であります。
政府・
与党が
提出した
法案が、従来の護送船団方式の枠かち脱し得ず、
政府みずからが疑念を呈すような
内容であったのに対し、我々
野党三会派は、
責任野党の立場から、現実的かつ実効性ある対案を提示し、その
内容の妥当性を
与党の方々も大きく認識された結果、その
野党案を基礎として、与
野党三会派合意の
修正案ができ上がりました。
与
野党の交渉の経緯の中においては、立場の違いはありましたが、
金融危機に立ち向かうという
共通認識の
もと、熱意と誠意を持って
協議に当たりました。与
野党がともに多くの困難を乗り越えて本日に至ったのであり、これら
修正案自体は高い評価を与えられるべきものと考えます。
理由の第三は、これら
修正案並びに与
野党交渉の経緯の中において、かねて懸案であった財政と
金融の完全分離あるいは
金融行政一元化に関し、明確に大きく踏み出したことであります。
日本型経済システムの転換にとって、財政と
金融の分離は一つの大きな
課題でありました。先に
金融庁の設置が決定を見ていたとはいうものの、その
内容や展望について、あいまいさを多く残していたのであります。しかるに、今回の
修正案において、財政、
金融の完全分離、
金融行政の一元化の方向性が明確に
規定されましたことは、今後の経済システムの発展に大きく寄与するものであると確信いたします。
理由の第四は、
金融機関の
不良債権の
実態、財務
状況に関する情報開示について、
一定の
実態を反映するものが実現の運びとなったことであります。
我が国の
金融システムに対する国際的な信頼性を確保し、信用秩序の安定を図る観点から、
資産査定の公表を実施することとなりました。国内の中小零細企業に対する信用収縮が助長されないよう、実施時期、公表
内容等について十分な配慮を行うものとして、めり張りをつけた効果的な情報開示を目指しております。
我が国経済に対する世界の懸念は、
金融機関の
不良債権の規模よりも、むしろその不透明な
実態にあったと言っても過言ではありません。
日本経済が、その経済規模に比べ、世界の標準に照らして余りにも不可解だということが、疑心暗鬼とともに、先行きに対する不安感を醸成している面が否定できなかったからであります。しかし、今回の
修正案では、それらの懸念に対して明確な回答を用意できたと信じます。
以上、
修正案に賛成する主な理由を申し述べました。
また、これら
金融機能再生に関する
修正法案とともに、
金融機関の
不良債権の
処理に当たって実に重要な意義を持つものが、サービサーの導入や競売
制度の
整備等の関連
法案であります。土地の流動化こそが、まさに
不良債権の
処理を促進する重要な決め手にほかならないと考えます。したがって、これら土地流動化関連
法案に賛成いたすものであります。
なお、この際、
修正案を
共同提出する立場から、当面する
金融危機回避への大きな入り口として、他の
野党の諸君にも、ぜひともども御
賛同いただきますようお願いし、私の討論を終わります。(拍手)