○扇千景君 それは国内のことであって、ここにふろしきを広げております世界に通用するということでは、私は、
余りにも今のお答えはちまちましているな、情けないな、白書で言われていることとは違い過ぎるなという感がなきにしもあらずなんですね。
でもそれは、小さなことからでも積み上げていこうという姿勢であればそれなりに
評価できると思うんですけれ
ども、もう一つその白書の中で大事なことは、世界に通用する運営体制の見直しというのは別としても、白書の中で厳正な
研究評価ということが三つ目に挙げられております。まさに今厳正な
研究評価というものが今の
日本の
科学技術の中では大変大事なことであるという
意味で、今
局長が科技庁の中の
研究開発システムの報告書というのを例に挙げられました。
私は、同じ報告書でも今
局長がおっしゃったことではなくて、その
研究開発システムの報告書の中で「夢と戦略のある
研究開発システム」という題で、「夢と戦略のある」というとこれもまた大ぶろしきなので大変困るんですけれ
ども、そういう報告書が出されております。その中で私が一番重視したかったことは、今
局長が言ったことをもう少し膨らませて、国の
研究機関に対して競争原理の導入と今おっしゃいました。けれ
ども、
研究者が活躍の場を求めて
異動できる環境整備と
研究組織や
研究者の雇用のあり方の改革を訴えていますね。
私はその中で大変注目しましたのは、雇用
制度では全員終身雇用制は時代おくれ、そこまで言い切っているんです。
研究者の意欲をかき立てるために任期制の採用や、
実績が認められた
研究者にのみ終身雇用を保障するテニュア制を導入するように提言されているんです。私はこういうことこそ国際レベルに対応していく
制度の見直しであろう、こう思うんです。
もう一つ言わせていただければ、
研究所で指導的な役割を果たす
研究者の採用については、
組織活性化を図るために、内部からの昇格を禁止する。こんなことできるかなと思うんですけれ
ども、あえて提言ですから言わせていただきます。あるいは最低限にとどめる措置を講ずるべき、はっきりこういう提言が出ております。
なぜ私がこれを言いますかといいますと、今回の
研究交流促進法の一部を改正する
法律案もやっとここまで来てできた。これでやっと国際レベルにちょこっと近づいたかな、
研究開発の
促進のための一つの方法であると。
産学官とさんざんみんなはおっしゃっていますけれ
ども、そういうことが一歩前進、まあ一歩と言えない、まだ半歩かもしれません。であるならば、
局長がおっしゃったこの
研究開発システムの検討会の提案というものは私は大きな
意味があろうと思うんです。
ですから、私がさっき申しました、長官がお出しになった白書の厳正な
研究評価というもの、
研究評価というものがどうあるべきかというのは私もさんざん言ってまいりました。何十年ここで言ったことでしょう。
評価システムをつくるべきだと言いました。だけれ
ども、今
局長が例を挙げられた
研究開発システムの中でも、
研究組織そのものについては、縮小・廃止と新設を定期的に見直すシステムの必要性というものを完全に脱いでいらっしゃるんです。
それであれば、
評価制度というものの法案を一刻も早く出すべきではないか。スクラップ・アンド・ビルドでもいいです、何でもいい。要するに、一度決めた
政府の
研究というものが、国際レベルにいかに貢献し得る
研究であるか、あるいは
日本の
研究体制を世界に誇示しなくてもいいけれ
ども世界に先んじた
研究であるということを示すためには、私は
評価システムというものがなければならないと思います。
これはできなければ議員立法で出そうと思っておりますけれ
ども、用意もしておりますけれ
ども、今
局長がたまたま例を挙げられましたので、
研究開発システムで提言されているようなこと、それから長官がおっしゃったことしの白書の中に言われております厳正な
研究評価という言葉があるのであれば、私は
評価制度というものの法制化というものの方が、今回の法案がむだとは言いませんよ、今回の法案がちまちまとさっき長官がおっしゃいましたけれ
ども、半歩前進であれば、二歩も三歩も前進が
評価システムだと思うので、その辺を最後にお答えをいただいて、
質問を終わりたいと思います。