○二見
委員 これは、もし新たなる法整備が必要であればそれも視野に入れなければならないと私は思います。
次に、
対人地雷について若干承りたいと思います。
対人地雷禁止条約は今
国会で承認される可能性が私は強いと思います。
対人地雷というのは、軍事的には、いわゆる敵の
兵士を殺害するよりも、重傷を負わせて、その救出に他の
兵士を充てることによってより多くの兵力を削減するあるいは士気をそぐ、そうしたことを戦術的な
目的としているものだと私は思います。ですから、
防衛庁が、
日本が島国であるという地理的な特徴や専守
防衛を基本理念としている
我が国としては
対人地雷は
防衛戦略上有効な
兵器だ、こう
規定してまいりました。ですから、陸上
自衛隊の訓練でも、どこどこに
敵兵が上陸してくる、その上陸してきた
敵兵、一個師団か何かわからぬけれども、それを想定して
対人地雷、対戦車
地雷をそこに敷設をして、進んでくるのをせん滅するのじゃなくて抑える、あるいは、パラシュート部隊が降下する、その周辺に
地雷原をつくって、そしてパラシュート部隊が降下できないあるいは降下しにくいような状況をつくる、
日本に上陸してきたあるいはパラシュート部隊で来たものをそこにくぎづけにするということに
対人地雷の主なる戦術的な
目的があるのじゃないかと思います。そうして、一カ所にくぎづけにしている間に、あちらこちらから
自衛隊がここへ集まってくる、あるいは
米軍が
日米安保
条約に基づいて出動してくる、そして上陸したものを追い出す、こういうような想定で今まではやられてきたのだと私は思います。そういう
立場からいきますと、
対人地雷がなくなるということは、そういうことが起こったときにその空白をどうするのだと不安を抱くのは、私は無理からぬことだと思います。ですから、私は、代替
兵器の
開発をどうするのだということになるわけですけれども、そういうことだと思います。
一方、
アメリカは、まだ
署名をしていないといいながら、ブッシュ大統領の当時、
対人地雷の
輸出を停止するという表明をしておりますし、クリントン大統領もことしの五月に、二〇〇六年までに、条件はあるのだけれども
署名しますよという意思表明をしている。
対人地雷の非人道性とよく言うのだけれども、
兵器というのは大体余り人道性はないのだ、何に限らず。なおかつ、もともと
兵器というのは相手を殺したり傷つけたりするのだから、人道性などというのはあるわけない。その
兵器の中でも最も非人道性だと言われている。残虐性、無
差別性、そういうことに対する国際社会での極度の嫌悪感というのは、これは当然、私は出てくるのは当たり前だと思う。それが大きな国際潮流のうねりとなって
禁止条約ができ上がったという、この側面は見逃すことはできない。
私は、この
条約が
批准されるという
前提で、
我が国は
防衛に対する
考え方というものを改めてつくり直す必要があるのではないか。
対人地雷に依拠しない
防衛計画。私は、もし
日本を本気になって攻撃すると思ったら、
対人地雷なんてそんなことやらないよ。ある日ばあんと
ミサイルで東京を攻撃して、そして混乱に陥れて、それから上陸しようと思うところに空と海からばっと攻撃させて、全部平らにしてしまって、それからやってきますよ。
日本をもし攻撃するということになれば、その方がよっぽど手っ取り早いし効果的だと思うから。私はそう思いますよ。限定的小規模侵攻に対処するという
対人地雷、依拠、よりどころに、これは選択肢の
一つとしてわかるけれども、それが
防衛の主力になるのかなというと、私はそうではないのじゃないかなという感じがします。
そういうことを思いながら、
防衛計画の質的な転換というか、これは考えてもいいのではないか。私は、ただ
対人地雷の代替
兵器さえ
開発すればいいのだという、そんなものじゃないだろう、もう一度ここで、
日本を守るためにどうするかということを考えるべきだろう。
日本は、私が太平洋戦争を子供のころに経験している経験からいきまして、やはり
日本は本土に上陸されたらおしまいだな、そんな本土決戦やろうなどという元気ありませんよ、残念だけれども。水際でどうやって排除するか、これ以外に私は
日本の
防衛はないのだと思います。
対人地雷というか今までの戦略を全く否定するわけじゃないけれども、やはり私はそういうふうに思います。そういうこと、
防衛計画の作成についてはどういうふうに考えているか、それは
防衛庁長官にお尋ねしたい。
それで、
外務大臣には、これは
批准するわけですよね。そうすると、国際貢献の
立場から、カンボジアを初めとして、過去または現在地域紛争があってたくさんの
対人地雷が埋められている、国連が既に入っているところありますね。アンゴラとか、それから旧ユーゴ、国連が
地雷除去に入っている、そういうようなところ。そうした
対人地雷によって苦しんでいる地域、特に発展途上国ですから、
対人地雷除去にどこまで、可能な限り私は援助すべきだと思うけれども、そういうことについての御決意なりお考えを承りたいと思います。