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国務大臣(
橋本龍太郎君) 先日私が申し上げましたのは、まさにこの三月末、義務教育課程を修了いたします一番下の子供までを含めました自分の子供を通じた地方都市における公立の小中学校における経験をお話ししたつもりでありました。
そして、今議員御自身も触れられましたように、子供たちが何でそうした行動に走るのか。家庭、学校、地域社会みんなが手を携えて取り組むにはどうすればいいのか。これは本当にそれぞれの経験や知識を持ち寄っていただきまして、
意見を出していただきまして、幅広い観点から
議論しながら実行していく必要があると思います。
そのためにも、まず学校は、保護者また地域の方々に対して学校としての考え、あるいは問題行動の実態を含めて教育活動の現状について率直に語っていただくことが重要だと思います。同時に、地域の方々あるいは保護者の方々でさまざまな経験をお持ちの方があるわけです。そうした方々を非常勤講師として採用していただき、学校ボランティアとして働いていただくことはできないのか。あるいは地域の諸機関の協力も得ながら、薬物乱用防止教室を開催していただくなど、学校が教育活動を展開するに当たりまして地域の教育力というものを生かしていくことも非常に大切だと思います。
現在、中央教育
審議会や青少年問題協
議会など幾つかの
審議会においてそれぞれの観点から
議論をしていただいておりますけれども、いずれにしても、これは社会全体で取り組まなければならない大きな大変難しい課題でありますだけに、いろんな
立場から
議論をしていただいて解決策を見出すことが必要だと考えております。
そこで、去る三月六日、次代を担う青少年について考える有識者
会議という形で関係
審議会の会長さん方、それに現場の
先生の代表も入っていただいたり、青少年活動のリーダーに入っていただいたり、いろんな方々の御
意見をいただいて、これに関係閣僚も加わり、私も出席できるときには出席させていただくということで、青少年をめぐる問題を幅広く
議論していただくことを始めました。きょうも実は二時からこの
会議が開かれております。そして、ここで出てまいります御
議論というものを、今度はもう一度関係
審議会を通じて
行政の中に生かしていきたい、私はそう考えているところであります。
実は今、御
質問を受けながら、きょうの二時からの
会議で、ちょうど非行少年や不良行為少年に接する、少年補導に携わる現場の声を警察庁から報告してもらうことになっておるようです。
そうしますと、これはいろんな事例が挙がっておりますけれども、まさに先ほど議員も言っておられた普通の子という話が
一つございます。そして、要するに非行少年には非行前にもいろいろな問題があり必ずしも普通の子とは思えないが、昔とは違って服装や成績などの外見では判断が難しい。両親とも一応立派で、子供もよい学校に通う。普通の子ではない、普通の家の子が問題を起こしている面があるという指摘がございました。
あるいは、これは大変親にとってきつい話でありますが、街頭での補導をしましても昼間には親御さんがおられないケースが多い。連絡がついても、五人に三人の親御さんは感謝してくださる、しかし二人ぐらいは、一応補導に当たっている方の話は聞くけれども、それがどうしたんだという反応が返ってきてしまう。補導に当たっている現場の声としてそのような声も出ております。
そうしてみますと、心の中には実はいろいろ複雑な問題を抱えているなと思いますのが、婦人補導員の方の声として、子供の問題に気づかない親も多いけれども、気づいていてもなすすべのない親が多いと。私たちが、というのはこの補導員の方が言っておられるわけですが、私たちが親にいろいろなアドバイスをするのは当然としても、その子供や家庭が抱えている問題に応じた相談先を紹介してあげるといった配慮もしなければいけないんじゃないか。
これは現場で補導に当たる方の声として、
一つずつ御紹介することは控えますけれども、
先生方に対する注文、あるいは親に対する警告、現場の声を集めたものがきょうここでちょうど
議論されております。その点を御報告申し上げます。