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国務大臣(町村信孝君) 今、
佐藤先生でいらっしゃいましたか、貴重なまた大変リアルな学校現場の
お話を聞かせていただきました。
私も、学校現場を訪れたり、中学校の
先生あるいは養護教諭、こういう方々と話をする機会が最近多うございます。求めてそういう場でいろいろな話を伺いました。
先般も千代田区のある中学校に行ってまいりました。そこでその荒れた姿というのをいろいろ伺いました。その学校も実は数年前大変に荒れていたそうであります。そして、それを正常な状態に戻すのに約二年かかったと。そこでは校長
先生以下すべての教員が同じ方向を向いて一生懸命
努力をする、約一年半から二年かけて。ただ、一人でも
先生が崩れるとそれはだめになると言うんですね。やっぱり同じ方向でみんなが
努力をするということによってこの学校も荒れた状態から回復することができた。そういう話を聞きまして、今の
佐藤教諭の
お話と非常に相通ずるものがあるな、こう思いました。
例えば、持ち物検査の
お話も今出ました。先般の黒磯の事件があった後、私は全国の
教育委員会の皆さん方にお集まりをいただきまして、まず命の大切さを再三教えてもらう。そしてそれと同時に、必要あるときには持ち物検査もおやりください、毅然とした
対応をしてください、ただ、全部やりなさいとかそういうことは申し上げない、クラスにより、学校により違いがあるわけでありますから、そこのところは申し上げました。ただ、先ほど、そうはいっても
職員会議等々の場でそれが結局うまくいかないというのが今までの学校の確かに常識といいましょうか、社会の常識と学校の常識が著しくかけ離れていたんだろうと思います。
でありますから、私は社会の常識が学校の中にも通ずるようにしてくださいねと申し上げましたら、相当の反発が現実に
文部省にもありました。でも、そこは今明らかに少しずつでも変わってきているのかなというふうに私は受けとめております。少しずつ社会の常識が学校の中にも通用するように変わりつつある、こう思っております。
また、協力者
会議、三月の上旬におまとめをいただいたわけですが、これは問題行動が起きたときの
対応の仕方ということで、
一つは学校の中に全部抱え込まないでくれと。
さっき、そういう届けを出すことはその学校現場の敗北である、そういう教員室での
お話があったというせりふがありましたけれども、まさにそういう雰囲気があるんです。それは、責任感を持って学校の中でよくしたいという
気持ちは私はとうといと思います。
ただ、もうどうしようもなくなったときに、なおかつそれを抱え込むのは無理があるということで、児童相談所とかあるいは警察等々と必要な連携を図ることもこの際はためらうべきではないといったようなこと、あるいは先ほど殴られるに任せたという
お話もありました。これも一歩間違うと要するに体罰ということで、原因のいかんを問わず体罰を起こした教師は処分されるというこれまでの姿がありました。
私は、もちろん学校の中で体罰を肯定するつもりはありません。ただ、もちろん正当防衛という言葉を使うこと自体が残念でありますが、それはそれで当然だれしもが持っている権利としてあってもいいだろうし、要は子供と
先生との間に本当に信頼感が少しずつでも生まれてくればそうした問題というのはなくなってくるんだろうな、こう思っております。
いずれにいたしましても、今伺いましたそうした生々しい
お話、非常に難しい学校があることも事実でございましょう。このことをより根本的にどうやっていくかというのは、結局私どもが今進めております
教育改革をやっていくしかないと思いますが、緊急
対応ということで幾つか先般来私どもなりに
対応を打たせていただいた、こういうことでございます。