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広中和歌子君 私は、
民友連を代表して、ただいま議題となりました
平成九
年度一般会計補正予算外二案につきまして反対の討論を行います。
昨年十一月には三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行が次々に経営破綻を起こし、
国民の間に
金融不安が一気に高まりました。また、銀行の貸し渋りが広がり、
企業倒産は過去最高水準となっているほか、
消費者マインドも一段と冷え込み、
景気は腰折れ寸前の
状況となっています。
このような
景気の大幅な後退をもたらした責任はまさに橋本
内閣の
政策判断の誤りによるものであり、
消費税率の引き上げ、
特別減税の打ち切り、さらに医療費の負担増等、合計九兆円に及ぶ
国民負担増を強行したデフレ
政策の失敗です。
さらに、橋本
総理は、
日本発の
金融恐慌、
経済恐慌を決して起こしてはならないと突然言い出されましたが、今日まで不良債権問題の処理を先送り、放置し続けた責任は一体どうなるのでしょうか。また、七十六兆円にも達しようかとする不良債権をもたらしたバブル
経済の責任があいまいなまま公的資金の導入が行われることには納得がまいりません。
バブル
経済と膨大な不良債権の発生を放置してきた
金融行政には大きな反省が求められなければなりません。そうした時期に、大蔵省の
金融検査をめぐる汚職
事件が発覚したことは、
金融業界とのなれ合い行政を当然視してきた大蔵省の構造的体質にメスが入ったと言っても過言ではありません。
国民に大幅な負担増を求める
予算を編成する一方で、
金融機関と大蔵省の癒着の実態がこれほど悪質なものであったのかと、
国民はただただあきれ返っているのが実態なのです。大蔵省の検査官を初めとする公務員の倫理、モラルの低下には著しいものがあり、私はこの場をかりて実効ある公務員倫理法を制定すべきことを強く要求するものです。
今回
提出されました
平成九
年度補正予算三案につきましては、今日の
経済不況を克服するのにはほど遠い内容であって、到底認めることはできません。
以下、その理由を申し上げます。
反対理由の第一は、
景気回復には全く不十分な二兆円の
特別減税しか盛り込まれていないことです。
しかも、私
どもが再三要求したときには
減税はできないとしていたにもかかわらず、米国からの強い要求があれば簡単に
政策変更してしまうというのはどういうことでございましょうか。しかも、実施時期が余りにも遅過ぎます。私
どもが主張してきたように、
所得税・住民税
減税で三兆円、法人税等の
減税分三兆円を合わせた六兆円規模の制度
減税を直ちに実施し、
経済をまず
回復軌道に乗せることが先決なのです。
反対理由の第二は、銀行救済のための公的資金導入を容認した
予算となっていることです。
ここに至っても銀行の不良債権総額が一体幾らあるのかが不明では、
政策の是非すら判断できるわけがありません。しかも、不良債権の発生を放置し続けた経営者責任、政治責任、行政責任が一切問われようとしていない点は断じて納得できません。
反対理由の第三は、住宅・都市整備公団補給金等が千四百億円計上されていることです。
これまで住都公団の賃貸住宅には
政策的見地から一般会計からの支出を続けてきたところですが、その結果は民間よりも割高な家賃で空き家が目立っているのが実情です。一向に住宅
政策を見直しすることなく住都公団への補給金を補正計上することは到底認めることができません。
最近の世論調査によれば、橋本
内閣の支持率は低下の一途をたどっており、
国民の不平不満は限界に達しようとしております。また、一連の大蔵省をめぐる不祥事で
金融行政に対する
国民の信頼は地に落ちてしまっております。この際、橋本
内閣はこれまでの
経済政策の無策と失敗、さらには大蔵行政に対する
国民の信頼を裏切った責任を明確にし、みずから潔く退陣すべきことを強く要求いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)