○石井(紘)
委員 この
防衛庁の行ってきた
背任事件、これは、昨年の十一月から一年間にわたって、この
国会の中でもって重要な問題として取り上げられてきた。私ももう十数回にわたってこのことについては追及をしてきた。そして今や、
防衛庁は、今まで言ってきたことはほとんど丸ごとうそであったと、違っておりましたと、すべての
見解は覆りました、こういうふうに言っているわけじゃないですか。
私は、十数時間にわたってこのことを追及してきましたよ。そういう、
国会を一年間にわたって浪費しながら、一夜にして、一瞬にしてそういうふうに
見解を変える。そして、その責任というものについて全く
防衛庁長官が感じないということはどういうことか。私は、そのことをどうしても申し上げなければならぬということで、きょう、
防衛庁長官の責任を追及をさせていただきたい。
覚書というものはどうなったのか。いまだに出してこないじゃないか。包み隠さずすべてをあからさまにお出しします、明らかにしますと言ってきたではないですか、
防衛庁長官、額賀さん。あるいは、上申書をいまだに出さないじゃないですか。どうですか。上申書に対する補足も出したはずです。この間の
報告の中にはそう書かれております。その補足というのは、あなたになってから出したんじゃないですか。
あなたの就任後、私は直ちにこの
委員会でもって伺いました。あなたは前の
長官から十分引き継ぎをこの件でもって受けましたかと、受けましたと。そして、それではどういう姿勢でもって取り組むのかと言ったら、行政の継続性があるので、私は従来の
質疑について責任を持つということだったじゃないですか。
それで、その中であなたがやってきたことは、あの、つい最近撤回をしたところの上申書に、さらにその上塗りをして補足を出した。その補足も、あの上申書の趣旨に沿った形で出されているじゃありませんか。あなたがもう一つ今やっていることは、内部の東通
事件に関する
調査をやりますということだったけれ
ども、実際やっていることは、秘密漏えいについての
調査だけじゃないですか。そして、それについての
報告を出し、そして、いずれ処分を厳正にしますということを述べられている。
あなたは、
官房長の首を切った、あるいは
調本の副本部長もかえさせた、あるいはさまざまな
調査委員会の
責任者もかえた。国防の最高
責任者であるところの
事務次官の部屋まで家宅捜索を受けた。そういう中で、あなた
自身の責任がなくして、次々に部下の責任を追及し、首を切っていくということが許されるのですか、
長官。
私はなぜこういうことを言うか。これは
我が国の
防衛の士気にかかわる問題ですよ。
防衛庁の
職員は、課長クラス、
補佐クラス、どれほどあの
東京地検に呼び出されて
事情聴取をされているのか。しかし、その人たちは上司の命令でほとんどやっていることじゃないですか。
幹部が責任をとらなくて、一体こういうことがおさまるのか。
これは
我が国の
防衛、そして
防衛庁の今後の責任ある体制を築いていくためにどうしても
防衛庁長官がここで責任をとってもらわなければならない問題であります。お気の毒でありますけれ
ども、これは
防衛庁が一貫して擁護してきた、
防衛庁が
組織を挙げて、この
国会の中でも、さまざまな贈収賄
事件あるいは
背任事件、これに対して矢面に立って
防衛をしてきたわけです。
防衛庁の任務はそういう
防衛ではないはずだ。したがって、これは明らかに
防衛庁が
組織を挙げて行ってきたところの
国民に対する裏切りであります。税金の莫大なむだ遣いであります。国の予算に対する、国損を与えた背任罪であります。
どうですか、
防衛庁長官。あなたは、あなたの行ってきたこと、このことに責任をとらなければなりません。どうぞ、今この場でもって、あなたはこの責任をとって
防衛庁長官をおやめになるということを言うべきであります。どうぞ。