○続訓弘君 私は、参議院議員二十五名及び地方議員三千有余人から成る新生公明を代表いたしまして、ただいま
趣旨説明のございました
金融二
法案について、橋本
総理並びに
松永大蔵大臣に
質問いたします。
政府は、たび重なる私どもの忠告を無視して、消費税の五%への引き上げ、
特別減税の廃止、医療費負担の引き上げで合わせて九兆円もの過重な負担を
国民に押しつけました。その結果、消費不振を招き、せっかく
回復基調にあった
経済が最悪の方向に向かおうとしております。さらに、
金融機関の貸し渋りによって中小零細
企業に深刻な
影響が出ております。
大蔵省汚職発覚前に行われた報道機関の世論調査によれば、五三%あるいは四七%と約半数の
国民が橋本内閣を支持しないと表明しております。
総理は、このような
国民世論をどのように受けとめておられるのか、まず伺います。
この
法案では、
金融安定化という美名のもとに、三十兆円という巨額な
公的資金が、十七兆円は
預金者保護に、十三兆円は
金融機関の救済に投入されようとしております。
国民をこれほど愚弄する政策はない。バブルがはじけ、地上げ屋に貸したお金が不良債権化したら、直ちに住専救済といって六千八百五十億円の血税を注ぎ込んだ。今度は、
金融システム安定化が必要だといって、計算根拠もはっきりしない十三兆円もの血税を貸し渋りをして
国民をいじめ抜いている
金融機関に投入し、再びツケを
国民に回そうとしている。とんでもないことだ。
総理は、住専、信用組合の
破綻以外には税金は使わないとの公約に明らかに違反している。衆議院の
審議過程でも、なぜ
公的資金の投入なのか、
政府の
答弁で納得できるものは何
一つないという
国民の皆様からの怒りの声が毎日のように私どもに寄せられております。
そして、今回の大蔵検査官逮捕という汚職
事件によって、
国民の
金融行政に対する
信頼は地に落ちてしまいました。
〔
議長退席、副
議長着席〕
そのような
状況で、
総理は、
金融システムの
安定化は進むとお
考えでしょうか、御所見を承りたいと存じます。
さて、私ども公明は、調査なくして発言なしとの立党の原点に立って、中小零細
企業が集中している全国十一都市を
対象に貸し渋り緊急実態調査を
実施しておりますが、その一例を申し上げますと、北海道拓殖
銀行をメーンバンクにしていたという木工会社の社長は、他
銀行に手形の割引を依頼したが、
経営努力の成果を明確に示さなければ割引には応じられないと拒否され、途方に暮れているとのことでございました。また、印刷会社の社長は、六十年以上も取引
関係にある
銀行に土地を担保に融資を依頼したが、創業以来初めて融資を断られたとのことであり、貸し渋りの実態は予想以上のものがございます。
このまま推移すれば、三月、六月の決算期を迎える中小零細
企業の黒字倒産は予想以上に深刻な
状況になることは必至であります。このような貸し渋りの実態をしかと掌握されているのか、
大蔵大臣に
お尋ねいたします。
しかし、何としても貸し渋りによる倒産の
事態は防がなければなりません。そのため、今すぐ、中小零細
企業の最後のよりどころである信用保証協会の保証つき融資の
強化のために、信用保険公庫の保険てん補率を現在の七〇ないし八〇%から緊急避難の
措置として一〇〇%に引き上げることと、信用保険法第二条第三項第五号で定められている五十業種の特定業種に、印刷や金型・メッキ等、都市型
産業も含め指定業種を大幅に拡大することを提案いたします。
公的資金の十三兆円は、中小零細
企業をいじめ抜いている
金融機関の救済のためではなく、ただいま提案いたしましたような真の中小零細
企業融資のためにこそ投入すべきと思いますが、
総理の積極的な
答弁を求めます。
バブル期の地価高騰とその後の下落、
産業構造の転換などを背景として、大都市
地域を
中心に低未利用地が多数発生しております。一方、
投資意欲の減退により、土地の有効活用の
動きが鈍くなっております。
私は、土地の流動化を進め、土地の有効・高度利用を促進しながら
民間都市開発を推進することが
経済活動全体を活性化させるとともに、良好な町づくりを推進する上で極めて重要であると
考えます。そのためには、都心部における容積率を思い切って緩和するとともに、複数の敷地間で容積率の移転を可能とするなどの新たなインセンティブを与える必要があると
考えます。
また、公共事業の中でも、土地区画整理や市街地再開発などの住宅・都市開発については、将来の税収増
効果が高く、
財政再建という
課題とも十分に両立する
対策であることから、三十兆円の
公的資金を投入する前に思い切った事業規模の
追加を図るべきと
考えますが、
総理の御所見を伺います。
また、公営住宅や公団住宅及び公社住宅の中には、土地利用が低密度でかつ老朽化したものが多数存在しております。建築年度が昭和三十年代、四十年代では公営百五万戸、公団四十六万戸、公社で九万戸、合計百六十万戸と膨大な量であります。建てかえに当たっては、少子・高齢化に対する福祉
対策を最大限に考慮しつつ、その敷地の一部を活用して定期借地権つきの分譲住宅を供給する
方式を導入するなど、
財政的
観点からも効率的な手法を活用した建てかえ事業を積極的に促進して
国民に希望を与えていくべきだと
考えますが、
総理の御所見を伺います。
さらに、社会的弱者
対策としての公的住宅
施策の充実を図ることを前提としながら、期間を限定した賃貸借契約を可能とする新たな借家制度として定期借家権
方式を導入し、良質な
民間賃貸住宅の供給を促進することが
国民生活の質の向上と
景気対策の両面から極めて
効果的だと
考えます。
これらの
施策は、いずれも
民間の能力を引き出すことを軸としているため、私の試算では、単年度二千億
程度の国庫補助金で公共事業の七%削減額をはるかに上回る九兆五千億
程度の
経済効果が期待できる見込みであり、しかも永続性のある事業でありますので、早急に実行されることを強く求めますとともに、
総理の御所見を伺います。
さて、一月三十日に我が党は、緊急
景気対策として、六兆円の恒久減税と、消費税率の引き上げ分に相当する四兆円を特別戻し金として
国民一人当たり三万円の期限つき商品券を支給する形で、合わせて十兆円の減税を提案いたしました。
この提案に対して、早速多数の方々から次のようなお手紙をいただきました。「虎の子十万円を一年定期にして受け取った利息は僅か二百円でした。これに比べ公明提案の「特別戻し金」は、一人当たり三万円、何と有り難いことでしょう。是非実現して欲しいと思います。併せて、私達善良な
国民をいじめて、
大蔵省と癒着している
金融機関の救済に使われている
預金利子を、従前に戻してほしいと思います」という
内容でありました。
後退局面にある現状の
景気対策として、このくらいの大胆な減税がぜひとも必要であると思います。あわせて、
預金利子の引き上げについても
総理の御所見を伺いまして、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣橋本龍太郎君
登壇、
拍手〕