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国務大臣(
町村信孝君)
昭和四十六年の
答申以来ということでございます。やっぱり一番当時の
議論で、今回もまたあるわけでございますが、要するに受験
年齢が低
年齢化するのではないかという懸念が非常に強くあったわけでございます。当時の提言の中では、今回のように入学者の決定に当たって学力
試験を課さないということを明言していないわけであります。今回は明言をいたしました。そこのところで
一つ多分ハードルが乗り越えられたのかなと、こう思っております。
それから、当時の
社会状況としてはまだまだ十八歳人口がふえている時期でありましたから、むしろそういう新しいものをつくるよりは既存の
中学校なり
高等学校なりを量、質ともにいかに拡大をするかということに
教育関係者の関心が集まっていたものですから、こういう新しい仕組みをつくるということはやっぱり二番目に置かれてきたんだろうなと、私はそう思っております。
ただ、
平成に入りましてから、
高校進学率も九五%を超えるとか、あるいは十五歳人口も
平成元年度以降は今度は減少に転じてきたといったようなこと、さらには、もとより児童
生徒の興味・関心が
多様化したのでありますが、より一層そうした傾向がはっきりしてきた。こうした状況を踏まえて、先ほど前の方の御質問にもございましたけれ
ども、
総合学科を入れたりとか
単位制高校を入れたりという、そういう
幾つかの
選択肢を
導入してきたわけでありますが、今回さらにもう少しはっきりとした
選択肢を提供してもいいのではないだろうか、こういうようなことで
中高一貫制度の
導入ということを
法律改正という形でお願いをしているわけでございます。
なお、今回のこの
導入で六三三制を見直すということを意図するのかどうかというお尋ねでございましたが、一応私
どもは今六三三制を前提にした上で三三を一緒にするということを
考えております。したがって、例えば
教育内容をとりましても、もちろんせっかく六年一貫して学べるんですからそれなりの
工夫は必要でしょうが、基本は
中学校段階の三年のカリキュラム、あるいは
高校三年間のカリキュラム、指導要領なり何なりを前提としながらそこに少し
工夫を加えていくということで、現行の
制度を一応前提として踏まえていくということだろうと思います。
ではそれから先はどうかというと、まだ
議論が行われておりませんから余り個人的なことを申し上げるのは何かもしれませんが、例えば小中一貫ということが検討されてもいい時代も来るかもしれませんし、六三三ではなくて、これは決め手がないので私
ども本当に何がいいのかよくわかりませんが、諸外国を見ると五四という
制度もありますし、いろんなことはあり得るんだろうと思いますが、
現状では一応六三三を前提にした形での今回の御提案だと、このように受けとめていただければと思っております。