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長谷川道郎君 濃縮の問題は、今、局長からも御
説明がございましたように、今までは
動燃で高性能の試験
施設をつくって、そこで
開発研究をしておった。それが今回民間移転で、今お話がありましたように、メーカーが三社で云々というお話もございましたが、濃縮
技術というのは冒頭申し上げましたように
核燃料サイクルの一番上に乗っかる、今はどうかわかりませんが、かつては国家機密
技術だったわけです。その高度な
技術が民間だけで今後とも
開発、改良できるかということになりますと、私はいささか疑問ではないかと思います。
当然のことながら、まだまだ濃縮
技術というのは完成された
技術ではないわけであります。今後
開発するには当然のことながら膨大なリスクが伴う。この問題は、民間会社でひとつメーカーの皆さんよろしくお願いしますというようなことでは相済まない、やはり国家的なプロジェクトで推進をするということでなくてはいけないのではないかなというふうに私は考えるわけであります。きょうはこの問題についてはこれ以上触れませんが、また御
検討をいただきたいと存じます。
そこで、先ほど
核燃料の供給の問題でお伺いいたしたわけでありますが、
動燃は
海外に探鉱会社をカナダとオーストラリアに持っていらっしゃる。一九七〇年代には
日本でも
ウラン探鉱のブームがございました。民間で二十九社の
海外探鉱のプロジェクトが発足、スタートした。ところが、八〇年代になって、さっきもお話がありましたように、
ウラン供給が非常に緩やかになった関係もあって、民間のプロジェクトがすべて撤退をして、現在残っておりますのは
動燃のカナダとオーストラリアの探鉱会社であるわけであります。ちょっとこれは正確な
数字がどうかわかりませんが、カナダとオーストラリアの現地法人会社で
動燃は四万トンの埋蔵量確保の権利を持っていらっしゃるというお話であります。
今後、この現地法人会社をどういうふうに処分されるのか、それについてお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、
ウランの供給は極めて高い寡占状態にあるわけです。もしもこの
動燃の持つ探鉱会社、現地法人会社をさっき申し上げた
フランスのコジェマ社やカナダのカメコ社に買ってくださいよと言えば、恐らく二つ返事でありがとうございましたということになるんじゃないかと思うんです。もしもそうなった場合、結果的に
ウランの供給体制をさらに寡占化するということになる懸念があるわけです。そして、今
海外での採掘探鉱を放棄した場合、将来もう一遍できるかといいますと、これは非常に難しいと思うんです。多分、今
動燃が持っていらっしゃる鉱区を獲得されるのでも相当な御
努力があったと思うんです。したがって、近い将来
日本が放棄をした鉱区や採掘、探鉱の事業にもう一遍入り込めるかというと、恐らく大変絶望的だと思うんです。
もう一点は、
ウランの探鉱というのはほかの産業に比べてリードタイムの非常に長い産業であります。石油は恐らく埋蔵がわかっていれば二年か三年あれば直ちに採掘ができるわけでありますが、
ウランの場合は大変長いリードタイムが必要で、恐らく十年、十五年というリードタイムが必要だと思うんです。したがって、もしも西暦二〇〇五年、一〇年に
ウランの供給がタイトになって、さあそこで大変だ
日本でやりましょうといっても、恐らく間に合わない。したがって、今
動燃がお持ちの
海外の探鉱会社二社、これがもしも年間の維持費がさほどの金額でないものだったら、例えば金属鉱業事業団に移管するとかほかの政府機関に移管するとか、何とかこれはひとつ大事にしなければならないというふうに考えるわけでありますが、申し上げました
動燃のお持ちのカナダとオーストラリアの現地法人、これをどのように処分されるのか、お伺いいたします。