○北村(哲)
委員 ただいま聞きましたことも当然わかっていることかもしれませんが、しかし、これを見ますと、公害等
調整委員会は別にしまして、数が少ないですからいいのですけれ
ども、そのほかに、特に一番近い調停
委員会については非常に多くの人員を抱えてやっておるということになりますと、その一角を占めるこの
委員会についても、規模の面あるいは予算の面で相当の大きなことが予想されるわけです。しかも、その
体制がどうなっているかということなんです。
あえて裁判所に聞きませんけれ
ども、特に裁判所の手続が遅いとか、それから、さすがその結果に対する批判は余り聞かないのですけれ
ども、遅いために現実的な
処理、解決にならないと言われておる。確かに世間でそう言われていますが、この
委員会がその不信感から出ておるものだとすると、これは裁判所としても相当反省をしなければならないし、裁判所の組織の拡充ということ、あるいは司法の改革ということを
考えなくてはいけないと思っておるのです。
私自身は、そういう面で裁判所がみずから努力をして、今でこの問題に対処できないならば、特別部を設けるなり、何も簡易裁判所でなくてもいいし、地方裁判所でもいいし、あるいは高等裁判所でもいい、調停
機能を
強化して、そこに
専門家を持ってきて、まさに、現下の問題解決をするための特別部を設ければ、今ある組織を十分に活用できるし、しかも
専門家というか、この調停
委員会でもその中の何割か、恐らく半分以上は
法律家が必要であろうと
思います。それは事前にも聞いておりましたけれ
ども、当然
法律家のOBその他を予定しているというふうに聞いておるわけです。そうなると私はこれは今の司法の
機能に組み入れることができるのではないかと思うのですけれ
ども、それは裁判所にお聞きしても恐らく
お答えにならないと
思いますので、私の
意見として申し上げたいと思っております。
ところで、先ほど、この
調整委員会は免税措置がいわば目玉というか、それによって解決が図られるだろうというお話になったのですけれ
ども、まさに私もこの調停
委員会が民事調停制度にまさるところは、
債権放棄をした
債権者が課税免除になり、また免除を受けた側がその利益を
累積赤字と相殺できるという恩典を
法律的に与えるということに尽きると
思います。
これはまた、まさにあめによって当事者に自由に
債権放棄と債務免除を与えることになるということになりますが、私は、これでは他の
一般の人たちと比較して不公平となって、ゼネコンとか特定の、それに近い人たち、
不動産業者を助けることになるのではないかと
思います。すなわち、バブルに踊った人たちのみを救済する徳政令になるのではないかという批判はあながち当たっていないではない、そういうふうに
一般に言われておるわけですけれ
ども、そうではないかと私も
考えます。
もしそういうことをされるのであれば、個人ローンに苦しみ、サラ金に苦しんでおる、あるいは大企業の圧力で苦しんでいる一投の
債権者とか
中小企業者の人たちとの公平を欠くのではないかと
思います。
もし、サラ金とかローンで苦しんでいる人たちが同じような
法律で半分にしてもらえれば、同じようにその人たちは、個人としては半分、三分の一にしてもらえれば、当然個人として
再生できる。
再生できないから、今個人としては自己破産とかそういうものが非常に大きな傾向になっている。
ちょっと調べてきたところ、自己破産の件数でも、
平成五年から
平成九年で倍増しておるわけですね。
平成五年で四万五千件であったのが、年々ふえて、おととし、
平成八年は五万九千何がし、昨年は七万五千件、ことしは十万件にも達しようとしておる。
そういうものについて放置しておいて、このバブル
処理が景気のために必要だと、それだけに限定するということは、これは私は少し不公平ではないか、
一般庶民の人たちが歓迎しない、おかしいではないかと言われるのではないかと思うのですけれ
ども、そのあたりについてはどのようにお
考えでしょうか。